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別に都心でもない近郊の街中に、小さな町工場がある。ほんの小さな工場なのだが、超高額のスーパーカーが次々と集まってくる。普通のフェラーリやアストンマーチンやマセラティという 4000万円クラスだけでなく、ランボルギーニ・アヴェンタドールや、ロールスロイス・ファントムという超高額の車までやってくる。
こんな小さな工場に、超高級車が次々と集まってくるので、実に不思議だ……と思っていた。
「修理をしているのだろうか? しかし、小さな町工場に、多様なスーパーカーを高度に修理する技術力があるのだろうか?」
という疑問も生じていた。謎は解決しなかった。
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たまたま、次の記事を見かけた。
スーパーカーはすぐ壊れる。もう国産車じゃ考えられない所が考えられないような理由で壊れる。
(オーナーは)段差とかで擦ったりしたらハンドルを持ったまま小さく悲鳴をあげたりするし、高速道路の飛び石で傷がついたりしたら半べそかきながら我が子の髪を洗うかのように拭いたりしている。
( → 8月2日首都高湾岸線で起きたポルシェの事故の件で自分が思うこと )
これを読んで、先の疑問が氷解した。実は、こういうことだろう。
「スーパーカーは、ボディが壊れることが多い。特に、見た目は傷ついていなくても、ボディの底面が壊れることがある。そういうときには、板金の修理工場にもっていく」
板金の修理だから、あらゆる車種に対応ができる。
また、1台ずつハンドメークで修理するから、大手でなく小さな工場で足りる。
仕事の受注も、一般の自動車オーナーではなく、自動車オーナーから修理を委託された超高級車販売店である。
念のため、ネットで調べたら、この会社は「企業間取引」が専門であるそうだ。個人向けではないそうだ。もちろん、会社のサイトなんかはない。「謎の会社」となっているわけだ。
よく見かける会社に、謎があったのだが、わかってみれば、あっけない理由だった。手品と同じで、タネがわかれば、何ということもない。