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(1) 新デザイン
ローソンの PBデザインが一新された。ベージュ系の簡素なデザインに統一されたが、「どれもこれも同じようで区別が付かない」と、ひどく不評だ。
→ ローソンのプライベートブランドのデザインに賛否両論
→ ローソンPB新パッケージの「わかりにくすぎる」という問題 専門家に訊く
→ ローソン パッケージの「点線まで剥がして」の”点線”が見つからない
ローソンのPBのデザイン、初めて目の当たりにしてさすがに笑けてしまった。
— 森 (@h_mori_) June 16, 2020
「製品が良かったから売れた。デザイナーが悪いから売れない。」
って世界観だからデザイナーは攻められない。
にしても右上の生姜焼きが旨そうすぎるだろw pic.twitter.com/d7Eg9WRIQk
なお、「無印の思想を真似したのだろう」という勘ぐりもある。「無印の劣化版だ」という批判も。
(2) 無印と提携
ローソンはデザイン変更を撤回するだろうと予想されたが、意外にも、「無印良品と提携する」という別方向の対処をしてきた。
ローソンは良品計画と提携する。一部の店舗に生活雑貨「無印良品」の商品を置くほか、日用品などプライベートブランド(PB)商品の開発にも乗り出す。
17日から東京都内のローソンの直営店3店舗で無印良品の商品を販売する。店内に専用棚を設けて肌着や化粧品、文房具などを陳列する。ローソンの1店舗で取り扱う商品数は約3500品目で、最大約500品目を無印良品の商品に置き換える。他の国内約1万5千店舗でも立地や顧客動向を見ながら、取り扱いを広げられるか検討する。
店舗での売れ行きの分析を基にプライベートブランド(PB)商品も共同開発する。
( → 新型コロナ:ローソン、良品計画と提携 店頭に「無印」、PBも開発 :日本経済新聞 )
最後の1行のことが本来の目的ではないか、とも疑われる。
(3) 無印良品のデザイナー
無印良品は日本では珍しく、デザインに徹底的にこだわった会社である。そのこだわりぶりは、デザイナーの一覧を見ればわかる。そうそうたる顔ぶれが並んでいる。
→ 【実はこんなにすごかった】「無印良品」のデザインへのこだわり
このなかに「原研哉」という名前があることに着目しよう。
(4) 原研哉の五輪エンブレム
五輪エンブレムというと、パクリ騒動があったことを思い出す人が多いだろう。その後、現在の市松模様のエンブレムが決まったが、これは、「目がチカチカする」という理由で、私は批判した。
→ 五輪エンブレムの4案: Open ブログ

このデザインについては、私は「駄目」という駄目出しをしたが、デザインのレベルだけで考えれば、そこそこレベルの高いデザインだ。一方、他の3案は、デザインのレベルがあまり高くないので、選ばれなかったようだ。
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ところが、である。今回、ローソンの話題のついでに、上記のような経路で「原研哉」という名前を知ると、彼の五輪エンブレムデザインが非常に優れていると判明した。(下記のリンクに画像がある。)
→ 五輪エンブレムコンペで次点のデザイン、原研哉さんがWebで公開 - ねとらぼ
→ 五輪エンブレム問題、2位の原研哉氏デザインが素晴らしいと賞賛
(上記のリンクに画像がある。)2020東京五輪エンブレム 第1回設計競技案。次点と公表されたのち、一部が出所不明の漏洩に見舞われた自作案を、著作権が手元に戻ってきた現時点で、可能な限り忠実に公開します。 https://t.co/O4pYh4kXaC
— 原研哉 (@haraken_tokyo) November 2, 2015
この案は、2回目の公募では候補には入らなかったが、1回目の公募では2位になっている。パクリで排除されたデザインがなくなったなら、この2位のデザインが選ばれていていいはずだったのに、なぜか選ばれず、選び直しとなった。そのあとで、駄目なデザインばかりが集まったすえに、市松模様のデザインとなった。
どう見たって、この赤丸デザインの方が圧倒的に優れているのに、わりと平凡な市松模様のデザインの方が選ばれてしまった。まったくひどい選択だ。
( ※ 第1回の公募の作品も自動的に候補に入れておけばよかったのだが、あえて除外してしまったらしい。そうでもないと、説明が付かない。(わざわざ優れたデザインを捨てて、凡庸な不快なデザインを選ぶとしたら、よほどの変な理由があったと推定するしかない。)
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ともあれ、ローソンのPBは、ひどいレベルのデザインで、見にくくて困っているが、同様に、五輪のエンブレムも、ひどいレベルのデザインで、見にくくて困っているわけだ。
どっちもそうだ。こんなところに、共通点があった。
ローソンのPB とかけて、五輪エンブレムと解く。その心は? …… という感じ。
※ 「無印良品です」と答える人もいそうだが。