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Go To キャンペーンで旅行が推進されている。現状では、かなり危険なことまで許されている。前項で示したように、
・ バスに満員で乗車
・ 大人数での雑魚寝
・ 換気の悪い場所での大人数の宴会
などは、極端なものでなければ許容されている。(まるで感染会だ。)
とはいえ、これらを一律に全部禁止すればいいかというと、必ずしもそうは言えないようだ。特に、満員電車との比較がポイントだ。
「満員電車の(すしずめ)密集は許されるのに、(全員着席の)満員バスが許されない」
というのは、矛盾している。
では、どこに線引きをするべきか?
これはかなり難しい問題だ。ここで、「問題編」として掲げておくので、読者は自分でも考えてみるといい。
※ 以下は「解答編」である。
まず、ポイントとなるのは、空気感染(エアロゾル感染)の有無だ。どういう場合に、それが起こるか?
これまでの治験では、単なる密集状態では、空気感染は起こらない。
一方で、換気の悪いレストランでは、エアコンで空気が循環するさなかで、空気中に飛散したウイルスがあちこちに漂って、他の席にいる客に感染した……という事例が起こった。ここでは、特に密集状態であったわけではないのだが、密閉(換気が悪い)という状況で、感染が起こった。
とすれば、密集に着目するよりも密閉に着目した方がよさそうだ。その上で、「換気をよくすること」を重視するとよさそうだ。
満員電車では、たいていは窓を開けて換気をよくしているので、換気の点では問題なさそうだ。(停車時にはドアも開く。)
バス旅行は、窓を開けて換気をよくすることにすれば、問題がなさそうだ。これを条件にバス旅行を認めてもよさそうだ。
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だが、以上のことは、すでに知られているとおりだ。当たり前すぎる。こんなことを書くだけでは、Openブログ の名がすたる。
そこで、独自の見解をここで示そう。こうだ。
「空気感染が起こるのは、単に空気中にウイルスがあるときだけではない。飲食をするときには、少量のウイルスでも、感染が起こる。レストランで飲食をしているときには、そうだ。同様に、バスや旅館でも、飲食をしているときには、空気感染が起こりやすい。だから、単に換気をよくするだけでなく、飲食を禁止することが大事だ」
上のことから、次の結論が出る。
・ バスの車内での飲食は禁止。
・ 映画館などでも飲食は禁止。
基本的には、多人数がいる場所での飲食は禁止だ。これは「多人数の会食の禁止」を拡張したものだと言える。飲食店や居酒屋での多人数会食を禁止するだけでなく、バスや映画館における飲食も禁止するわけだ。
これが本項での結論となる。
逆に言えば、飲食をしなければ、(換気を条件に)バスや映画館での多人数密集を是認していい、となる。
※ 密集と入っても、満員電車に比べれば、たかが知れている。顔と顔が近づくわけでもない。
[ 付記 ]
宴会場やビュッフェでの飲食はどうか? これは、本項を考慮するまでもなく、明らかな「多人数の会食」なのだから、もともと駄目に決まっている。
団体旅行をするのならば、宴会場やビュッフェでの飲食はやめて、個別の飲食(せいぜいテーブルでの飲食)にするべきだ。
このようなことは、すでにホテルでは実施済みのところが多い。(朝食ビュッフェの廃止。)
ところが、最近になって、ビュッフェを再開するホテルが続出している。
5月25日に緊急事態宣言が解除されてから、自粛によって休業・時短営業していたバイキングは順次再開している。しかし、新型コロナと共存する「新しい生活様式」にいかに対応していくか、苦慮している。
それでもバイキングを止めない理由は何か。 (以下略)
( → 「感染リスクが高い」と指摘されても「バイキング」を続々再開 その執念と感染予防策に迫る )
→ 星野リゾートで大人気「朝食ビュッフェ」復活!
→ 朝食ビュッフェ再開のお知らせ | ホテルウィングインターナショナル
→ レストランにおける新型コロナウイルス感染拡大防止対策のお知らせ | アパホテル(ビュッフェ実施)
困ったことだ。スーパでさえ、食品はパック入りで提供しているのに、そうすることもできない。
なお、どうしてもやるなら、次のことが必要だ。
「ビュッフェでは、席を立ったときには、必ずマスクをすること」
これならば、いくらかは感染を防げそうだ。
とはいえ、手で持つトングなどを通じて感染する危険は、依然として残る。
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ただ、ビュッフェというのは、非常に魅力的だから、これを廃止しにくいというホテルの事情は、わからなくもない。「やめたら客が来なくなる」と心配するのももっともだ。
ビュッフェについては、難しいところなので、大感染が起こっている時期以外では、許容してもよさそうだ。
一方で、宴会場での宴会は、いつであっても絶対に駄目だ。多人数で大声で会話をするということ自体が駄目だ。料理の問題ではない。こちらについては全面禁止するべきだ。
※ ホテルなら、大宴会場などはないことが多い。
※ 大宴会場があるのは、団体旅行に絞って営業をしていた、旧来の日本旅館。こういうのは、高度成長期には成立したが、今では事業が先細りなので、すべてつぶれてしまって差し支えない。どうせいつかはつぶれるからだ。
[ 余談 ]
GoToトラベルは文法ミスだ、という指摘があった。なるほど。言われてみれば、確かにそうだ。GoTo という言葉は、「 Goto label 」みたいなプログラミング用語だとばかり思っていたが、英語で理解すれば、「 go to travel 」なんてありえないですね。
「Go to travel」。シンプルで趣旨は伝わるけれど、英文としては違和感が……。ネット上でも「文法的に間違っている」との指摘が相次いでいます。
「『to不定詞』の形としては一応成り立つものの、travel自体に『行く』という要素が含まれているため、意味が重なるgoと一緒に使われることはありません。使ったとしても、『旅行に行くために行く』のような不自然な意味になってしまいます」。goを使う場合は、「go on a trip」を自然な表現に挙げます。
また、主語がなく先頭に動詞の原形がきているため、「トラベル(という場所)に行け」などと命令されているようにも聞こえてしまうといいます。
( → GoToトラベルは文法ミス?「日本語の一員といえる」:朝日新聞 )
ほとんどジョーク並みだね。
「空気感染が起こるのは、単に空気中にウイルスがあるときだけではない。飲食をするときには、少量のウイルスでも、感染が起こる。(後略)」
⇒ ここの理屈がよくわかりません。飲食をするときはマスクを外すので、空気中の少量の飛沫や飛沫核も吸入し(体内に取り込み)やすいということですか?
飲食すると、経口感染するという意味です。そのわけは、飲食物にウイルスが付着するということです。
エアロゾルが落下して飲食物に付着する、というのが一番の理由でしょう。これだと、遠くにも届く。(数メートル)
副次的には、おしゃべりをしながらの飛沫が飲食物にくっつく、ということもありそうだ。(1メートル以内)
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一般に、手洗いが大事だというのは、接触感染をなくすため。
この接触感染とは、手でウイルスに触れたあとで、その手が口や鼻の粘膜に触れるから。……これは間接的にウイルスがくっつくことになる。
食物経由の経口感染だと、もっとダイレクトに、物から口にウイルスがくっつく。(途中で手を経由しない。)……だから、少なめのウイルスでも、容易に感染が起こる。
>(全員着席の)満員バスが許されない」
> というのは、矛盾している。
矛盾してますか?満員電車は見知らぬ他人なのでしゃべらないし飲食もしませんが、職場や地域など、顔見知りの団体でのバス旅行ならしゃべるのは当然ですし、アルコールを含む飲食(しかもおつまみをみんなに回して食べるなど)もあったりして、危険度は段違いですよね?
コロナ禍の団体旅行について書いておられますが
団体の中でも超大人数の学校の修学旅行とかは大丈夫でしょうか?
室内ではマスクの着用、食事の時はホテルの個室にすればと思いますが、外での移動はマスクする必要ありますか?お風呂などは人数制限する必要はありますか?
会話しないなら大丈夫かもしれないけど、会話しない修学旅行なんて意味がないかも。
やらない方が無難だが、どうしてもやるのなら、「スマホ必須」にして、「会話しないでスマホばかりを見ていること」が条件となるだろう。
しかしスマホの充電ができるのかな? 一応、できるか。コンセント多数設置が条件だが。