2020年03月30日

◆ アビガンの話題

 アビガンには大きな有効性があることが確認され、治療薬として正式に承認されることが決まった。

 ──

 (1) アビガンの有効性

 アビガンの有効性が確認された。
 インフルエンザ薬「アビガン」が新型コロナウイルスに感染した肺炎患者の治療に有効だとする研究成果を中国・武漢大などのチームがまとめた。軽症者に限ると投与後7日以内の回復率が7割を超えた。
 多くは4日間で症状が消えた。チームは「高血圧や糖尿病など持病がある人には、早期の症状改善が重要だ」として、有望な薬剤だとしている。中国は既にアビガンを政府の診療方針に採用することを表明している。
 チームは2月から3月にかけ、同大病院など三つの病院で18歳以上の116人の患者にアビガンを投与。1日当たりの用量はインフルエンザ治療と同じにして、熱やせきなど症状が出てから12日以内に錠剤を飲んでもらった。
( → 新型コロナに「アビガン」 軽症者7割、7日以内に回復 中国・武漢大など - 毎日新聞

 日本でも臨床研究は行われていた。
  → 新型コロナウイルス 「アビガン」の臨床研究 日本でも | NHKニュース


 (2) 「アビガン」治験開始

 治験も正式に始まるそうだ。
 富士フイルムホールディングスは、抗インフルエンザ薬「アビガン」で新型コロナウイルスを治療する臨床試験(治験)を31日から始める。国内では医師が主導する研究的な投与はあるが、治療薬として正式に承認されるためには企業による治験が必要となる。有効性を証明できれば、早期に全国の医療機関で処方を受けられるようになる。
( → 富士フイルム、アビガンの企業治験へ 31日から新型コロナ向け :日本経済新聞

 有効性が証明されなくても、安全性については「インフルエンザの治療薬」としてすでに治験はなされている。グズグズしてないで、さっさと承認してしまえばよさそうだが。……その間にも次々と死者が出ているのだが、政府は緊急性を理解しているのだろうか? 


 (3) 志村けんが死亡

 志村けんが死亡した。アビガンを(試験的に)投与すれば、助かった可能性がかなりあるのだが、志村けんの入院した病院では、アビガンの投与はなされなかったのだろう。

 ※ アビガンを投与できる病院は、特定の指定病院に限られている。そういう病院に運ばれるかどうかが、生死の分かれ目かもしれないね。運も左右する。(政府が無能なせいで。)


 (4) 「アビガン」承認へ

 それでも政府は一応、承認に向けて努力はしている。
 新型コロナウイルスの感染が世界的に広がるなか、政府はインフルエンザ治療薬「アビガン」について、治験プロセスを経たうえで、新型コロナウイルスの治療薬としての正式な承認を目指すことにしており、有効な治療薬の開発に向けて研究を後押しする方針です。
 世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスをめぐっては、今のところ特効薬はなく、安倍総理大臣は記者会見で「一日も早く不安を解消できるよう、有効な治療薬やワクチンの開発を世界の英知を結集して加速していく」と述べました。
 新型コロナウイルスに対しては、別の感染症などの治療薬が使える可能性があるとして、国内外で効果や安全性の検証が進められていますが、このうち、日本の製薬会社が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」について、政府は治験プロセスを経たうえで、新型コロナウイルスの治療薬としての正式な承認を目指すことにしています。
( → 新型コロナ治療薬 「アビガン」承認へ研究後押しの方針 政府 | NHKニュース

 やるべきことは、わかっているようだ。ただし、そのペースが、あまりにも遅い。私が提案したのが、1月25日。中国で有効性が報道されたのが、2月上旬。なのに政府は3月末になって、ようやく治験を始めるという具合だ。まったく、どれほど愚図なんだか。

 ※ せめて、現在の重症者をすべて、治験の対象にすればいいのだが。そうすれば、志村けんも助かったかもしれない。


 (5) アビガン増産へ

 生産する会社の方は、アビガンの増産を決めたそうだ。
 富士フイルムは29日、新型コロナウイルス感染症への治療効果が期待できるインフルエンザ薬「アビガン」の増産を決めたことを明らかにした。子会社でアビガンを開発した富士フイルム富山化学(東京都中央区)が富山工場(富山市)で生産を始めた。出荷は4月以降になる見通しだ。
 アビガンはウイルスの「複製」を助ける「RNAポリメラーゼ酵素」を阻害する薬剤で一般には流通しない。国が新型や再興型のインフルエンザの流行に備え、200万人分を備蓄している。
( → 富士フイルムが治療薬「アビガン」増産、出荷は4月以降に|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 別に増産しなくたって、すでに備蓄が200万人分もある。それを使えばいいのだが。というか、薬には有効期限があるのだから、有効期限が切れる(捨てる)前に、備蓄を先に使うべきなのだが。
 政府のやることを見ていると、どうも、政府の狙いは、国民の生命を救うことよりは、(愚図愚図することで)国民の生命を捨てることだ、と見える。さらに、薬を(期限切れで)捨てることだ、とも見える。
 捨てることが、よほど好きらしい。こんまり 流かな。「捨てることで、ときめく」という流儀。



 [ 付記 ]
 いろいろと考えると、新型コロナウイルスというのは、2009年ごろに政府が想定した「次期パンデミック」「強毒型の鳥インフルエンザ」というのに、まさしく該当するだろう。パンデミックで強毒型だからだ。
 ただ、ウイルスの種類だけが、普通のインフルエンザウイルスではなくて、ちょっと違ったコロナウイルスである、というだけだ。
 で、生物学的な意味では種類は違うが、まさしく予想されたとおりの「次期パンデミック」「強毒型の鳥インフルエンザ」と同様のものが出現した。そして、そのための薬剤も、大量に備蓄してある。それを今すぐ使えば、大被害は回避できる。
 なのに、宝の持ち腐れにして、それをちっとも使わない。「使うためには試験が必要だ」なんて言って、愚図愚図していて、その間に大量の感染者と死者を出す。

 バカじゃないの? 
 政府の諮問委員会に至っては、「緊急事態制限をせよ」とか「都市封鎖をせよ」とかいう極論まで出ているようだ。「さもないと感染者が大発生する」という恐怖で。
  → 「諮問委では緊急事態宣言出したほうがよいとの意見が多数」 | NHKニュース
 やるべきことはやらずに、見当違いのことばかりをやろうとする。これじゃ、事態は悪化するばかりだ。

( ※ アビガンはともかく、せめて不織布マスクの配給をすればいいのに。あと、入国規制の強化も、不十分なので、もっとやるべし。)

posted by 管理人 at 22:57| Comment(12) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記 ] を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2020年03月31日 00:46
アビガンは重症化してからだと効きにくい、というかほぼ効かないという話もあるので、志村けんにつかっても効果があったかは微妙なところかと。

あとアビガンは大型哺乳類で催奇性が見られてるので、現代の基準だと確実に認可されない薬です。なので、慎重になるのは当然です。富山大の教授は開発者の一人なので話半分に聞けばよいかと。
Posted by しかし at 2020年03月31日 07:12
 重症になってからでは効きにくいようなので、高齢者は重症化する前に投与するといいでしょう。志村けんも、重症化する前に使えば良かった。入院した時点では、重症化していなかったはずなので。

 催奇性の件はすでに考慮されていて、妊娠可能年齢では使用を慎重にするよう、制限が出ています。今回はほとんどが70歳以上の老人なので、催奇性を考える必要はありません。命の方が重要。
Posted by 管理人 at 2020年03月31日 07:27
> ※ せめて、現在の重症者をすべて、治験の対象にすればいいのだが。そうすれば、志村けんも助かったかもしれない。

 ⇒ 仰るとおり、政府は「治験」の意味がわかっていません。そもそも政府のいう「治験プロセス」というのは、健康な人に投与することなんでしょうか? 治験のアルバイトを募って、わざわざその人たちを新型コロナに罹患させるわけにもいかないでしょう。3/30現在の、国内(クルーズ船除く)の検査陽性者は1,656人(有症状・無症状あわせて)なんですから、この人たちに投与しないでどう治験を進めるのでしょうか? これだけの感染者がいれば、重症者だけでなく、中等・軽症状なら重症化させない効果が、無症状なら発症させない効果が、それぞれどの程度あるかが検証できます。

※ アビガンを投与できる病院は、特定の指定病院に限られている。そういう病院に運ばれるかどうかが、生死の分かれ目かもしれないね。運も左右する。

 ⇒ これ調べたら、ビックリしました。下のリンク中の記載では、「本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である」なんですね。どこまで国や厚労省がしゃしゃり出てくるのか。ご指摘のように量(錠数)自体はタップリとあるのですから、指定病院か否かに関わらず、少なくとも現場の医師の判断で投与できるようにすべきです。医師の「当たり外れ」はある程度仕方ないですが、この病気に限って、運ばれた病院によってやれることが限られるなんていうのは、まさに「命の選別」です。

 http://fftc.fujifilm.co.jp/med/abigan/index.html

 本来 民主主義というのは、独裁主義とは違って、長足の進歩もない代わりに極端な破綻に陥るおそれも少ない、「ローリスク・ローリターン」の意志決定システムの筈ですが、この国に限っては、「ハイリスク・ロー(ノー)リターン」になっています。どうしようもないですね。
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月31日 14:03
このコロナ肺炎の恐ろしい事は、無症状でも50−60%に
レントゲン等で薄いかげが見られる。

サイトカインストームこれは過剰免疫機能による多能機不全が起こる。

これは通常の肺炎は細菌性肺炎だが今回はウイルス肺炎なので症状が出るのが遅いとの事。

コロナ肺炎でいきなり重症肺炎にならない方法

高齢者や体に持病がある人は、これを防ぐ為に
パルスオキシメーター、レントゲン、CTなど
を使って一日も早く肺炎に気づくことです。

パルスオキシメーター

酸素飽和度を指先で調べる普段98の人が94−95と下がっている場合等々

ウイルス肺炎で有る可能があるので早急にアビガン投与する。

https://www.youtube.com/watch?v=af_FYBaz10s

Posted by Arrnest at 2020年03月31日 17:37
アビガンの効果ですが、唯一の論文が撤回されたそうです。
Posted by 通りすがり at 2020年04月07日 12:44
Posted by 管理人 at 2020年04月07日 14:29
その例はアビガンが効いたか不明なのでは?
こういった症例を集めて比較検討すべきですがそれをした中国の論文は取り下げられましたし。

というかアビガンは少し前のエボラの時もメカニズム上効くはずだ!と盛り上がって試したけど、効果は無くはないけど優先的に使うほどではない、って結論に終わったのであまり期待しないほうが良いと思いますよ。候補はアビガンだけでもないわけですし。

in vitroでは効果無いってのもありますし。代謝云々はありますが。
Posted by しかし at 2020年04月09日 14:24
 以下、引用。

 ──

インフルエンザには1人40錠(最長5日間)、コロナウイルスには1人120錠(14日間)の投与で効果があるという。これまでの症例では、酸素吸入が必要な状態だった60代男性に発症5日後に投与すると、すぐに解熱が始まり、食事摂取量も改善した。80代女性は発症11日後に投与し、数日で熱が下がり食欲も戻ったという。

 https://www.j-cast.com/tv/2020/04/09383942.html
Posted by 管理人 at 2020年04月09日 15:34
 テレビで放送されていた話。

 ある患者は、アビガンで、顕著な効果が出たそうだ。症状が急激に改善して、退院した。

 ある患者は、肺炎状態だったとき、アビガンではろくに効果がなかったが、ぜんそく薬のオルベスコを併用したら、症状が十分に改善した。(治癒)

 ──

 オルベスコなんていう、ぜんそくの薬が、どうしてコロナに効くのか? わけがわからない感じがしたが、調べたら、わかった。
 オルベスコは、ただの一般薬ではない。ステロイドなのだ。ステロイドが重病への万能薬であるというのは、すでに知られた事実だ。たぶん、ウイルスに対して特異的に作用するのではなく、患者の細胞の側に働きかけているのだと思う。免疫力アップないし免疫力ダウンみたいな効果だ。
 もしかすると、サイトカインストームを抑止する効果が、ステロイドにはあるのかもしれない。(自己免疫を弱めるという形で。)
 
Posted by 管理人 at 2020年04月09日 23:41
書かれているステロイドの作用は、たぶんももしかするともなく、周知の事実です。
免疫を弱めるのは自己免疫に限りませんが。
諸刃の剣なんですよ。

ステロイドがウイルスに特異的に作用する訳ないです。薬理作用点がないんですから。
Posted by lol at 2020年04月10日 11:09
To しかしさん

>中国の論文は取り下げられました
ほどなくして再掲載されてますね。
中国はアビガンの効果を確認しジェネリックで量産し、他国に輸出もし始めているようです。
ほどなくインドやロシアも後を追うでしょう。

>エボラの時もメカニズム上効くはずだ!と盛り上がって試したけど、効果は無くはないけど
>優先的に使うほどではない、って結論に終わったのであまり期待しないほうが良いと思いますよ。

西アフリカのエボラ流行時には、日本チームボランティアだけアビガンを服用していたので
エボラに感染しなかった、のちに他国のボランティアもそれを見習いアビガンを服用するよう
になった、という話を聞きました。

こういう記事もあります。
「(アビガンはエボラの治療薬として)今回は、安全性・有効性、供給力、患者への投与の
簡便さの観点から選ばれた。」
yakuji.co.jp/entry40070.html


アビガンがなかなか承認されない問題はどうやら、効くか聞かないかよりも、アビガンに関わ
る人々の政治的な思惑にあるようです。
世界のグローバリズム製薬会社は莫大な資本をかけて新薬を開発するので、アビガンのような
安価な特効薬はその利益を妨害する天敵となります。日本は経済的規模の大きい国ですがそれ
に見合った軍事的背景を持たないために、ほかの強国や覇権国の食い物にされて、利益を吸い
取られてしまうケースが多いです。
ちょうと気の弱い中学生が学校の不良グループにカツアゲされるようなものです。
日本人も、憲法前文にあるように「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」いるだけ
では、この厳しい弱肉強食の世界を渡っていけない、ということに早く気づくべきだと思う
のですが。。


長文失礼しました。


Posted by 通りすがりの猫 at 2020年05月29日 18:12
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