2020年05月01日

◆ 医療体制の誤認

 緊急事態宣言の延長があったが、その理由は、医療体制についての誤認だ。特に、重症者についての誤認だ。

  ※ 本項の後半に 【 訂正 】 があります。


 ──

 緊急事態宣言の延長があったが、その理由は、医療体制についての誤認があったからだ、……という話は、前項で述べた。
 「医療現場は大変過酷な状況だ」という現状認識そのものは間違いではない。
 だが、そうなる理由は、「感染者が多すぎるから」ではないし、また、「病院のベッド数が足りないから」でもない。「軽症者を施設に移すことができていないから」である。そのまた理由は、「軽症者向けの施設が足りないから」である。
( → 緊急事態宣言の方針の誤認: Open ブログ

 この誤認は、軽症者向け施設についての誤認だ。
 なるほど、「医療現場は大変過酷な状況だ」という現状がある。ただしこれは、「軽症者向けの施設が足りないから」というのが理由だ。なのにこれを、「感染者数が多いからだ」と誤認する。そのせいで、「感染者が少なくなるまで、緊急事態宣言を延長する」というふうに結論したわけだ。
 以上は、前項の話。

 ──

 一方、別の誤認もある。それは重症者の処置についての誤認だ。この誤認のせいで、「医療現場は大変過酷な状況だ」という現状になっている。
 具体的な話は、5月1日の朝日新聞の記事からわかるので、紹介しよう。
 医療機関の病床などの逼迫(ひっぱく)は、感染者の増え方が緩やかになっても当面続く。特に問題なのは重症者だ。厚生労働省によると、集中治療室(ICU)に入ったり、人工呼吸器が必要になったりした新型コロナの重症者は……(略)……
 世界保健機関(WHO)と中国の共同調査団の中国についての報告によると、患者の約2割が多臓器不全など重篤な状態(約6%)か重症(約14%)となった。重篤、重症だと回復までにおおむね3〜6週間かかり、医療に負荷が長く続く。
 ICUは通常、看護師1人が患者2人に対応するが、新型コロナの重症者には感染対策の必要もあり看護師2人が要るとされる。
( → (時時刻刻)収束見えず、全国一律延長 経済懸念の政府、声に押され 緊急事態:朝日新聞

 ここでは、次の趣旨がある。
  ・ 重篤、重症の対策が必要だ。
  ・ 重篤、重症だと、回復に長い時間がかかる。
   (その分、ベッドがふさがれる。)
  ・ 時間がかかるだけでなく、人手もかかる。
  ・ ベッドと人手の双方で、医療は過酷な状態である。


   *   *   *   *   *   *

 《 以下は取り消します。 》


 しかし、これは誤認である。私の見解は、次の通り。

  • 重篤者の対策は不要である。なぜなら、多臓器不全などになった患者は、最終的にはほとんどが死んでしまうからだ。いまさら治療をしても無駄だ。
  • 重篤だと、長い時間をかけても、回復しない。死ぬまでの時間が延びるだけだ。
  • その間、ベッドがふさがれる。時間がかかるだけでなく、人手もかかる。
  • 医療資源を食いつぶす分、他の病気の患者が治療機会をなくして、死んでしまう。癌などの患者は、手術の機会を失ったまま、病院外で待機させられる。そのせいで、癌が悪化して死んでしまう患者が増えている。
  • 癌患者に手術をしたくても、ECMO をコロナの患者1人にずっと奪われているので、何十人もの癌患者が手術を受けられずにいる。
  • つまり、コロナの重篤者の死期を3週間ほど遅らせるという延命治療を続けるせいで、治療可能な癌患者が大量に命を奪われつつある。
  • だから、こういう馬鹿げたことをやめるべきだ。コロナの重篤者への治療は放棄するべきだ。それがまともな方針だ。
  • コロナの重篤者への治療は放棄すれば、ベッドと人手の双方で、医療は過酷な状態になることを免れる。
  • こうなれば、(医療の面では)緊急事態宣言を延長する必要もなくなる。

 結局、医療の場で「無駄な延命医療を続ける」ということのせいで、誰一人救うことができないまま、多大な癌患者は治療機会を失い、かつ、政府は緊急事態宣言の延長という無駄なことをやり、国民は大被害を受ける。

 医者が治療の方法を間違うと、医療体制についての誤認が生じて、国全体の進路を間違えることにつながる。

 ──

( ※ 本項では、緊急事態宣言の延長という間違った決断がなされた理由を探ったが、その理由は、この間違った決断をもたらしただけでなく、他の面でも悪影響を及ぼしている……というふうに示した。)



 【 関連項目 】

 では、正しい治療の方法は? それは、すでに下記で示した通り。
  → 症状別の対応 (新型コロナ): Open ブログ
 一部抜粋しよう。
 ここでは、かなり「ぜいたく」な治療がなされている。助かる当てもない「重症者」が、ICU という高度な設備を使って、多大な機械設備や人員を使って、治療してもらう。しかしながら、たいていは延命ができるだけであり、死んでしまうことが多い。特に、ECMO が必要となるような(重い)重症者は、たいていが死んでしまう。(延命のあとで。)

 このような大病院の ICU は、やはり、本来の用途に使うべきだろう。つまり、救急患者の外科手術やその予後のために使うべきだろう。その場合には、ECMO も本来の用途で十分に使われることもあるだろう。
( ※ 慢性症の患者のためでなく、手術のために、短時間だけ使うわけだ。)




 【 関連サイト 】

 救急医療が悪影響を受けている、という話。
  → 救急医療が新型コロナで限界迫る 苦悩の現場「体制整備を」
  → 10施設が受け入れ制限・停止 3次救急にコロナ影響―9道県「厳しい」
 


 【 追記・訂正 】( 2020-05-02 )

 本項の趣旨は、かなり不正確だったので、訂正します。


 「 ECMO を使うような重篤な患者は、回復の見込みがないので、治療をやめるべきだ」
 というのが、これまでの主張だった。

 しかしながら、「 ECMO を使うような重篤な患者が、うまく回復する」という事例が続出している。

 具体的な事例は下記。
 「ECMO」での治療となった福岡県の30代の男性が先月20日、センターに転院してきたということです。
 男性は肺炎の悪化で体内に取り込む酸素の量が一般の人の5分の1以下に低下していたということです。
 先月13日ごろ、朝、なんともなかった自宅の階段の上り下りが、昼になると息切れするようになり、初めて「おかしい」と感じたということです。
 当時、37度前後の発熱があったほかは、特に自覚症状はなかったものの病院を受診したところ肺炎と診断され、新型コロナウイルスへの感染も確認されたということです。
 福岡大学病院救命救急センターによりますと、男性は先月18日に別の病院で人工呼吸器に続いて ECMOを装着され、20日、センターに転院しました。
( → 「死んでいたかも」ECMOで回復の新型コロナ患者が証言 | NHKニュース
 この事例だけでなく、もっと多数の回復の事例があり、死亡者の割合はかなり低い、というデータがある。
  → 国内のCOVID-19に対するECMO治療の成績累計
 
 回復者と死亡者の比率は、 2:1 〜 3:1 ぐらい。半分ぐらいは治療中で、今後の結果は不明。
 ざっと見て、(最終的な)死亡率が3割ぐらいだとすると、「人工呼吸器を付けた患者のほとんどが死ぬ」というニューヨークの事例よりもずっと優秀であることになる。
 ※ ニューヨークの事例では、人工呼吸器であって、ECMO ではない。ECMO の場合には、すべてが死んでいると言ってもいいだろう。
  → 人工呼吸器の不足と供給: Open ブログ 

 ──

 では、これはどういうことか? 先に私が紹介したニューヨークの事例が誤りで、今回の日本の事例が正しいのか? いや、どちらも正しいはずだ。(片方が嘘をついているわけではない。)
 とすれば、その真相は? 論理的に考えれば、こうなる。
 「米国と日本では、事情が異なる。米国では重症者はみんな死んでいくが、日本では重症者の大半が助かる」
 では、なぜ? その理由は一つしか考えられない。こうだ。
 「日本では重症者にアビガンが処方されるが、米国では処方されないから」

 このことは先の項目ですでに示されている。転載しよう。
 ただし、注意。「重症患者は助からない」というのが世界共通の認識であるようだが、日本では違う。日本では「重症患者が助かった」という報告がいくつも出ている。それは、アビガンを使った場合だ。
  → アビガンの話題: Open ブログ


 重症患者にも効果があるようだが、重症になる直前の中等症の段階で使えば、さらに効果があるようだ。
 しかも、重要なことだが、ここではアビガンを単独で使っているのではない。必ず、人工呼吸器または酸素吸入器を併用しているはずだ。(すでに呼吸困難になっているからだ。)
( → 人工呼吸器の不足と供給: Open ブログ

 結局、米国と日本では、事情が違う。米国ではアビガンを使わないので、人工呼吸器や ECMO は役立たない。しかし日本ではアビガンを使うので、人工呼吸器や ECMO は役立つ。そういう違いが出る。

 ── 

 では、その結果からは、本項で先に出した結論は誤りか?
 「 ECMO を使う必要はないから、ECMO は使わなければいい。そうすれば、医療の過酷な状況は避けられる」
 こう述べたが、これは誤りか? 

 たしかに、誤りだと言える。すでに述べた論理からすれば、誤りだ。
 とはいえ、一方で、次のことが言える。
 「 ECMO を使う状況になる前に(つまり重症化する前に)アビガンを使えばいい。そうすれば、重症者の発生が抑止できるから、医療の過酷な状況は避けられる」

 これが新たな結論となる。(アビガンをうまく使え、という意味。)

 ──

 実は、この方針を取ったのが、福岡県だ。
 「アビガンを必要とする重症者には、十分な検討と合意の上で、アビガンを処方できるようにする」
 という方針を打ち出した。
  → アビガン投与、現場の医師判断で 県医師会が「福岡県方式」検討

 これで「アビガンを処方されずに重症化する」という問題は回避できるだろう。少なくとも、福岡県では。
 しかしながら、福岡県以外では、この方針は取られていない。すると、記事中にあるように、アビガンが処方されない事例が続発することになりそうだ。
 アビガン投与には、国が支援する研究機関が行う観察研究などに参加する方法がある。通常は、各病院が観察研究の参加手続きを行う必要がある。

 この手続きをしていない病院に患者が運び込まれると、重症化しかかっても、アビガンを投与されない。そのままどんどん悪化して、重症化して、重篤化するので、ECMO が必要となる。それが、先の記事の 30代男性の例だろう。
 その後、別の病院に転院したら、回復したそうだ。しかしこれは、ECMO のおかげだとは言い切れないだろう。「この病院ではアビガンを投与されたから回復した」というのが理由だ、と私は睨んでいる。(真相がどうであるかは不明だが。)

 ともあれ、日本では「 ECMO が役立つこともある」というのが事実だ。その意味で、本項前半にあった記事については、修正します。

posted by 管理人 at 21:36| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 本項の後半に 【 訂正 】 を加筆しました。話を修正しています。
Posted by 管理人 at 2020年05月02日 12:28
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