自己免疫の原理について、前項の最後の [ 余談 ] に記した。
短い文章なので、下記に転載しておく。
──
以下、転載。
[ 余談 ]
ついでに自己免疫について言及しておく。
自己免疫が起こるのは、遺伝子そのものに異常があるからではなく、遺伝子の発現に異常があるからだと推定される。
これに関与する物質も同定されていて、それは SATB1 というクロマチンリモデリングタンパク質だ。クロマチン とは、DNAとタンパク質の複合体のことだ。
DNA は、普段は折り畳まれているが、遺伝子が発現するときには、DNA が折りたたみ状態から開かれて、遺伝子が発現できるようにする。このとき、クロマチン構造の変化を介して遺伝子の発現レベルを調節する分子機構が、クロマチンリモデリングだ。それに関与するタンパク質が、クロマチンリモデリングタンパク質だ。
SATB1が過剰になると、ヘルパーT細胞が過剰となり、サイトカインを大量に産生して、自己免疫疾患を引き起こすそうだ。
→ 自己免疫疾患に関わるT細胞の制御分子を同定
2020年05月17日
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