【 訂正 】 数字の計算式を修正しました。
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東京都の感染者数は、本日も 25人で、なかなか減らない。理由は「夜の街」の感染だ。
東京都は12日、都内で新たに25人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
25人のうち13人は夜の繁華街に関連している人で、11人はいずれもホストクラブに勤める20代と30代の男性。
( → 東京都 新たに25人感染確認 新型コロナウイルス | NHK )
東京都が発表しないので、マスコミも報道しないが、「夜の街」の感染というのは、要するに、「マスクをしないで接客をしたことによる感染」だ。この件は、前にも示した通り。
→ マスクの話題 9: Open ブログ の (2)
その一方で、東京都は、東京アラートを解除して、ステップ3に移行した。
→ 東京アラート解除、ステップ3に移行でどう変わる?
12日午前0時から休業要請緩和の「ステップ3」に移行し、カラオケ店やパチンコ店、遊園地などが営業再開が可能となった。
( → 小池知事「新たなステージにふさわしい体制を」 )
感染者が繁華街で続出しているという状況で、規制を解除しようというのだから、狂気の沙汰にも思えるが、彼らは「マスクをしないせいで感染」という原理さえも理解できないのだから、仕方ないのかもしれない。
( ※ 猿には科学は理解できないものだ。)
──
そこで、彼らに変わって、科学的に考えよう。
「マスクをしないのが感染の原因だ」
とはわかったとしても、食事やカラオケでは、マスクを外さざるを得ない。「マスクを外すな」と言っても、無理なのだ。
とすれば、できることはせいぜい、こうだ。
「マスクをしないで集合するときの、集合の人数を減らす」
具体的には、会食やカラオケの人数を、2〜3人ぐらいに制限すればいい。5人以上の集合を禁じればいい。……これが指針となる。
──
ここで、問題だ。上記のような人数の制限をすればいいとはわかるが、あくまで直感的な判断であるにすぎない。もっと科学的には言えないだろうか? 「人数が多くなると、危険度が増す」というのを、科学的に数値化して示せないだろうか?
そこで、これをテーマとして考えよう。
まず、2人の人がいて、たがいに感染する可能性があるとする。これは、次の図で示せる。
○ ○
5人ならば、次の図で示せる。
○
○ ○
○ ○
では、後者は前者の何倍ぐらい、感染の可能性が高まるか?
「5人だから5倍だろ」と思うかもしれないが、「2人だから2倍だろ」ということは成立しない。なぜなら、1人だけのときには、感染の可能性は、1倍ではなく、ゼロだからだ。1人しかいないときには、他人に感染させる可能性はゼロだ。(感染させる相手がいないので。)
まともに考えると、次のようになる。
特定の1人(たとえば図の左下の ○ )に感染させる可能性があるのは、他の4人だ。(一般的には n−1 人だ。 n人から本人分の1を引く。)
ゆえに、感染者が2人の場合に比べると、感染の可能性は4倍に高まる。(一般的には n−1 倍だ。)
「5人だから5倍だろ」と思うかもしれないが、それだと「2人だから2倍だろ」ということになる。これが基準となるから、2倍に対する5倍、つまり、 5/2 倍が正しい倍率となる。(一般的には n/2 倍だ。)
※ 正確には順列組み合わせの考え方をする必要があるが、感染の可能性が1%を下回るような小さな値の場合には、2次の項を無視していい。0.01 の2乗は 0.0001 で無視可能となる。(3次以上も同様。)
一方、感染した場合には、(新型コロナの感染力はとても強いので)その場の全員が感染すると仮定すると、その場にいる5人全員が感染する。(一般的には n人だ。)
感染の可能性は n/2 倍。
感染者数は n人だが、新規感染者数は n−1人だ。(うち1人はもともとの感染者。)
n=2 の場合の新規感染者数は1。
結局、n 人の場合には、感染の可能性が n/2 倍に高まり、感染の規模が n−1 倍に高まる。双方を掛けて、危険度は
n (n−1)/2 倍
だ。これが、2人のときの危険度に比べて、n人のときの危険度の倍率となる。
具体的に数字を当てはめると、こうだ。
2人 …… 1倍
3人 …… 3倍
4人 …… 6倍
5人 …… 10倍
6人 …… 15倍
2人だけの集合ならば、危険度はあまり高くないとわかる。
3人だと、危険度はかなり高まるが、場合によっては許容できる。
4人だと、危険度は著しく高まるので、やめた方がいい。
5人、6人だと、危険度はメチャクチャに高まるので、論外である。
──
以上のことから、会食やカラオケの危険度が、人数に依存して、著しく高まることがわかる。
思えば、京都産業大の卒業の日、二次会で大量の感染者が発生したことがあった。
→ 新型コロナは 会食が危険: Open ブログ の (5)
このときも、二次会でマスクなしで集合したせいで、出席者が大量感染したのだった。
京産大によると、卒業祝賀会や懇親会に参加するなどした卒業生と在学生計27人が検査で陽性と判明し、クラスター(感染者集団)とされた。
( → 京都産業大関連の感染は40人超 京都府で新たに4人(共同通信) )
大勢が1箇所に集合して、マスクなしで会食すると、こういう大量感染が起こる。
ここでは、感染の可能性が n−1 倍に高まり、感染の規模が n−1 倍に高まっていたのだ。
多くの人数の集合では、こういうふうに感染の危険性が著しく高まる。そのことを数字ではっきりと理解しよう。
そして、そのことを理解しないまま、「マスクの義務化」すら語ろうとしない東京都は、あまりにも方針が見当違いすぎる。
また、「3密」ばかりを語っている専門家会議も、見ている方向があさっての方向だと言うしかない。そこには科学的な議論がほとんどないのだ。
※ 以下は統計的な細かな話。
[ 補足1 ]
文中における「感染の可能性」というのは、「感染者数/人口」という値に等しい。
たとえば、1000万人の人口があって、感染者数が 20人なら、目の前の一人が感染者である可能性(確率)は、「 20/1000万」である。
この 20人というのは、新規感染者数を用いていい。(なぜなら、それ以前の感染者は、すでに隔離されていて、市中にはいないからである。)
※ 未報告の潜在的な感染者がかなりいるとしても、本項の議論には影響しない。絶対数でなく、相対的な倍率を考えるだけだからだ。
[ 補足2 ]
「(新型コロナの感染力はとても強いので)その場の全員が感染すると仮定する」
と述べたが、この仮定が成立しないと、どうなるか? たとえば、「その場の 70%が感染する」と仮定した場合には、どうなるか?
実は、その場合も、本項の議論には影響しない。絶対数でなく、相対的な倍率を考えるだけだからだ。
2人の場合、3人の場合、4人の場合、……などで、それぞれの絶対数は 70%になるが、それぞれの絶対数の比率(相対的な倍率)は、先に述べた比率と同じである。だから、結論は変わらない。
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52335756.html
そうですか?
何故、東京だけ?
夜の街は東京にしかない?
うぬぼれては、いけません。
全国で、東京でだけ、マスクをしない?
東京人は野蛮人?
それは、可哀想。
一番重要なことを説明しないで
どうでもよいこと論じても無駄。
じゃあないでしょうか?
ああいう怪しい繁華街は、東京限定というより歌舞伎町限定であって、都内の他地区にもないし、他県にもない。
あと、他県ではすでに感染者がもともとゼロ同然にまで減っている。東京は毎日 10人ぐらいの新規感染者が発生している。それが、本項で述べた倍率で拡大していくわけだ。
店内ではマスクをしないので。
東京の「夜の街」は、マスクをしない人が多い。
つまり、東京の「夜の街」を閉めれば、
日本全国民が安心に暮らせるでしょう。
ホストやら客やらが日本全国に出張するのではないでしょうか。
以前もそのような話がありましたし。
東京は日本全国民のため犠牲になったのだ(棒読み
以上のことから、会食やカラオケの危険度が、人数に依存して、著しく高まることがわかる。
⇒ 感染の規模が(n-1)倍に高まる、というところは正しいのですが、感染の可能性(確率)が(n-1)倍に高まるというところは違うと考えます。
(n-1)人の中に1人でも感染者がいる確率はどれだけか、というところが大事で、その値が、n=2→3→4→5→6人となったときにどれだけ増えるかが単純ではないからです。(n-1)人全員が感染者なんだから、n=2人のときに比べてその確率は(n-1)倍だとするのは間違いです。なぜなら、他の(n-1)人も全員感染者だと仮定してしまったら、nの値に関係なくその確率は常に100%だからです。
正しくは、手法が煩雑になるようですが、1人の人が感染者である確率([補足1]にある[感染者数/人口]というパラメータを、最低限導入する必要があります。
1人の人が感染者である確率:k(10%なら0.1)
1人の人が感染者でない確率:(1-k)
n人の集団に感染者がいない確率:(1-k)^n
n人の集団に感染者がいる 確率:1-(1-k)^n
こうやって計算した確率値に、筆者提示の感染の規模をあらわすパラメータ(n-1)人を掛け算したものが、「あらたに何人の感染者が発生するか」という期待値(人)になります(なお、感染力が強いので集団に感染者が1人でもいれば全員感染するという仮定は踏襲)。
〇 k=0.01(国民の1%)が感染として計算すると、
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0199 1.00
3 0.0594 2.99
4 0.118_ 5.94
5 0.196_ 9.85
6 0.293_ 14.7
〇 k=0.004(国民の0.4%)が感染として計算すると、
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.00798 1.00
3 0.0239_ 2.99
4 0.0477_ 5.98
5 0.0794_ 9.94
6 0.119__ 14.9
と、それぞれなります。k=0.4%というのは、先日のソフトバンクの4万人規模の抗体検査の結果を流用してみました。会食やカラオケの危険度が、人数に依存して著しく高まるというのは間違いないですが、当初ご提示の数値(危険度)よりは低くなるはずです。
※ 一部訂正します(推敲の過程で、筆者の主張を私が当初誤読した部分が残っていました)。
誤:(n-1)人の中に1人でも感染者がいる確率はどれだけか、というところが大事で、その値が、n=2→3→4→5→6人となったときにどれだけ増えるかが単純ではないからです。(n-1)人全員が感染者なんだから、n=2人のときに比べてその確率は(n-1)倍だとするのは間違いです。なぜなら、他の(n-1)人も全員感染者だと仮定してしまったら、nの値に関係なくその確率は常に100%だからです。
正:(n-1)人の中に1人でも感染者がいる確率はどれだけか、というところが大事で、その値が、n=2→3→4→5→6人となったときにどれだけ増えるかが単純ではないからです。(n-1)人全員が感染者の可能性があれば、n=2人のときに比べてその確率は常に(n-1)倍だとするのは間違いです。筆者は、「順列組み合わせの考え方をする必要があるが、感染の可能性が1%を下回るような小さな値の場合には、2次項目以下を無視していい」と主張していますが、このモデルにあてはめるには適当でない仮定のように思えます。
という数式までは、私の考えと同じなんですが、それ以後の実際の数値を計算すると、そちらの試算とは違った数字になります。
2 0.0199
3 0.0297
4 0.0394
右の数値は n * k で近似できます。「1%を下回るような小さな値の場合には、2次項目以下を無視していい」が成立します。
※ ただし正解の数値は n(n-1)/2 でしょう。
この倍率で計算すると、最終的な危険度は、そちらの試算と、ほぼ同じになりますね。
──
本文の記述を書き改めました。
陽性者の感染力が(同量のウィルスを持っていても)それぞれに異なるってところをモデルに組み込めるかってとこじゃないの
マスクをすることで感染力を(弱める方向で)均一化できるのではないか
返信ありがとうございます。
私が示しました数値は、
1-(1-k)^n ではなくて、
1-(1-k)^n × (n-1) の値です。
感染の可能性を表す値に、感染の規模を表す値をかけてあります(途中経過ではなくて最終の値です)。途中経過の1-(1-k)^n(k=0.01の場合)であれば、
2 0.0199
3 0.0297
4 0.0394
で間違いないと思います。
> ※ ただし正解の数値は n(n-1)/2 でしょう。
うーん、といっても、この近似が成立するのは、n=10(人)くらいまでだと思います。
n=10, k=0.01のとき、近似解は45(倍)、厳密解は43.2(倍)です。本稿の趣旨である、身内での会食やカラオケにおいては、式・数値ともこの理解で良いということになりますか。
屋形船の会食やライブハウスなんかを想定して、n=30とすると、近似解は435(倍)、厳密解は379(倍)となり、15%くらいの開きが出てきます。
もちろん、人数が増えて行けば、本稿[補足2]などに記載のあるとおり、「(新型コロナの感染力はとても強いので)その場の全員が感染すると仮定する」を見直して、もう一つパラメータが必要になってくるとは思いますが。
こんなに多くなると、もう倍率を細かく計算する必要もない。
あと、大集団になると、「離れた人には感染させにくい」という効果が出てくるので、前提が成立しなくなってくる。
> 「(新型コロナの感染力はとても強いので)その場の全員が感染すると仮定する」を見直して、もう一つパラメータが必要になってくるとは思いますが。
という話の通り。だから、大人数については、計算精度を求めることはない。
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0199 1.00
3 0.0594 2.99
4 0.118_ 5.94
5 0.196_ 9.85
6 0.293_ 14.7
言及があれば申し訳ないですが、「あらたに何人の感染者が発生するか」という期待値としては計算に誤りがありますね。原因は「新規感染者が一律n-1人」として計算している点にあります。正しくはその集団の感染者がs人として、「新規感染者はn-s人」に対して各々の場合に対して期待値計算を行う必要があります。計算しなおすと以下です。kが小さい場合は倍率には影響が見えないですが、大きくなるに従い誤りのある計算では倍率が過大評価となります。
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0198 1.00
3 0.0591 2.99
4 0.118_ 5.94
5 0.195_ 9.85
6 0.291_ 14.7
30 7.50__ 379
> 感染の可能性は n/2倍。
> 感染者数は n人だが、新規感染者数は n−1人だ。(うち1人はもともとの感染者。)
n=2 の場合の新規感染者数は 1。結局、n人の場合には、感染の可能性が n/2倍に高まり、感染の規模が n−1倍に高まる。
の部分は、やっぱり自分には分かりません。
前段の、感染の可能性が (n/2)倍とされているところについては、基準が n=2人なので、n÷基準値とすれば当然に(n/2)になっただけかと思います。
後段の、感染の規模が(n-1)倍とされているところも、「うち1人はもともとの感染者」とあらたな仮定をされていますが、n人の集団の中の当初感染者が1人であるとは決まっていなかったと思います。
まとめますと、n人の集団から任意の2人を選び出す組み合わせ(通り)を求める式になるように、恣意的に調整されているように感じます。「n人の集団・この仮定における感染拡大の仕組みは、任意の2人を選び出す(2人間で感染が成立する)ことと同義である」というご説明があって、私もそれに納得できると良かったのですが。
当初の私のコメント中の計算でも、筆者の論考をなるべく生かすように、感染の規模は(n-1)人とした点は間違っていたかもしれません。ここは、「その場の全員が感染する」という仮定なのですから、感染の規模を表すパラメータは、単純に n(人)とすべきでした。
つまり、n人の集団の中で感染している人数の期待値(あらたに感染する人数の期待値ではない)は、
誤 {1-(1-k)^n} ×(n-1)
正 {1-(1-k)^n} × n
となり、この式に基づいて再計算(K=0.01の条件で)すると、
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0398 1.00
3 0.0891 4.48
4 0.158_ 7.92
5 0.245_ 12.3
6 0.351_ 17.6
となります。
すみません。先ほどのコメントの最後のところ、危険度の値は、エクセル計算間違いです。正しくは下のとおりです。
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0398 1.00
3 0.0891 2.24
4 0.158_ 3.96
5 0.245_ 6.16
6 0.351_ 8.82
「事後の総感染者数の期待値」ということですね。事前の感染者に自覚症状がないということが前提であればこの算出はそれなりに妥当かと思います。
まぁ「その場の全員が感染する」という過程が著しく強すぎるので、計算結果は現実にはあり得ない過大評価となっていると思いますが。
これは1日の新規感染者数ですが、無症状感染者が潜伏期の分を含めて5倍いるとしても、「100/1000万」なので、「1/10万」となります。これは k=0.01 よりも、3桁も小さい。
というわけで、「2次の項の分は無視していい」というのは、もっとはっきり成立します。
──
「感染者数が増えたら、その数値も上がるぞ」という反論がありそうだが、違う。
感染者数が増えたら、そもそも多人数の集合そのものが禁止される。休業措置だ。したがって、感染の可能性が高い状態を想定する必要はない。
> 文中では k=0.01 というような数値を想定しましたが、実際には、 [ 補足1 ] で示したように、「 20/1000万」 というような数値になります。
⇒ 仰るとおりに、今、会食・カラオケ集団の中に感染者がいる確率ですので、1〜2月からの累積感染者数/人口や、抗体保有率で考えてはいけませんね。たぶん、20/1000万というのは、東京都の1日の新規感染者数/人口のことだと思いますが、こちらをあてはめるほうが確からしい検討になるでしょうね。
> というわけで、「2次の項の分は無視していい」というのは、もっとはっきり成立します。
⇒ 筆者が本文の訂正部分で示した数式は、下のとおりです。
@ 感染の可能性:n/2 (倍)
A 感染の規模 :n-1 (倍)
@×A 危険性 :n(n-1)/2 (倍)
たぶん、@の式中の n に「感染者がいる確率 k(20/1000万といった数値)」が含まれている旨の前提だと思います。
ただ、@の式の形からは、「2次の項」ができるようには思えません。分母の 2 の中にも確率値が含まれるというご主張になるのかもしれませんが、私には単位・次元がよく分かりません。
また、Aの式中の n は単なるグループの人数なので、こちらの n には確率値は含まれていないでしょうから、@に「2次項」が含まれていなければ、@×Aにも「2次項」は含まれないことになります。
私の質問をかねたコメントは、「筆者の提示された危険性を表すモデルがわからない。筆者の提示された数式も、そのモデルに沿ったものになっているのかがわからない」という内容であり、「提示された数式を現実に適用するにあたっての妥当性(実用性)はどうか」という細かな数値上のことではありません。私が当初、自分の数式で計算した数値を提示したのは、両者に「誤差」とは言えない開きがあるということを明らかにするためで、そちらは修正していただきました。
という次第なのですが、私の理解が至らないだけと思いますので、私からの質問は打ち切りにしたいと思います。
つまり (1-k)^n の k に n次 の項が生じることを言っています。方程式の概念を理解している人ならすぐにわかることなので、いちいち書かなかっただけです。
──
私のモデルは、もともと正確なモデルではなく、 k が小さいことを前提とした簡略化したモデル(近似的なモデル)です。
正確なモデルが別にあることは、順列組み合わせの考え方でわかるというふうに、もともと示しています。
k の値が 10万分の1 というように小さな値であるときには、感染者が同時に二人以上混入する確率は無視できます。( 100億分の1ぐらい。)
したがって感染者が同時に二人以上混入することは考えなくてもいい。
正 {1-(1-k)^n} × n
となり、この式に基づいて再計算(K=0.01の条件で)すると、
n(人) 期待値(人) 危険度(倍)
2 0.0398 1.00
3 0.0891 4.48
4 0.158_ 7.92
5 0.245_ 12.3
6 0.351_ 17.6
────────────────
事象の危険度を考えるときには、既存の感染者の感染は除外します。(その感染者は、その事象以前に感染しているので、その事象によって感染したわけではないからです。)
期待値を計算するのは、上の計算方法の方が正確になりますが、危険度を考慮するときには、期待値から(既存の感染者数の期待値である) k (0.01)を引いた上で、倍率を比較する必要があります。
すると、こうなります。
n(人) 新規感染・期待値 危険度(倍)
2 0.0298 1.00
3 0.0791 2.65
4 0.148_ 4.96
5 0.235_ 7.88
6 0.341_ 11.44
なお、これは k=0.01 の場合。k=0.000001 ならば、私のモデルの数値とほぼ同じになるはず。
>「2次の項」というのは、私の示したモデルの話ではなく、「正確には順列組み合わせの考え方をする必要がある」というモデルの話です。(中略)
つまり (1-k)^n の k に n次 の項が生じることを言っています。
⇒ 私からの質問は打ち切りにしたいのですが、せっかくご返答いただきましたので、それについてだけ(以下、コメント)。
ええ、ですから、「順列組み合わせの考え方をする必要がある」という筆者のご主張が、私には分からないのです。
その厳密解の式のかたちをまず示されて、その後に、
「こことここの項は k(<0.01)の 2次(または n次?)なので省略可。よって最終的に n(n-1)/2 のかたちに簡略化された。偶然にも n 人の集団から2人を選び出す組み合わせの式と同じだが、それは、自分(筆者)の提示したモデルが〜〜の理由で当を得ている(感染現象の本質を突いている)からだ」
のように本文でご説明いただいていれば、理解の足りない私でも「誤読」することはなかったのですが。
> k(0.01)を引いた上で、倍率を比較する必要があります。(中略)k=0.000001 ならば、私のモデルの数値とほぼ同じになるはず。
⇒ 元の計算式は、{1-(1-k)^n} × n と、{1-(1-k)^n} × (n-1) のどちらでしょうか? 後者のほうが筆者の近似式 n(n-1)/2 に近くなることはお示ししたと思いますが、筆者のこのコメント中では、前者のほうから k を引いて試算されています。
とりあえず、筆者が試算されたとおりに、条件を k=0.000001(100万ぶんの1)に変えて再試算しますと、
n(人) 新規感染・期待値 危険度(倍)
2 3.00E-06 1.00
3 8.00E-06 2.67
4 1.50E-05 5.00
5 2.40E-05 8.00
6 3.50E-05 11.7
となり、筆者のモデルから計算した数値(本文による)、1, 3, 6, 10, 15(倍)とは一致しません。
これは一致しないのが当たり前で、2次項以降を全部キャンセルしても、下のとおりに1次項は残りますから、
(1-k)^2 = 1-2*k+k^2 ≒ 1-2*k
(1-k)^3 = 1-3*k+3*k^2-k^3 ≒ 1-3*k
…
(1-k)^n ≒ 1-n*k
となり、結局のところ当初の期待値を求める式は、
{1-(1-k)^n} × n - k ≒ k(n^2-1)
のかたちになります。この式より、n=2 のときの期待値は 3*k となりますので、この 3*k を基準値として n人のときの倍率を表す式は、
(n^2-1)/3
となり、筆者の当初モデル式 n(n-1)/2 とは全く違います。
<補足1>
元の計算式に {1-(1-k)^n} × (n-1) のほうを採用すると、同様に n人のときの倍率を求める式は、
n^2-n-1 [ = n(n-1)-1 ]
となり、この場合も n(n-1)/2 とは全く違います。
<補足2>
私が、(n-1) を n に訂正したのは、「新規感染者の期待値」を求めるのではなく、「当初・新規を合わせた感染者の期待値」を求めるためです。これは、私のモデルでは集団内の感染者の初期値を1人に限定していないからで、「私の」モデルを表す式としてはこちらが妥当と考えました。
お手数を掛けてくださり、ありがとうございました。