──
朝日新聞に、村山斉が記している。
天の川銀河の中の星の分布を見ていくと、星が細長く連なったストリームという構造が何本も見つかる。これは近所の村である「矮小(わいしょう)銀河」が天の川銀河の重力で引きずり込まれ、手打ちそばのように形が延びたものだ。
矮小銀河は星が少なく、ダークマターが支配している。その中での星の運動をつぶさにしらべると、ダークマターの分布がわかる。コンピューターシミュレーションでは、ダークマターはお互いの重力で引き合ってどんどん集まり、銀河の中心では「密」になる。しかし多くの矮小銀河ではそれほど密になっていないようだ。
これを説明するには、実はダークマターは大きさを持ち、ぶつかり合って散らばり、中心に集まりきれないと考えればいい。正しければダークマターの正体が見えてくる。私の最近の理論はこうしたぶつかり合うダークマターを説明する。
( → (村山斉の時空自在)「地方都市」天の川の中にあるのは:朝日新聞 )
「ダークマターは大きさを持ち、ぶつかり合って散らばり」
というが、そのためには、ボルツマン方程式が成り立つような状態にあるわけだから、よほどの高密度になることになる。実際、それで計算することもあるようだ。
→ 天文学辞典 ≫ ボルツマン方程式
しかし、ダークマターがそれほどにも高密度に分布するというのは、ちょっと無理がある感じだ。現実には可能かもしれないが、筋が悪い。「強引に数式でねじ伏せる」という感じがするし、エレガントさがない。
──
一方、私は前に、ダークマターの理論として、別のアイデアを出した。こうだ。
「暗黒物質は瞬間的に消滅する」
つまり、発生しても、(ごく短い時間を経たあとで)瞬間的に消滅する。
「暗黒物質が発生したあと、重力に引かれるが、瞬間的に消滅するので、暗黒物質が移動する量はごくわずか(Δx)である。その後、消滅して、エネルギーに転じるが、エネルギーは真空中をほぼ自由に移動できるので、先に移動した量(Δx)を戻してしまう。戻してしまう理由は、エネルギー密度の勾配をなだらかにすることだ」
( → 暗黒物質と暗黒エネルギー: Open ブログ )
これは、村山斉の理論とは異なる。
彼の理論では、粒子がぶつかりあう。(気体分子のように。)そのことで、反発力が生じるので、1箇所に集まらない。(重力が働くにもかかわらず。)
私の理論では、(寿命が非常に短いので)粒子はすぐに消滅する。その後、エネルギーが周囲に拡散する。そのあと、真空中で、確率的に粒子が発生する。
後者では、粒子同士がぶつかるのではなく、エネルギーが真空中に拡散する。この「エネルギーの拡散」が、「1箇所に集まらない」ことの理由だ。
なお、重力は、粒子には強く作用するが、エネルギーにはほとんど作用しない。(光子は非常に軽い[重量はゼロである]からだ。光子に働く重力の効果は、一般相対論の効果[空間を歪める効果]ぐらいであって、非常に小さい。)
以上によって、すべては説明が付く。より詳しくは、前出項目を参照。
→ 暗黒物質と暗黒エネルギー: Open ブログ
ただし、上の説明は、「粒子と波の相互変換」という概念を前提とする。この件は、下記を参照。
→ 超球理論の基本原理: Open ブログ
【 関連項目 】
→ 光速度は不変?: Open ブログ
「光速度は不変だ」と素人は信じているが、厳密には、それが成立しない場合もある……という難しい話。一般相対論を適用するので、素人向けではないが。
【 関連サイト 】
周囲のマターに吸収されて増殖、
またエネルギーに変わってを繰返すなら、
そう簡単には拡散しないのではとも。
電場と磁場が交互に繰返しながら伝わって行くがごとく
エネルギーに変わって拡散して消えてしまう
というのが、
実はあまりにも不自然で寂しいと、
思ったことがあって、
実在しないとなったエーテルではないけど、
吸収物体が存在して世の中は
ある程度の領域で成立っているのではないかと。
元の話では、
> お互いの重力で引き合ってどんどん集まり、銀河の中心では「密」になる。しかし多くの矮小銀河ではそれほど密になっていないようだ。
ということなので、「(重力で)どんどん集まるはずなのに、そうなっていない」ということが説明できれば十分。
「重力のせいで集中する」というのを打ち消すだけの力があればいいのであって、どんどん広がっていく必要はありません。