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大阪でコロナの重症者が増加している。東京都の重症者数(31人)を大幅に上回る。
→ 大阪の重症者数は70人で依然全国最多 新たに5人の死亡も確認される
なお、東京都の重症者数はこうだ。

大阪ばかりが特別に重症者数が多いことについては、次の記事がある。
→ コロナ重症者数が増加傾向 大阪は東京の2倍以上 その理由とは| NHKニュース
タイトルでは「その理由とは」と記しているが、記事では特に理由らしい理由は記してない。
ただ、次の話はある。
「東京では、集中治療室利用の分は、カウントされていない」
なるほど。それは理由になるかもしれないが、規模は小さいだろう。せいぜい1割ぐらいだろう。主因とはならない。
一方、次の話もある。
都は、4月や5月のときと比べて、最近は1日の検査件数が増えていて、症状がない高齢者の感染を早期に見つけて症状が悪化する前に対応できているとしています。
これは重要だ。検査で早期発見すれば、濃厚接触者を(発症の前に)早めに隔離できるから、感染の急激な拡大を防げることになる。
実際、東京と大阪のグラフを比べると、次のようになる。
・ 東京 …… 6月半ばから緩慢に上昇
・ 大阪 …… 7月初めから急激に上昇


出典:NHK
大阪の方が感染増加が急激である。これは、大阪の方が対策ができていないことを意味する。
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結論。
大阪では重症者が多いのは、PCR 検査を大量実施していないからだ。東京都は濃厚接触者への PCR 検査で、感染の芽をうまく摘んでいるが、大阪は違う。そのせいで、濃厚接触者が隔離されないままでいるので、市中での感染が急激となる。そのせいで、高齢の感染者も多くなる。かくて、大阪では重症者が増える。
そして、こうなった根源は、大阪では維新の「予算削減」という効果が出ているからだ。保健所などの予算が徹底的に削られた。そのせいで、PCR 検査機も足りないし、保健所員の数も足りない。
医療というものは、もともとある程度の余裕が必要なのだが、それを必要最小限の数にまで減らすと、いざというときに医療の能力が大幅に減ってしまって、多大な死者を出す。……それは、イタリアで実際に起こったことだが、日本では大阪で起こっているのだ。
[ 付記1 ]
「感染の拡大を防ぐには、大量の PCR 検査によって、早期発見と隔離をすることが大切だ」
という趣旨の話は、前に述べた。
→ 大量の検査で感染抑止: Open ブログ
→ コロナとの戦争: Open ブログ
この方針とまさしく正反対の方針を取っているのが、大阪府だ。だから、重症者が急増する。
[ 付記2 ]
大阪府が「 PCR 検査の拡充」という王道の道を取っていないことは、次の記事からわかる。
→ 「どんだけ放置すんねん」保健所、クラスター対策に専念:朝日新聞
→ コロナ相談の多い妊婦に大阪府が助成、無症状でも PCR検査
※ 無症状でも PCR検査なのは、妊婦だけ、という悲しさ。東京都ならば、全員なのに。
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実際のデータを見てもわかる。
(1) 東京都の PCR検査数は、最新では 4,066件。
→ 都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
(2) 大阪府の PCR検査数は、最新では 1,747件。
→ 大阪府の最新感染動向 | 大阪府 新型コロナウイルス感染症対策サイト
[ 付記3 ]
大阪府が維新の方針で医療・保険の予算を削減してきた(そのせいで今はひどい状況になっている)……ということは、維新の橋下徹(前維新代表)自身が認めている。
橋下氏は「僕が今更言うのもおかしいところですが、大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など。そこは、お手数をおかけしますが見直しをよろしくお願いします」とツイート。さらに「平時のときの改革の方向性は間違っていたとは思っていません。ただし、有事の際の切り替えプランを用意していなかったことは考えが足りませんでした」とつぶやきました。
これに「今更何言うてるんやろ。こんな状態になって見直しをとか言う前に要らん改悪しなければよかったやん。やっぱり維新の改革は害悪でしかなかったって事がよくわかる」などのコメントが相次ぎました。「『謝って済む問題じゃない』とよく言うが、まさか謝りもしないとは」
( → 大阪の公立病院・保健所/橋下氏“僕の改革で今、現場が疲弊”/元首長のSNS投稿に批判の嵐 )
「有事の際の切り替えプラン」だってさ。彼によると、そのプランに切り替えると、たちまち PCR 検査機が大量に配備されて、保健所員が大量に湧いて出るらしい。……それはたぶん、「打ち出の小槌」だな。「打ち出の小槌を用意しなかったの私の失敗だった」と言っているに等しい。頭がボケてきたのか、大阪流のボケを言っているのか。
なお、次の検証記事もある。
→ 「維新府政が保健所リストラ」はデマかどうか検証しました。 - 大石あきこ
【 関連サイト 】
イタリアの状況については、下記記事がある。
→ <新型コロナ>イタリア死者 世界最多の7500人超 医療費削減の末路、警鐘:東京新聞
似た話は、他にもいろいろとある。
→ Google 検索 一覧
今日あたりから、各社報道している内容です。東京都の重症者カウント基準は、厚労省(国)が4月末に通達したものと違っていて厳しい(少なくカウント)という話。さらに大阪府のカウント基準は全国よりも緩い(多くカウント)という話です。(下のリンクの最初の画像などを参照)。
といっても、それによって、大阪府が東京都に比べてどれだけ多くカウントされてしまうのかはわかりません。主因は、筆者指摘のとおり、大阪府の検査数が少なく取りこぼし(無症状者など)が多い。かくして市中感染が広がり高齢者の感染者が多くなる、ということかもしれません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200818/k10012572621000.html
@ 検査数が絞られているので、中等症以降で病院にかつぎこまれる人が多い(治療開始が遅くなるので重症化しやすい)。
A 大阪府は東京都に比べて、標準治療というか、最適治療をしている(できる)医療機関が少ない(筆者の主張するア〇ガンの投与や、ア〇ガンとフサンの併用など)。
もあると推測しています。
※ ア〇ガンと書いたのは、私がわざと伏字にしているのではなく、どうも元のワードが禁止ワードになっているようですね。
⇒ これは大変失礼しました。大阪府では、厚労省(国)の基準とも異なり、気管挿管した患者も重症者としてカウントしているという点は、本文で言及されていないようでしたので、その点だけあわせてご留意ください。
ヨーロッパの何か国では、感染者数では第二波に襲われていることが見て取れますが、死者数からは第二波が来ているかは明確には読み取れません。
これは第一波の時、高齢者が大量に死亡したことを反省して対策をとったからです。
日本では第一波の時はそれほど犠牲者を出さなかったので、第二波のときも従来の方法に固執したからです
5人の死亡は、4人に基礎疾患があり、
70代 2人
80代 1人
90代 2人
と言っていた。
おおよそ、平均寿命ではないか。
マスゴミはひどいものだ。
日本では圧倒的に死者数(高齢死者数)が少ないので、そのことは、誇ってもよさそうだ。
( ただし、大阪を除く。)
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8月に発表された死者は44人に達し、これまでで最も多かった5月の42人を上回り、月ごとでは最も多くなった。府内の死者は計134人になった。
https://www.asahi.com/articles/ASN8T7T1ZN8TPTIL02C.html
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※ まだ8月は終わっていないのに、すでに新記録。
全国の死者数はそんなに急増していないのに、大阪は特別にひどいようだ。維新の効果?