2020年09月09日

◆ 洋上風力 v.s. 陸上風力

 風力発電をするとしたら、洋上風力と陸上風力のどちらがいいか?

 ──

 この問題には、一応、結論が出ている。
 「陸上風力をやってもいいが、そのための適地はごく限られている。だから、大量に設置するなら、洋上しかない」

 もう少し詳しく言うと……
 
 陸上風力には、いろいろと問題がある。
  ・ そばに人家があると、低周波公害が発生する。
  ・ 平地でなく山地だと、適地が少ない。
  ・ 山地の谷間は、「風の通り道」となって、発電には適するが、鳥がよく通るので、鳥の衝突事故が起こる。


 このうち、最後の件は、(風力発電の)「バードストライク」と言われる。これについては、前に対策を考えたこともある。
  → バードストライクの防止 1: Open ブログ
  → バードストライクの防止 2: Open ブログ

 とはいえ、いずれも決定的な方法ではない。やはり、「風の道」を、風力発電と鳥で共用するというのが、根本的に問題だろう。
 日本という国は、人口の割には、国土は狭い。しかもそのl8割が山岳地だ。山岳地のうちでいくらか使い道があるのは谷間だが、その谷間を、人間と鳥で分かちあっている。……こうなると、どうしても、競合が発生するので、衝突事故が起こるのも避けられない。

 となると、狭い日本で風力発電をするとしたら、基本的には、洋上発電をするしかないだろう。例外的に、ところどころで陸上発電をすることもできるが、そういうことのできる土地は少ない。

 また、風力発電というのは、かなり広い場所を占有する。風車1台だけならたいしたことはないと思えるが、風車と風車が接近しているとまずいので、かなり距離を置く必要がある。そうして距離をおいて、何台かの風車を設置すると、それだけで非常に大きな面積を占める。
 前項で示した、風車が壊れた場所である、南さつま市の例を見よう。





 この地図で、風車そのものは白い点なので見にくいが、風車の影が黒い線になって、長く伸びているのがわかる。
 この場所を、ズームのマイナス(−)で縮小するとわかるが、この場所がかなり広い面積を占めていることがわかる。
 このような場所を日本の各地で、好き勝手に取るわけには行かない。ものには限度があるからだ。
 日本の国土は、風力発電をあちこち勝手に設置できるほどには、広くはないのである。その点、国土のほとんどが平地である欧州とはまったく異なる。
 朝日新聞の社説のように、「欧州ではやっているから、日本でもやるべし」と思うのであれば、まずは、「日本の山地を全部削って平地にする」ということが必要となるだろう。しかしそんなことをしたら、最大規模の自然破壊となる。

 ──

 結論。

 日本では、陸上で風力発電のできる土地は限られている。
 風力発電を大量に導入するとしたら、洋上にするしかない。

  ※ 二者択一ならば洋上だ、ということ。「どちらかと言えば」という話で。
  ※ だからといって、「洋上風力を推進するべし」という結論にはならない。それはまた別の話だ。その件は、前項で述べたとおり。



 [ 付記1 ]
 ついでの話。
 上の航空写真では、風車のすぐそばに、大量の太陽光パネルがある。こんなに大量のパネルがあるのだから、自然破壊になっていそうだ。そう思って調べたところ、次のことが判明した。
 (1) Google Earth で調べると、2014年11月には緑地だが、2016年1月には太陽光パネルが敷き詰められている。
 (2) 現場は、東向きの斜面だが、傾斜は緩慢だ。太陽光パネルを設置するには差し支えない。一方、現場のすぐ西側は、稜線を経た先で、西向きの斜面がある。そこは傾斜が急峻だ。太陽光パネルを設置するには不向きだ。

 というわけで。
 ここは、もともと盆地や平地だったわけではなく、緩慢な斜面であって、森林帯となっていた。そこで樹木を伐採して、裸の更地にして、そこに太陽光パネルを敷き詰めたわけだ。一部は裸の更地のままとなっている。(雨が降ると土砂が流れるかも。)
 「自然を破壊して、太陽光発電でボロ儲け。そのために国民の金を強制的に徴収して、投入する」
 というシステムの見本だね。
 エコ(再生エネ)を推進すれば推進するほど、自然が破壊される、という見本だ。朝日新聞と民主党が強力に推進する政策。

 [ 付記2 ]
 FIT(固定価格買い取り制度)における価格はいくらかな? ……と思って調べたところ、とんでもないことがわかった。

  ・ 太陽光(大規模) ……  12〜14円/kWh
  ・ 太陽光(小規模) ……    26円/kWh
  ・ 風力 (陸上)  ……  16〜18円/kWh
  ・ 風力 (洋上)  ……    36円/kWh


   ※ 出典は → 買取価格・期間等|固定価格買取制度|資源エネルギー庁

 いくら何でも、洋上風力を優遇しすぎだ。馬鹿げている。コスト意識がない。
 ちなみに、FIT を始めた当初には、「風力を冷遇して、太陽光発電の価格の半額」というふうにしていた。今とは逆だ。
  → 風力発電を冷遇: Open ブログ

 政策に一貫性がない。まったく、何を考えていることやら。ただのウケ狙いだけかな? スタンドプレー? …… 吉本みたいなものかも。(維新がやるなら、まだわかるが。)
 
 で、そのツケ払いは、国民の財布へ。政府が浪費して、国民がツケ払いする。
 
posted by 管理人 at 21:00| Comment(4) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素人考えなんですけど、プロペラの無い扇風機があるのだから、プロペラの無い風力発電機は作れないもんですかね?
Posted by れじー at 2020年09月23日 18:15
上記の方のコメントでふと思い出したのですが、昔、ポートピア'81が開催されていた時、確か関西電力のパビリオンで、プロペラが箱型の、縦軸の風力発電機が屋外に展示してあった記憶があります。
小さな風力でも回転すると宣伝していました。

現在普及しているのとは全然違った形でした。
このタイプの風力発電は進歩しなかったのでしょうか。
Posted by 港北 at 2020年09月23日 19:34
 何種類かあります。
  
 (1) 縦型の柱が三つあって、メリーゴーラウンドのように回転するもの。マグナス力を使う。

 (2) 縦型の柱が上下に微動する力を利用するもの。

 (3) 大きな部屋に吹き込んだ風が、上方に抜けるようにして、上昇する風が水平タービンを回すもの。

 いろいろあるけど、いずれも、発電効率(エネルギー利用効率)の点で、プロペラ型には負けてしまうようです。

 情報は下記。
  → https://j.mp/3cozxXB
Posted by 管理人 at 2020年09月23日 20:14
管理人様、早速恐縮です。

実際にポートピアで展示されているのを見た時、ほとんど風が吹いてなかったけど、ゆっくり回っていました。また、縦型なら、バードストライクも少ないとのではないかと思ったのですが、現在プロペラ型が主力になっているのは、やはり発電効率のためですか。

ありがとうございました。
Posted by 港北 at 2020年09月23日 21:00
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