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私が前から提唱してきた事前放流が、とうとう政府の肝いりで大々的に実現することになった。本日の TBS ニュースで報道していたが、ネットの記事にもある。(★)
政府は各地のダム管理者らと協定を結び、梅雨などの出水期には発電用や農業用のダムでも事前放流できるようにしたのです。これにより、一級河川全体で事前放流に使える容量が2倍となりました。これは八ッ場ダム50個分に相当します。
すでに効果も確認されています。木曽川では先月の大雨の際、事前放流を実施。水量を毎秒およそ400トン、2割程度減らすことで氾濫を回避できたとしています。
( → ダム 大雨被害防ぐ切り札に?、「縦割り」廃し「事前放流」可能に|TBS NEWS )
金をかけずに大きな成果が出る名案なので、菅官房長官がしきりに PR している。「だったら、もっと何年も前からやれよ」と言いたくなる。
実際、私は 2013年から何度も提唱してきた。
→ サイト内検索
それがなかなか進まなかったのは、縦割り行政のせいだ。(これも私が前から指摘しておいたとおり。)
「霞が関の縦割り行政」でそれができなかったのです。
ダムは用途に応じて所管する省庁が異なります。治水用のダムは国土交通省が管理しますが、発電用や農業用水用といった利水ダムはそれぞれ別の省庁が所管します。問題は、大雨が予想されても事前放流ができるのは、国交省が管理するダムしか活用できないルールとなっていたことでした。
こうした事態を解消しようと、政府は 〜
〜 の続きは、先の引用部(★)となる。
ともあれ、私の提唱していたことが、ようやく実現する運びとなった。悪いニュースが続いている日々だが、干天の慈雨みたいな良いニュースだと言えよう。
( ※ 私の提案から7年かかったわけだが、この7年というのは、まあ、標準的な感じだ。私の提案は5〜 10年間、社会に先行していることが多いからだ。)
( ※ ただし、その間、理解できない人も多い。本サイトの事前放流という案にも、反対する人がいくらか出ていた。)
【 関連サイト 】
冒頭の引用記事(TBS)には、動画もあるので、見るといいだろう。
→ ダム 大雨被害防ぐ切り札に?、「縦割り」廃し「事前放流」可能に|TBS NEWS
水害対策だけでなく、水力増強にもつながるといいですね。
https://toyokeizai.net/articles/-/234809?page=2
同じく、大雨洪水対策として筆者が提唱されていた、「遊水池(地)の設置」、「越水させるも決壊させない堤防」、「越水・氾濫させる場所のくふう」なども注目されると良いのですが、これらは、今回のように官房長官あたりの掛け声だけで動き始めることは期待できませんね。
以下、引用。
 ̄ ̄
官邸の敷いたレールの上を進む限りは、驚くべきスピードでことが進む。
たとえば大雨の前にダムの水を流す事前放流。国交省は2004年にとりまとめた豪雨災害対策で、ダムの有効な活用方法の一つとした。しかし農林水産省や経済産業省などダムごとの管理者の「壁」もあり、「どれだけお願いしても、聞く耳を持ってくれなかった」。菅義偉官房長官が先頭に立つと、あっさり変わった。
https://www.asahi.com/articles/ASN9D5WFNN9BUTIL05H.html