──
これは前項で示した NY Times の記事による。該当部分を再掲しよう。
Nationwide, 200,000 more people have died than usual since March. This number is about 60,000 higher than the number of deaths that have been directly linked to the coronavirus.
全国では3月以降、例年よりも20万人も多くの人が亡くなっています。この数は、コロナウイルスと直接関係のある死亡者数よりも約6万人多い。
( → The True Coronavirus Toll in the U.S. Has Already Surpassed 200,000 - The New York Times )
コロナウイルスと直接関係のある死亡者数は約 14万人なのに、超過死者数は 20万人。(5割増となる。)
この増えた分は、「直接関係のある死亡者」ではなく、「間接的に関係のある死亡者」だ。直接の死因は別の名前が付けられているが、その死因を引き起こしたのはコロナなので、根源的にはコロナのせいで死んだと言えるわけだ。(ただし、死因はコロナとしてカウントされていない。)
この件は、詳しくは下記に解説されている。グラフもある。
→ There Has Been an Increase in Other Causes of Deaths, Not Just Coronavirus - The New York Times

出典:(上記ページの)Google 翻訳
──
なお、この超過死者数がまさしくコロナの関連死であること(他の原因によるのではないこと)は、次のことからわかる。
・ 他の死因の増減が、時間的にコロナ死因の増減とピッタリ一致していること。
・ そういう増減の現象が、すべての地域で成立すること。
前者については、上のグラフからわかる。68%はコロナが死因となる変動だが、それと一致させる形で、他の死因となる変動も増減が起こっている。(仮にコロナと無関係ならば、時間的に増減が一致するはずがない。)
後者についても、前項で示したページにグラフがたくさんある。
→ The True Coronavirus Toll in the U.S. Has Already Surpassed 200,000 - The New York Times
ここでは、コロナが直接の死因となる死者数でなく、超過死者数が計上されている。その超過死者数のグラフが、地域別に表示されているが、その増減が、コロナ死者の増減と一致しているようだ。(ちょっとはっきりしないが。)
──
ともあれ、以上のことから、冒頭に述べたことが結論される。再掲しよう。
コロナが直接原因となって死んだ人のほかに、コロナが間接原因となって死んだ人がいる。後者を含めると、死者は5割増となる。
( ※ 日本で言うと、死者は 1,063人だが、コロナ関連死の分も含めると、死者は約 1600人になると言える。)
たしかに、あまり増えていなかったようですが、そもそも、日本のコロナ死者は、もともと数が圧倒的に少ない。元の数が圧倒的に少ないので、それが5割増になったとしても、統計にはなかなか出てこないでしょう。
──
報道では下記。
> 1ー3月の累計死亡者数は36万8793人
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-28/QB0MVSDWX2QB01
死者数 1000人に対する5割増があって、合計 1500人の超過死亡者があっても、36万のなかでは見えにくい。
なお、上記記事は5月28日で、1〜3月の超過死亡者数を調べている。(増加なし、という結論。)
4〜6月の超過死亡者数が判明するのは、8月28日だろうから、現在は不明。