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コロナ治療薬としてはアビガンが有望だが、難点もある。
・ 効果がやや弱い。(もっと強力な効果がほしい。)
・ 副作用が少しある。(催奇性などの問題がある。)
そこで、できればこの難点のない新薬がほしい。それは、次のようなものだ。
・ 効果が強い。(アビガンよりも強力。)
・ 副作用がない。(催奇性などの問題がない。)
では、そのような薬はあるか?
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(1) 富岳による探索
スパコンの富岳で新薬を探索する、という試みがなされている。ただし、まったくの新薬を創出するのではなく、既存薬のなかで有望な薬を探す……というものだ。
すでに有望な薬を三つ、見つけたそうだ。そのうち、最も有望のものは、まだ製造されていないそうなので、製造に向けて相談中だという。
→ スパコン「富岳」、わずか10日で2,000種類超の新型コロナ治療薬候補を選別 - PC Watch
→ 富岳「コロナ治療薬、30の候補」 京大教授が発表 - 毎日新聞
ただし、二番目に有効なのがニクロサミドという殺虫薬なので、これだと、北里大で治験中のイベルメクチンと同類だと思える。最適解だとは思えない。たぶん「アビガンよりも少し劣る」というぐらいだろう。
(2) アビガン
アビガンが有望であることは、分子創薬によるシミュレーションでも判明したそうだ。アビガンの形が、コロナウイルスの「穴」の形にピッタリと収まるので、アビガンが「穴」をふさぐことで、コロナウイルスの増殖を防ぐ効果があるらしい。
→ 画像のあるページ
(図で)右側にポッカリと穴が空いていることがわかります。この穴を使ってこの酵素は原本のRNAからコピーのRNAを紡いでいきます。
したがって、この穴に医薬分子が結合して、RNA分子が入らないように妨害してしまえば、ウイルスのRNAはもはや増産されません。
ASEDock[3]という私たちが開発したソフトウェアで、ファビピラビル三リン酸がこの部分に結合できるかどうかをシミュレーションしてみました。その結果を図3に示します。ファビピラビル三リン酸は穴の中に見事結合し、RNA複製の原料の侵入を妨害できることがわかりました。
以上の結果はあくまでシミュレーションですが、ファビピラビル三リン酸つまりファビピラビルはSARS-Cov-2のRNA依存性RNAポリメラーゼを効果的に阻害する可能性の高いことが示されました。
( → 期待の「アビガン」、シミュレーションが予測する「効果と副作用」(平山 令明) | ブルーバックス | 講談社(1/4) )
(3) アビガンの改良
そこで私が新たに、すばらしい名案を出そう。それは、上の (2) に準じる形で、「アビガンを改善する」という案だ。これなら、方法は簡単で、効果は現状を上回る。
具体的には、こうだ。
「アビガンを改良する。アビガンの分子量は小さいが、分子量を大きくして、もっと大きな物質にする。それは、コロナウイルスの穴に、アビガン以上にぴったりと当てはまるものだ。コロナウイルスの穴を小さく埋めるだけでなく、もっと大きく埋める。部分的に埋めるだけでなく、広範に埋める。そういう形を、分子創薬で設計すればいい。その一部分はアビガンと同じなのだから、他の部分を少しだけ変えるように、修正すればいい」
こうして、アビガンよりももっとピッタリとコロナウイルスに適合する新薬を創出することができる。それは「スーパー・アビガン」と言ってもいいものだ。
比喩的に、シン・ゴジラふうに言えば、(アビガンの)第2形態みたいなものだ。第1形態よりもはるかに大型で強力になっている。これがコロナウイルスに噛みついて、コロナウイルスを止めてしまうのだ。
※ ついでだが、穴を埋めるというと、ちょっとエッチですね。
ともあれ、以上の方法によって、アビガンよりもずっと強力な薬を設計することができる。それも、簡単に。
スパコンでも見出せない名案が、 Openブログにはちゃんと書いてあるのだ。困ったときの Openブログ。