──
「 PCR 検査が不足している。検査を受けられない人が多い。だから、検査をもっと増やせ」
というふうに唱える声が多い。
しかし、本当は検査は不要なのだ。必要なのは、検査ではなく、治療である。つまり、「命が助かること」である。
このことを正しく理解しないと、「検査はしました、患者は死にました」というふうになりかねない。
そのことは冗談のように聞こえるだろうが、現実に起こった。
東京都小平市の無職男性(85)が新型コロナウイルスのPCR検査で陰性と判定された翌日に死亡し、その後に調べ直したところ陽性と判明していたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男性は今月3日ごろから高熱が続き、8日に検査を受けた。10日に陰性の判定が出たが、翌日に救急搬送先の病院で死亡した。その後、13日に改めてPCR検査を行い陽性と判明したという。コロナウイルス感染が死因とされた。
コロナウイルスのPCR検査を巡っては、いったん陰性と判定された後に、再検査で陽性となるケースが相次いでいる。
( → 東京新聞:「陰性」男性、翌日死亡 後に感染判明、東京 )
「いったん陰性と判定された後に、再検査で陽性となるケースが相次いでいる」
と記されている。これが重要だ。
つまり、検査をしても、それがまったく有効に機能していない。むしろ、偽陰性になったことで「治療を受けられない」という「誤診」を招いている。誤診で死ぬ結果をどんどんもたらしているのだから、きわめて有害だというしかない。
( ※ PCR 検査の感度は 70%なのだから、偽陰性になる確率は 30%もある。特に、感染の初期には、感度不足で偽陰性になる確率が高い。)
──
では、どうすればいいか? 「 PCR検査はやめてしまえ」というのが、私の提案だ。
かわりに、どうする? こうだ。
「発熱が5日間も続いたならば、それは、新型コロナに感染した可能性が高い。たとえ新型コロナでなくとも、そこそこ重病である可能性が高い。だから、どっちみち、病院に収容するべきだ」
この原則の下で、こうする。
「発熱が5日間も続いたならば、相談センターに連絡して、発熱の6日目から、軽症者(後期)向けの施設に収容してもらう。以後は、新型コロナの患者として、まともに対処される」
これはつまり、先に述べた統一的な方針に従うということだ。
→ 症状別の対応 (新型コロナ): Open ブログ
結局、先に述べた統一的な方針に従えば、それで自動的に、問題は解決するわけだ。
[ 付記 ]
なお、PCR検査は、まったく不要なわけではない。次のように役立てる。
・ 未検査の状態では、ホテル個室に収容する。
(感染していない可能性があるので、感染を避けるため。)
・ 検査後、陰性の場合には、個室を継続する。
(ただしコロナ感染の疑いは残る。偽陰性。)
(コロナ以外の他の感染症であることも考慮される。)
・ 検査後、陽性の場合には、大部屋に移る。
(大部屋で看護師の常時監視を受ける。)
以上のように、検査の有無によって、収容先が変わる。治療の仕方もいくらか変わる。その意味で、検査はそれなりに有益である。(ただし必須ではない。)
【 関連サイト 】
PCR 検査をしたくても、物量的に品不足なので、検査ができない……という話がある。検査の薬品類などが輸入できないそうだ。
RNA抽出キットがすべて輸入品であるからである。入手が難しくなってきている。業者の話では、現在入荷するのは注文の20%程度だという。それは、ご存じのように世界各国で膨大な数のPCR検査が行われていることと、無関係ではないと思われる。いわばマスクやPPE同様、国際的争奪戦が繰り広げられている可能性が高い。
( → PCR論争に寄せて─PCR検査を行っている立場から検査の飛躍的増大を求める声に:日経メディカル )
まあ、そういうこともあるだろう。これを読んで、「地獄だ」と感想を吐く人もいる。だが、実は、たいして問題ではないのだ。
大切なのは、検査することではなく、人命を救うことなのだ。検査をしなくても、人命を救うことはできるのだ。
( ※ 基本的には、パルスオキシメーターとアビガンがあれば足りる。あるいは、全員にアビガンを飲ませるのでも足りる。かわりに、レムデジビルでもいいが。)
──
なお、RNA抽出キットは、入手難ではあるが、韓国政府が「提供してもいいよ」と言っている。
→ 韓国、PCRキットの提供検討 日本から「要請」が前提:朝日新聞
→ 韓国製「コロナ診断キット」...なぜ世界が注目? - 日経済新聞
しかし日本政府は、「要りません」と拒んでいる。
→ 韓国のPCRキット支援、菅氏「具体的なやりとりない」:朝日新聞
「韓国に頭を下げるぐらいなら、日本国民を死なせた方がマシ」というわけだろう。なるほど。安倍政権としては、首尾一貫しているね。ずっとそうだし。
検査少ないって書いてたと思いますが。
症状が軽ければコロナとは思わないのでは?
それは、お医者さんの仕事です。お医者さんがお金をもらって、仕事にしている。 私に聞いても仕方ない。
コロナ疑い症例の問題として、
疑いのうちは個室管理をせざるを得ないので、病院の個室が不足してしまいます。
コロナ疑い、かつ軽症の症例をホテルの個室に入れるのはいい案だと思います。
PCRが疑陽性になる可能性は低いので(偽陰性と比べれば)、
それなりに安心してコロナの大部屋に入れることができます。
PCR検査については、ホテルに入ってもらった上で、
重症(一つの方法としてパルスオキシメーターの数字で判断する)もしくは
重症化リスクが高い(年齢や持病で判断する)
順にPCRを行うのがよさそうです。
PCRを待っているうちに重症化し、死亡するリスクを減らすことができると思います。