2020年03月21日

◆ 専門家会議の見解(補足)

 (前項の続き)
 専門家会議の見解について、補足的な感想を述べる。 〔 ※ 悪口だけです。〕
 

 ──

 専門家会議の見解が、19日に出た。
 この見解の内容については、前項で詳しく述べた通り。

 一方、内容はさておき、専門家会議という(人々または仕事ぶり)について、論評しよう。

 ひとことで言えば、「仕事が遅すぎる」。ここまで 20日間も、いったい何をやっていたんだ? この緊急時に、仕事をサボっていたとしか思えない。

 時系列をたどろう。
  ・ 2月26日 首相がイベント自粛の要請
  ・ 2月27日 首相が臨時休校の要請
  ・ 3月19日 専門家会議の見解


 つまり、2月28日から3月18日まで、20日間ほども、ずっと黙っていたことになる。呆れる。この緊急時に、20日間もずと黙っているなんて、仕事をサボるにもほどがある。

 もちろん、その間、何もしていなかったというわけではない。岡部信彦という人は、朝日新聞のインタビューに応じて、「自分たちは休校もイベント自粛も議論したことはない」と語ったことがある。ただし、それだけだ。(ほとんど無発言だ。)
  → 新型コロナウイルスの話題 17: Open ブログ の (5)

 また、この 20日間の分について、厚労省のページを見ると、専門家会議も少しは仕事をしていたことはわかる。
  → 新型コロナウイルス感染症ページのトピックス一覧
  → 「専門家会議」:サイト内検索結果|厚生労働省

 しかし、これでわかるのは、次の文書ぐらいだ。(3月9日)
  → 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」

 この内容は、もっと古いものの一部をちょっと書き直しただけに過ぎず、内容はほとんど空っぽである。読むだけの情報量は何もないも同然だ。

 で、ようやくまともな報告が出たと思ったら、それが3月19日だ。この緊急時に、あまりにも遅すぎる。

 しかも、である。20日もたったあとで、満を持して立派な報告を出したかと言えば、そうではない。そこで示したことには、何ら新味のある事柄ではない。単に「休校」「イベント自粛」という首相の方針を、追認しただけだ。
 これまでは、「休校やイベント自粛について、議論をしたことはありません」と言って、首相の独走ぶりを批判的に示していたかと思ったら、今になって語ったことは、首相の独走ぶりを追認したことだけだった。(情けない。)

 結局、素人の首相の出した方針について、事前には何も語らず、事後的には追認しただけだ。──では、これは何を意味するか? 無能か、馬鹿か、どちらかだろう。
 第1に、「休校やイベント自粛は正しい」と見なすのならば、それを前もって議論さえしなかった専門家会議は、素人の首相以下の無能ぞろいだったことになる。やるべき方針を打ち出せず、語ることもせず、素人がいきなり思いつきでやったことにも及ばない。これでは、専門家として無知・無能だったことになる。おのれの無能さを反省して、辞職するべきだろう。
 第2に、「休校やイベント自粛は正しくない」と見なすのならば、それを「正しい」というふうに「見解」(19日)で表明した専門家会議は、「見解」において見当違いのことを言っていることになる。つまり、馬鹿だったことになる。

 上では、「無能か、馬鹿か、どちらかだ」と言った。では、どちらが妥当か? 専門家会議自身は、前者を選びたがるだろうが、実は、後者が真相だ。「休校やイベント自粛は正しくない」というのが本当なのに、あえて間違ったことを言っていたわけだ。
 しかし、それならそれで、19日の「見解」を取り消すべきだろう。それが正解だ。
 専門家会議は、今からでも遅くはないから、「休校やイベント自粛を正しくない」と表明するべきだ。
 ただしそれは、現実にはできまい。なぜなら、それは首相の顔に泥を塗ることだからだ。首相におべっかを使うことしかできない専門家会議は、本当のことが言えないので、嘘をつくことしかできないわけだ。それはちょうど、「王様は裸だ」と言えないのと同様だ。

 こうして、専門家会議が、例の「見解」において、いまだに休校もイベント自粛も否定できないでいる……という状況を解説した。



 [ 付記1 ]
 実は、専門家会議の「見解」は、休校やイベント自粛を全面的に肯定しているわけではない。一応は肯定しているのだが、部分的な肯定であって、全面肯定ではない。
 「はっきりと効果があったとは言えないが、いくらかは効果があったようだ。今後も、地域によっては休校をしてもいい」
 というような話だ。奥歯に物がはさまったような慎重な言い回しをしている。
 「効果はよくわからない。いちおう肯定はするが、あくまで限定的な肯定であって、全面的な肯定ではないから、学問的には間違いではないよ」
 というような感じだ。ま、それはそれで仕方ない。
 しかし、この見解では、「休校を(今すぐ)止めていい」という文句はまったく見られない。その点で、まったく駄目だ。

 [ 付記2 ]
 一方、首相の方は、過去の「休校」の方針から転換して、「四月から学校再開」および「春休み中に再開してもいい」という方針を示した。ちゃぶ台をひっくり返すような感じだ。
 政府は20日、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、感染拡大防止を目的とした、春休みに入るまでの学校の一斉臨時休校要請を延長しない方針を決めた。安倍晋三首相は、4月の新学期からの学校再開に向け方針を取りまとめるよう文部科学省に指示。同省は来週前半にも指針を公表する。
 萩生田光一文科相は会合後、記者団に、春休みに入るまでの一斉休校要請について「延長しないことを確認した」と説明。…… 春休み中に「(休校した)3学期の授業の補充を行う判断をする学校があったとしても、尊重したい」とも述べた。
( → 一斉休校要請、延長せず 再開の指針、来週公表 政府 新型コロナ:朝日新聞

 専門家会議が休校について肯定的な「見解」を出したあとで、その翌日に、逆方向の方針を出したわけだ。専門家会議の顔をつぶしているね。
 このあとで、またしても専門家会議は、20日遅れで、「休校をやめて再開したのは正しい」というふうに、現状追認の「新見解」を出すのだろう。
 何事も首相の方針の 20日後に、現状追認の報告を出すだけだ。存在価値がまったくない。これだったら、素人の安倍首相の方が、よほど専門分野に精通していることになるね。

 今の専門家会議は、ゴミだらけだ、と言えるだろう。ない方がマシかもね。

posted by 管理人 at 22:10| Comment(5) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 論考の趣旨に完全同意です。

 以下私見ですが、そもそも、「政府」専門家会議だからいけないのでは。つまり、クライアントの意向に縛られているのですから、談論風発、百家争鳴の例えのような有意義な議論は交わされないわけで(何故か年寄りが多いですし)。

 代わりに、「民間」専門家会議、「国会」専門家会議みたいな会議体を、専門家の若手有志がさっさと作って、斬新かつ具体的な行動につながるような提言をして欲しいものです。収拾がつかなくなると批判はされるでしょうが、筆者の指摘されるような「無為駄策」よりはマシでしょう。原発事故の後には、政府事故調、民間〜、国会〜、東電〜のように、4つくらい立ち上がりましたよね。

 個人レベルでみても、SNS・ブログ等の散発的なものではなくて、体系的に情報・知見をまとめているのは、別コメントでご紹介した京大の山中先生のサイト(下のリンク)ぐらいでしょうか。逆に言うと、これだけのビッグネームの方にして、何とか許されているかっこうなのですから、このムラの体質は、「白い巨塔」の頃から変わっていないのかもしれません。

 https://www.covid19-yamanaka.com/index.html
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月21日 23:42
専門家会議の見解は文章で会議終了後すぐに公表されます。つまり事務局(医系技官)の書いた「見解」(案)をもとに議論して、若干の修正のうえ、公表します。議論で案がズタズタになれば困ります。ですから専門家は厚労省に従順な人を選ぶのでしょう。

案を踏まえて施策を決めるという建前ですから、施策の概要を事務局はあらかじめ知っていて、それに矛盾しないーというよりそれに誘導するような案にするのだと思います。つまり
・過去の施策は基本的に正しいと追認。
・オーバーシュートの可能性はまだある。
・地域の実情を踏まえて休校については自治体が、イベント自粛については主催者が、十分に感染防止策を講じたうえでそれぞれの責任の下で解除しても差し支えない。

というような曖昧模糊とした責任逃れの結論としたのでしょう。

2月24日の見解についても、講じる施策の方が先に決まっていて、それに合わせて見解を出したが、その後、官邸が独断で休校だのイベント自粛だのを決めたので、齟齬が生じたのでしょう。
Posted by H at 2020年03月21日 23:55
 Posted by H at 2020年03月21日 23:55

 専門家会議の舞台裏でプロット(筋書き)を書いている「ペーパードクター 医系技官」たちの実態を告発した本です。

 ※ さらば厚労省 それでもあなたは役人に命を預けますか? 

 https://www.amazon.co.jp/%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%B0%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%81-%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E5%BD%B9%E4%BA%BA%E3%81%AB%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%82%92%E9%A0%90%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-%E6%9D%91%E9%87%8D-%E7%9B%B4%E5%AD%90/dp/4062161486
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月22日 00:17
毎日新聞のオンラインサイトの「新型コロナ「歴史的緊急事態」で記録は消されるのか 見え隠れする「桜」の手法」のタイトル記事で『連絡会議に用意された「抜け穴」、議事録作られない恐れ』が指摘されてますね
Posted by アラ還オヤジ at 2020年03月22日 07:12
 情報ありがとうございました。
 連絡会議の議事録を残すべきなのに、議事録を残さない(簡便な「記録」だけを残すに留める)ということですね。

https://mainichi.jp/articles/20200310/k00/00m/010/201000c
https://mainichi.jp/articles/20200321/k00/00m/010/183000c

 専門家会議の議事録を残すつもりもないということを、政府が堂々と公言するのだから、呆れたものだ。
Posted by 管理人 at 2020年03月22日 07:26
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