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はてなブックマークで話題になっていた記事だが、それは直感的に「おかしいぞ」と感じられるはずだ。
念のためにタイトルを見ると、こうだ。
→ コロナで死ぬ人の平均年齢は88歳→「ほぼ寿命で死ぬレベル」 メディアや野党への批判意見が続出 - Togetter
88歳という数字がいかにも高すぎる。念のために記事本文を見ると、こうある。
東京都が6月までの死亡者データを公表 死亡者の平均年齢は男性が 77.1歳、女性が 82.9歳〜ネットの反応「ほぼ寿命と同じでワロタ」
77.1歳、82.9歳という数字だ。88歳なんていう数字はどこにもない。勝手に数字を捏造しているレベルだ。ひどいものだ。
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それでも、数字の差はともかく、「超高齢者では死亡率が高い」という指摘もある。そのこと自体は、嘘ではない。
これ見せれば? pic.twitter.com/9DRmK9dBM6
— 吟遊詩人 (@troubadour9000) August 1, 2020
しかし、これをもって、「死ぬのは 80歳以上の高齢者ばかりだ」という主張は、妥当ではない。
なるほど、最近に限ってなら、アビガンが使われているので、死ぬのは 80歳以上の高齢者がほとんどだ。しかし、以前は違う。
4月半ばのデータでは、こうある。

出典:読売新聞
グラフからわかるように、 70歳代以下の層が過半数を占めている。つまり、80歳以上は半分以下だ。だから、「死者は 80歳以上の超高齢者ばかりだ」というような説は、成立しないのである。
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なお、このことは、日本に限ったことではない。
諸外国でも、ほぼ同様のデータとなっている。
→ Google 検索 一覧
たとえば、イタリアがそうだ。
→ Increasing cases of Covid-19 forces Italy into lockdown
もちろん、他国も同様である。初期の中国の武漢のころから、年齢別の致死率の割合はどの国でもほぼ同様である。
( ※ これはそれぞれの国の年齢構成比に依存しない数値だ。超高齢者が多かろうと少なかろうと、その年齢での致死率は同程度だ。)
というわけで、「コロナで死ぬのは超高齢者ばかりだ」というような冒頭の説は、まったく成立しない。
確かに、高齢者ほど致死率は高くなるのだが、80歳以上の人口に比べて、80歳未満の人口の方が、ずっと多いので、死者の数で見る限りは、80歳未満の死者の方が多くなっているのだ。
当然ながら、「死ぬのは寿命に近い超高齢者ばかり」というようなことは成立しない。
( ※ 最初の問題への回答は、これで終わり。以後は、別の話題。)
ついでだが、冒頭のツイートで紹介されていた記事の内容はどうなのか? 「男性が 77.1歳、女性が 82.9歳」という記事の内容はどうなのか?
東京都は、6月末までの新型コロナウイルスの感染者計 6225人のデータを分析した結果、死亡率は5.2%だったと発表した。高齢者ほどリスクが高い傾向がみられ、70代では17.0%、80代で30.2%、90代では33.9%だった。
平均年齢は女性が 82.9歳、男性が 77.1歳。
年代別の死亡率は40代まではいずれも1%未満。50代が1.8%、60代で5.5%だった。
ただ、都内では7月に感染者が急増し、1カ月間で総数が約2倍の1万2691人に上った一方で死者は7人にとどまり、7月のデータを加味すると全体の死亡率は半分程度下がるとみられる。
( → 東京、コロナ死亡率は 5.2% 80代で3割 - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ) )
この話の意味について考えよう。
ここでは、高齢者の死亡率が圧倒的に高いように見える。だが実は、その死者の多くは、第一波の死者だ。
第二波については、「1カ月間で総数が約2倍の1万2691人に上った一方で死者は7人にとどまり」とある。つまり、ほとんど誰も死んでいないのである! (寿命が来たせいで死ぬ人ぐらいだ。)
要するに、第一波では(超高齢者以外でも)多数の死者が出たのだが、第二波では(超高齢者も・中高年も・若者も)ほとんど誰も死んでいないのだ。
では、その意味は? 「コロナなんか怖くない。インフルエンザと同様で、恐るるに足らず」ということか? 違う。「6月以前と以後では、状況がまったく異なる」ということだ。
そして、そのことは、日本だけで成立する。日本以外では、コロナの致死率は相も変わらず高いのだ。この件は、前述したとおり。
感染者数をうまく減らした国では、死者も減っているが、致死率はあまり下がっていない。2%程度を維持している。(※)
日本だけは例外で、感染者が増えた割には、重症者も死者も極端に少ない。その理由はアビガンだろう。
(※) たとえば世界で最優秀レベルの医療があるドイツでも、1日の新規感染者が 700人ぐらいで、1日の死者が7人ぐらいだから、致死率は1%程度だ。(これは日本よりもずっと多い。ドイツの方が高齢化の程度は低いのに。)
( → コロナの致死率の低下 2: Open ブログ )
たとえば、米国を見よう。米国では、ここのところ感染が急拡大して、新規感染者は1日あたり 2.5万人から 7万人ぐらいまで増えた。その一方、死者数は 1千人から 1.5千人へと増加中である。(およそ2〜3週間遅れで、新規感染者数の増加をなぞっている。)
2.5万人に対して1千人が死ぬのであれば、致死率は
1千人/2.5万人 = 4%
となる。これは、高めの数字ではあるが、(※)で述べた「2%」という数字と大きく隔たっていない。
( 2% の前後で、高めの米国や、低めのドイツなどがある。おおむね 1%〜4% の範囲に収まる。)
一方、東京都は、最近では「感染者は1万2691人で、死者は7人」であるから、
7人/1万2691人= 0.00055 ( 0.055% )
となって、4%という数値に対して、2桁も少ない。圧倒的に少ない数値である。
つまり、海外と比べて、圧倒的な差があるのだ。そして、これは、「日本だけの特別な状況」なのではない! 「日本の第二波だけの特別な状況」なのだ。(つまり、第一波では、日本も海外と同様だったのだ。)
このような違いをもたらしたものは、アビガン以外には考えられないだろう。
( ※ 他の要因もいくらかは影響しているだろうが、圧倒的な差をもたらした主因は、アビガンだろう。)
結局、第一波については、「死ぬのは超高齢者が多い」とは言えるが、第二波については、「誰も死なない」ので、「死ぬのは超高齢者が多い」とは言えないわけだ。
[ 付記1 ]
「日本以外の国でも、第二波では致死率が大幅に低下している」
という異論がある。これについては、別項のコメント欄で質問が来た。
日本に限らず、ヨーロッパでも、スペイン、スイス、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグなどでも第2波に襲われていますが、死亡者は増えていません。
( → 第一波と第二波の致死率: Open ブログ )
この件については、各国の統計データ( Worldometerの各国版)を見た上で、次のように答えよう。
(1)
統計データを見ればわかるが、それらの国(スペイン、スイス、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグなど)で第二波が起こったのは、7月後半からだ。つまり、ごく最近になってかるだ。
とすると、現在(8月2日)の時点では、死者が出る時期(2〜3週間)には、まだ達していない。
今のところは、重症者が増えている時期であって、死者が増える時期にはなっていない。だから、死者はまだ増えていない。それだけのことだ。
今後、もう少し時間がたつと、重症から重篤や死亡になる人が増えるだろう。そう見込まれる。
なお、ルクセンブルグでは、7月初めから増えかけていたので、今は死亡者がいくらか増えかけている。
(2)
「それらの国では、第二波では死亡者は増えていない」というのが質問者の見解だ。だが、それは誤解だ。以前ほどの急増ではないが、いずれの国でも死亡者はかなり増えている。
ただし、それらの国では、(第一波の大感染のせいで)日本に比べて死亡率が大幅に高い。もともと死亡者が多すぎる。だから、グラフの目盛りが 100人、1000人というような、大きな目盛りになっている。そういう目盛りで見ると、現在の死者数はゼロ寸前であるように見える。だが、死者の実数を数字で見ると、それらの国の死者数は、日本の死者数を大幅に上回っている。(人口比で。)
たとえば、スペインを見ると、実数では2カ月間で 310人が死んでいる。グラフで見ると、死者数の増加はゼロ同然に少ないと見えるが、実数ではそれほど多いのだ。
一方、日本はどうかというと、グラフの目盛りが細かいので、大幅に死者が増えているように見えるが、実数では2カ月間で 110人が死んでいるだけだ。人口でも高齢化でも、日本の方が圧倒的に不利なのに、スペインの3分の1しか死んでいないのだ。(グラフでは急増に見えるが。)
グラフでなくすうちで考えると、「死にやすさ」の危険度では、スペインは日本の 15倍ぐらい高い。(理由は下記 ※ )
※ 単純な死亡者数でも、スペインは日本の3倍弱だ。人口は 2.5倍の差があるので、人口比で 2.5倍となる。双方あわせて7倍の差が付く。
※ さらに高齢化の分で2倍ぐらいがある。スペインと日本の人口ピラミッドを比べると、日本の方が超高齢者が2倍ぐらいいて、日本の方が不利だからだ。
→ スペインの人口ピラミッド
→ 日本の人口ピラミッド
※ 7倍と2倍を掛け算して、14倍。つまり、15倍ほどになる。スペインは 日本よりも 15倍ぐらい危険だ(死にやすい)と言えるわけだ。
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ともあれ、スペインと日本では、15倍の差がある。こんなにも大きな差が付く理由は、アビガン以外には考えられるないだろう。
仮に、スペインと同じ状況を日本に持ち込めば、日本では死者数は現在の 15倍ぐらいになっていただろう。つまり、1日 45人ぐらいになるわけだ。アビガンなしなら、これくらいの死者が出ても当然だろう。
[ 付記2 ]
「グラフの目盛りによって認識を間違う」
ということは、次の例からもわかる。
→ イギリス人の友人とコロナの話題になり「ニュースで見てるけど、日本終わってるね」と言われた - Togetter
グラフを見たら、日本はとんでもない指数的増加だが、イギリスはどんどん減少しつつある。「イギリスは安定したが、日本はもう終わっているね」という感想が出たそうだ。
しかしこれは、グラフの目盛りの違いがあるからにすぎない。グラフを見よう。
→ https://www.worldometers.info/coronavirus/country/japan/
→ https://www.worldometers.info/coronavirus/country/UK/
これを比較して、次のようにわかる。
・ 日本は急増したとはいえ、感染者数は1日最大 1500人程度。
・ イギリスは減少したとはいえ、感染者数は1日 800人程度。
人口は日本が倍だから、両者の数値は(人口比では)ほぼ同じである。ただし、グラフの目盛りが違うので、日本は急増して大きな数字になったように見える一方、イギリスは急減して小さな数字になったように見える。グラフの目盛りの違いで、感じ方に差が出るだけだ。
死者数も同様である。
・ 日本は急増したとはいえ、死者数は1日最大 3人程度。
・ イギリスは減少したとはいえ、死者数は1日 60人程度。
人口は日本が倍であるのに、死者数は 20分の1だ。人口比では 40倍もの差がある。ただし、グラフの目盛りが違うので、イギリスは急減して小さな数字になったように見える。グラフの目盛りの違いで、感じ方に差が出るだけだ。
結局、グラフの増減ばかりを見て、グラフの目盛りを見ないと、上記のイギリス人のように、大きな勘違いをしてしまうわけだ。
日本人に特異的に効いてるとかで。もしくはこれまた認可されたステロイドの薬とか。
というか、そもそもレムデシビルは軽症者用には承認されていません。未認可の薬剤を使うことは不可能です。
ステロイド剤を軽症者に使うと、かえって症状が悪化する危険があります。まともな医者が使うはずがない。
レムデシビルもステロイド剤も、重症者専用です。
重症化してから治療するより、重症化しないように治療するのが、本筋です。
> 日本人に特異的に効いてる
そんな薬、あるわけないでしょ。自分の言っていることがわかっているんだろうか? 細波さんのバカっぷりを真似しなくてもいいですよ。
会見以後、アビガン投与患者数の報道が無くなりました。厚労省のHPにも見つけられませんでした。どこかにアビガン投与患者数の数字ありますか?
あと、日本人によく効く、というかアジア人によく効く薬で有名なのがイレッサです。人種によって効き方、副作用が違うなんてなんぼでもある話なんで、国別に承認制度があるんですが。少しは勉強してみたらいかがですか。
これは、「日本人に特異的に効いてる」というのとは、まったく別のことです。
そもそもアビガンは(人間の組織を作用対象とする)分子標的治療薬ではなくて、ウイルス組織の一部を阻害するものです。そんなものに人種差が特異的に出てくるはずがない、という話。
調べるときは、ちゃんと調べましょう。知ったかぶりはダメです。
※ 副作用の話はまた別のことです。たぶん混同しているのだろうと思ったら、やっぱりそうだ。
効果期待の薬だと会見しておりました。どう思われますか?
これはトリック。
「感染者がうがいをしたら、陽性率が低下した」
とのことだが、うがいだけで、全身のウイルスが消えるわけがない。
真相はこうだろう。
「うがいをしたら、ウイルスを採取する場所(検体の場所)が消毒されたので、検体だけはウイルスが消失した」
全身のウイルスはいっぱい残っているのだが、喉と鼻腔の組織だけはウイルスが大幅に消失した、というわけ。
だから鼻腔を調べる PCR 検査では陽性率が激減する。一方、唾液で調べれば、元の陽性率に戻る。
三月頃に肺炎で運ばれる遺体が多いけど、
新型か不安だという話が挙がってました。
おりしもオリンピック忖度で検査制限の頃
統計屋の人が実際の日本の新型起因の死亡者を
まあまあな数で試算してますので、
外国との左は数倍程度かと診てます。
あと今の感染は、通勤の密絡みとも診てます。
どうすべきでしょうか。
マスクしてればいい。はマヤカシですよ。
そもそも感染研の人がマスク論展開して、
無駄な布マスク配って郵便局へ貢いだり、
そろそろ、
政権へ弾劾通告するのがマスコミの仕事だろう
と思いますが。忖度ですかねぇ。
逆に言えば、第一波が収束したことから、通勤は感染源ではなかったとわかります。
飛沫を飛ばし合いながら食事をする(& 手指で触れる)のが原因。これを止めるのが対策。つまり、マスク義務化と会食制限。……私が何度も言っているとおり。
> 4月13日から4月16日にかけては、6時30分〜7時30分が40%程度減
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2004/25/news008.html
つまり、満員時の 6割は乗車していた。たぶん吊り革がちょうどふさがっているぐらい。定員の 100% ぐらい。
それだって、吊り革がすべて埋まるなら、すごい「密」ですよ。映画館の満席に比べれば、4倍ぐらいの「密」だ。それほどの「密」であっても、第一波を収束させた。
つまり、満員電車の「密」なんて、ちっとも問題ない。
> 首都圏主要駅の利用者は8割程度減っています。
それは駅前繁華街の人混みの話。そんなものがいくら減ったとしても、満員電車内の感染とは関係ない。