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今はまだ感染者が少ないので、軽症者施設・病院に入れることが可能だが、秋以後に感染者が急増すると、それでは足りなくなる可能性が十分にある。その場合、どうするか?
春には、「自宅待機」という方法が取られた。その結果、基礎疾患のある岡江久美子さんは、待たされるうちに症状が悪化して、死亡してしまった。その再発が起こるのか? そいつはまずい。
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朝日新聞のインタビュー記事で、「在宅医療」という方法を取って成功した事例が報告された。
→ コロナで見えた在宅医療の限界 「行かない」医師の選択 :朝日新聞
これは、在宅という点では共通するが、「きちんとケアを受けられる」という点が異なる。
・ パルスオキシメーターを無償提供する。(自己測定)
・ スタッフによる電話聴取で、こまめなチェック。
・ 異常があれば、医師が訪問して診察する。
記事ではこれを「訪問しない在宅医療」と述べている。ただ、私がわかりやすく言えば、これは「遠隔医療」(リモート医療)だ。「在宅勤務」(リモート勤務)の変形みたいなものだ。
私は、これでも十分だと思う。状況をチェックして、高熱になりかけたら、その時点でアビガンを処方すればいい。以後は体温とパルスオキシメーターをこまめにチェックして、重症化しないか調べる。アビガンの投与で、ほとんどの場合は重症化を避けることができるはずだが、例外的に、超高齢者や基礎疾患患者では、重症化することもありそうだ。
その場合には、ただちに ICU に収容して、アビガンとフサンの併用療法に切り替えるべきだ。さらには、オルベスコの処方も考慮していい。
このような「在宅医療」は、十分に成立する。国の方針のひとつとして、柱に据えるべきだろう。特に、大病院のない地方・僻地では、この方式は重要となるだろう。
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ただしこの方式は、最善ではない。家族内感染が起こる危険があるからだ。
病院や軽症者施設に余裕があるうちは、それらへの収容・隔離を優先するべきだろう。
とはいえ、東京都では、現実には自宅療養者が多い。本日の統計では、こうなる。
入院 651人
宿泊療養 80人
自宅療養 258人
入院・療養等調整中 396人
( → 入院 651 人 )
これらの自宅療養の人が、きちんとケアを受けているかどうかが問題だ。
江戸川区は、新型コロナウイルス感染症の感染の疑いがあってPCR検査を受ける予定の方や、宿泊施設で療養中の方が体調の異変に気づけるように、指先に挟むだけで肺から血液に酸素供給が正常に行われているかどうかをリアルタイムで測定できる医療機器「パルスオキシメーター」を貸与することを決めました。
( → 2020年(令和2年)5月1日 新型コロナウイルス感染症で療養中の方にパルスオキシメーター貸与 江戸川区ホームページ )
江戸川区が独自に実施したということは、東京都の側では実施していないことになる。当然ながら、江戸川区以外では、実施していない区が多いはずだ。
ネットでググっても、江戸川区と 北区 以外では実施したという情報を見出せない。未実施のところが多いようだ。
この分だと、軽症者向けの施設でも、パルスオキシメーターの提供はなされていないかも。
→ 手探り軽症者ホテル療養 足りない物資 嫌われる閉鎖空間 家庭内感染防げるか - 毎日新聞
と思ったのだが、現実には、軽症者向けの施設では提供されているらしい。
→ パルスオキシメーターを1人につき1台配備
厚労省も、そうしろという方針を示している。( HTML でなく PDF で情報公開している。)
→ https://www.mhlw.go.jp/content/000622008.pdf
ダメなのは、東京都であるようだ。例によって、小池都知事が愚図すぎる。
※ 神奈川県では、自宅療養向けのパルスオキシメーターの提供はなされていないようだが、軽症者向けの施設を大量に用意して、そこではパルスオキシメーターの提供がなされているようだ。まあ、こっちの方がよさそうだ。自宅療養は、あくまで次善の策だからだ。
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なお、在宅医療でも十分に効果があると判明したのは、アビガンの有効性がはっきりとしてきたからだ。通常は、自宅または軽症者向けの施設で、アビガンを服用するだけで回復するだろう。(アビガンの早期投与の効果。)
例外的に、症状が悪化して、酸素吸入器(鼻チューブ)が必要となる(中等症になる)こともありそうだが、そういうことは今後は少なくなるだろう。
※ 以前ならば、アビガンなしの人が多かったので、中等症になる人が続出したが、最近では、アビガンを早期投与される人が多いので、中等症になる人は少ない。その分、入院が必要となる人は少なくなる。
※ 現実には入院している人が多いが、中等症でなく軽症のまま入院している人が多いようだ。東京都の統計では、入院患者については、軽症と中等症の区別がなされていない。
→ 都内の最新感染動向
【 関連項目 】
前項では、馬鹿な医者へのインタビュー記事を紹介した。
本項では、利口な医者へのインタビュー記事を紹介した。
前項のは、スーパーエリートの感染症専門医。
本項のは、ありふれた町医者。(慶大商学部・千葉大医学部 卒。)
朝日のインタビューの選択基準は、おもしろいね。