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マスク義務化はなぜ大切か? その原理を示そう。
実は、この件は、前に論じたので、それを見れば済む。
→ 感染防止の常識の誤り: Open ブログ
その要点は、こうだ。
なるほど、マスク着用は、たいていの人がすでに実施している。しかし、たいていの人がマスクをしても、それでは感染防止にならないのだ。マスクをしていない少数の人が、スーパースプレッダーとなって、感染を拡大させるからだ。
犯罪防止をするには、普通の人がいくら努力しても仕方ない。犯罪者そのものを抑止するしかない。そのことを理解するべきだ。そして、そう理解すれば、「全員マスク」が必要だとわかるし、そのためには、「マスク義務化」こそが大事だ、とわかるはずだ。
犯罪をしない人が「犯罪をするまい」といくら努力しても、犯罪は減らない。犯罪をする人が「犯罪をするまい」と努力する(または周囲が「犯罪をさせまい」と努力する)ことで、犯罪は減る。
ま、当り前ですね。
ところが、これと逆のことを目指しているのが、東京都だ。
→ 「東京都民は他県への移動遠慮を」小池知事、自粛を要請:朝日新聞
感染源とならないような普通の人に「行動制限」を求める。いわば、犯罪をしない人に「犯罪をしないでくれ」と求めるように。
その一方で、感染源となるような危険な人(ホストクラブや酒場に行く人)には、何ら「行動制限」を求めない。ホストクラブではマスクなしで飛沫を飛ばしあって飲食することを許している。いわば、犯罪をする人に「犯罪をしてもいいよ」と許すように。
マスク義務化は、普通の人にとっては、やってもやらなくても同じことだ。なぜならすでにマスクを着用しているからだ。ところが、一部の無法者が、ホストクラブなどでマスクなしで飛沫を飛ばす。つまり、感染ごっこをする。こういう連中に絞って有効になるのが「マスク義務化」なのだ。
「マスク義務化をすると、厳しく処せられる」と懸念する人が多そうだが、普通の人はまったく影響を受けない。たまにマスクを着用するのを忘れても、何のお咎めも受けない。単に店や駅に入場できなくなるだけだ。
また、その時は、「マスクを忘れたから、マスクを買う」という対処で、ことは片付く。駅ならばキオスクでマスクを買えば済むだけだ。別に罰金を取られるわけでもないし、逮捕されるわけでもない。
一方で、マスクなしの客を入店させて営業している店は、厳しく罰せられる。「営業停止処分」という形で。ま、1〜2人ぐらいならば、大目に見られるだろうが、5人以上の客がマスクなしでずっと放置されていたら、一発で営業停止処分となるだろう。(動画撮影すれば証拠となる。)
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一般に、「みんなが協力することでうまく行く」という団体行動では、協調を乱す人が厳しく処罰されるのは当然である。
たとえば、火事場のバケツリレーでは、みんなが協力することで、火事の火を消すことができる。ここで、途中の誰か一人が、「疲れて、馬鹿馬鹿しい」と思って、受け取ったバケツの水を捨ててしまったら、それまでの多くの人々の努力が無に帰するし、火事の火を消すことができなくなる。
コロナもそうだ。多くの人々がマスクを着けて努力して、市中の感染を激減させた。なのに、少数の人がホストクラブに通って、コロナの感染者を激増させる。こういう少数の不心得者のせいで、全体の努力が無に帰する。
そして、こういう場面において、少数の不心得者を是正しようとするかわりに、「一般人はもっと努力しろ。過剰に努力しろ。不心得者の尻ぬぐいをするために、一般人が過剰に努力しろ」と尻をたたくのが、小池都知事だ。やるべきことを間違えている。
それというのも、マスク義務化の原理を理解できないからだ。
【 追記 】
「罰則は?」という質問に答える。(私案)
・ 原則として、店舗への罰則のみ。(営業停止処分。)
・ 客に対しては、店舗の側が要請するだけ。(違反者は退去処分)
・ 鉄道でのマスク義務は、法的対象になってもいい。(公的処罰あり)
・ 路上のマスクは、一般には義務化の対象外。ただし大流行の地域では、義務化の対象になることもある。(国や地域で差がある。)
※ 「違反者は退去処分」の件。仮に退去しない客がいたら、「不退去罪」になるので、警察に逮捕される。違反者には刑事罰が下る。3年以下の懲役または 10万円以下の罰金だ。
義務化なら罰則を伴う法律が必要なはず。
どのような法律が今現在あるのか、あるいは新たに作らなければならないのか、
教えていただければ幸いです。
「罰則は?」という質問に答える。