2020年08月06日

◆ 東京の検査能力の限界

 東京都の感染者数の拡大が、頭打ち状態になっているのは、検査能力が限界に達したからだろう。

 ──

 東京都の感染者数の拡大が、頭打ち状態になっているように見える。(本日は 360人)


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出典:朝日新聞 2020-08-06


 これを見て、「感染拡大も、ようやく上限に達したのか。このあとはもう、あまり増加しないだろう」と楽観する人も多いようだ。
 しかし、それは妥当ではあるまい。むしろ、こう考えるべきだ。
 「これまでは検査能力に余裕があったから、次々と押し寄せる患者の検査できた。しかしそろそろ検査能力の上限に達しつつある。(最近では1日 6000件に達している。)……そこで、今後はあまり検査数を増やせないので、新規感染者も増加しない。かわりに、検査されないまま隠れている感染者が増える」
 つまり、発表された感染者数と真の感染者数とが乖離する、というわけだ。

 これに対して、次の疑いが生じるかもしれない。
 「検査体制が不十分になれば、陽性率が上昇するはずだ。陽性率が上昇しない限りは、あまり心配しなくていい」

 しかし、これは成立しない。これが成立するのは、春のような場合だ。つまり、次の場合だ。
 「すでに発症して高熱を出している人を優先的に検査する」

 これは、検査能力が非常に少ないときには、やむを得ない方針だった。その場合、症状の重い人から順に検査していったので、感染して否人は「無症状」ということで検査対象からはずだれた。その結果、検査数が絞られるにつれて、陽性率が上昇した。

 一方、今回は、そのときとは事情が異なる。現在では、無症状または軽症状の人(特に若者)が多くて、高熱を発症している人は少ない。つまり、「症状の重い人から順に検査していく」ということは、ほぼ成立していない。たとえそういう方針があるとしても、90%以上の大部分の人々は、無症状または軽症状であるので、優先的に検査を受けられる人々は 10%以下の少数者だけである。そのような人々が「陽性率のアップ」に寄与する度合いは小さい。(陽性率は1%上がるかどうか、というぐらいだろう。)
 というわけで、大量の人々が検査からあぶれるようになったとしても、(高熱を出す人の割合はもともと低いので、)「陽性率のアップ」をもたらさないから、「陽性率がアップしないから、大量の人々が検査からあぶれてはいない」と即断できないわけだ。つまり、陽性率を見るだけでは、検査数が上限に達したかどうかはわからないわけだ。

 ──

 現実には、すでに検査能力の上限のせいで、感染者数はこれ以上は増えにくくなっている。つまり、検査漏れがどんどん発生しつつある。だから、東京都の発表数だけを見て、「感染拡大は頭打ちになったんだ」とは即断できない。

 では、東京都の感染拡大の伸び(真相)を推定するには、どうすればいいか? 
 それは、東京都よりも、全国の新規感染者数の伸びを見るといいだろう。


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 このように、最近ではコロナの新規感染者数が急増している。(全国値)
 全国値でこのような急上昇が起こっているのだから、東京もまた似たような傾向にあると推定していいだろう。これほど大幅な増加ではないとしても、これと似たような(いくらか弱まった)増加があると推定していいだろう。
 おおざっぱに言えば、次の赤線のような増加があると推定していいだろう。


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 つまり、東京都の感染は、本当は収まっていないのである。若干の頭打ち傾向はあるかもしれないが、基本的にはこの赤線と同様の感染拡大が続いていると推定していいだろう。

 ──

 では、検査漏れを避けるには、どうすればいいか? 
 もちろん、そのためには、検査能力を充実させればいい。検査機を大幅に拡充して、今の何倍もの検査能力を備えればいい。
 実際、ニューヨークではすでにそれができている。
 米ニューヨーク州ではPCR を徹底して行っている。「いつでも」「誰でも(症状問わず)」というからうらやましい。
( → (e潮流)安心は大規模な検査から 竹内敬二:朝日新聞

 また、ドイツやオーストラリアや、中国や韓国なども、似た状況にある。
  → 大量の検査で感染抑止: Open ブログ (前項)

 さらには日本でも世田谷区は、ニューヨーク並みの体制をめざそうとしているそうだ。(前項で述べた新技術なども駆使する。)
  → コロナ検査を「いつでも、だれでも、何度でも」〜ニューヨークを目指す「世田谷モデル」

 つまり、やろうとすれば、できないわけではないのだ。

 ──

 ではなぜ、東京都(小池知事)は、それをなそうとしないのか? 
 理由はただ一つ。東京都は春に独自の休業補償して、1兆円の貯金をほぼ使い果たしてしまったからだ。そのせいで、以後はやたらと倹約に走った。契約していた軽症者向けのホテルの契約も次々と打ち切った。かくて軽症の感染者が続出しても、ホテルに収容することができなくなり、自宅に待機させた。すると、その感染者が、家族や他人に次々と感染させた。こういうふうにして、「隔離」に失敗して、第二波をもたらした。
 つまり、日本で第二波が急激に起こったことの真因は、小池都知事が春に(独自の休業補償で)1兆円近くを無駄遣いしたからだ。あのときに第一波の収束のために、(まったく必要のない)1兆円ほどを無駄に使ったから、第二波を収束させる手段がことごとく消えてしまったのだ。
 そして、「検査機が足りない」というのも、そのうちの一つなのだ。

 ベンチがアホやと、野球がでけへん。
 都知事がアホやと、コロナが増えよる。




 [ 付記 ]
 参考情報。
  → 患者急増、埋まりつつあるベッド 増床要請に頭抱える病院 - 毎日新聞
  ※ 東京都の感染者数は急増しているので、いくら病床を増やしても、次々と埋まっていって、病床不足になりがちだそうだ。

  → 東京都の感染データ
2020年8月5日 【8/5時点の都内患者数】
入院患者数  1,475人(確保病床数 2,400床)
入院・療養等調整中 870 人

 2,400床の病床があっても、すでに 1,475人の入院者がいて、入院・療養等調整中も 870人いる。
 となると、早晩、病床不足になりそうだ。都知事の思いつきで勝手に1兆円も無駄遣いした結果が、これだ。
 1兆円は、百合子の再選のために勝手に使われてしまった。ひどいものだ。安倍首相のアベノマスクの無駄より、10倍以上も無駄をしてる。安倍首相は基本的には無為無策だが、百合子は悪をなしている。(無為無策の方がずっとマシだ。)
 


 【 関連項目 】

 → 大量の検査で感染抑止: Open ブログ (前項)
 → コロナの高速検査機: Open ブログ

 → 東京都の病床・施設: Open ブログ
 コロナ患者を受け入れる病床・施設について、東京都の公表している数値はインチキであるそうだ。上げ底数値。

 
posted by 管理人 at 22:24| Comment(1) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ニューヨークでコロナ感染の拡大を防いでいるのは
PCR検査の徹底もあるが、飲食店での室内での食事を禁止にしたからでしょう(外部での飲食は許可)
Posted by 老人 at 2020年08月10日 03:20
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