電子処方箋を導入することで、お薬手帳を廃止するといい。紙の情報記入は時代錯誤だ。
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前項では、次の話をした。
「院外処方は、処方箋代が高額で、コストが3倍になる。これでは高コストだから、院内処方に切り替えるべきだ」
「ただし、薬漬けの心配があるので、電子処方箋を導入して、処方について外部のチェックを受けるようにするといい」
ここでは「電子処方箋」という概念を用いている。
政府は「デジタル庁」の設置などで、公的業務の電子化を推進するようだから、そのついでに、「電子処方箋」も導入するべきだ。
それにともなって、お薬手帳も電子化することで、紙のお薬手帳を廃止するといい。
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ここでは、「業務の電子化」ということ以上に、次の効果がある。
「患者の使う薬剤を統一的に照合することで、薬剤師の業務が AI で代替される。つまり、薬剤師が不要になる」
たとえば、「アンサング・シンデレラ」というドラマでは、薬剤師の活躍する場面として、次の事例が話題となっていた。
・ 薬の飲み合わせ (薬の併用で薬害が生じる)
・ 薬の摂取過剰 (オーバードース)
これらの問題を解決するということで、薬剤師の活躍する場面があった。
しかし、このような問題は、電子処方箋を使えば、AI が仕事を代替できるのだ。
・ 薬剤Aと薬剤Bを併用すると、薬害が生じます。アラーム!
・ 大量の薬を過剰に摂取しています。アラーム!
こういうふうに、アラームを鳴らす(表示する)ことで、問題点を自動的に警告する。薬剤師の仕事が代替されるわけだ。
※ 薬剤師の代わりに医療事務員が作業するだけでも済む。
心配ならば、薬剤師や医師に引き継ぐのでもいい。
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ともあれ、紙に印刷した処方箋を使うのも、紙のお薬手帳に記入するのも、薬剤師が自分の知識で照合するのも、いずれも時代錯誤だ。これらはすべて電子的に処理するべきだ。それが、IT時代の医療のあり方だろう。そうすることで、正確性が高まると同時に、医療コストを引き下げることができる。
【 関連項目 】
電子処方箋で紙のお薬手帳を廃止する……という話は、前にも述べたことがある。
→ 医療の個人番号とお薬手帳の電子化: Open ブログ
本項ではさらに、「薬剤師の業務の代替」にまで踏み込んでいる。
【 関連サイト 】
薬の飲み合わせについては、下記ページで説明されている。
→ 気をつけたい「薬の飲み合わせ」 | オムロン ヘルスケア
[ 余談 ]
余談だが、次の話題もある。
→ 薬のネット販売: Open ブログ
薬のネット販売をすると、ネット上で薬剤師が応対できるはずだが、規制緩和をすると、悪徳企業が薬剤師なしで、無資格のバイトや派遣社員に薬剤師のかわりをやらせるかもしれない……という話。
楽天の社長がやたらと「薬剤のネット販売の規制緩和」を唱えるので、楽天のいうなりになるな、という話。
2020年09月30日
過去ログ
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7577eb795a7dffa446c71d6b0edd34a378cd041
本稿は、お薬手帳が紙とお金の無駄なので指摘したまでです。と言ったとて、実効性が不明確では絵空事になると考えます。
例えば現状お薬手帳を確認するのは、薬剤師以外にも医療介護従事者がいます。
高齢者本人がどんな薬を飲んで、どのように変わっているのか、ケアマネジャーや地域包括の職員が把握するのには、非常にわかりやすいツールです。
高齢者と離れて暮らす家族にとっても、本人の理解力や判断力が低下している場合には、重宝するでしょう。
それが電子化された場合、本人や家族、医療介従事者も含めて端末等で把握する。ということでしょうか?
医療従事者はマスターパスワード(管理者権限みたいなもの)で確認できる。正確には、医療従事者専用の個人 ID で接続することで確認できる。
そういう細かなことは、専門家に任せればいいのであって、政治家は基本方針だけを決めればいい。政治家が細かな実務内容まで知っておく必要はありません。国民が議論するときも同様。
押印も含めて、時代錯誤なことは多いですよね。