2020年05月19日

◆ アビガンを早期投与せよ(少量で)

 アビガンを早期投与するといい。少量で。
 やることは簡単だが、これで新型コロナの問題のほとんどを解決できる。 [ 重要 ]

  ※ 本項はかなり長文です。通常の2回分。

 ──

 アビガンの標準療法では、1倍量を投与することになっている。
 一方、新型コロナの場合には、「重症者に3倍量を投与する」というのが標準療法だ。しかし、「軽症者に1倍量を投与する」という方針を取るといい。
 すると、あら不思議。これで新型コロナの問題をほとんど解決できる。世間では「第三次世界大戦並みの災禍だ」と言われる災禍の問題が、一挙に解決できるのだ。まるで手品のように。あるいは、魔法のように。
 そういう画期的な話を、以下で示そう。


 (1) 重症化で後遺症

 コロナで重篤した患者は、後遺症がずっと残って、元には戻らない……と言われている。
 「たとえ新型コロナウイルスに感染して、運良く生還できたとしても、後遺症が残る可能性がある」
 「エクモに繋がれて治った患者には大変な後遺症がありうる」「ひょっとすると、だいぶ寿命も短いかもしれない」というのだ。なぜかといえば、肺がやられて機能が完全に復活しないからだ。
( → コロナ感染者が減り始めても、まったく安心できない「後遺症の恐怖」(長谷川 幸洋) | 現代ビジネス

大津教授: 肺だと肺細胞が死んで線維化組織に置き換えられると線維化(筆者注:壁が厚く硬くなること)は治りませんから、呼吸困難がそのままあるいは進行もあり得ます。原因がなんでも一般に間質性肺炎はそうです。
( → 恐ろしい新型コロナの後遺症「私たち世代のポリオ」「重篤化すると全身に血栓塞栓症広がる」(木村正人)

 新型コロナによって肺炎が起きると、肺の中で「間質」と呼ばれる細胞が傷つくことが分かっています。間質というのは、空気を取り込む細胞(肺胞)ではなく、肺胞の周囲に存在する細胞のことです。ここが傷ついて病状が進行すると、間質は「線維化」と呼ばれる変化を起こして元に戻らなくなります。こうなると、肺が硬くなったり、空気を吸ったときのふくらみが悪くなったりして、体は酸素を取り込みにくくなります。すると、例えば日常生活はできたとしても激しい運動ができなくなるといったことがあり得ます。
( → 新型コロナ 治療後に健康影響の懸念 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

 間質性肺炎については、前に図を示した。
  → 間質性肺炎の図 ( 出典:NHK

 この図からも明らかなように、いったん肺胞がつぶれたあとでは、もはや肺としての機能は喪失する。肺が回復することもない。いったん失われた臓器(肺)は、元に戻らないのだ。
 これへの対処策は、「重症化しないこと」以外にはない。「重症化してから治療する」という方針では駄目であって、「重症化を避ける」という方針以外にはありえないのだ。

 このことを理解した上で、以下では二つの症例を見よう。


 (2) 例:片岡

 元プロ野球選手の片岡篤史さんがコロナに感染して回復した体験記を語っている。アビガンで回復したそうだ。
  → 炎症悪化しアビガン決意 片岡篤史さん:朝日新聞デジタル
 この記事には詳しい経緯が記してないが、次の記事には記してある。
 今月7日、息苦しさを感じて兵庫県内の病院へ。PCR検査を受け、8日に陽性と判明。39度8分の高熱が出ていた9日からアビガンを投与されたことを明かした。「朝8錠、夜8錠飲み、3日したら熱がぐっと下がってきた」と具体的に明かし、「アビガンがすごく効いたんじゃないかな、と思います」と話した。
 アビガンが効くまでは、「食事もあんまり摂れない。ベッドの上に座るだけでもものすごく息苦しかった。咳が止まらない。座ると気管が狭まるというか。ほんの数メートルのトイレも歩いて行くのがものすごくしんどい。トイレも苦しくてできない。動けないという感じ」と振り返った。
( → 元阪神・片岡篤史氏「アビガン効いた」朝、夜8錠…「死を感じた」闘病語る、8キロ減

 三日目からの投与。陽性になった翌日からで、
 これは、酸素チューブ使用になってからの投与だ。肺炎の症状が出たあとだし、熱も 39度8分という高熱になってからなので、中等症での投与だ。早期投与ではない。


 (3) 例:女性アイドル

 名前の知られていない女性アイドル(27歳)の体験談もある。アビガンの投与で急速に改善したそうだ。
  → 「気管むしり取りたいのに“軽症”」コロナ感染アイドル『モーニングショー』でアビガンで症状改善を激白 (水島宏明)
  → アビガン回復のグラドル、副作用の恐怖…赤裸々告白
 感染初期での投与も提案されたが、催奇性という副作用の話を聞いて、怖くなって、投与を拒否した。しかし症状がつらくなったので、9日目にアビガンの投与を受けた。以後はかなり急速に回復した。


 (4) 使用量

 片岡篤史、女性アイドル、という二人の例を示した。そのいずれも、アビガンで大幅な改善があった。
 ここで、アビガンの使用量を考える。アビガンの使用量は、どれくらいだったか? 

 その前に、標準的な使用量を見よう。
 インフルエンザ用としては、メーカー公式ページに、こうある。
 1錠 200mg。
 インフルエンザ用には1日目には1回8錠、2〜5日目には1回3錠。1日に2回。
( → 公式ページ

 新型コロナ用としては、次の記事がある。
 第3相臨床試験の用法・用量は、1日目のみ1回1800mg×2回、2日目以降は1回800mg×2回で、最長14日間、経口投与する。国内で新型または再興型インフルエンザウイルス感染症を対象に承認されている用法・用量は、1日目は1回1600mg×2回、2日目以降は1回600mg×2回で、総投与期間は5日間のため、投与量を引き上げ、投与期間も長くする格好だ。
( → 富士フイルム、新型コロナに対する「アビガン」の治験の詳細が明らかに:日経バイオテクONLINE

 インフルエンザ用では、総量で 40錠だ。
 新型コロナ用では、1日目は(8錠に対して)9錠であるので、それほど多いわけではないが、投与期間が長いので、総量で3倍量になるらしい。上記の 14日間の投与の例では、130錠になる。これだと、インフルエンザ用の約3倍だ。

 ──

 では、実際の投与例はどうか? 
 先の記事によると、片岡は初期に8錠、途中から4錠だから、インフルエンザ並みだ。ただし投与期間は(インフルエンザの5日間よりも)長いらしい。

 女性アイドルの場合は、こうだ。
 1日朝夕2回。最初の2回は9錠、以後4錠ずつ6日間にわたり服用した。
( → アビガン回復のグラドル、副作用の恐怖…赤裸々告白 - 芸能 : 日刊スポーツ

   9錠×2 + 4錠×6 = 42錠

 となるので、42錠を投与されたことになる。インフルエンザ用の標準量(40錠)よりも、わずかに多めだ。

 以上はいずれも早期投与ではないが、早期投与の例も報告されている。( X 氏 )
 発症 8 日目に投与開始し、翌日より軽快した。RT-PCR 法による遺伝子検査では投与約90 時間後に陰性になった。
 投与量は 1 日 2 回内服で初期の 2 回は 0.9g/回、後は
0.4g/回とし第 8 病日夜から開始した。
 15 病日夜で投与終了とした。
( → 発症8日目にファビピラビルを投与し、翌日から急速に改善したCOVID-19肺炎の1例

 1回目5錠、2回目4錠、3回目(2日目)以後1回2錠。8日目まで続けた。総投与量は
  5 + 4 + 2×2×7 = 37

 なので、37錠らしい。

 以上の例を見ると、投与の総量は、軽症者で、37錠、42錠である。いずれも、インフルエンザの場合の 40錠と同程度だ。
 中等症の場合には、一日あたりの投与量はインフルエンザの場合と同様だが、投与期間が長い分、総量もいくらか増えそうだ。

 軽症者に早期投与すると、投与の総量が少量で済むことになる。(インフルエンザの場合と同程度。)
 ならば、インフルエンザ用の備蓄が 200万人分あるとしたら、それを新型コロナの軽症者に使うと、やはり 200万人分あることになる。
 「新型コロナの患者には3倍量のアビガンを使う必要がある」
 という通説は、成立しないわけだ。
 通説はあくまで新型コロナの重症者を対象とした場合の使用量であって、軽症者を対象とした場合には、1人あたりではその3分の1の量で足りるわけだ。


 (5) 早期投与を少量で

 そこで、新たに提案しよう。
 「アビガンを早期投与する。それも、少量で」

   ※ 少量とは「インフルエンザ用と同程度」という意味。
     通説の3分の1の量に当たる。

 早期投与すると、軽症のうちに治癒するし、投与の期間も短くて済む。このことで、コスト面でいろいろと有利になる。

 (i)薬剤費が減る
 通常の3分の1の量を投与するだけで済むので、1人あたりの薬剤費が減る。
 具体的に言うと、通常は1人あたり 7000円弱だが、その3分の1にあたる 2300円ほどで済むことになる。
 ※ 数字の出典は、下記だ。200万人分で 139億円だという。
   → 政府、「アビガン」備蓄に139億円

 (ii)入院費が減る
 早期の治療だと早期の退院となるので、入院期間が短くなる。入院期間は(3分の1にはならなくとも)半分以下になるだろう。入院の経費は、宿泊費用と、治療の人件費・器材費などがあり、1日1万円以上になりそうだ。これが、入院期間で 7日間の短縮になると、7万円以上の費用削減効果が出る。

 実例を見よう。
 片岡は、5月7日に病院へ行き、5月24日に退院したので、18日間の入院だった。中等症にしては、短めだった。
 上記の女性アイドルは、「発症から6日目まで自宅待機。6日目に入院、21日目に退院」なので、16日間の入院だった。当初にアビガンを拒んだ分、入院期間が延びたようだが、それでも短めの部類だろう。
 X 氏の例では、5日目に入院して、16日目に退院したので、12日間の入院となる。軽症者の場合には、かなり短期間で退院に至るようだ。

 ちなみに、60代の石田純一の場合だと、4月14日入院、5月12日に退院とのことだ。
  → 【独自】退院した石田純一さんインタビュー「番組もCMも降ろせというお叱りが…」
 つまり、入院期間は 29日間だ。これは、60代の中等症の場合だ。
 
 以上の例を見ればわかるように、早期投与の場合だと、早期退院ができるので、1人あたりの治療費は大幅に減るだろう。

 1人あたりではなく、総額ではどうか? 
 軽症者にもどんどん投与すると、投与する患者数が増えるので、薬剤費は大幅に増える。ただし、薬剤費はたいした額にはならないので、総額でもたいした額にはなるまい。(というか、すでに備蓄したアビガンを、いくら使用したとしても、追加の費用は発生しない。使おうと使うまいと、備蓄したアビガンの費用は一定だ。仮にアビガンを使わなければ、使わないまま、使用期限が来て、廃棄されるだけだ。その意味で、薬剤費のコストの増分はゼロだとも言える。)
 一方、アビガンを使おうが使うまいが、患者の総数は同じだ。その患者に対して、入院費はどうかというと、アビガンを使うと、入院費は大幅に削減される。(人件費や器材費も同様だ。)
 以上の二点を差し引きすると、前者の増加額(実質ゼロ)よりも、後者の削減額の効果の方がずっと大きいので、軽症者にアビガンを使えば使うほど、費用の総額はどんどん減少することになる。つまり、コスト削減効果が出る。


 (6) 仮説と推論
 
 さて。効果はコスト削減だけでない。もっと大きな効果が望める。
 ただし、その前にここでひとまず、仮説を導入しよう。
 私の見解だが、次の仮説を唱えよう。

 新型コロナによる重症の状態は、免疫機構の暴走である( → 前出 )。その免疫機構の暴走が起こる理由は、何か? 一つは、ウイルスだ。もう一つは、個体差(体質・遺伝子)だ。
 のみならず、さらにもう一つ、重要な要素がある。それは、症状がある一定の限度を超えたことである。これは免疫機構にとって過負荷の状態だ。こういうふうに過負荷の状態になると、免疫機構は、普通のように働くのみならず、過度に働いて、そのすえに暴走する。
( ※ 比喩で言おう。自動車のエンジンを異常に高回転で回し続けると、エンジンの制御機構が壊れて、エンジンが暴走して制御不能になるようなものだ。)


 以上のことから、次の推論が得られる。
 あらかじめ過負荷の状態を避ければ(つまり、免疫機構への負荷を一定限度以下になるようにすれば)、免疫機構が過負荷の状態になることもないので、免疫機構が暴走することもない。



 (7) 仮説からの結論
 
 上の仮説と推論から、次のように結論できる。
 「症状が重くなって、免疫機構への負担が過負荷の状態になると、免疫機構が暴走する。そこで、アビガンを早期投与をするといい。そうすれば、症状が軽いまま病気の治療を終えるので、症状が重くなることはない。症状が限度を超えることもない。だから、免疫機構に過負荷がかかることもなくなる。ゆえに、免疫機構が暴走して、自己免疫の状態で肺炎になることもない。つまり、重症化することがない」


 要するに、アビガンの早期投与によって、軽症の状態に留めておけば、中等症の状態になることもない。それならその先で、(免疫機構が暴走して)重症化することもない。


 (8) 効果

 上のようにして重症化することを避けることができれば、それにともなって、さまざまな効果(メリット)が発生する。

 まず、重症化することがなくなれば、死亡率は大幅に低下する。(事実上、ゼロ同然になるだろう。)

 さらに、重症化しないことにともなって、後遺症が発生することもなくなる。(発熱だけで済んで、器官が損傷しないからだ。)

 のみならず、さまざまな社会的な問題が一挙に解決する。なぜなら、「重症者対策」という社会的な措置がすべて必要なくなるからだ。
 たとえば、次のような対策がほとんど不要になる。
  ・ 人工呼吸器の大量配備
  ・ ECMO の大量配備
  ・ ICU などの施設の大量配備
  ・ 医者の大量配備
  ・ 看護師の大量配備


 これらの社会的な措置が必要だ、としばしば言われている。本サイトでも、上記のような措置の必要性を、これまであちこちで述べてきた。
 しかるに、そういう措置はもはやすべて不要になるのだ。「アビガンの早期投与」という方針を取れば。
 つまり、本項の方針を取ることで、新型コロナ対策の多くの大問題が、一挙に解決するのだ。なぜなら、それらの問題のほとんどは、重症者対策であるが、重症者がいなくなれば、重症者対策もまた不要となるからだ。

 かくて、襲いかかる大群の敵兵が一挙に消滅するようにして、対コロナ戦争の問題は一挙に解決に向かうのだ。まるで魔法でも使ったかのように。湖の水をすべて一挙に蒸発させるかのように。
 
 ※ 医者の大量配備が必要でなくなるわけを示す。現状では、重症者を治療するために、高度な技能を持つ医者が大量に必要となる。一人の重症者を治療するために、多数の医者や看護師が必要となる。だが、重症者がいなくなれば、それらの医者は一切、不要になる。あとは「軽症の患者にアビガンを投与するだけ」という簡単な措置があるだけだ。このくらいならば、研修医にでもできるだろう。

 ※ 以上の話は、仮説が正しいことが前提となる。とはいえ、この問題は気にしなくていい。仮説が正しいことは容易に実証されるだろう。また、仮に正しくないとしても何も問題はない。現状よりも悪くなるわけではない。
 

 (9) 副作用の懸念

 以上では「すべての問題が一挙に解決する」というような夢物語ふうの話が示されたが、うまい話ばかりではない。まずい問題も起こると想定される。特に、副作用が問題だ。
 軽症者にもアビガンを処方するとしたら、処方の対象は何倍または何十倍にも増える。「重症者だけ」に処方するのに比べて、副作用の問題は大幅に増えそうだ。
 重症者ならば、「副作用があっても命が助かるなら仕方がない」と容認されるとしても、軽症者ならば、もともと命を失うわけでもないので、「副作用があっても仕方がない」というふうにはならない。
 だから、副作用を懸念する人は多い。

 しかしながら、実は、アビガンの不作用については、「心配しなくていい」ということが、すでに判明している。
  ・ あちこちの使用例で、重い副作用はほとんど発生していない。
  ・ 肝機能障害が少し報告されているが、致命的ではない。
   また、それは大量の投与(3倍量)で起こるだけだ。
  ・ 軽症者向けの投与(1倍量)ならば、副作用は起こりにくい。
  ・ 1倍量の投与の副作用については、すでに治験で調査済みだ。
   (インフルエンザ用の投与で治験を済ませてある。)


 以上の諸点から、次のように結論できる。
  ・ 1倍量の投与の副作用については、心配しなくていい。


 さらに、催奇性については、もともと警告済みなので、医者が事前にチェックするから、心配ない。特に、妊娠可能年齢を過ぎていれば、問題ない。つまり、こうだ。
  ・ 催奇性については、50代以上の患者は、心配しなくていい。


 以上の二点で、副作用については「心配しなくていい」と言える。
 厳密に言えば、「まったく心配しなくていい」というほど安全性が保証されているわけではないが、効果を考えれば十分に安全だと見なせるだけの安全性はある。
 このくらいの安全性について心配するのであれば、イブプロフェンやロキソニンのような鎮痛剤の方がよほど危険だし、こっちを規制する方がマシだ。
 逆に言えば、イブプロフェンやロキソニンのような鎮痛剤を市販品として買えるような状況において、コロナから命を救うアビガンを医者が処方箋で処方することは、はるかに安全度が高い。催奇性だって、医者が十分に注意して処方するはずだ。特に問題はない。

 要するに、「軽症者向けに1倍量の投与をする」という場合には、治験は十分なので、アビガンの使用に慎重になる必要はないのだ。それは、「重症者向けに3倍量の投与をする」という場合とは、話は違うのだ。(後者ならば、治験も不十分なので、アビガンの使用に慎重になるのも、やむを得ないのだが。)
 ともあれ、軽症者向けの処方は、重症者向けの処方とは、事情がまったく異なるのだ。
 この区別をするべきだ。


 (10) 過剰な警戒
 
 なのに、この区別ができない人がいて、副作用をやたらと過剰に警戒しすぎている。それは一種の勘違いであろう。
 たとえば、医師会の有識者会議が、副作用を懸念して、アビガンを容易に処方することに反対している。
 日本医師会の有識者会議(座長=永井良三・自治医科大学長)は18日、「科学を軽視した判断は最終的に国民の健康にとって害悪」だとして、適切な臨床試験を経て承認の手続きを進めるよう求める声明を公表した。国が早期承認を目指す新型インフルエンザ治療薬「アビガン」を念頭に、拙速に特例的な承認を行うべきではないと提言した。
 声明は、科学的根拠の不十分な候補薬について「有事だから良い、ということには断じてならない」と指摘。自然に回復する患者も多いため、症例数の多い臨床試験が必要だとした。妊娠中の女性が服用して胎児に重い先天異常を引き起こしたかつてのサリドマイド薬害も引き合いに「数々の薬害事件を忘れてはならない」と強い懸念を示した。
( → コロナ治療薬「特例的承認」に懸念 日本医師会有識者会議が声明 - 毎日新聞

 このような懸念をもつことは、ある意味では、妥当である。だが、その懸念は、実は見当はずれなのだ。そのことは、すぐ前に説明したとおりだ。
( ※ 軽症者は1倍量だから、すでに問題ないと判明している、ということ。)

 また、サリドマイド児の例を持ち出すのは、話が見当違いというしかない。
 往年のサリドマイド児の場合は、催奇性が警告されていないまま、薬剤が処方された。また、事前に治験も十分になされなかった。
 一方、アビガンは、すでにインフルエンザ用として十分な治験がなされていて、かつ、催奇性がすでに警告されている。サリドマイド児の場合とは事情がまったく異なる。
 だから、サリドマイド児の例を、たとえ話として持ち出すのは、まったく不適切だ。このたとえ話は、「青酸カリを飲むと死ぬから、あらゆる薬剤を禁止せよ」というのと同じである。理屈にもならない屁理屈であるにすぎない。論理のかけらさえもない暴論だろう。

 それだけではない。日本医師会有識者会議の立場は、現状認識があまりにも甘すぎるというしかない。
 なるほど、「副作用に注意して、新規の薬剤の導入には慎重であれ」というのは、通常の病気に対してならば妥当だろう。
 しかし今は非常時だ。新型コロナのせいで、とてつもなく多大な被害がもたらされている。すでに 800人近くの死者が出ている。今後もさらに続々と死者が出るだろう。最近でも(減ったとはいえ)新規感染者が全国で数十人も出ているのだ。死者も今後は絶えることなく続々と出るだろう。
 こういう状況で、「薬害事件を忘れてはならない」というのは、「冗談か?」と言うしかない。今後に数百人または千人以上の死者が出ると見込まれているときに、ありもしない薬害の懸念をして、「死者が続出している」という状況を放置するのは、物事の軽重を見誤っていると言うしかない。それはいわば、「泥棒を警戒することで、大量殺人を見逃す」というようなものだ。
 上記のような懸念をする人は、新型コロナという病気の恐ろしさを、まったく理解できていない。すでに日本以外では、1国で3万人ぐらいの死者が出ている国がザラなのだ。スペイン、英国、イタリア、フランスがそうだ。米国に至っては9万人以上が死んでいる。
 これほどにも人の命を奪う恐ろしい病気を前にして、「命を救う薬には、ちょっとした副作用があるかもしれないので、慎重を期します」だと? その慎重さゆえに、何万人をも死なせるだと? ……冗談も休み休みにしろ、と言いたくなる。
 「薬害を減らすために、大量の死者を出す」というのが、日本医師会有識者会議の立場だ。ここでは、「副作用はありませんでした、患者は死にました」という冗談を、地で行っている。呆れるほどの倒錯だというしかない。

 ※ 似たことは、朝日新聞の社説も主張していた。サリドマイド児のかわりに、イレッサの例を持ち出して、「副作用が心配だからアビガンの利用を抑制する」という主張だ。これもまた、「副作用はありませんでした、患者は死にました」という冗談を、地で行っている。この件については、前に批判したことがある。
  → アビガンの話題 2: Open ブログ の (3)

 ※ 有識者会議であれ、朝日新聞であれ、新薬の副作用を警戒して、慎重な方針を取る……というのは、特に間違った方針ではない。間違っているのは、「新薬でもないものを新薬だと思い込むこと」であり、「治験がなされたものを治験がなされていないと思い込むこと」だ。ここには、誤認がある。

 ※ ただし、世間の常識は、誤認である。この誤認をひっくり返して、世間の常識(虚偽)とは正反対のこと(真実)を示すのが、本項だ。その意味で、本項の話は「常識はずれ」のことであり、「画期的なこと」であるとも言える。……それはいわば、世間のすべてが「王様は裸でない」という虚偽を信じているときに、「王様は裸だ」という真実を告げることに似ている。


  (11) 厚労省の妨害

 本項では、「新型コロナのほとんどの問題を解決する」(重症者対策の問題を一挙に解決する)という、魔法のような方法を示した。
 だから、これを実施するだけで、あとは自動的に、さまざまな問題は霧消することになる。医師不足とか、機材不足とか、そういった問題は霧消することになる。

 では、それがまさしく実現すると、楽観していいか? いや、駄目だ。なぜなら、それを実現するべきだとわかっても、それを実現させまいとする妨害が発生するからだ。
 では、誰が妨害するか? 医師会と厚労省だ。

 医師会有識者会議がこの方針に反対することは、すでに示したことからもわかるだろう。

 一方、厚労省もこの方針に反対するだろう。それは、次の記事からわかる。
 アビガンについては実用化の時期も注目される。政府は短期間でアビガンを承認したい考えだが、厚労省は慎重な姿勢を崩さない。一般的に医薬品は申請から承認まで半年以上。アビガンの臨床試験(治験)は6月末に終了する見通しだ。「副作用などデータの評価、専門家の意見といったプロセスは必須。条件付きの承認でも審査に数カ月がかかるだろう」(元厚労省の薬事担当者)
( → (真相深層)アビガン原料、中国頼み 政府、備蓄3倍の200万人分めざすが…国内生産移行へ総力戦 :日本経済新聞

 こういうふうに、厚労省はアビガンの利用を数カ月間も遅らせようとする。そのせいで、この期間中に感染した人は、死ななくても済む場合にも死んでしまうことがあるし、重症化しないで済む場合にも重症化してしまうことがある。

 岡江久美子さんのような場合には、明らかに「アビガンの投与に慎重である」という方針のせいで、命が奪われてしまった。
 この点を反省して、医師会は「ハイリスクの人や、高齢者には、アビガンを早期投与する」というふうに、方針を改めた。
  → アビガン「高齢患者に早期投与を」 日医が要望 :日本経済新聞
  → 日本医師会・横倉会長 高齢・ハイリスク患者へのアビガン積極的使用を要望

 これまでは「中等症以上の患者にだけ投与する」という方針だったのだが、それでは死者が次々と出るので、「ハイリスクの人や、高齢者には、アビガンを早期投与する」というふうに、方針を改めたわけだ。
 だが、これでは不十分だ、というのが、私の立場だ。


 (12) 現状
 
 ちなみに、現状では、「症状が重くなるまで、アビガンを使うべからず」という方針が出ている。
 《 アビガン「使いたいけど使えない」〜感染症学会の参考基準を問題視する声 》
 感染症学会の参考基準 4月28日

 抗ウイルス薬の投与を検討するケースとして@概ね60歳以上の患者や基礎疾患を有する患者で、低酸素血症を呈し継続的な酸素投与が必要となった場合、Aそれ以外の患者で、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある場合─を挙げ、「概ね60歳未満の患者では肺炎を発症しても自然経過の中で治癒する例が多いため、必ずしも抗ウイルス薬を投与せずとも経過を観察してよい」との考え方を示している。
( → DOCTOR'S COLUMN(ドクターズコラム)|【マイナビDOCTOR】

 高齢者やハイリスクの患者については、投与を認めている。
 また、酸素投与をしても状況が悪化する患者(中等症以上)についても、投与を認めている。
 一方で、それ以外の患者(軽症者)には、「必ずしも抗ウイルス薬を投与せずとも経過を観察してよい」とあえて述べることで、投与しないことを推奨しているようだ。ここでは、「投与しないと、重症化する危険を見逃す」ことが記されていない。ほとんど重過失と言ってもいいぐらいの、とんでもない記述だ。
(催奇性がわかっているのに催奇性を警告しない、というぐらいの重過失だ。)

 今の医学界の常識は、ありもしない副作用について過大に懸念するあまり、現実にある「重症化の危険」をあまりにも軽視している。その結果が、これまでの「 800人近い死者」という数字になって表れている。

 ドン・キホーテは、ただの風車を「怪物だ」と信じて、突進した。それと同じように、今の医学界は、ありもしない副作用を「巨大な副作用だ」と懸念して、足踏みしている。そのせいで、新型コロナの渦に飲まれて、莫大な死者を出す結果になるのだ。

 そこで私が告げるのだ。
 「目を覚ませ。そんな巨大な怪物などはない。むしろ目の前に迫っている現実の危険を認識せよ。それは恐ろしいほどの危険なのだ」と。
 
 そして、助かる方法も教えている。
 「アビガンの早期投与をせよ。それで多大な命や健康が助かる」と。
 
 しかるに人々は、うまく助かる方法を知っても、それを自らの手で捨ててしまうものなのだ。いわばレミングが集団自殺するように。……それが人類の歴史というものだ。



 [ 付記1 ]
 ただし、世の中には、愚か者ばかりがいるわけではない。一部には、賢明な人もいる。その一例が、福岡県の医師会だ。
 《 アビガン、福岡で早期投与可能に 軽症者も、医師会発表 》
  福岡県医師会は11日、新型コロナウイルスの治療薬として期待される抗インフルエンザ薬「アビガン」について、県内の約50医療機関で軽症を含む患者への早期投与が可能になったと発表した。重症化の予防が期待できるという。
 医師会の上野道雄・副会長は「インフルエンザに比べても新型コロナウイルスは重篤化しやすい。県全体で早期投与が可能になることは大きな意義がある」と話した。
( → 朝日新聞

 世の中には、まともな人もいる。ただし、この記事が出たのは、5月11日だ。なのに、それから1週間以上がたっても、追随する動きはない。それどころか、早期投与を否定しようという動きが強い。

 これは、安倍首相が「アビガンの投与を希望者に」という素人っぽい方針を出したので、それに対する反対という形で、押し留めようとしているのだろう。
 だが、この問題ばかりは、安倍首相が正しくて、他の慎重論者は間違っているのだ。安倍首相は「アビガンの投与を希望者に」と言っているが、処方薬なのだから、医師の許可なく勝手に服用するわけには行かない。ここでは「医師の許可」が前提となっているのだから、過剰に心配する必要はないのだ。
 それよりは、「医師がやたらと副作用を心配しすぎて、軽症者には投与をためらう」ということの方が、ずっと問題だ。そのせいで、軽症者が重症化するという事例が、あとを絶たない。その結果、今日もまた新たな死者が出ることになる。

 [ 付記2 ]
 「早期投与する」という方針自体は、特に目新しいものではない。福岡の医師会がやっていることからも、そのことは明らかだろう。その意味で、本項の提案そのものは、独創的な主張というわけではない。本項の独自性は、提案そのものではなくて、提案を推進する論理構成(論旨)にある。
 あるいは、結論よりも理由の方に独自性がある、とも言える。


posted by 管理人 at 23:40| Comment(9) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素人考えです
治療薬がアビガンだけならアビガンを使えってなるんだろが
他に効きそうな薬が複数あるから、忖度する医師がいるんだろうな
それで未来を変えなきゃならない人がたくさん出てくる
不幸なことです
Posted by 老人 at 2020年05月20日 06:27
アビガンの有効性を疑問視する記事が出たり、何か正しいのかよくわかりませんね
Posted by Triple at 2020年05月20日 08:00
 「治療薬アビガン、有効性示せず」というニュース。
 → https://this.kiji.is/635491679520457825
 → https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200519/k10012436781000.html

 共同の記事を見て、「アビガンは駄目だ」と悲観する人が続出しているが、勘違いだ。
 NHK の記事を見ればわかるが、「有効性がないと判明した」のではなく、「データが不十分なので、まだ何も結論できない」だけのことだ。「ただ今 研究の途中です」というだけだ。

 私が思うに、これは、検査の感度が低すぎて、ウイルスの量を検出できないだけだと思える。技術的な問題で、事実を認識できないだけだ。
 ロシュの抗体検査薬を使うと、感度が高いし、量的にも検出できるので、そうすれば事実を認識できるようになりそうだ。

 そもそも、「ウイルスの量を調べる」という方法がおかしい。治療の効果(症状の程度)を統計的に調べるべきだ。治験の評価の方法を間違えている。

 ──

 今回の治験では、「アビガンあり」と「アビガンなし」を比較しているわけではない。「アビガンの早期投与」と「アビガンの途中投与」を比較しているだけだ。(前者は入院1日目から。後者は入院6日目から。いずれもアビガンを投与している。)
 仮に、これで「効果に差がない」という結論が出た場合には、「アビガンは無効」という結論が出るのではなく、「アビガンの早期投与は無効」という結論が出るだけだ。どっちの結論が出るにしても、「アビガンの効果の有無が判明する」わけではない。もともとそういう対比はしていないからだ。
 やっているのはあくまで、「早期投与の効果を調べること」だけなのである。今回の治験では、「アビガンの効果の有無」までは調べていないのだ。「アビガンあり」と「アビガンなし」を比較しているわけではないからだ。勘違いしないこと。

 なお、仮に「早期投与に顕著な効果がない」と判明した場合には、「6日目以後に投与するのでも十分に効果がある」と判明しただけのことだ。「アビガンに効果がない」と判明したことにはならない。

 ただし、「早期投与に顕著な効果がない」と示すためには、ウイルス量を比較するのではなく、二つの対照群で、重症者の発生比率を比べる必要がある。
 この意味で、今回の治験は、データ処理の方法を根本的に間違えている。比較するべきものを取り違えている。(ウィルスの量の平均値を減らすことが目的なのではなく、重症者の発生を減らすことが目的だ。)
Posted by 管理人 at 2020年05月20日 09:52
当初の目的意識だったインフルエンザでさえ著効を示したわけではない(タミフルより効果低かった)ので、特に低用量では効果あるかなぁという気もします。
普通に治験待ちでいいんでないかな、という気がします。
Posted by しかし at 2020年05月20日 12:06
> アビガンなしを比較していますよ。

 口から出任せを書かないで。きちんと出典を示して。

 ──

 下記に別記事がある。
  → https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020051901002806.html

 「無症状と軽症の感染者を対象としてアビガンの投与時期を変えて比較する内容」
 とあるので、時期が違うだけで、どちらも投与するわけだ。
 細波 さんは、またしても間違えている。毎度のことだけど。
Posted by 管理人 at 2020年05月20日 13:00
>上の仮説と推論から、次のように結論できる。

実証も検証もなしで仮説・推論からいきなり結論ですか?
Posted by 通りすがり at 2020年05月20日 19:44
 「仮説と推論から、結論」
 というのは、文字通りの意味です。あなた、意味がわからないのかな? 「事実による結論」でもないし、「実証」でもない。

 たとえば、「相対論による結論」というものは得られるが、それは「実験による証明」とは違う。両者は別のことです。

 こんなの、高校生レベルの知識なんだが。あなたは文系の人で、理系用語を理解できないのかな? 
Posted by 管理人 at 2020年05月20日 20:38
有効性示せずにある、この時期にリークする複数の関係者って、何かしらの意図を感じます。藤田医大誤解を訂正していますが。https://www.sankei.com/life/news/200520/lif2005200046-n1.html
Posted by gunts at 2020年05月20日 21:19
 細波さんへ。

 やたらと大量のコメントを投稿してくるが、一切、承認しません。
 あなたは自分の意見を「独自の意見だ」と思って投稿してくるのだろうけど、独自の意見は本サイトの意見であって、あなたの意見はそれへの反論であるにすぎない。その反論はすでに世間であふれている凡庸な意見とまったく同じであり、何ら独自性はない。

 ありふれた凡庸な意見を書いて、自分の独自の意見だと思い込んでいるが、あなたがそういうふうに思い上がることができるのは、本サイトが独自の意見を書いているからだ。独自の意見を見て、それに反対することで、反対する自分が独自の意見を書いているように錯覚できる。
 あなたにとっては、本サイトは、自分を独自だと錯覚できるような、とても都合のいいサイトだ。だから、本サイトにこだわって、しきりに書き込む。こんな小さなサイトに書き込んでも、誰も見てくれるわけではないのだが、自分が利口だと思い込めるから、せっせと凡庸な意見を書き込む。「俺様の独自の意見だ」と思い込みながら。

 書き込む前に、ぐぐったらどう? あなたの凡庸な意見と同じ意見は、世間にあふれている。そんな凡庸な意見は、本サイト以外に書き込んでも、ちっとも目立ちませんよ。(だから本サイトに書き込んで、自己満足するんだろうけど。哀れだな。)

 要するに、あなたの意見は、そこいらにいっぱい転がっているゴミと同じで、ただのありふれたゴミにすぎないんです。自分が利口だと自惚れるのをやめて、自分はゴミにすぎないのだと理解しましょう。ゴミが掲載されることはありません。
Posted by 管理人 at 2020年05月23日 00:39
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