2020年08月03日

◆ 太陽フレアの予測

 太陽表面の巨大爆発「フレア」を予測できる新手法が開発されたそうだ。

 ──

 記事のタイトルを見たときには、こう思った。
 「これまでは経験則でやっていたのを、数式でシミュレーションするようになったので、正確になったのだろう」
 そう思って読み進めたら、まさしくそうだとわかった。
 これまでは黒点の大きさや形から発生を予測していたが、経験則に頼る部分が多かった。名大の草野完也教授らは、黒点付近で磁場がどうゆがみ、エネルギーを解放するのかをコンピューターで計算。太陽表面の磁場の状況をほぼ再現できるところまでたどり着いたという。
( → 太陽の巨大フレア爆発、9回中7回的中 名大など新手法:朝日新聞

 これまでにフレアを発生させた黒点の形などと比較して予測するしかなく、発生数も少ないため精度も低かった。
 名古屋大の研究チームは磁力線の一部がつなぎ替わる現象に注目。どの程度の規模でつなぎ替えが起きればフレアが発生するかを計算によって予測できる数式を開発した。数式に従い、フレアの位置と規模を算出するという。2019年までの10年間に発生した九つの大規模フレアで試算したところ、七つで予測と実際の現象が一致したという。
( → 太陽フレア発生を予測する数式開発 大規模停電など回避へ光 名古屋大 - 毎日新聞








 ──

 これはこれで立派な成果だが、私が思い浮かべた改良方式が、二つある。

 (1) 将棋の評価関数

 将棋の評価関数の方式を取り入れるべきだ。さまざまな評価関数を導入してから、パラメーターを変化させて、一致度を測る。その一致度が最大になるように、数式のパラメーターを決めればいい。(要するに、精度アップのためのチューニングだ。なお、これを手動でやるのでなく、自動化するべきだ。)

 (2) Deep Learning

 Deep Learning の方式を取り入れるべきだ。具体的には、画像認識(パターンマッチング)の方式で、フレアの画像を評価関数に結びつける。
 その際、特に大事なのは、画像の特徴抽出のパターンだ。この特徴抽出の部分(人間の視覚野の一時連合野の細胞の働きの部分)を、きちんとやることが大事だ。人間ならば、「角」とか「線」とか、「ギザギザ」とかの特徴抽出をするが、太陽表面の模様だと、「角」とか「線」とかの特徴が大きな役割を果たすとは思えない。むしろ、「まだら」とか「黒点」とかの特徴が大きな役割を果たすだろう。だから、そのための特徴抽出機のチューニングが大切だ。

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 以上のようにすることで、この新手法を発展させることができて、いっそう精度を高めることができるだろう。

 ※ 同様の手法は、今回に限らず、他の物理的なシミュレーションにも適用できるだろう。



 [ 付記 ]
 「そんなの当り前だろ。とっくにやっているはずさ」
 と思う人もいるだろうが、さにあらず。この回の手法では、本項で述べたような方法は取られていない。その証拠に、「過去の履歴は参考にしていない」という本人の証言がある。
 名古屋大学・草野完也教授:「今回の新しいものは、過去のフレアの履歴を全く考えてなくて、その瞬間のデータを計算します」
( → 世界初!太陽フレア予測、80%の精度に 名古屋大

 Deep Learning の手法を使ったなら、過去の多大なデータを学習( Learning )したはずなので、「過去のフレアの履歴を全く考えてなくて」ということはありえないのだ。
 今回のシミュレーションは、人間の出した独自の数式に依存しているだけだろう。

posted by 管理人 at 21:31| Comment(1) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
A physics-based method that can predict imminent large solar flares
だそうです。中身は読んでないですが、物理モデルを作る研究者ぽいので、物理的な意味などなんでも良いからとにかく予測モデルが出来れば良いと言うdl は、他の人の仕事でしょうね
Posted by 佐賀 at 2020年08月03日 22:39
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