NHK のコロナ番組があった。見えにくいものの可視化をテーマとする番組。( 6月17日)
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番組案内は下記。
→ 見えないウイルスの脅威…科学の力で徹底的に可視化! “可視化”でまるわかり!新型コロナ対策の新常識
→ 飛まつの広がり方 新動画発表 スパコン「富岳」で計算 | NHK
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番組の内容は、次のような趣旨。
(1)
スパコンの富岳でシミュレーションするとわかった。デスクで対面していると、飛沫は1メートル先の相手に吹きかかるだけでなく、デスク上にも落ちて、そこから接触感染が生じる。
(2)
蛍光塗料でシミュレーションすると、感染者の手に付いた飛沫が、接触感染を通じて、ビジネスをしている同僚の手や口に拡散していく。経路は、机、事務機器、ドアノブなど(★) 。同僚の手がそれに汚染されたあとで、同僚がマスクを外して水や茶を飲むと、同僚の顔に蛍光塗料が付着するようになる。口元など。
(3)
接触感染を防ぐには、1日3回程度、感染経路(★)や手指をアルコール消毒するといい。部屋の全面を消毒する必要はなく、人の手が触れる箇所だけを消毒すればいい。
(4)
部屋が密閉されていると、エアコンの対流を通じて、室内の多くの人々に空気感染(エアロゾル感染)が起こる。
(5)
空気感染(エアロゾル感染)を防ぐには、換気が大切だ。
・ 1部屋に2ドア(窓)で、風の通行を作れ。
・ 1部屋に1ドアならば、扇風機とサーキュレーターで。
扇風機は排気。サーキュレーターは吸気。高さを変えよ。
( ※ 私見だが、扇風機の方向を上向きにしてもいい。)
(6)
スパコンで外出制限のシミュレーションをしたら、「生徒は休校。大人は在宅勤務が半数」という条件では、効果はあまりない。軽症者はいくらか減るが、高齢の重症者はほとんど減らない。理由は(高齢者の)商業施設での感染。
( ※ 私見だが、商業施設で接触感染するから、人の密度はあまり関係ないのだろう。)
(7)
スパコンのシミュレーションでは、効果があるのは「高齢者が商業施設に行く回数を半減すること」だ。ついで、「商業施設に入っている滞在時間を半減すること」だ。
( ※ 回数を減らせないのなら、せめて滞在時間を減らせ、ということ。大勢の滞在時間が減ると、混雑率も低下するので、効果が上がるそうだ。)
以上が、NHK の番組内容だ。
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私のコメントを述べておこう。
(A)
「外出規制をしても、感染者数や重症者数はあまり変わらない」というのは、「人と人との接近で感染する」というよりは、「人と物との接触で感染する」からだろう。
商業施設では、商品や金銭などの物を通じて接触感染が起こると考えられる。
( ※ タッチパネルや、金銭のトレイや、レジ係の手指などを通じて、感染しがちだ。)
(B)
番組では、「マスクの有無」が言及されてない。シミュレーションするにしても、マスクの有無で結果は大きく変わるはずだが、マスクの有無については言及されていない。
シミュレーションの条件を見る限り、やたらと感染が起こりがちだと想定されているので、どうやら「マスクなし」を前提としたシミュレーションであるようだ。
一方、マスクをすれば、飛沫が飛ばないのだから、感染者は激減するはずだ。特に、接触感染という経路による感染は大幅に減るはずだ。
どうせシミュレーションをするのなら、「マスクの有無」もシミュレーションすればよかったのにね。あるいは、「マスクの有無と外出規制はどちらが効果的か」というシミュレーションをすればよかったのにね。
何だか、ちょっと隔靴掻痒たる番組だった。
【 追記 】
NHK の対処法には、難点がある。
(1)
「商業施設に入る回数を半減する」という策を取っても、店内にまきちらしたウイルスに接触する確率が減るわけではない。週に3回だろうと7回だろうと、どっちみち、接触する可能性は 100%に近い。つまり、上の対策は無効だ。
では、どうすればいいか? 「店内のマスク義務化」が最も有効だろう。次いで、「入店時のアルコール消毒の義務化」だ。
(2)
「ドアをあけて換気」という方法では、ドアの向こうの廊下の空間がウイルスで汚染されてしまうので、何の意味もない。換気するなら、ドアではなく、窓にするべきだ。窓を開けて、外気と換気する。これなら意味がある。
NHK の推奨は、ちょっとおかしい。
※ 冷房を効かせているときには、常時、窓を少し開けておくといい……という対処法はあった。これはOKだ。
2020年06月18日
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バカな大人と若者は手抜きをするよ
そいつらが感染の原因だな