2020年06月28日

◆ リニア新幹線と静岡 3

 リニア新幹線の工事が静岡県の反対で頓挫している。

 ──

 JR東海社長と静岡県知事がトップ会談することになった。その事前記事。
 リニア中央新幹線の品川―名古屋間の2027年開業が遅れる公算が大きくなってきた。静岡県の川勝平太知事が「待った」をかけ続けるなか、JR東海は6月に県内工事に着手できないと「27年開業が困難」と表明。両者のトップ会談で打開をめざすが、ハードルは一段と高くなっている。
( → リニア27年開業、JR「困難」 品川―名古屋、静岡で月内着工できないと:朝日新聞

 その事後記事。
 JR東海のリニア中央新幹線の開業が、目標の2027年から遅れる見通しが強まった。総事業費は大阪まで含め9兆円。巨大事業に待ったをかけたのは、環境への悪影響を心配する静岡県や大井川流域の自治体だ。
 会談後、報道陣の取材に対し、川勝知事は工事着手について「とんでもない」と認めない考えを明確にした。県の事務方も協定について「現時点で結べる状況ではない」として月内の着工は不可能と説明。「27年開業」を掲げてきたJR東海へ、事実上の「延期通告」となった。
( → JR東海

 解説記事もある。
  → (時時刻刻)リニア、見えぬ出口 水保全、静岡県・JR東海の溝埋まらず:朝日新聞
  → リニア 静岡県知事の発言真意を確認へ JR東海 | NHK





 はてなブックマークでは、静岡県側を支持する人が多い。大井川の水量の減少があると、地元民が困る、という意見。
  → はてなブックマーク

 だが、これらの意見は、勘違いしている。
 彼らはこう思っている。
 「大井川の水量が減ると、農業や工業で多大な影響が出る。大井川の水を利用している農家や工場は多いからだ。これらに莫大な影響を与えるのだから、JR東海が悪い」

 しかしこれは勘違いだ。正しくはこうだ。(影響は部分的だ、という趣旨。)
 「大井川の水量は豊かである。それが一挙に干上がるわけではない。ある程度の部分量が減るだけだ。部分量が減ったとしても、通常の時期には、何の影響もない。ただし8月ごろの渇水期には、影響が出ることはある」
 「影響が出るとしても、工事中の数年間だけだ。工事が終わったあとでは、影響は出ない」
 「影響が出るとしても、別に、人命に関わるようなことはない。人の生命に必要な水道の水が止まるわけではない。単に農家や工場で経済的な損失が生じるだけだ」


 以上のことからわかる解決案は、こうだ。
 「農家や工場に経済的な損失が出たならば、その経済的な損失を補償すればいい。せいぜい数十億〜数百億円だろう」

 
 一方、最悪の方針は、こうだ。
 「数十億〜数百億円の補償金を惜しむかわりに、リニアの工事費の数兆円のすべてを無駄にしてしまう。静岡県以外で数兆円の工事をかけるのだが、静岡県で中断してしまうせいで、列車が通らなくなり、数兆円のすべてが無駄になる」


 現状では、この最悪の方針を選択しつつある。はてなブックマークの人々もそうだ。



 [ 付記 ]
 結局、「経済的な損失が出たら、きちんと補償すること」を条件に、工事を認めればいい。
 「工事だけして、補償しない」ということを懸念しているのであれば、補償することに「担保」を取ればいい。具体的には、次のことだ。
 「工事を認める。ただし、工事の最終区間の 20メートルだけは、認めるかどうか未定とする」
 
 このあと、次のようにする。
  ・ 損失に補償されたら   → 最終区間の工事を認める。
  ・ 損失に補償されなければ → 最終区間の工事を認めない。


 これによって、損失に補償が出ることの担保が得られる。ゆえに、最終区間の 20メートル以外については、どんどん工事をしていい。工事の遅れはなくなる。
 最終区間の 20メートルについては、合意が遅れたとしても、合意のあとで、ごく短期間で工事を済ませることができる。( 20メートル分なら、数日間で工事が済む。)



 [ 付記 ]
 この問題については、すでに別項で論じたことがある。次の二項目だ。
  → リニア新幹線と静岡の水利権: Open ブログ
  → リニア新幹線と静岡県の反発: Open ブログ

 本項で述べたことは、上記に項目の焼き直しふうだ。二番煎じと言ってもいい。



 【 関連サイト 】
 この件は、水量の問題があるというより、静岡県の強欲が理由だ、という指摘もある。
  → リニアを阻む「水問題」 専門家の指摘で分かった“静岡県のもっともらしいウソ” - ITmedia
 
posted by 管理人 at 23:57| Comment(0) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
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