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アビガンを使うべきか? 「その効果はまだ証明されていないので、使うべきではない」という意見がある。
→ 新型コロナ:コロナ薬を拙速に承認すべきでない 有識者の真意は? :日本経済新聞
→ 新型コロナに「アビガン」は使えない? 注目の治療薬が普及しない理由:毎日新聞
なるほど。平時ならばそうだ。その薬が使えようと使えまいと、現状よりも特に悪化するわけではないのだから、急いで使えるようにするべき特段の理由はない。拙速を焦るべきではあるまい。
しかし、平時でなく緊急時ではどうか? 「その薬が使えようと使えまいと、現状よりも特に悪化するわけではない」とは言えない。「その薬を使えないと、人類存亡の危機に陥る」ということもある。それほどではなくとも、それに近い状態になることがある。
コロナに襲われて、死者 70万人、感染者 1800万人(さらに増加中)という現状は、まさしくその緊急時だ。この緊急時に、「まだ効果が証明されていないから」という理由で、非常に有望な薬を不使用にしておくべきか?
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これに似た事例が、アニメの「ガンダム」で描写された。
ガンダムの初号機(および2号機)は、プロトタイプであって、能力がまだ証明されていない試作機であるにすぎなかった。パイロットも正式に養成されていなかった。
ところが、ガンダムを開発中の現場を、敵軍(ジオン)の兵器ザクに襲われた。その場にいたアムロが、かろうじてガンダムを操縦して、敵軍を打破した。
以後、試作品であるガンダムの大活躍により、地球連邦軍は敗北を免れた。仮にガンダムを「未完成品だから」という理由で出し惜しみしていれば、地球連邦軍は敗北していただろう。
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アビガンは、ガンダムである。これの力が未証明だからと入って、出し惜しみしていれば、人類はコロナ軍(≒ ザク)の前に敗北するだろう。他には対抗する能力をもたないからである。
「能力が未証明だから」と言って、ガンダムを使わずにいれば、敵と戦って負けるのではなく、戦う前に負けてしまうのだ。恐ろしい敵を前にして、戦う気力を持たないからだ。
ザクとコロナは似ている。
[ 補足 ]
「アビガンに副作用があると問題だ」
という見解がある。なるほど、それはごもっとも。確かに、イレッサでは、ろくに副作用も調べずに承認したので、副作用で大問題が起こった。
しかしアビガンは違う。すでにインフルエンザ薬として承認済みであり、その時点で、副作用について「心配ない」と判明済みだ。さらに今年に入って、日本や外国の治験でも、副作用について「心配ない」と判明済みだ。
アビガンは「新規承認されるかどうか」が問題なのではない。新規承認の点では、すでに「インフルエンザ薬」として承認済みなので、問題ない。
問題は、「インフルエンザ薬」として承認済みのアビガンを、「コロナ薬」としての転用を認めるか否かだ。その意味で、
「アビガンに副作用があると問題だ」
という見解は、事実を完全に誤認しているのである。「副作用がないことはすでに判明している」ということを理解できていないわけだ。素人も同然の無知だね。
※ 比喩的に言うと、「ガンダムを操縦すると、暴走して爆発する危険がある」というデマを振りまいて、ガンダムの使用を禁じるようなものだ。敵軍のスパイ工作かもね。これにだまされると、味方は滅びる。
【 関連項目 】
→ アビガンの有効性が証明 1: Open ブログ
→ アビガンの有効性が証明 2(インド): Open ブログ
→ アビガンの有効性が証明 3(評価): Open ブログ
最初は、シャー・アズナブルじゃない、ヘボな相手だったのが幸いして、経験値を上げていったところは、ラッキーそのもの!
このままシャーは出てこないんじゃないのかな?
どっちにしても、シャー専用タイプは、量産型じゃないから、無視していい。
私はガンダム知らないから、何のこっちゃ?!、ですよ(笑)
こういった管理人様のおしゃれな比喩が大好きです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62532830R10C20A8TJ2000/
以下、全文ですが、地球連邦軍の救いとなるかどうかは、パイロット次第?
富士フイルムホールディングスが国内で実施している新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」の臨床試験(治験)が9月に完了する見通しであることが分かった。当初は6月の完了を目指していたが、治験参加者が集まらず計画が遅れていた。足元で感染者が再び増えてきたことから必要なデータを集められるメドがついた。
新型インフルエンザ薬のアビガンはコロナ薬としての承認も目指し、3月末に治験を始めた。対象は軽症・中等症の肺炎患者だが、4月は治験を実施する大病院で重症患者が多く、5月に入るとコロナ患者自体が急減し、治験の参加者集めが難航していた。
足元で感染者が再び増えたことで治験参加者も集めやすくなった。当初は96人の参加を目標にしていたが、最終的には150人程度になる見通し。今月16日には参加者の募集を締め切る。
治験では投薬後に観察期間をとる必要があり、治験完了は9月になる。その後のデータ解析で効果が確認できれば、富士フイルムは治療薬としての製造販売の承認を申請する方針。厚生労働省はコロナ薬を迅速に審査する方針を示しており、今秋にも承認される可能性がある。
アビガンを巡っては、安倍晋三首相が「5月中の承認をめざす」と発言、国内の製薬企業が開発した初の新型コロナ薬としての期待が高まった。ただ、藤田医科大学の特定臨床研究では有効性が確認できなかった。
国内のコロナ薬としては、厚労省が5月に米製薬大手ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」を承認、7月には抗炎症薬「デキサメタゾン」も認定している。
アビガンの後発薬は、すでに中国やインド、ロシアでコロナ薬として承認されている。
それでもいくらかは効果が見込めるので、変則的な形で承認されることもありそうだ。何だか裏口入学みたいだが。
実は、本当のことを言うと、第一波と第二波とでは事情が違うので、同一の治験として扱うのには難があるのだが。
どうせなら、同じ時期のコホート研究の方がよほど科学的だと思うんだが、そういう方針は立たないようだ。
正式承認でなく限定承認を前提とすれば、もっと融通の利いた措置も取れそうなのだが、あくまで正式承認にこだわるので、スムーズには行かないようだ。