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人工呼吸器の輸入
アメリカが人工呼吸器を作りすぎてしまって、余ってしまった。そこで日本に「買ってくれ」と頼んだら、安倍首相が「はい、買います」とい請け合ったそうだ。
安倍晋三首相が8日にあったトランプ米大統領との電話協議で、米国製人工呼吸器の購入を約束していたことがわかった。
トランプ氏は3月、ゼネラル・モーターズ(GM)などに大量生産を指示していたが、米政府から「つくりすぎて困っている」と購入の打診があった。
( → 作りすぎた人工呼吸器、米側の打診受け首相が購入を約束:朝日新聞 )
実は、こうなることは、私が前もって予想していた。「自国で生産するのもいいが、余った米国製を買えばいい」という趣旨。
→ 人工呼吸器の不足と供給: Open ブログ (18)
私が予想した方向に事態は進んでいる、と言えるだろう。
人工呼吸器は不要に
では、米国から人工呼吸器を購入すればいいのか?
上の項目を書いたとき(4月21日)には、そう思っていた。しかしその後、情勢に変化が生じた。次のことだ。
「アビガンを軽症者にも投与することで、重症者の発生が大幅に低下した」
このことを知るには、軽症者と重症者の比率のデータを得ればいいのだが、それを示す直接的なデータは内容だ。
そこで代わりに、次のデータを得る。

出典:朝日新聞
左のグラフから、次のことがわかる。
・ 4月1日ごろは、軽快は3割ぐらいで、7割ぐらいが人工呼吸実施中。そのままどちらも急増中。
・ 4月20日ごろに劇的な変化が生じた。警戒は急増しているのだが、「死亡」と「人工呼吸実施中」の和が(一転して)急増から減少へと転じた。
このように極端な変化は、何らかの事情があったと見なせる。常識的には「人工呼吸の技術が一変したからだ」と思えそうだが、そんなことはなかった。
となると、理由はただ一つ。「中等症や重症の患者に、アビガンが(特定病院だけでなく広範に)使われるようになったからだ」と思える。
そして、このあとでは、軽症者にもアビガンが使われるようになったので、人工呼吸を使う前に回復する人が増えたようだ。
そのことは、次のことからわかる。
・ 4月25日から5月25日までは、人工呼吸の利用者がほとんど増えていない。つまり、人工呼吸の新規利用者がほとんど現れなくなった。
このグラフでは4月25日ごろに頭打ちになっている。とすれば、4月25日の時点ですでに、「最近では人工呼吸の新規利用者が急減している」ということが判明しているのだ。
その理由は、「アビガン早期投与である」と考えるのが合理的だが、仮にそうでないとしても、このグラフですでに、「最近では人工呼吸の新規利用者が急減している」ということが判明している。
このことからして、「人工呼吸器を新たにたくさん購入する必要は、もはやなくなった」と言っていいだろう。
そして、そのことは、「ただの偶然ないし不可思議な現象」ではなくて、「アビガン早期投与が理由だ」というふうに説明が可能なのだ。合理的に説明が付くのだから、この事実を新たな事実として受け入れていいのだ。
それでも、「人工呼吸器は、ないよりは、あった方がマシだ」と思うかもしれない。だが、人工呼吸器を増やすことを考えるよりは、アビガンをさっさと承認する方がずっと利口だ。なぜなら、重症化してから治療するよりも、重症化する前に軽症のうちで回復する方が、ずっといいからだ。
( ※ 重症化すれば、死ぬ可能性がいくらかあるが、軽症のうちに治れば、重症化して死ぬ可能性は皆無だ。)
[ 補記 ]
「このグラフでは4月25日ごろに頭打ちになっている」と上で述べた。これについては、次の反論があるかもしれない。
「このころは感染者数そのものが減ってきたので、人工呼吸器を使うような重症者も減ってきたのだ」
と。
しかし、これは成立しない。なぜなら、感染者数が減ってきたというのは、なだらかな変化であって、「急に頭打ちになる」というような極端な変化をもつものではないからだ。
そのことは、感染者数の累積値のグラフを見るとわかる。

出典:朝日新聞
見ればわかるように、4月25日の前後でも、なだらかな上昇が続いている。ここで急に頭打ちになったというようなことはない。感染者数についてはそう言える。
なのに、人工呼吸器を使うような重症者は、4月25日のころで頭打ちになっている。つまり、このあとでは重症者の発生は激減していると言える。
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ただし、よく考えると、別のことの効果もある。
まず、グラフを再掲しよう。

出典:朝日新聞
これを見ると、次のことがわかる。
「人工呼吸実施中(グラフでは赤色)の数が、4月20日ごろをピークに、急減している」
このことは、次の二つを意味する。
・ 人工呼吸を実施する新規の重症者が急減している。
・ 従来の重症者が続々と退院している。
この二つが同時に起こったと考えていい。
そのことは、次の二つを意味する。
・ 軽症者が重症化することが急減した。
・ 重症者が次々と回復して退院していった。
後者については、次のグラフが役立つ。

出典:Worldometer
回復者数は4月30日ごろから急増していて、5月10日ごろにはピークがある。これは、「 20日ほど前に急増した新規感染者がこのころになって(回復して)次々と退院していったからだ」という効果もある(感染者数の増加の効果もある)とも考えられるが、同時に、「5月10日ごろからはアビガンのおかげで重症者が回復していった」という効果があったとも考えられる。
以上をまとめると、次の三つの点があったと推定される。
・ アビガンは軽症者を重症化させない。
・ アビガンは重症者を回復させる。
・ 急増した感染者がこのころに次々と退院していった。
この三つが合わさって、先のグラフという結果になったと推定される。
逆に言えば、「急増した感染者が退院していった」という効果を抜いた分が、アビガンの効果だ。
※ 三つの点の時期は、いずれも4月下旬ごろからだが、効果が大きく発揮される時期にはズレも生じるだろうから、すべてが同時期に同程度で起こったとは言えない。詳細を知るには、詳細な分析が必要だろう。
[ 付記 ]
ついでだが、人工呼吸器を大量に導入しても、それを使える技術者が少ないので、「宝の持ち腐れ」になりやすい。安倍首相が大量の危機を米国から導入しても、国内の病院では機械が眠るだけ、となりかねない。どうしても導入するなら、技術者や専門医を大量に養成する必要がある。
(しかもそれらは、アビガンが承認されたあとでは、ただの無用の長物となる。機械が「宝の持ち腐れ」となるだけでなく、技術者や医師までが「宝の持ち腐れ」となる。ひどい無駄。)
マスコミはあまり報道してないけど、制限かけてる人でもいるのでしょうか
まともにスポーツできなくなるとかわかれば
若い人たちももっと注意をすると思うけど