2020年05月22日

◆ アビガンの早期投与の既存データ

 アビガンの早期投与は、効果があるか? 実は、既存データを見るだけでも、「大幅な効果がある」とわかる。

 ──

 アビガンの早期投与は、効果があるか? ── これについては、前項で話題にした。
 そこで示したのは、「入院1日目における投与の効果」だった。これについては、「効果の有無がまだはっきりとはわかっていない」という状況だ。

 ただし「入院1日目」というのは、時期があまりにも早すぎる。アビガンの早期投与というのは、「中等症になる以前の、軽症の状態における投与」のことであるが、それは、「入院1日目」から「入院6日目」ぐらいまでの投与をすべて含む。
 そして、その全体の効果がどのくらいであるかについては、既存データを見るだけでも、すでに判明している。結論から言えば、「大幅な効果がある」とわかる。
 以上では結論だけを簡単に述べた。

 ──

 以下では、詳細を述べよう。
 まず、見るべきデータは、致死率のデータだ。致死率とは、「感染者全体における死者の割合」だ。
 これは、それぞれの感染者の結果(回復したか死亡したか)がわかったときに、データを得られる。一方、感染者が治療中の場合には、「まだ不明」となって、データは保留となる。
 だから、正確には「感染者全体における死者の割合」というより、「結果がわかった感染者全体における死者の割合」である。これは
   死者数 / (死者数 + 回復者数)

 という値になる。

 では、結果がわかった感染者について、致死率はどうか? これについては、「回復者:死亡者」の比率を見るデータがすでに得られている。下記のグラフがそうだ。


dead-live.png
出典:Worldometer


 これは、回復者の累積数と死亡者の累積数を見て、それぞれの比率をグラフ化したものだ。

 各時期における致死率を見るには、累積数で比較するのでなく、差分(= 当期数 − 前期数)の変動を見るべきだ。ただし、累積数を見るのでも、おおよその変動はわかる。

 ──

 死亡者の比率は、4月中旬・下旬のころには、20% ぐらいにまで高まっていた。(これは4月上旬のころに感染者数が急増したことから、当然であろう。)
 しかしその後、4月末ごろから死亡者の比率(致死率)が急激に低下していった。5月20日には6%にまで下がっている。

 異常は累積数だけを見ている。それぞれの期間における期間致死率を見るなら、次のように言えるだろう。
 「4月中旬・下旬のころには、累積数が 20% ぐらいにまで高まっていたのだから、期間の致死率はもっと上で、25% 以上にまで高まっていただろう。
 5月20日には累積数が 6%にまで下がっているのだから、期間の致死率はもっと下で、3% 以下にまで下がっているだろう」

 以上のことから、次のように言える。
 「4月中旬・下旬のころには、致死率が 25% 以上だったのに、5月20日には、致死率が 3% 以下にまで下がっている」

 これは、短期間における変動としては、驚くべき変動(急低下)である。
 ではなぜ、これほどにも急激に致死率が低下したのか?

 ──

 理由があるとしたら、4月下旬ごろから5月20日までに、何か特別なことがあったことになる。それも、めざましいほどの成果を上げるようなことが。それは、何か?
 思い浮かぶのはたった一つしかない。「アビガンの投与を広く認めるようになったこと」である。それまでは感染症専門病院にいる中等症・重症の患者にしか与えられなかったアビガンが、4月下旬ごろからは「観察研究」の名目で、もっと多くの病院にいる軽症者にも投与されるようになった。病院の範囲でも、症状の範囲でも、投与の対象が大幅に拡大された。そして、そのことは、めざましい効果をもたらすはずだ……と前々項で予想していた。(私の見解として)

 そして、その見解が、まさしく上のデータで実証された、と言えるだろう。(直接証拠ではないが、状況証拠として。科学的に厳密な証明ではないが、名探偵による名推理ぐらいの確実さで。)

 というわけで、すでにあるデータを見るだけでも、「アビガンの早期投与」(軽症のうちに投与すること)の効果は、すでに判明しているのである。「致死率を 25% から 3% にまで激減させる」という形で。

 藤田医大などが 90人規模の試験をチマチマと取らなくても、すでに結果の判明した 1.3万人(回復者 12,286人、死者 771人)のビッグデータを見るだけで、その致死率の変動から、「アビガンには大きな効果がある」と判明するのだ。



 [ 付記1 ]
 似た話だが、「日本以外の国との比較」でもわかる。
  ・ アビガンのある国 (日本)
  ・ アビガンのない国 (日本以外)

 を比較すると、前者と後者で致死率に大差があることから、前者の有意が判明する。つまり、アビガンの効果が判明する。

 ちなみに、日本以外の国では、このデータ(致死率)が示されていない国が多いが、次の3国はデータがある。
  ・ イタリア …… 19.6% (回復者 132,282 、死者 32,330 )
  ・ スペイン …… 12.4% (回復者 196,958 、死者 27,888 )
  ・ ドイツ  ……  5%

 ドイツの数値は、日本以外の国のなかでは傑出して低い。これは、次の事情による。
  ・ 病院の施設状況が格段に優れている。
  ・ 日本ほど高齢化社会ではない。(高齢者が多くない)
  ・ 累積値はずっと5%である。


 一方、日本はこうだ。
  ・ 病院の施設状況が格段に劣っている。
  ・ 世界1の高齢化社会である。(高齢者が多い)
  ・ 累積値が急に6%に低下した。(期間の値はもっと低い)


 というわけで、日本はドイツに比べて圧倒的に不利な状況において、ドイツ以下の致死率を達成している。それも、以前はドイツよりもずっと悪かったのに、最近になって急激に改善している。……このことを説明できるのは、アビガン以外にはない。

 [ 付記2 ]
 「アビガン以外にも理由はあるかもしれないぞ。まだ未知の何かがあるかもしれないぞ」
 というのは、理屈としては成立する。
 しかし、現実にそんな「何か」があるとしたら、教えてもらいたいものだ。そういう特別なものを使うと、コロナの致死率を一挙に大幅に下げることができるとしたら、ほとんど魔法のようなものである。そんな魔法のようなものがあるとしたら、出してもらいたいものだ。それを使えば、世界中の災禍はあっという間に改善することになるからだ。

 現実には、そういう魔法のような効果を出せるものは、アビガン以外にはない。救いとなるのは、アビガンだけなのだ。だから、そのことをはっきりと認識するべきだ。
 われわれの前には、「世界を救う方法」というものが、まさしく呈示されているのである。なのに、愚かな心ゆえに、その効果を疑い、手を出すのをためらっているのである。

 コロナによって多くの死者が出るのは、コロナが不治の病であるからではない。治療のための方法を差し出されても、それをつかもうとしないで臆している、われわれの愚かさゆえなのである。

 [ 付記3 ]
 期間の致死率が最近では3%になるということは、確認された。
   5月12日:回復者  8,293人、死者 633人
   5月22日:回復者 12,672人、死者 777人
 期間中の数は引き算して、
  回復者  12,672 - 8,293 = 4379
  死者     777 - 633 = 144
 比率は   144/(4379 + 144)= 0.0318
 つまり、3% である。これが期間中の致死率だ。

  ※ 直近の 10日間だが、直近の5日間なら、さらに下がる。



 [ 捕捉 ]
  ※ 以下は読まなくてもいい。


 回復者の入院期間は 20日ほどで、死亡の入院期間は 30日ほどだから、期間のデータを取るときには、10日間程度のズレを考慮するのが正しい。
 とはいえ、この補正をしてもしなくても、得られるデータには大きな差はないから、この点での補正をしなくても、結論には大差は出ないだろう。


posted by 管理人 at 00:14| Comment(17) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管理人様。アビガンを使っても使わなくても、死亡者/感染確認者数での死亡率は軽症の感染確認者の割合が増えれば下がりますよね。4月中旬以降は感染確認者数が急減しており同時に軽症無症状の感染確認者数が急増していても不思議ではないと思います。
 また一定人口当たりの死亡者数は最初からずっと何らかのイベントに関わりなく日本(東アジア)は低い値を維持しており、新型コロナ以前から存在する何らかの要因があると推論するのが自然かと思います。
 アビガンの効果を否定するつもりも能力もありませんが、死亡率の急減を以てアビガンの効果とされるの短絡的かと思います。
Posted by φρξ at 2020年05月22日 11:55
> 死亡者/感染確認者数での死亡率は軽症の感染確認者の割合が増えれば下がりますよね。

 その通り。だから、分母を「感染確認者数」ではなく、「回復者 + 死亡者」にしています。これならば、感染確認者数の影響を受けません。(皆無ではないが。その件は [ 捕捉 ] で示した通り。)

Posted by 管理人 at 2020年05月22日 12:40
> 新規患者件数が急激に増加していますが。

  Posted by 管理人 at 2020年05月22日 12:40
 のコメントで回答したとおり。

> https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html

 見ればわかるように、ドイツよりも日本の方がずっと数値は高い。
 
> 実証されていない

 実証されていたら、私がここで論理的な推論を書くはずがないでしょ。実証されていないから、本項を書くんです。
 名探偵が登場するのは、常に未解決の事件です。解決済みの事件に、名探偵が登場するはずがない。
Posted by 管理人 at 2020年05月22日 13:00
死亡率に関しては韓国、中国初め東アジアは日本と同じくらいなので、アビガンのおかげかどうかはちょっと怪しい気もします。
効いたらいいんですけどね。
Posted by しかし at 2020年05月22日 17:40
> 死亡率に関しては

 死亡率の元となる死亡者数は、感染者数と致死率の積(掛け算)なので、感染者数に大きく依存します。
 感染者数はアビガンでなく、マスクに依存します。
 死亡率がアジアで低いのは、マスクのおかげであって、アビガンはあまり関係ありません。

 日本は入国規制をしなかった時期に、感染者数が急増しています。死亡率が急上昇したのは、このせいです。その失策を、アビガンが穴埋めしてくれている。

 アビガンの効果がわかるのは、死亡率(全期間)ではなく、「致死率が 25%から3%まで短期間に急低下したこと」です。本文をちゃんと読みましょう。あなた、本文を理解できていません。
Posted by 管理人 at 2020年05月22日 19:09
 「致死率」と書くべきところを、間違えて「死亡率」と書いてあった箇所がいくつかあったので、修正しました。
 誤記をして、申し訳ありません。

  ※ 用語のミスがあっただけであって、話の趣旨は変わりません。
Posted by 管理人 at 2020年05月22日 22:39
素晴らしい、ホント一目瞭然です。ポイントは、短期間差分で捉えた致死率即ち「結果がわかった感染者全体(死者数 + 回復者数)における死者の割合」の変化に注目ということなのですね!いろいろネット情報をみると死亡率、致死率の扱いに混乱が見られる様です。未知のファクターが遺伝子とか未知の抗体とかまで行っちゃってますけど・・・。アビガンは4月26日現在で2194人に投与されており、アビガン使用要件も周知されたとのことなのでジャスピンですね。でも現場の医師レベルでは有効性が見えている様子なのに巷では何故か否定的な見解があふれているのが不思議でなりません。その見解の中身を見ると凡そ納得出来るものは皆無なのですが? ところで以下、単純ミスかと!「格段に音っている→劣って」「日本 高齢化社会ではない。→である。」
Posted by 花咲じいじ at 2020年05月23日 03:26
> 単純ミスかと

 誤記のご指摘をありがとうございました。修正しました。
Posted by 管理人 at 2020年05月23日 06:49
>>アビガン以外

日本(アジア)の新型コロナ感染者、重症者、死者が欧米よりはるかに少ない理由はHLAと仮定するとドンピシャにはまる
https://www.landerblue.co.jp/50000/
Posted by ひまんじ at 2020年05月23日 11:42
 その説は、BCG 仮説と同様で、簡単に否定されます。
 というのは、中国と韓国では、初期に感染爆発が起こったから。BCG や HLA が理由なら、初期に感染爆発が起こるはずがなかった。
 これらの国で感染爆発があったという理由で、どちらの仮説も否定されます。

 なお、これらの国で収束が起こったのは、マスクをしたから。マスクをしたあとで収束するのは、欧米でも成立します。たとえば、ニューヨークがすでにマスクで収束した。

 http://openblog.seesaa.net/article/474937404.html

 最新データ。
  https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-data.page

 ──

 なお、マスクのおかげで感染者が少なければ、重症者も死亡者も少ないのは当り前です。
 一方、感染者における死亡者の比率(≒ 致死率)は、医療水準によって決まります。この数値は、ドイツは一貫して5%ぐらいと低い。一方、医療崩壊があったイタリアでは高い。日本では、アビガンがあまり使われなかった4月中には25%程度にまで達して、極めて高かった。しかし、アビガンが使われるようになったら、3%にまで激減した。
 このことは、HLA なんかでは説明できません。

Posted by 管理人 at 2020年05月23日 12:27
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200515-OYT1T50234/
全世界の在留邦人中感染者93人、死亡者たった7人。
約7% 。コロナウイルスやはりマスク以外の原因があると思います。
Posted by gunts at 2020年05月23日 12:53
 外国にいる日本人は、自分だけがマスクをしているので、周囲の外国人(夫の家族など)から「マスクをするな」と圧力をかけられているそうです。手洗いなども同様。衛生観念が全然違うようだ。

 ※ さすがに最近では情勢が変わったようだが。マスクをする外国人も増えた。それにともなって、外国でも感染率が低下してきた。国による差はあるが。

Posted by 管理人 at 2020年05月23日 13:06
BCG効果なし説のイスラエル論文に対しての反論も含まれています
https://threadreaderapp.com/thread/1262300857762107392.html
Posted by gunts at 2020年05月23日 16:23
> 全世界の在留邦人中感染者93人、死亡者たった7人。

H29年の外務省統計で見ると海外在留邦人の年齢構成で60歳以上の年寄は14%と少ないですし、そもそも100人以下での判断はどんなもんでしょう?

> BCG

BCGについてはよくわかりませんが、仮に事実としてもいまさらどうなのって感じではないでしょうか。もう一回BCG接種したところで変化があるとは思えません。管理人さんの言うようにマスク効果の方がずっと合理的だと思いますがね。さらに西欧と極東ではスキンシップがもろに異なります。イランも女性はベール被ってますし。
Posted by 花咲じいじ at 2020年05月23日 18:35
BCGは年寄りの肺炎罹患率を減らすっていう研究が東北大が報告してるらしいので、コロナ抜きにしても年寄りは打ったほうがいいかもしれませんよ。

肺炎球菌とどっちがいいかは知りません。
Posted by しかし at 2020年05月23日 21:02
 細波さんのコメントを5件削除しました。
 彼が妨害行為を続けるなら、さらにどんどんコメントを削除していきます。


 p.s.
 止まらないので、また5件削除しました。
Posted by 管理人 at 2020年05月23日 22:45
そもそもBCGは所要量が幼児用しかないので、BCGを再接種については考えてないです。それよりも中途半端な政策をしていた日本がなぜ感染者死亡者が少ないのか?という方が気になります。それによって今後日本が取るべき政策が変わってくるかと。ただ全員マスク着用の効果は明らかなので、幼児除きマスク義務化が良いのかもしれません
Posted by gunts at 2020年05月24日 07:23
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