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人工呼吸器とアビガン
前項では、次の図を掲げた。(再掲)

出典:朝日新聞
この図から、「アビガンの効果があったのだろう」と推定した。そのことは、図の赤色の部分の減少を見てもわかるが、
・ 赤色と黒色の和は、4月20日ごろから急減している
・ 全体数は、4月20日以後も同じペースで増加している
という比較をすると、いっそうわかりやすい。この二点から、桃色の数については、次のように結論できる。
・ 桃色の数は、4月20日ごろから急蔵している
ここで、黒色の部分が4月20日ごろから少しずつ増えていることに着目すると、次のように結論できる。
「赤色は、4月20日ごろから急減している。そこで減った分は、黒色と桃色の増加に転じている。黒色は少し増加しているが、桃色は圧倒的に大幅に増加している」
つまり、次のことが言える。
「4月20日ごろから、人工呼吸器を離脱した回復者(軽快車)が急増している」
そして、このことは、アビガンの効果だ、と推定できる。
前項で述べたことよりも、本項で述べたことの方が、いっそう正確だろう。
なお、正確な数値を知るには、次のグラフを見てもいい。

COVID-19 重症患者状況
ECMO とアビガン
人工呼吸器でなく、ECMO について見ると、どうか? 状況はいっそうはっきりとする。
前項に示したグラフを再掲しよう。

出典:朝日新聞
もっと正確に見るなら、次のグラフもある。

これを見ると、次のことがわかる。
・ 4月28日以後は、総数がほとんど増えていない。
・ 4月30日以後は、赤と黒の和が急減している。
・ 5月8日以後は、特に変動は大きくない。
このことから、次のことが結論できる。
「4月30日以後は、ECMO からの回復者が急増している。ただし、5月8日になると、その効果は頭打ちであり、さらに伸びる気配はない」
上のことから、次のように推定できる。
「ただの重症者よりもひどい重篤な患者については、人工呼吸器の患者よりも 10日ほど遅れて、離脱する回復者が増えた。この 10日間は、《 重篤 → 重症 → 軽快 》 という余分な行程を取るせいで、余分にかかる日数であろう。とすると、これもやはり、4月20日ごろから何らかの回復要因があったことになる。それはやはり、アビガンだろう」
こうして、ECMO の患者についても、「アビガンの効果があった」と推定できる。しかも、その開始日は、4月20日ごろである。
さらに、次のことがわかる。
「4月28日以後は、総数がほとんど増えていない。これは、人工呼吸器を使う重症者が、ECMO を使う重篤者に転じることが、ほとんどなくなったからだ」
つまり、アビガンは、「重症 → 重篤」という悪化を防ぐこともしているわけだ。
すでに述べたのは、「軽症 → 中等症・重症」という悪化を防ぐことだが、それとは別に、「重症 → 重篤」という悪化を防ぐ効果もある、と推定できるわけだ。
[ 付記 ]
ECMO の利用時に、アビガンの処方は当然だが、オルベスコの処方についても、データを出すべきだろう。
→ COVID-19 重症患者状況
これでわかるかと思ったが……
見たら、(集計していない)個別データの利用はできるが、できる人は専門医師だけであって、一般人には非公開であるそうだ。
誰か統計データをまとめてくれるといいんですけどね。
というか、(専門医師が)自分たちでやれよ。まったく。