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詐欺師の嘘を摘発するのが、本サイトのポリシーの一つだ。そこで新たに大型の詐欺師を発見した。静岡県(特に知事)だ。
静岡県がリニア新幹線に反対するのは、大井川の水量を守るためだとされる。だが、これがまったくの嘘だと判明した。
話の発端は、これだ。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」
これは有名な小唄なので、知っている人も多いだろう。理由はこうだ。
(大井川は) 江戸時代には、江戸の防衛と、徳川家康の隠居城であった駿府城(すんぷじょう)の外堀の意味もあったことから、橋は掛けられず、渡し舟も禁止されていた。このため、大井川を渡るときは、川越人足を雇った。
( → 大井川の川越人足(おおいがわのかわごしにんそく) | 時代劇用語指南 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス )
大井川は非常に水量が豊かで、簡単には渡れないので、天然の防壁としての役割があった。敵が西から関東を攻めようとしても、大井川が城を守ってくれるのである。
ところが、今の現実の大井川は、きわめて水量が少ない。ところどころで川床が見えている。何と、往時の 10分の1の水量しかないという。
……以上の情報は、下記のドラマを見ているときに知った。
→ 旅行作家・茶屋次郎12 大井川殺人事件 || ファミリー劇場
これを見たとき、画面に出た大井川の水量の少なさと、「箱根の山は〜」の小唄との、あまりにもの大きな食い違いに、愕然とした。
そして、その水量の少なさを説明する言葉を聞いて、不審に思った。
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大井川の水量は、なぜ激減したか? リニア新幹線の工事のせいか? 違う。ダムのせいだ。
では、ダムがあると、どうして水量が激減するのか? ダムは単に水量の季節変動を緩和するだけであって、水量の全体を減らすことはないのでは? ……そう思ったので、調べてみた。すると、意外なことがわかった。
大井川の上流には、多くのダムがある。田代ダムなどだ。そこで大井川の水量を大量に取水する。その水で発電をするのだが、発電をしたあとで、その水をどうするか?
大井川に戻すのならば、何も問題ない。ところが実際には、大井川に戻すかわりに、山を越えた向こう側にある富士川に流してしまう。
大井川 → 導水トンネル(発電)→ 富士川
というふうに水は流れる。
かくて、大井川の水量は激減して、かわりに、富士川の水量が豊かになる。
これが真相だったのだ。
→ 大井川 - Wikipedia
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大井川の水の大半が奪われて、富士川に流れてしまうのだ。だから、大井川の水量不足が問題であるのなら、ダムの取水量を少し減らすだけで済む。水量不足が問題であるのなら、そこを問題視すればいいのだ。
一方、JR のトンネル工事は、問題があるどころか、問題を減らす効果があるようだ。というのは、JR のトンネル工事では、そこで奪われる水量よりも、トンネルから湧き出す水量の方が多いので、大井川の水量は減るどころか増えてしまうらしいからだ。
そもそも、トンネル工事で発生する湧水は、その工事による河川の減水分より多い。そのまま地中にとどまる水もあれば、水脈をたどって山梨県や長野県に流れている水もあるからだ。
( → リニアを阻む静岡県が知られたくない「田代ダム」の不都合な真実 )
この記事には、こうある。
「知事は、JR東海には命の水と言われている大井川の水を一滴たりとも渡さないと言いながら、あの田代ダムから毎秒4.99t(が)東京電力の発電用として山梨県側に流れている。あの水はわれわれの命の水──大井川の水ではないのでしょうか」
「その(田代ダムの)水には一切触れようとしない。同じ命の水なんです。JR東海には敵対心丸出し、東京電力には沈黙。これはどういうことでしょうか」
「トンネル工事で最大で毎秒2tの水が県民の命にかかわるというのなら、なぜ、(大井川上流にある)東京電力の田代ダムで毎秒4.99tの水を、導水路トンネルで(大井川流域ではない)山梨県側の発電所に送り、富士川に放流させるのでしょうか。今では山梨県側に放流する水量は、交渉によって5月から8月の間だけは毎秒3.5tに減らすことになりましたが、それにしても、田代ダムから県外に放出してきた水の量は毎秒4.99tで、JR東海で問題にしている毎秒2tの2.5倍です。地元マスコミも、田代ダムの水については、知っているのに報じないのはおかしい」
( → リニアを阻む静岡県が知られたくない「田代ダム」の不都合な真実 )
こうして詐欺師の嘘が判明した。
静岡県がリニア新幹線に反対するのは、大井川の水量を守るためだとされる。だが、これがまったくの嘘なのだ。
[ 付記 ]
では、真相は? リニアに反対する真の理由は? それは、前に書いたとおり。
→ リニア新幹線と静岡の水利権: Open ブログ
つまり、静岡県が本当に狙っているのは、大井川の水量ではなくて、経済的な利権だ。「リニアを静岡県内に通すくせに、駅を作らないのはけしからん。何か金になる利権を寄越せ」と言っているわけだ。
( ※ ヤクザが難癖を付けるようなものだ。)
で、具体的には、「東海道新幹線に静岡空港駅を作れ」というのが、静岡県の目論見だ。ただし、これを静岡県の方から要求するわけには行かないので、腹の探り合いの形で、JR東海が申し出るのを待っている。
だが、なかなか申し出ないので、腹立ちまぎれに、「トンネル工事を認めない」と妨害しているわけだ。
【 関連項目 】
では、どうすればいいか? そこは、困ったときの Openブログ。うまい案がある。次項だ。
→ 静岡空港駅を作るには?
結末が楽しみです。
けれどももっと大きな意味で、リニア新幹線がこれからの日本に必要なのでしょうか。
人口は減る。社会の活力は落ちる。GDPは今後も継続して落ちていくでしょう。今回はコロナで例外かも知れないけれど27%、戦後最大の減少とか。新卒採用はその多くが取り消され、第二のロスジェネと言われます。こんな中で、東京ー大阪をそんなの急いで行く意味があるのでしょうか。
今IRで毎日のように新聞に出ますが、特定の個人の私的利権のためにリニアの建設が進められているのではないでしょうか。
自動車や飛行機がライバルなんだから、それよりマシであればOK。
発電設備は、JRの自前だから、天然ガスと太陽光でしょう。JRが原発の電気を使うはずもないし。
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-880.html
それがリニアとの関係か電力会社との関係か、以前国営だった事による影響かは不明ですが
ヘリウムはどうするつもりでしょうね?
最近はヘリウムが入手困難で医療機関でも困ってるみたいですが
> 液体ヘリウムを不要とし、構造が簡素で省メンテナンスな「高温超電導磁石」を開発し、山梨リニア実験線の車両に搭載し、走行試験を通じて長期耐久性の検証など、営業線に向けて様々な試験を行っています。
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20190928/index.html
> 2種類の高温超電導を用いて30テスラ超の高磁場発生