2020年04月29日

◆ オンラインで対処せよ (コロナ)

 新型コロナの感染者にオンラインで対処するシステムが導入される。だが、まだまだ機能不足だ。

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 新型コロナの感染者にオンラインで対処するシステムが導入される。自宅や施設にいる軽症者の症状を、アプリで自主報告してもらって、情報を全国一元で管理する。
 新型コロナウイルスの感染で自宅療養中の死亡例が相次ぐなか、厚生労働省は宿泊施設や自宅で療養する軽症患者らの健康管理をする全国的な情報システムを5月にも稼働させる。スマホアプリなどで患者に日々の体調を入力してもらい、症状が変化した時にはアプリ経由で保健所などに連絡が行き、迅速な対応につなげる。
 PCR検査で陽性となった患者すべてが対象だが、宿泊施設や自宅で療養する軽症者の病状を把握しやすくするのが主なねらいだ。患者には専用のアプリを入れたスマートフォンなどで毎日、体温などを入力してもらう。データは厚労省のシステムに集約し、保健所などが患者の体調の変化を把握できるようにする。
 患者自身がアプリを通じて症状の変化を通知する「アラート機能」を持たせることもめざす。
( → 症状把握、全国システム 軽症者ら対象、迅速な対応図る 厚労省導入へ:朝日新聞

 これは、私が前々項で述べたものとよく似ている。
  → 軽症者の常時監視: Open ブログ
 この項目の後半に「管理アプリ」というのがある。これは、大部屋の軽症者(後期)の症状を自主報告してもらうためのアプリだった。
 一方、今回の厚労省のアプリは、自宅・施設を区別せず、前期・後期を区別せずに、一括して扱うものだ。これはこれでいい。(ないよりはずっとマシだ。)
 私の提案よりもずっと早くから準備していたことになる。この点では、大いに称賛しよう。やるべきこととしては当然のことではあるが、きちんと仕事をしていたという点で、担当者には大いに称賛の拍手を贈りたい。(政府関連で褒めるのはこれが初めてだ。)

 ──

 ただし、これで十分だというわけではない。オンライン化は、もっと多くの面で、多面的に推進する必要がある。たとえば、下記だ。
 
 (1) 相談センター 

 感染の疑いのある人は、相談センターに電話をして相談することになっているが、電話がまったくつながらないという状況がずっと続いている。特に、感染者の多い東京都ではひどい。手遅れになって、死者まで出ている。世田谷区の事例。
 50代の男性会社員が新型コロナウイルスのPCR検査の結果を待っている間に死亡し、その後、陽性が判明した。
 男性は今月3日に発熱。3日と7日に相談センターに電話をしたがつながらなかったという。
 9日に検体を採取し、結果待ちだった11日に自室で亡くなっていた。結果は陽性だった。
( → PCR結果待つ間に死亡 相談センターに電話つながらず:朝日新聞

 そこで、相談センターをオンライン化するといいだろう。
 現状では、担当者がいちいち電話で質問して回答を得ているが、これでは人手が莫大にかかるので、無駄手間が多い。むしろ、オンライン化で、相談者が自分で記入するといいだろう。次のように。(四角い記入欄がある)
  ・ 発熱の開始日      
  ・ 体温(日々の経過)   
  ・ せき、たん の有無。   
  ・ 呼吸の苦しさの有無   
  ・ においの能力はあるか  
  ・ 食欲          
  ・ 家族構成        
  ・ 住所          
  ・ 電話番号        

 こういうことを、今はいちいち電話相談でやっている。つまり、本人でなく係員が、本人と対話しながら記入している。だから、莫大な手間がかかる。大いなる無駄だ。
 こんなことはすべてオンラインで済ませれば、係員の入力業務はゼロで済む。(すべてを患者本人が記入するからだ。)

 しかも、いくつかの項目は、ボタンのタッチ1回で済む。下記のように。

体温は
  熱が高い 平熱である

せき は
  せき がある せき がない



 なお、呼吸が苦しくなると、電話で答えるのも負担になる。長時間しゃべらせるのは、患者を虐待するようなものだ。だから、電話やめるべきだ。さっさとオンライン化を進めるべきだ。


 (2) 検査結果

 PCR 検査の結果の通知も、オンラインでやるべきだ。いちいち電話で通知するなんて、馬鹿げている。
 メールで通知するか、自主的にサイトで確認してもらえばいい。(どちらでもできるようにする。)


 (3) 初期の問診

 感染者には、初期に医者が対面で問診をするが、これもオンライン化するといい。基本は、遠隔診療だ。
 ただし、完全な遠隔診療はよくないので、補助的に人員を入れるといい。具体的には、学徒動員で、医学生を導入する。(医学生は若いので、感染の危険が少ないからだ。)
 医学生は、問診を補助する。患者と対面して、症状の状態をチェックして、問診票の記入漏れなどをチェックする。いろいろとチェックさせたあとで、患者を医師と遠隔診療させる。モニターやインターフォンなどで。
 そのとき、患者はいろいろと戸惑うだろうから、医学生がそばにいて、患者にアドバイスする。
( ※ 本来ならば看護師がやるべき作業だが、看護師はコロナの患者の対応で大忙しだから、かわりに医学生がやる。)


 (4) 軽症者の監視(前期)

 患者の監視も、オンライン化するといい。
 軽症者(前期)は、自宅やホテルにいる。これらについての監視は、冒頭に述べた文科省の方針で足りているので、本項では特に述べない。
 強いて言えば、パルスオキシメーターのデータ入力の項目があるといい。(パルスオキシメーターをもっている場合のみ。)


 (5) 軽症者の診察(後期)

 軽症者(後期)ならば、オンラインで診察するといいだろう。中等症以上だと、寝たきりなので無理だが、それ以前ならば、診察をオンライン化するといい。
 基本的には、問診の場合と同じように、医学生が補助する。医者は別室にでモニターを見ているので、マスクも防護服も必要ない。
 医学生がすでに問診票の記入を確認しており、異常の有無などは画面上の文字で表示されているので、医者は簡単な質問をするだけで、診察を済ませることができる。異常のない患者なら、1人1分ぐらいで済むので、大量の患者を処理できる。
  ※ ただし、医学生は大量に必要となる。医者は患者1人を1分で済ませていいが、医学生は患者1人を 10分ぐらいかけて処理する。となると、医学生は、医者の 10倍ぐらいの人数が必要となる。

 なお、遠隔診療は、遠く離れた遠隔地の医者が対応してもいいが、同じ病院内の医者が別室で対応する方がいい。問診の場合は、遠隔地でもいいが、診察の場合は、同じ病院の方がいい。同じ病院ならば、「病棟にいる××科の○○先生にすぐに連絡を」というような対処も可能だ。遠隔地の医者では、こうは行かない。
 

 (6) チャット

 電話だけでなく、チャットもできるようにするべきだ。LINE でもいいし、メールでもいいが、チャットのできるシステムがあると、なお良い。
 チャットのできない医者もいるだろうから、医者の会話をチャットに入力するための、入力者を雇用するのもいい。( PC 入力作業をする派遣社員が、失業して大量に余っているから、それを雇用するといい。)



 [ 付記 ]
 以上のすべてを実施するには、人員と予算を大幅に拡充する必要がある。そこが最も重要だろう。
 
 実は、この問題は、「保健所の予算不足」という点で、顕著に表れている。あまりにもひどい惨状だ。
  → 瀬戸際の保健所 いま何が起きているのか | NHKニュース
 電話も受け付けられず、PCR 検査もできない。あらゆる面で、人的な不足が生じて、機能不全になっている。そのせいで患者はひどい目に遭っている。場合によっては死ぬ。(本項冒頭にある通り。)
 そして、そのすべては、「保健所に投じる予算が少ない」ということによる。
 では、保健所に人員と資金を投入しないのは、誰の責任か? 自治体の責任だ。特に、知事の責任だ。
 とりわけ、東京都知事の責任は重い。最大の感染者が出現しているのに、ほとんど無為無策だからだ。その結果、検査能力も、相談能力も、何もかも不足している。

 この点では、和歌山県知事の方がずっと良かった。前に示したように、人員と資金をきちんと投入したおかげで、検査能力がアップして、うまく対応できた。
  → 新型コロナウイルスの話題 11: Open ブログ の (10)

 和歌山県がこういうふうにまともな対処ができたのは、決して偶然ではない。知事のリーダーシップが優れていたからだ。
  → 知事からのメッセージ 令和2年4月27日 | 和歌山県

 一方、東京都はひどい。「休業を推進して、補償金を出す」という方針では、世間の喝采を浴びたようだ。しかしながら、肝心の「感染者の抑制」という点では、ほぼ無為無策のまま、保健所などの能力不足・資金不足を、放置している。
 そのかわりに何をやるかと言えば、コイケのマスクと、9月入学の推進だ。
  → 9月入学、小池都知事も賛成 TBS NEWS
 こんなことをやっている暇があったら、保健所を何とかしろ、と言ってやりたいね。これ以上、死者を出して、どうするつもりだよ。



 【 関連サイト 】
 感染中に確認するべき症状が、リストアップされた。
 厚生労働省は28日、新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状の感染者がホテルなどの宿泊施設や自宅で療養する際、注意すべき緊急性の高い症状を公表した。「胸の痛みがある」「肩で息をしている」「脈がとぶ」といった12項目の症状。一つでも当てはまれば自治体の相談窓口か宿泊施設の看護師らにすぐに連絡するよう呼び掛けている。
( → 厚労省、緊急性高い12症状公表 「胸の痛み」「脈がとぶ」(共同通信)

 上の記事では 12項目とあるが、正しくは 13項目だ。原文から引用しよう。
 【緊急性の高い症状】   ※は家族等が以下の項目を確認した場合

〔表情・外見〕
   顔色が明らかに悪い ※
   唇が紫色になっている
   いつもと違う、様子がおかしい ※

〔息苦しさ等〕
   息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
   急に息苦しくなった
   生活をしていて少し動くと息苦しい
   胸の痛みがある
   横になれない。座らないと息ができない
   肩で息をしている
   突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた

〔意識障害等〕
   ぼんやりしている(反応が弱い) ※
   もうろうとしている(返事がない)※
   脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

 
( 注 ) ボタンを選択可能な形式で表示した。複数選択が可能。

 出典は
  → 厚労省の文書(PDF)
 
 ──

 13項目ある。もっともらしい点検項目だ。
 だが、こんなのが起こるまで放置しておく方がおかしい。むしろ、「6日目からは自宅から軽症者施設に移す」という方針を立てて、以後はパルスオキシメーターで常時監視するのが、正しい処置だ。
  → 症状別の対応 (新型コロナ): Open ブログ

posted by 管理人 at 23:04| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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