──
岩田健太郎教授が「ロックダウンを推奨する」という趣旨の見解を示している。
→ 日本に残された道はロックダウンしかない理由、神戸大・岩田教授が警鐘
だが、これは嘘だらけだ。
(1) 東京都
次の主張がある。
東京だと毎日100人以上の新規感染者が出て、入院者も増えていく。加えて、医者や看護師が感染するという院内感染もあちらこちらで起きています。すると、患者数は増える一方で、医療サイドのマンパワーは減っていく。このダブルパンチが医療崩壊を招きますから、東京の「新規感染者数横ばい」というのは、決して許容できません。
しかしこれはまったくの事実誤認だ。本日のデータを見ればわかる。

東京都のサイト
最後の数値が、日曜日の影響を受ける月曜日のデータであることを割り引いても、1週間前から大幅減であることから、数値は急減していることがわかる。
ちなみに、全国データでも明白な減少が見られる。

朝日新聞
「横ばいだ」とか「増えている」とかいう認識は、まったくの事実誤認だとわかる。
※ インタビューの時期が4月23日であることを勘案しても、まったくの事実誤認だ。4月23日の時点で、減少傾向であることは、すでに見て取れた。私は4月22日の時点で、「ゆるやかな減少傾向」と記している。
→ 緊急事態宣言の2週間後: Open ブログ
このページの最後には、「7日間の平均」というグラフもある。これは4月20日に記載されたグラフだが、そこでもすでに「頭打ち」が明白に見て取れる。なのに、「患者数は増える一方」なんて言うんだから、とんでもない嘘つきだ。
また、「新規感染者が出る一方で、入院患者もいるから、入院者も増えていく」(だから医療崩壊になる)という趣旨の話もあるが、これも嘘だ。データを見よう。

Worldometer
東京でなくて日本全体のデータだが、新規患者はどんどん減る一方で、回復者はどんどん増えている。そのことが4月23日の時点ですでに判明しており、4月27日はいっそう顕著になっている。
つまり、「入院者も増えていく」(だから医療崩壊になる)という話はまったくの嘘だ。
(2) 外国のロックダウン
記事には次の話もある。
厳しくロックダウンを実施すれば、少なくとも自国(地域)内の感染を抑え込むことはできるということは、すでに諸外国のデータが示している通りです。
これもまた嘘だ。特に、英国と米国では、3月23日ごろから厳しいロックダウンをしているのに、1カ月以上たっても、まったく減少が見られない。
英国のデータ

米国のデータ

この両国では、「厳しいロックダウンをしてもまったく効果がない」ということを実証している。記事の見解は、まったくの嘘である。
※ 仮にロックダウンに効果があるなら、開始後2週間で明白な減少が見られるはずだ。
※ 日本も同様だ。緊急事態宣言の外出規制に効果があるなら、開始後2週間で明白な減少が見られるはずだ。だが、そうなっていない。
→ 緊急事態宣言の2週間後: Open ブログ
(3) イタリアとスペイン
記事には、次の話もある。
「強力なロックダウンを短期間集中して行う」ことこそが、経済を救うと思いますよ。武漢は集中してロックダウンを行い、比較的短期間で感染封じ込めに成功しました。イタリアやスペインなども感染者数が大きく減ってきた。
これは、嘘というほどひどくはないが、「事実誤認」もしくは「手前ミソ」だ。
「イタリアやスペインなども感染者数が大きく減ってきた」というのは、たしかに事実である。しかし、これを「強力なロックダウンの効果」と見るのは早計だ。なぜなら、英米の例で見たように、ロックダウンそれ自体では効果がないからだ。
ではなぜ、英米では減少がなくて、イタリアとスペインでは減少があるのか? それは、マスクの有無の差だ。
・ 英国と米国 …… マスクをしない
・ イタリアとスペイン …… マスクをする
こういう差がある。
以下、各国別に見よう。
英国ではマスクをしないということは、すでに述べた。
いまだに駄目なのが、イギリスだ。マスクをしている人は、いまだに少ないそうだ。
WHO などがマスク推奨に転じたあとでも、英国人は「マスク嫌い」という方針を墨守する。
( → ロックダウンの限界: Open ブログ )
米国では、NY市では「マスク義務化」が実施されて、感染者数の減少に成功しているが、他の都市では、マスクはろくに見られず、感染者も減っていない。
イタリアでは、すでにマスクが推奨されている。
まずは一部都市でマスク義務化が実施された。( → 東京都の感染急増 2: Open ブログ )
感染者の約4割を占める北部ロンバルディア州では、通勤などで外出する人が思うように減っていない。フォンターナ知事は5日から、外出する際にマスクの着用を義務づけた。ただ、マスクが入手しづらい状況が続いており、ショールなどで鼻と口を覆うことも認めた。
( → 朝日新聞 )
現時点では、さらに強力なマスク義務化が実施されると決まっている。
イタリアのコンテ首相は27日までに、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環として、マスクの価格を一律1枚0.5ユーロ(約60円)に統一すると述べた。マスクにかかる付加価値税を免除する。5月4日から各種制限を段階的に緩和していくのに合わせ、外出の際のマスク着用を義務付けることとした。
新たな首相令は、公共交通機関の利用時や屋内で周囲の人との距離が十分に保てない場合、マスクで口元や鼻を覆わなければならないと規定。スーパーでの買い物を想定しているようだ。
( → イタリア、マスク一律1枚60円 税免除、外出時の着用義務化へ )
スペインでも、マスクは推奨されている。前に述べたとおり。
NHK のニュースを見るとわかった。
ニューヨークでは、通行人のほとんど(画面中の全員)がマスクをしている。
スペインでも、通行人のほとんどがマスクをしている。駅では、公的機関がマスクの頒布をしていている。(マスクをしていない人向けらしい。)……こうやって、全員にマスクを推奨しているわけだ。
( → ロックダウンはいつまで?: Open ブログ )
スペインは、マスクを重視する政策を、3月26日の段階ですでに示している。
→ スペインが中国からマスク5億枚など大量購入 計520億円
《 加筆 》
スペインについては、次の情報もある。
スペインでは、社会的距離を守り、他の人から1.5〜2メートルの距離を保つことが不可能な状況では、自家製であってもフェイスマスクを使用することをガイドラインに記載しています。
( → 4月24日の記事 / Google 翻訳 )
ラ・バンガルディア紙の報道によると、政府が15万ユーロ(163,582ドル)の費用をかけて入手したとされる 120万枚のマスクのうち、各家庭に5枚が割り当てられたという。この地域への郵便サービスは今週末に(マスクの)配達を開始した。
この地域では、ウイルスによる死亡者は月曜日の時点で110人、感染者は1,752人と、最悪の被害を受けたマドリードの6,278人の死亡者と46,587人の感染者よりも比較的少なかった。
( → ‘Napkin-like’ coronavirus masks in Spanish region of Cantabria trigger social-media backlash - MarketWatch / April 13 : DeepL 翻訳 )
結局、イタリアもスペインも、マスクを非常に重視していて、マスクの普及に努めている。だからこそ、感染者の減少をもたらすことができたのだろう。
なのに、「マスクのおかげ」というのを、「ロックダウンのおかげ」というふうに見なすのは、他人の功績を剽窃するのも同然だ。論文泥棒に似ている。とんでもないことだ。
( ※ なお、蔓延の度合いがひどいから、集団免疫みたいになって、減少傾向になったのだ……という面もある。ただ、それはそれとして、マスクの効果も大きいだろう。)
(4) まとめ
結局、岩田健太郎教授の見解は、事実誤認に基づく嘘ばかりだ。
ロックダウンを推奨する人々は、「データを見るとロックダウンは無効だ」という事実を認識したくないから、データを見ないで(または曲解して)、「ロックダウンで感染者の減少が起こる」という嘘をつく。
科学者としてはあるまじきことだと言える。「データを直視せよ」と言ってやりたい。
[ 付記1 ]
ついでだが、台湾と韓国の例を見るといい。どちらも大成功しているが、共通点がある。
・ ロックダウンはしない。
・ マスクの配給制を実施。マスク着用率は 100%近い。
この方法が正解だ、と判明している。
なぜそうなのか、という原理も判明している。こうだ。
「感染のクラスターを発生させるのは、1割ほどいるスーパースプレッダーだ。それは、マスクをしない人である。彼らにマスクをさせることで、スーパースプレッダーが消滅するから、感染拡大がなくなる」
→ 専門家会議の失敗の理由: Open ブログ
→ マスクを義務化せよ: Open ブログ
これらの記事で「スーパースプレッダー」という語の箇所を見れば、わかるだろう。
[ 付記2 ]
ついでだが、ここまでの私の予想は当たってきたと言える。
「4月13〜17日をピークとして、その後に減少に転じるだろう」
というのが、私の予想だったが、これは当たったと言えるだろう。3月26日の段階で、こう予想してきたが、1カ月を経て、予想はおおむね 的中したと言える。(ドンピシャリというほどではないが。)
→ 東京都の感染急増: Open ブログ
→ 東京都の感染急増 3: Open ブログ
→ 東京都の感染急増 4: Open ブログ
最近の予想では、次の予想があった。
5月7日に、緊急事態宣言の再延長はなされないだろう(解除されるだろう)。
( → 東京都の感染急増 4: Open ブログ )
緊急事態宣言の解除を予想している。これは、4月15日における予想だ。
この時点では、「まさか」と思う人が多かったようだが、最近の感染者数の推移を見ると、私の予想通りになりそうな雲行きだ。
【 関連項目 】
→ ロックダウンの限界: Open ブログ
※ ロックダウンの効果には限界があるという話。
→ ロックダウンはいつまで?: Open ブログ
※ それと関連する話。
→ 西浦モデルの失敗の理由: Open ブログ
※ 西浦教授の論説がデタラメだらけだ、という話。
→ アビガンで人体実験するな: Open ブログ
→ 症状別の対応 (新型コロナ): Open ブログ の [ 付記4 ]
※ 忽那賢志 医師の論説がデタラメだらけだ、という話。
なんか岩田氏は、共存という選択があることを分かってるくせに、頑なに考えようともしない節がありますね。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013222026.shtml
別の医者?がここで
https://www.fttsus.jp/covinfo/remarkable-comments/
「死者を蘇らせることは不可能ですが、経済は、我々が生きてさえいれば、いつでも再生可能なのです。」
って言ってますけど、医者ってのは、こういう考えを絶対に正しいと思ってんだろうなあ。これが成り立つなら、「経済が生きていれば子供は産める」だって成り立つんだけど。
西浦教授が幅を利かせている限りは、彼の発言が政策に何かしらの影響を与え続けると思います。
管理人さんの主張を裏付ける記事がでましたね
https://www.asahi.com/articles/ASN4X5V9PN4WULBJ00X.html
記事の意味は「感染の急増は、欧州からの入国者(一次感染)が原因だ」ということ。
一方、西浦モデルは「国内での二次感染が原因だ」( R0 が 2.5 に急上昇した)。
今回調査で、前者が正しく、後者が間違いだと判明した。
スペインのマスク事情についての引用記事を二つ掲載。
情報が不足気味だったので、英文記事を探して、翻訳文を掲載した。(一部抜粋)
ただしこれは、東京だけの特殊事情だったようだ。
全国レベルで見ると、前日に引きつづき、とても低い値だ。
https://www.asahi.com/special/corona/
他県のデータを見ても、似たような傾向だ。
であれば、5/6でもって緊急宣言は停止して、マスク着用者の外出自粛解除、風俗店以外の飲食店の休業要請解除を強く求めないとですね。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9586-genome-2020-1.html
普通に考えれば普通なんだけど、忖度国家日本で、よくぞ現政策を批判するような報告を出してくれました。(褒めてないです。本来なら当たり前なのは分かってます)
専門家会議でも、厚労省でも、いまだに「外出禁止を延長したい」という意見が幅を利かせていて、それをまともに批判する人がほとんどいない。
ネット上でも、「海外からの流入で感染増に」と指摘している人は、ごく少ない。昔の地動説と同様で、真実を語る人は、異端者扱いされる。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410651000.html
すでに示した全国レベルと、同様の傾向だ。感染の減少は、東京でもほぼ確実になったと言えるだろう。東京を含めて、緊急事態宣言の解除が、いっそう確実になりつつある。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200429-00000046-jij-pol
記事によると、決定は5月5日の夕方らしいから、それまでには情勢が変わっていそうだ。
これまでずっと「延長」支持一辺倒だったんだから、「延長反対」が少しでも増えただけ、情勢はすでに変わっている。今後も少しずつ情勢が変わって、5月5日に大逆転を見込む。
あるいは、四日間だけの延長が実現して、10日まで続けることにする。そのあとで解除。
神奈川県の学校は、すでに四日間だけの延長を決定済み。その後は未定だそうだ。
東京都も実は神奈川県と同様の措置となっていますが、決定日は4/23。そのあと、今日(4/29)になって都知事が緊急事態宣言の延長を国に依頼しているので、どうなることやら。。。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2020/release20200423_03.html
いくら新規の患者が増えても、医療の容量がひっ迫してくると解除は難しそう。
レムデシベルが効いてくれれば来月から重症患者の入院日数が減少してベッドなどの空きが増えるだろうけど。。
それまでは延期?
https://www.businessinsider.jp/post-211598
を日本で採用すると人口比から考えて日本人100万人が死ぬ殺人モデルだと騒いでいる人がいます。
スウェーデンはマスクを強要しないし、ハグやキスをやめよと強要もしない。今までの習慣のままで病気に勝つ戦略です。マスクをしなければ感染者のウィルスをモロに大量に吸い込みます。そりゃ重病になる人は多いでしょう。当たり前です。日本はマスクを徹底し、もちろんハグやキスはしない。理念は一緒でも、対象とする人が全然違う。この辺が全くわかっていない狂人のセリフだと思います。
黄色と緑の線のグラフで示しています。そちらを参照。
> 東京でなくて日本全体のデータだが、新規患者はどんどん減る一方で、回復者はどんどん増えている。
と示してある通り。ベッド数はガラガラに空いていくところです。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medical/
東京だけは100%を超えているようですが、それ以外は余裕があるので、東京都民はそちらに移せば何の問題もないですね。
、、と思ったけど、どうやら政府は延長の方向で固めたようです。。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58626910Z20C20A4MM8000/
しかし「東京都などで新規感染者数が十分に下がらない傾向が続いている」というのが理由だ。
つまり、28日というたった1日のデータに惑わされて、29日に勘違い判断をした。29日のデータも見れば、「急減しつつある」と判明するが。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410651000.html
昨日の判断は、本日になってひっくり返される可能性もある。間違ったデータに基づいて決断するのは愚の骨頂。
5月7日になって、激減した数字を見て、「これだったら、やらなきゃ良かった」と思うハメになりそうだ。
東京だけで50万人
ロックダウンして狭い家に閉じこもれば
家庭内感染が増える
東京都の陽性患者も家庭内感染が増えてきている
https://foomii.com/00178/2020041800081765618
→ https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/hiromiblomberg/n/n56abbd9fe8c2
→ https://b.hatena.ne.jp/entry/s/this.kiji.is/628117974967370849
→ https://www.huffingtonpost.jp/entry/news_jp_5ea771aac5b6dd3f908985fc
しかし実は、スウェーデンの死亡率は、イギリスやフランスの3分の2であって、むしろ低めである。
→ https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
イギリスやフランスは、スウェーデンよりもずっと強固なロックダウンをしているのだが、死亡者は減るどころか、むしろ5割も多いのだ。
※ スウェーデンの方が、感染の開始時期が遅かった、ということの影響はあるだろうが。