──
それぞれのデータは、下記にある。
→ 東京都
→ 横浜市
→ 福井県
→ 大阪府( 22日まで)
→ 愛知県
→ 全国
おおむね、この1〜2週間は「ゆるやかな減少」と見ていいだろう。前に予想したことが確認されたと言える。
ただし、若干の注意点もある。
(1) 東京都は、今週の後半に数が上昇傾向にあると見える。しかし、これには理由がある。民間の検査数が急増したことにともなって、検査の総数が増えたことだ。検査の総数が増えれば、見逃される陽性者が少なくなるので、見かけ上は陽性者が増えることになる。
逆に言えば、統計上の陽性者が増えたからといって、実際の感染者が増えていることにはならない。表に出た分が増えただけのことだ。
なお、民間の検査数が急増したことは、次の二つのグラフを対比することで判明する。
民間の検査 を含まないグラフ(21日)

民間の検査 を含むグラフ(24日)

検査数は、木曜日以前の段階では、その週の民間の件数を含まないままグラフ化される。(前者のグラフ)
次の金曜日の夜に、その週の民間の件数を含めてグラフ化される。(後者のグラフ)
二つのグラフを対比すると、その差分が、民間の検査の分だ。
21日のグラフを見ると、最後の1週間には「急激な減少」があるように見える。しかしこれは、民間の検査を含まない検査数だ。
24日のグラフを見ると、民間の検査数を含む検査数となるが、この数は、ゆるやかな上昇傾向にある。(だから感染者数も増えることになる。上記。)
なお、検査の件数は、陽性者の件数に、2日間ほど先立つ。
東京都の検査の件数が、ここ3日間は減少していることを考えると、このあとの感染者数は減少することが予想される。
(2) 愛知県だけは、ほぼ横ばいであって、増えも減りもしない。これは何か地域独自の理由があるのかもしれない。あるいは、東京と同様で、民間の検査数が増えているせいかもしれない。
(3) 横浜市、福井県は、はっきりと減少傾向がある。
(4) 大阪府は、23日には 35人、24日は 31人なので、減少傾向がある。
(5) 全国は、1〜2週間を通せば、緩やかな減少傾向にある。ただし、ここ数日だけを見ると、増加傾向にある。これは、民間の検査数が増えたせいだろう。
──
ともあれ、4月12日から 24日までの13日間(約2週間)は、「緩やかな減少」傾向が続いたことが判明した。
その意味は、すでに別項で述べた通りだ。そちらを参照。
→ 緊急事態宣言の2週間後: Open ブログ(4月22日)
→ 感染は減少している (コロナ): Open ブログ(4月18日)
ただし減少の原因については、いくらか修正された。
→ 専門家会議の報告: Open ブログ
減少の理由は、4月3日の入国規制(全員 PCR と陽性者の隔離)ではなくて、それ以前の入国者激減(3月28日ごろ)であったようだ。……これだと、ほぼ2週間後(4月12日)の「感染者数増の鈍化」の理由が説明できる。
【 関連サイト 】
東京都の検査数は、毎週金曜日の夜に、民間の分が一括して計上される。このことは、東京都のサイトに注記してあるので、読めばすぐにわかる。( Openブログでも前にコメント欄などで言及されたことがある。)
京都大の山中教授は、この注記を見落としたらしくて、全体の検査数が急減していると誤認した。
その誤認を指摘して、説明・解説している人がいる。
→ 山中教授の指摘する「東京のPCR検査減少」は誤解 | 鈴木 邦和 Official Site
コールセンターが増えているのはキャパを増やしたのではないかと思います。依然つながりにくいようですし。
あとは、ここ最近の寒さが悪影響をもたらさないことを願います。連休に入ったら暖かくなるようなので、一気に減少すると良いですね。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58509170V20C20A4000000/
ここ数日間の増加を打ち消している。
1週間前、2週間前に比べても、大幅減だ。
結局、数日間をならして読み取ると、この2週間ぐらいはなだらかな減少が続いていることになる。私が述べた通り。
https://www.covid19-yamanaka.com/cont3/16.html
だが、訂正後の記述も間違いだ。
「検査数が増えないと、感染者の増加を見逃す可能性があります」
と改めたが、正しくはこうだ。
「検査数は増えていますが、逆に、感染者数は減少しつつあります」
このことは、本項の図を見れば明らかだろう。
なお、感染者数のグラフは、ここにある。
→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200425/k10012405641000.html
減少傾向があるのを見ても認めないのは、専門家会議だけかと思ったら、山中さんまで認めようとしない。
「自分の見たいものだけを見る」という病気に、山中さんもかかってしまった。これは治らないね。