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( ※ 本項の実際の掲載日は 2020-07-11 です。)
3月ごろに安倍首相が「休校」と「イベント自粛」を打ち出したとき、世間は歓迎したようだが、私は批判した。「こんなものは効果がないし、弊害が多すぎる」と。
この見解は、現時点でも維持される。
ただし、現時点でなされているのは、部分的なものだ。
・ 休校でなく、分割登校など。
・ イベント自粛でなく、観客数規制など。
このように部分的なものではある。だが、やはり、私は批判しよう。学校も、イベントも、通常通りにやっていいのである。ただし、「マスクをすれば」という条件でだ。
(1) 学校
学校では、現在、休校は解除されたが、部分的な登校制限がなされている。
これについては、先に批判した。
学校の休校は解除されたが、登校率が 50%であることが多い。午前に半分、午後に半分。
どうしてかというと、「密集」を避けるために、教室内の定員を半分に下げている(着席率を 50%にしている)からだ。市松模様のように、交互に着席する。
出典:朝日新聞
しかし、こんなことをする必要はない。マスクをしていれば、全員が着席していてもいいのだ。(満員電車と同様だ。)
( → マスクの話題 9: Open ブログ )
その後、生徒の側からも、批判が生じた。
・ 授業のコマ数が足りない。
・ 1コマの時間も大幅に短縮されている。
これらの結果、授業時間が大幅に足りないので、授業がろくに進んでいないそうだ。かわいそうに。
こういうことであるから、登校制限や授業時間の制限を、やめるべきだ。元のように、普通の授業に戻すべきだ。
ただし、次の三点が条件となる。
・ マスク義務化
・ 十分な換気
・ 1教室 35人以下
現状では、1教室 20人以下になっているようだが、そんなに間隔を開ける必要はない。授業中は飛沫を飛ばしてしゃべるわけではないからだ。
※ 仮にしゃべるとしても、マスクをしていれば大丈夫。
※ どちらかと言えば、拡声器を使うことの方が大事だ。
拡声器を使えば、大声で話さないで済む。
《 加筆 》
※ 拡声器は、小型で軽量のもの。下記のようなもの。
https://amzn.to/303TpcK
(これは前に下記項目で紹介した。
→ 休校はやめよ(ただちに再開せよ): Open ブログ )
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授業の削減については、下記に出典がある。生徒の投稿。
→ 朝日新聞・声欄(投書欄) 2020-06-27
趣旨は、
・ 3密を避けるために授業時間の大幅減。
・ 出席率は半分。
・ 午前と午後の分散登校。
・ 1日の授業は3時限だけ。
・ 授業時間も 50分から 30分の短縮。
・ 授業の進展は非常に遅い。
とのことだ。
(2) イベント
スポーツ観戦や演劇などでは、「定員の半分以下」または「5000人以下」という制限で、開催が認められるようになった。
しかし、このようなイベント制限は必要ない、という立場を維持したい。マスクさえしていれば、定員の制限は必要ないのだ。
ただし、大声で叫んだり歌ったりするようなことは、自粛してもらう。それさえ守れば、定員の制限は特に必要ないだろう。
ただし、退場時には、多くの人々が階段や通路に密集する危険がある。これについては、次の対処をすることが望ましい。
「終了時間を一つの時刻に集中させないで、1時間ぐらいに分散させる」
換言すれば、次のようにする。
「公演の終了後に、オマケとなるアンコール・プレイを開催する。すぐに退場しないで、そのアンコール・プレイを見ながら、自分の退場する順番まで待つ」
出口に近いグループから、少しずつ順順に退場するように、ガイドが規制するとよさそうだ。
(3) 東京のイベントで感染
「イベントで規制をする必要はない」
と上で述べたが、これに反するような事例が見つかった。イベントで感染者が多数出た、という報道だ。
東京都は10日、新宿シアターモリエール(新宿区)で6月30日〜7月5日に上演された舞台で、出演者や観客ら少なくとも14人が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。都は、クラスター(感染者集団)が発生したとみている。
( → アイドルの舞台で集団感染、出演者と客ら14人 新宿 [新型コロナウイルス]:朝日新聞 )
これは大変だ。イベントで集団感染が発生したのだとすれば、「イベントを通常通り開催してもいい」という私の主張は間違っていたことになる。報道は公式声明では、観客はみんなマスクをしていたそうだから、「マスク義務化」では対処できなかったことになる。
では、本当にそうか?
詳しく調べると、次の事実がわかった。
出演者とスタッフ合計12人が新型コロナウイルスに感染したことが10日、発表された。
9日には、6月30日昼公演と、7月4日の昼夜2公演を鑑賞した観客も感染したことを発表していた。
2020年6月30日から2020年7月5日に公演されました。
( → 山本裕典ら出演舞台でクラスター 出演者・スタッフ12人と観客が感染 | ORICON NEWS )
公演が 6月30日から 7月5日。
感染の発表が7月9日と 10日。実際に感染が判明したのは、たぶんその前日。
潜伏期が 5.1日であることからすると、感染が早すぎる。
以上から推定できることは、こうだ。
「 14人中の 12人が出演者とスタッフだということは、これらの人々は、公演中でなく、リハーサル中に感染した。リハーサル中にマスクをしないで飛沫を飛ばしたことで感染した」
「観客に感染者が出たのは、大量の観客の中に、たまたま2名だけ、市中感染した人が含まれていただけだ。公演中に感染したのではなく、それ以前に感染していた」
結論は、こうだ。
「今回の感染は、イベントで感染したのではなく、イベント以外(リハーサルまたは市中で)感染しただけだ。公演の有無は関係ないし、公演の観客密度も関係ない」
対処策は、こうだ。
「出演者とスタッフは、リハーサル中にマスクをするべきだった。そうしなかったのが、感染の原因だ。マスク義務化という原則を取っていれば、感染は防げたはずだ」
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ともあれ、「イベントの規制は必要ない。マスク義務化だけがあればいい」という方針は、揺るがない。
※ 現状では、マスク義務化がないから、定員規制という馬鹿げたことをやるハメになる。そのせいで、売上げが半分以下になるという大損害が発生する一方で、感染者の発生を阻止できない。(リハーサル中に感染するので。)
[ 付記1 ]
なお、問題点として、次のことがある。
「公演中に、マスクをしていない出演者が、観客席の間を動き回っていたようだ。これは、まずい。マスクをしていない出演者は、あくまで舞台上に留まるべきだ」
[ 付記2 ]
ついでに、次のことにも留意したい。
「公演中の舞台上では、なるべく登場人物間の距離を保って、飛沫が届かないようにする。舞台空間はとても広いのだから、接近する必要はないはずだ。特に、接近して大声で向かいあってしゃべる必要はないはずだ」
( ※ 対面してしゃべる場面であっても、舞台上であれば、二人が向きあう必要はなく、二人とも観客席の方を向いていればいい。それならば、飛沫がたがいに届くこともない。)
[ 付記3 ]
この公演では、新たに観客 16人の感染が判明した。
→ 都内劇場でクラスター、観客800人全員と出演者ら50人濃厚接触
当初の2人から大幅に増えているので、当日感染した観客が多かったと推察される。
このことから、「換気が不十分だったことで空気感染が起こったのでは?」と思って、調べてみたのだが、換気には十分に留意されていたと判明した。
業者さん呼んで排気量を調べて貰ったり、舞台にスモークを炊いて、排気される時間の計測したり、出来るとこは全てやったと言えます。
お客さん含める館内全員マスク着用義務、換気用に送風機の大量手配、入館時の検温と消毒、アプリによる追跡、公演前と終演後に客席と舞台の消毒、コンビが替わる毎にマイク入れ換えて消毒。小道具も使う度に消毒。マイクや小道具に触れるスタッフは全員消毒済みのビニール手袋着用など、他にも表回り、裏側で出来ることは全てやっています。
( → シアターモリエールについて|前田 拓也|note )
このことから、次のように結論している。
新宿シアターモリエールは悪くありません。
この点はお忘れにならないで頂きたいです。このクラスターの原因は公演を運営していた主催者にあります。
どうやら、そうであるようだ。
・ 体調不良者(感染者)を、リハーサルと公演に出した
・ リハーサル中にマスクをしなかった
・ 公演中にマスクをしない出演者が客席の間を動き回った
・ 公演後に観客と握手をした
こういうひどいことをやっている。これじゃまるで、感染会だ。
会場ではなく出演団体に問題があった、と見なせるだろう。また、感染の理由もかなりはっきりしている。原因は「イベント」でもなく「密集」でもなく「密閉」でもない。「感染会をやっていたこと」だ。
※ 他のまともなイベント団体には波及しない。
[ 付記4 ]
では、演劇公演については、どうするべきか?
今回は、この出演団体が特別にひどかったのが理由だが、世間一般では、「舞台そのものが悪い。舞台そのものを禁止せよ」という声が高まりがちだ。
そこで危機を感じた舞台関係者が、不平を鳴らした。次のように。
99%がどんなに統率をとって必死な努力を続けていても、のこり1%にそれが通じてなかったらまじで全部パーになるの、本当につらすぎる…。
( → はてな匿名ダイアリー [削除された分のコピー] )
「 真面目な 99%が努力しても、1%の不心得者者が感染を拡大する」
という原理は、私も前に述べた。
一つは、外出制限について。
→ 岩田健太郎はマスク嫌い 2: Open ブログ
もう一つは、マスク義務化について。
→ マスク義務化の原理: Open ブログ
そこで、今回の舞台についても、次のように言える。
「今回の舞台で集団感染が発生したのは、出演団体が不心得者であったからだ。ただし、ここで、あらゆる舞台を一律に禁じてしまえ、というのはダメだ。かわりに、どうするか? マスク義務化をすればいい。たとえば、リハーサル中も、マスク義務化をする。また、公演中は、観客席との分離を徹底する」
現状では、マスク義務化がされていないので、対策があまりにも甘い。こういう政府や東京都の方針が、根源的に問題だ、とも言える。
【 追記 】
「教師から生徒への感染」
という事例が出た。
神戸市は11日、市立垂水中学校(垂水区)の女子生徒1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。同中では5日、30代男性教諭の感染が確認され、8日まで休校していた。女子生徒は3日にこの教諭の授業を受けたが、感染との関係は不明という。
市によると、女子生徒は10日に発熱し、11日に検査で陽性と判明した。軽症という。
女子生徒は同じ学年で別のクラスに在籍しており、感染した教諭が担当する教科の授業を受けていた。
( → 中学生1人がコロナ陽性 先に感染の教諭が授業、関係は不明 神戸(毎日新聞) )
「ほれ見ろ。やっぱり分割登校は大切だ」
と思う人もいそうだが、勘違いだ。「教師から生徒への感染」は、分割登校などをして、教室の密度を下げたところで、何も変わらない。
教室の密度を下げることは、生徒同士の感染を防ぐためにある。今回は、生徒同士の感染があったわけではなく、教師から生徒への感染があったらしい。それは、教室の密度を下げたとしても、防げるわけではない。
教師から生徒への感染を防ぐには、「教師がマスクをして、拡声器を使う」という方法が一番だ。まずは拡声器を全教師に配備することの方が優先される。(たいした金額ではない。アベノマスクや GoToキャンペーンよりもはるかに安い。電通への手数料よりもずっと安い。価格の1万円を生徒 35人で割ると、生徒1人あたり 300円ぐらいだ。給食の補助金が減った分で、お釣りが出る。)
なお、本件では、「教師から生徒への感染があった」とは確定しておらず、「生徒は別の経路で感染した」という可能性もある。感染者は1人しか出ていないので、集団感染が発生したわけでもない。詳細は不明だ。
「教師から生徒への感染」という事例。
本文中で加筆しておきました。リンクあり。
首都圏などで感染拡大している中で、イベントなど、規制されていたものをわざわざ緩和する必要性は本当にあるんでしょうかね?
規制緩和で、少なくともマスク不着用などで対策マナーを守らない人たちがいるのは事実ですし、
彼らから感染がより広がる危険性はありますしね。
緩和できるときに緩和しておかないと、あとでいっそうひどくなったときに、規制するだけの体力がなくなって、最悪の時期に規制が不可能になる。
現状はそうだ。3月中に、無駄に休校やイベント中止をやったせいで、学校もサービス業も、規制強化を検討することすらしない。「マスク義務化」という規制強化すらできない。それどころか GoTo キャンペーンで感染拡大を狙うありさまだ。
「産業規制をいつまでも続けるわけには行かない」というのが政府の言い分だが、それというのも、春先の不要な時期に過剰に規制したせいだ。
現時点では、規制するべきものはホストクラブだけであり、ここを規制すれば足りる。次に規制するべきものがあるとしたら、満員電車。イベント中止は、それよりもずっと後の順番になる。
どうしてもイベント中止を実行したいのであれば、次の条件を受け入れてください。
「 10万円の特別給付金をすべて没収する。全国民から等しく 10万円を徴収して、イベント中止で損害を受けた特定産業に補償する」
これならば、理屈は通ります。
自分の安全のために相手をぶんなぐっておいて、「ぶんなぐった責任は取りません」というのは、道理が通らない。まるでイスラエルとトランプだ。
たしか、濃厚接触者の定義に、「マスク等の感染予防策を取っていなかった場合」という項目がありましたよね。(もう無い?)
ここでちょっと思ったんですが、
マスクをしていない集団で感染が拡がっている、のではなく、検査自体、マスクをしていない集団に対して行っている、という可能性はないですか?
感染発覚者には、無症状者も多いと聞きます。そういう人たちは、症状を発症した感染者の近くにいた、ノーマスクの人であり、
そういうノーマスク集団を検査するから、おのずとホストみたいなノーマスク集団から発覚者が多数出てくる。
でも実は、マスクをしているグループでも感染は同様に拡がっている。ただ保健所が検査しないだけ。感染者本人も、無症状だから気付かないし、他人にうつすのは一部だから、多くは自然と消滅し、うつす一部は「経路不明」の根本となる。
感染させる人がノーマスク。
感染させられる人は、マスクをしているかどうかは、関係ありません。
感染させる人がノーマスクであれば、他の人がマスクをしていても、飛沫を浴びて、感染させられてしまいます。
そうではなく、「感染させる人がノーマスクだったパターンでしか周りの人の感染の有無を調べないんじゃないか」ということです。
実際、厚労省的には、感染させる人がマスクをしていたら、その人の周りの人は濃厚接触者にはあたらないようです(個別に考慮するらしいが、原則としては、そうらしい)。
濃厚接触者でなければ、症状も無ければ検査もしないでしょう。
もしマスクをしていても感染させるなら、方針を変えなければならない。
もちろん飛沫感染や接触感染もあるでしょうから、マスクが役立つのは変わらないでしょうが、
それだけでなく、たとえば換気の義務化もしなければ、クラスターは抑えられないかもしれない。
×「症状も無ければ検査もしないでしょう。」
〇「症状が無ければ検査もしないでしょう。」
新宿の公演で、観客に多数の感染者が出たことと、その原因。
そのような説は初耳です。
それが正しいかはともかく、個人的に言いたいのは、規制緩和は感染者数が収束し続けている場合のみ良くて、今のように再増加していれば緩和は据え置きしないと後で余計に感染爆発でひどくなる危険性があるということです。
>「産業規制をいつまでも続けるわけには行かない」というのが政府の言い分
本来なら、感染が収束しない限り規制を長く続ける覚悟で3月時点で規制自粛すれば良かったでしょう。
感染状況に関わらず政府のそういう方針に執着することが良くないと思います。
>「 10万円の特別給付金をすべて没収する。全国民から等しく 10万円を徴収して、イベント中止で損害を受けた特定産業に補償する」
特別給付金制度実施前なら、そういう資金を特定産業補償に回すのもありかと思います。
ただ、給付金制度実施中の今では、今更そういうこと言っても政府が実施する見込みはないですね。
つまり、それらの補償のために個人的に給付金拒否しても結果的に無駄になるだけです。
ですので、現状では自分は給付金を有難く受け取るつもりです。
もしも今後、その条件通り政府が給付金没収を実施するなら、自分は素直に受け入れるつもりです。
[ 付記3 ]と [ 付記4 ]で述べたように、感染の増加の理由は、マスクをしていない水商売の人です。ここを規制すればいいのであって、マスクをしている人を規制しても効果は小さい。
犯罪を減らすには犯罪者を閉じ込めればいいのであって、犯罪をしていない人を大量に閉じ込めても、効果は少なく、損害が莫大になるだけです。
亜留守 さんの意見は、世の中の大多数の「外出規制を強化せよ」という意見と同様なので、珍しくはありません。しかしそのせいで、飲食業や観光業の人々は、瀕死の状況です。
→ https://anond.hatelabo.jp/20200714032032
経済損失は莫大で、効果は小さいというのが、外出規制や緊急事態宣言です。
経済損失は最小で、効果は最大というのが、水商売におけるマスク義務化です。本サイトではこちらを推奨しています。
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都によりますと、主催者は、公演と公演の間などに窓を開けて換気したあとは、換気扇などを動かしていたものの、ドアや窓を閉めきったまま2時間ほど公演を続けたと説明しているということです。
さらに、8畳ほどの楽屋に一時、最大で11人の出演者が入り密集した状態が生まれていたほか、出演者を待つ「出待ち」をしないよう呼びかけていたものの、一部の客が出演者と接近したケースがあったと説明しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200717/k10012521491000.html
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換気が不十分だったようにも見えるが、劇場の換気量は法律で十分な量が規定されている。法律を守っているなら、換気扇を動かすことで、問題ないはずだ。
問題はやはり、楽屋などの密集だろう。しかもそこではマスクもしていなかった。
これでは感染会も同然だ。本文中に述べた通り。
※ ただし、換気はもっとやった方が良かった。NHK の推奨するように、ドアを二つあけて、扇風機で常時換気すべき。
“我慢のGW”も…野外フェスに1万人集結 住民困惑
[2021/05/03 15:44](テレ朝ニュース)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000214921.html