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(1) 五輪の再延期
五輪の1年延期が決まったが、1年後に開催できるという見通しは立っていない。「1年後には開催できるだろう」という、自分勝手な期待があるだけだ。
では、どうなるか? 私としては、「1年後にはもっとひどくなっているだろう」と予想する。(前出)
→ 夏の五輪よりも冬に備えよ: Open ブログ
とすれば、そこから得られる結論は、ただ一つ。こうだ。
「1年延期が決まったが、1年後に開催できると思うな。むしろ、再延期になると覚悟するべきだ。そして、IOC や東京都がなすべきことは、1年後に開催することの準備ではなく、再延期をすることの準備なのだ。今すぐ再延期の準備を始めるべきだ」
これが私の提言となる。
(2) パリ五輪の延期
では、再延期のために、何をするべきか? 最も大事なのは、これだ。
「パリ五輪の延期を要請する。1年だけ、開催を遅らせてもらう」
なぜなら、東京五輪が2年延期となると、次のパリ五輪との開催が近くなりすぎるからだ。そこで、パリ五輪を1年遅らせれば、
東京(2022) … パリ(2025) … ロス(2028)
となって、3年間隔で開催されるようになる。これなら、問題は比較的小さくて済む。
というわけで、今すぐ「パリ五輪の1年延期」を要請するべきだ。そういう形で、「東京五輪の再延期」に向けて準備するべきだ。
来年夏の開催は、たぶん無理だろうが、再来年の夏ならば、(二つの冬を越えたあとなので)集団免疫もできているだろうし、そろそろ感染も収束しつつあるころになるだろう。
(3) 夏の小康状態
一方、私のお薦めは、今夏の開催である。
これは、もはや実現不可能になってしまったが、それでも、アイデアとしては考察できる。
今夏の開催が好ましいのは、まだ世界的に大きな被害が生じていない状態だからだ。なるほど、今現在では、かなり大きな被害が出ているが、せいぜい高齢者の死者があることぐらいだ。社会的な被害としては、コロナそのものによる被害ではなく、人々が勝手に活動を自粛したことによる被害があるだけだ。
そして、そういう被害は、自粛をやめてしまえば、すぐに元通りになるはずなのだ。
特に、気温が温かくなれば、感染の規模も下がるので、自粛を解除することは容易になる。
この件については、次の記事が参考になる。
新型コロナウイルスについて、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、「世界の感染の90%が平均気温3〜17℃で発生している」という中間報告を発表した。平均気温が18℃、1m3あたりの湿度が9グラム以上の高温多湿地域では、発生率が6%未満にとどまっているという。
( → 新型コロナ「夏には終止符?」9割が気温3?17℃で感染 米MIT研究 | ハザードラボ )
こういうふうに、夏には(感染が減って)小康状態が見込める。そうなれば、「五輪の開催は可能であった」と、その時点で気づくことになるだろう。そして、「開催しておけば良かった」と地団駄を踏むことになるだろう。
(4) 他のスポーツ
上の話を信じがたい人も多いだろうが、五輪以外のスポーツでは、プロ野球やサッカーがある。これらは、夏には中止しないはずだ。4月の初め頃なら、まだ寒いので、中止があるかもしれない。しかし7月や8月ならば、開催しないということはありえない。
で、プロ野球やサッカーがいっぱい開催されているときに、「五輪だけは中止」というのを見て、人々は、「何でそんな馬鹿げたことをするのだろう? どっちも同じようなスポーツなのに?」と首をひねりそうだ。
> なぜなら、東京五輪が2年延期となると、次のパリ五輪との開催が近くなりすぎるからだ。そこで、パリ五輪を1年遅らせれば、
東京(2022) … パリ(2025) … ロス(2028)
となって、3年間隔で開催されるようになる。これなら、問題は比較的小さくて済む。
⇒ 私も、(延期前提なら)筆者の提案が最も良いと思います。ただし、バッハ会長をはじめIOCのメンバーは、4年ごとの開催にこだわっているようです(下に示すサイトに記載などのことを理由として、4年に1度でないとオリンピックとはいえないと主張しているもよう。貴族は伝統と格式にこだわる?)。したがって、3回も間隔が不規則になる提案は受け入れられない、と言いそうです。
https://wayohoo.com/trivia/why-the-olympic-will-be-held-once-every-four-years.html