2020年08月20日

◆ 忽那賢志の誤報(アビガン)

 忽那賢志がアビガン関連で、またも誤報を出した。朝日の記事で。

 ──

 忽那賢志がコロナの治療薬について言及したが、根っこでは「アビガン嫌い」という思いがあるせいか、間違ったことを言っている。朝日の記事でわかる。
 国立国際医療研究センターの忽那(くつな)賢志・国際感染症対策室医長が現在の治療法を解説。国が2種類を新型コロナの治療薬として診療の手引に掲載、データが蓄積されつつあることから、「有効性がある薬がまったく使えなかった第1波よりいまの方が、重症化を防げている症例が多い印象がある」と話した。
( → 「第2波まっただ中」感染症学会理事長 政府は明言せず [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 記事で報じられているように、「国が2種類を新型コロナの治療薬として診療の手引に掲載」と述べ、この薬の効果で「重症化を防げている」というふうに述べている。
 しかし、これはまったくの間違いだ。部分的に不正確ということではなく、完全に間違っている。100%の間違いだ。

 (1) 2薬

 「国が2種類を新型コロナの治療薬として診療の手引に掲載」と述べているが、これは間違いだ。(この件は、「完全な間違い」というよりは、「不正確である」と言える。)
  → 厚労省の「診療の手引」
 これを見ると、たしかに2種類の薬が掲載されている。レムデシビルとデキサメタゾンだ。これらの薬はいずれも国から「承認」されて承認薬だ。
 一方、「適応外使用」という形で、他にもいくつかの薬が掲載されている。アビガンやフサンなどだ。これらも掲載されているのだ。だから、掲載されているのは「2種類」ということはない。
 すると反論も出そうだ。「承認されているのが2種類という意味だよ」と。しかし、それは成立しない。なぜなら、レムデシビルとデキサメタゾンは、「重症者向け」に限定された承認だからだ。(読めばわかるとおり。)
 つまり、一般向け(軽症者向け)に承認されている薬は、一つもない。
  ・ 重症者向けに承認された2種類。
  ・ 軽症者にも適応外使用が認められた他の薬。

 この二通りがある。これらをきちんと区別する必要がある。それができていないという点で、忽那賢志の記述は不正確である。

 (2) 軽症者への効果

 「記述が不正確なら、記述を直せばいいだけだろ。たかが言葉の問題にすぎない」
 と思う人もいそうだが、そうではない。言葉を間違えているということは、認識そのものを間違えているということだ。そのせいで、結論が正反対となる。
 すでに述べたように、レムデシビルとデキサメタゾンは、「重症者向け」に限定されている。つまり、軽症者には使えない。(使用禁止である。) したがって、それらの薬が軽症者に使われることはない。ゆえに、それらの薬が「軽症者の重症化を防ぐ」という効果もない。(使えないのだから、効果が出るはずもない。)
 ところが忽那賢志は、そこを勘違いしている。レムデシビルとデキサメタゾンは、「重症者向け」だということを理解できないから、レムデシビルとデキサメタゾンは、軽症者にも使えると思い込んでいる。その上で、「レムデシビルとデキサメタゾンの効果で、軽症者の重症化を防いでいる」と思い込んでいる。
 かくて、「国が2種類を新型コロナの治療薬として診療の手引に掲載」と述べて、この薬の効果で「重症化を防げている」というふうに述べているわけだ。そんなことはあるはずもないのに。(その2種類は軽症者向けには使われない。重症者に使われるだけだ。だから、重症化を防ぐ効果などはない。皆無である。ゼロだ。)

 ──

 では、事実は? こうだ。
  ・ 軽症者向けに使われるのは、その2種類以外の薬である。(上記)
  ・ 「有効性がある薬がまったく使えなかった第1波よりいまの方が、重症化を防げている症例が多い印象がある」(忽那賢志)


 この二点から、三段論法で、こう結論できる。
 「第1波よりいまの方が、重症化を防げている症例が多いのは、有効性がある薬が使えているからである。そして、その薬は、(重症者以外にも使われる薬であるから)レムデシビルとデキサメタゾンではない薬である」


 ここまで来れば、あとは、次のように結論するしかない。
「第2波で重症者が減っているのは、(2薬でなく)アビガンなどの効果である」


  ※ アビガンなどというが、実質的には、アビガンだけだ。
    強いて言えば、フサンが付随するぐらいだ。

 これが当然の結論だ。頭に論理力があるならば、誰でもこういう結論が出る。大学生レベルの知力も必要ない。高校生や中学生でも、このくらいの結論は出せる。(まともな論理力さえあればいい。)
 ところが、忽那賢志は、この簡単な論理的結論を出せない。なぜか? 「アビガンは有効だ」ということを、死んでも認めたくないからである。彼は徹頭徹尾、アビガン否定論者だ。
  → 忽那賢志 アビガン サイト内検索

 その自己の信念に従うために、事実をねじ曲げ、論理を歪めているのである。だからこそ、中学生レベルの論理的結論が出せないのだ。
 かくて、忽那賢志のトンデモ見解を、天下の朝日が「専門家の見解」として、堂々と記事にしてしまうわけだ。嘘が真実としてまかり通る。



 [ 付記1 ]
 重症者数でなく死者数についてならば、同様のことを言えたかもしれない。
 「第2波では死者数が少ないのは、2薬のおかげである」
 これは、論理的には成立する。だから、こう言えば、まだマシだった。( ※ ただしこれも、事実としては成立しない。症例があまりにも少ないからだ。大量の症例があるアビガンとはあまりにも異なる。)

 現実には、死者数でなく重症者数で語った。それゆえ、忽那賢志の言葉は、論理的に矛盾する形で、まったく不成立となった。
( ※ 軽症者には使えない薬を、軽症者に使った、というふうに述べているから。)

 [ 付記2 ]
 「使用が重症者に限られる」と明示されているのは、レムデシビル。副作用が強いので、「放置すれば死ぬ」という可能性が高い重症患者にのみ、使用が認められている。「副作用があっても死ぬよりはマシ」というわけだ。
 一方、軽症の患者については、副作用の高さをかんがみて、使用が承認されていない。

 デキサメタゾンは、「使用が重症者に限られる」と明示されていない。ただし、軽症者への使用が許容されているわけではない。デキサメタゾンは、もともと免疫抑制作用があるので、軽症者に投与すると、症状がいっそう悪化する危険がある。重症者ならば、「肺炎で死にそうなので、死ぬよりはマシ」という形で、切羽詰まった形で使われることがある。しかし、軽症者に使うと、「何もしなければ自然治癒したのに、薬を投与したせいで重症化して死んでしまった」という結果になりかねない。副作用のひどさでは、最悪レベルだと言える。(命に関わる。)
 この薬を軽症者に使うとしたら、最悪レベルのヤブ医者だと言える。(こんなヤブな使い方をするのは、例の人ぐらいしかいないだろう。)

 ひるがえって、アビガンの方は、すでに副作用がほとんどないと知られている。重大な副作用は、妊娠における奇形だけだから、妊娠可能年齢以上の老年患者については、特に問題はないわけだ。

 ※ アビガンの副作用は、インフルエンザ薬としての治験のときでも、今回の藤田医大の治験のときでも、ごく軽いもの以外は、報告されていない。海外の治験でも同様である。多数の治験で「大丈夫」と確認されていることになる。その点では、レムデシビルやデキサメタゾンよりも、圧倒的に副作用は少ない。
 ※ なのに、「アビガンは副作用があるかもしれない」とおびえてアビガンを否定するのが、忽那賢志・医師だ。彼はそのくせ、レムデシビルやデキサメタゾンを歓迎する。副作用についての知識が、ろくにないらしい。
 


 【 関連サイト 】
 厚労省の「診療の手引き」から。一部抜粋。
・レムデシビル (RNA 合成酵素阻害薬):2020 年 5 月 7 日に特例承認 .

1.現時点では原則として,酸素飽和度94%(室内気)以下,または酸素吸入を要する.またはECMO導入,または人工呼吸器管理を要する重症患者を対象に投与を行うこと.
 なお,2020年7月9日から,ECMO管理中,人工呼吸器管理中,ICU入室中以外の酸素飽和度94%(室内気)以下,または酸素吸入が必要な患者についても配分対象となった.

posted by 管理人 at 23:00| Comment(5) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
現在、臨床現場で実際にどのような治療が行われているのかが、報道されません。
ネット上で、医師との対談では、治療内容についての質問もありません。

アビガンのネガキャンで、効果ないと思っている人が非常に多くなっています。
藤田医大の「効果確認できなかった」報道での悪影響が出ていて、
患者からのアビガン希望が減っていると思われる。

■感染症学会の専門サイトでも、

▼COVID-19に対する薬物治療の考え方 第6版(2020年8月17日)NEW

『3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング
治験や臨床研究の枠組みの中での使用となる場合、そのプロトコールに従う必要がある。
対象・使用開始のタイミングに関して現在臨床試験にて評価が行われているが、現時点で
は、以下を参考基準として提示する1-4)。

1. 酸素吸入・侵襲的人工呼吸器管理・体外式膜型人工肺(ECMO)を要する低酸素血症、
酸素飽和度94%(室内気)以下、等の症例では薬物治療の開始を検討する。
2. 高齢(およそ60歳以上)・糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、
免疫抑制状態等のある患者においては、特に重症化や死亡のリスクが高いため慎重な経過観察を行いながら開始時期につき検討する。
3. 無症状者や低酸素血症を伴わない軽症者では薬物治療は推奨しない。
4. PCRなどによりCOVID-19 の確定診断がついていない患者は薬物治療の適応とはならない。』

となっていて、アビガンの早期投与に否定的。

このガイドラインに従う医師と、アビガン効かないと思う患者の組合せなら、ヤバイ。
Posted by 塚本水樹 at 2020年08月23日 06:21
アビガンを村八分にする仕組みは、太平洋戦争時の陸海及び省益のみを、省令により組み立てていた連中,軽症者への対応=兵站の重要性とよく似ています。みんなが飛びつくとこのみで考えるマスコミの視聴率=短期の広告収入=短期利益⇒長期の視点が皆無⇒結果を評価することができないでしょう。
Posted by 32年前は現役 at 2020年08月24日 01:11
Dexとレムデシビルは少なくとも中等症の患者でも使われています。
アビガンだけではない。
Posted by ACE at 2020年08月24日 12:16
> 中等症の患者でも使われています

 厚労省の「診療の手引き」では「重症患者」と指定されているので、それは指針に反する「規約違反」みたいなものでしょう。本来ならば無料負担の対象にならないはずなので、違法に近い状態かも。バレたら、病院側が返金を求められるかも。

 サイトカインストームになっていない中等症で Dex を使うのは、症状を改善させるどころか悪化させるので、医療過誤として訴訟の対象になる。バレたら、大変ですよ。ヤブ医者扱いされるし。
 非常に危険なことなので、ご存じなら、その医者や病院名を公表してください。患者の命を守るために。(さもないと、患者が死ぬかも。)
 
Posted by 管理人 at 2020年08月24日 12:33
 厚労省の「診療の手引き」を読み直したら、7月9日からは、レムデシビルが中等症にも使えるようになっているようですね。
 ただし、レムデシビルは副作用が大きいので、アビガンに替えて使うには危険度が高い。

 また、レムデシビルが中等症にも有効だと判明したのは、8月22日(日本時間)になってから。
  → https://news.yahoo.co.jp/articles/e490a47487e925f89c56c18b22edd92003c9f8a7

 それを待たずに、中等症に投与するのは、明らかにフライングだ。患者をモルモットにしているのも同然だ。(正式な治験でもないくせに。)
 ほとんど違法に近い。
 
Posted by 管理人 at 2020年08月24日 20:52
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