2020年03月14日

◆ マスクで医療崩壊の阻止

 医療崩壊を阻止するための根源的な対策は、マスクだ。

 ──

 (1) 根源的な対策

 前項では、医療崩壊を阻止するための対策として、対症療法を示した。つまり、こうだ。
  ・ 感染者の増大に対しては、無為無策でいる
  ・ 増大した感染者を、何とか医療で救う


 これは、「感染者の増大」という本質に対しては、無為無策でいるのだから、根源対策ではない。
 では、根源対策は何か? その目的は「感染者の増加を止めること」である。では、その手段は? ……そいつがわかっていない人が多いようだ。だから私が答えよう。
 「それはマスクだ」
 と。


 (2) マスクと感染拡大

 ではなぜ、マスクが根源対策となるのか? それについては、前に何度も述べた。
  → マスクで飛沫感染防止: Open ブログ

 マスクをすれば、会話中や食事中で、飛沫感染を防げる。自分の身を守るためではなく、集団全体(地域全体・国全体)で共同的に身を守る。
 これは「感染率を下げる」ということでもある。現在の感染率は、欧米では 2.2ぐらいあるらしいが、そのせいで感染者は指数的(爆発的)に増えている。一方、感染率を1以下に引き下げれば、感染はどんどん収束していく。……そのために、マスクが役立つのだ。

 感染者のピークを示すグラフを示して、
 「ピークの時期を遅らせて、ピークの高さを引き下げる」
 という目標がしばしば語られる。だが、目標は語られても、手段を示す人は少ない。単に希望を述べているだけだ。
 だが、その目標は、「感染率を下げる」ということと等価である。そして、そのためには、マスクが有効なのだ。
( ※ 自分の身を守るためではない。)

 実は、マスクには、「自分の身を守る」という効能も、なくはない。その理由は、こうだ。
 「冷たい外気が呼吸器に触れると、呼吸器の免疫力が低下して、感染しやすくなる。しかしマスクをすると、冷たい外気が呼吸器に触れることがなくなるので、その問題を回避できる」

 こういう効果もある。しかし、それは、今は二の次だ。
 マスクをすることは、本人の身を守る効能もさることながら、何よりも「感染率を下げる」という効果があるのだ。そして、それによって、国全体の感染爆発を阻止して、医療崩壊を避けることができるようになるのだ。


 (3) マスクをする国・しない国

 感染爆発の阻止には、マスクをすることが大切だ。……ただし、理屈だけでは説得力がないだろうから、実証することが必要だろう。それには、次の比較をするといい。
 マスクをする国/しない国

 これを調べると、こうなる。
  ・ マスクをしない国 …… 欧州各国、米国
  ・ マスクをする国  …… 中国、韓国、日本、タイ


 これで比べると、前者では感染爆発が起こっており、後者では感染が感染の拡大を克服した(克服しつつある)と言える。
  → 新型コロナウイルスの国別感染者数(中国以外)

 ※ この件は、前に述べた通り。
   → 新型コロナウイルスの話題 13: Open ブログ の (2) (6)
   韓国については、岩田教授の指摘がある。
    → 岩田健太郎 / Twitter

 ──

 ついでに、米国の現状を示すツイートを見つけたので、紹介しておく。





 (4) イギリスの状況

 イギリスも、マスクをしない国だが、さらに特殊な事情がある。イギリスでは、マスクをしないだけでなく、「マスクをしましょう」ということを、政府が禁止することにした。広告の禁止という形で。
 イギリス広告基準局(ASA)は「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにフェイスマスクを使いましょう」とうたった2社の広告を禁止しました。
 「イングランド公衆衛生局に助言を求めた後、ASAは結論に至りました。これを受けて2社は新型コロナウイルスの感染を防ぐ手段としてフェイスマスクの使用を推奨しないことを伝えてきました」
 「臨床現場以外でマスク使用の効果を示す証拠はほとんどないこと、マスクの長期使用は感染症の蔓延を防ぐために推奨される適切で普遍的な衛生行動へのコンプライアンスを低下させる恐れが高いことも理解しました」
( → 新型肺炎の封じ込めに成功したベトナムの意外な秘密 英国ではマスク広告を禁止

 各人がマスクをしないだけではない。各人に「マスクをしましょう」と推奨することすら禁止されているのだ。……これでは、政府主導で感染爆発を招いているようなものだ。(バイオテロみたいなものだ。炭疽菌でなくコロナウイルスをばらまく感じだ。)

 では、もしかしたら、わざと感染を拡大するつもりなのかも。……と思ったが、これがまんざら冗談ではないようだ。というのは、すでに前項で示したとおり、イギリスは「集団免疫」という形で、あえて感染することを推奨しているからだ。
  → 欧州の医療崩壊を救うには?: Open ブログ
 該当箇所を再掲すると、こうだ。
 もはや感染を止めるのは不可能なのでゆっくり感染して集団免疫を獲得すると明言しました。

 かくて、政府推奨のもとで、イギリスでは感染者が激増している。そのグラフは、前項の冒頭(にあるリンク)で示したとおり。再掲すると:
  → イギリスの感染状況のグラフ

 見ればわかるとおり。マスク拒否の爆発的効果って、すごいですね。


 (5) ベトナムの状況

 マスクをする国としては、中国・韓国・日本・タイを示した。(前々項 の  (6) など。)
 その後、さらに新たにベトナムもそうだという情報を得た。ベトナムもタイと同様で、大気汚染後に、マスクをする風習ができたそうだ。
 《 マスク大国は日本だけじゃない!実はベトナムも… 》
 そこでベトナム、実はこの国もマスク大国。
 しかし、付ける理由は日本とまるで違って、排気ガスから身を守るため。そう、ベトナムといえばバイク社会ということはテレビなどを通じて知られてきましたが、バイク社会→排気ガスが多い→マスクで防ぐ、という訳なんですね。
( → マスクはベトナムの隠れた名バラマキ土産 | TRIPPING!

 これは 2018.4.3 の記事。この時点で、すでにマスクは広まっていた。
 写真もある。見ればわかるように、車道上にいる人の大半がマスクをしている。(排ガス防止で。)
 こういうふうに「マスクをする」という風習がもともとあった。

 さらに新たに、マスクを啓蒙するようになった。
  → 新型肺炎の封じ込めに成功したベトナムの意外な秘密 英国ではマスク広告を禁止

 では、その結果は? 新型コロナの感染者は激増したか? いや、うまく収束させることができた。
  → https://public.flourish.studio/visualisation/1438279/

 この動画グラフを見ればわかるが、初期には、タイもベトナムも感染者が出た。
 タイは、当初はトップを走っていたが、その後は徐々に順位を下げて、2月27日にはランキング圏外となっている。
 ベトナムは、2月12日ごろにランキング入りしたが、すぐに圏外に去った。現時点の Vietnam は、感染者総数が 53人で、順位の下の方に位置している。(ランキング圏外だ。)

 要するに、マスクを使うベトナムは、新型コロナをほぼ収束させたわけだ。これは、欧州諸国とはまったく違った状況である。

 ※ ちなみに、ベトナムの人口は 9500万人だ。これだけの人口大国でありながら、53人しか感染していない。2月12日の時点では、日本が 28人で、ベトナムは 15人だったのだが。


 (6) マスクの意味

 結局、以上からわかるように、マスクは有効だとわかる。国別の対比からも、実証されたと言える。
 なのに、なぜイギリス人は間違うのか? おそらく、根本的な認識が狂っているからだ。
 彼らは「マスクにはウイルスをフィルターする機能はない」と考える。これは「空気感染を避ける」という目的から、その効果を否定している。
 しかしマスクの効能は、「空気感染を避ける」ことではないのだ。「飛沫感染を避ける」ことなのだ。そして、そのためには、会話中や食事中の飛沫を阻止することが目的となる。その目的には、マスクが役立つ。……そういう根本原理がある。
  → 飛沫感染と空気感染: Open ブログ

 なのに、そのことを理解しないから、「マスクは不要だ」という結論に至る。そのあげく、欧米で多大な感染爆発を招いているわけだ。(マスクをしないせいで。)


 (7) マスクが普及したわけ

 日本が正しい方策(マスクをすること)を取っているのは、政府が正しいからではない。日本の民衆が正しいからだ。
 政府は相も変わらず、「狭い空間を避けましょう」なんていうことばかりを言っているが、日本の民衆は自発的にマスクをしている。だからこそ、感染率が低下して、爆発的な感染を防いでいるのである。

 一方、政府はどうかというと、マスクについては、まともに仕事をしていない。
 実際、業界各社はマスクの増産をしているのだが、品不足は解消しないのだ。
 政府は13日、使い捨てマスクの増産のために設備投資をする企業向けの補助金を創設し、国内の供給量を月4億枚から、布製マスクも含め月6億〜7億枚に増やす計画を打ち出した。しかし、その後も状況はなかなか改善しない。
( → マスクよ、どこに 週1億枚のフル生産でも品薄が続く [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 月6億〜7億枚の生産をしているのに、マスク不足が解消しない。なぜか? それは、計算すればすぐにわかる。
 月6億〜7億枚で、国民が 1億3千万人。1人あたり5枚になる。
 ならば、1人あたり5枚を配布すれば、全員に行き渡る。一方、1箱 100枚ぐらいの箱入りにして、一部の人だけに販売すれば、全員に行き渡るわけがない。……それが現状だ。

 こんなことは、計算をすれば、すぐにわかることだ。なのに、政府はわからないのだろうか? 算数ができないのだろうか?
 また、ここを指摘しない専門家会議も、同類だ。
 さらに言えば、「マスクよ、どこに」と書く朝日新聞も、同類だ。朝日の記者は、算数ができないのだろうか? (いや、朝日新聞記者は算数ができないのは、昔からずっとそうだった。「エコキャップの推進」とか。)

 ともあれ、「枚数制限の形で配給する」か、「小分けして販売する」か、そのいずれかによって、マスクを全国民に渡すことができる。なのに、そうしない政府は、あまりにも愚かだ。
 しかるに、政府がどれほど愚かであっても、国民の多くは賢明にも、もともとマスクを持っていたし、また、再利用することもあった。かくて、賢明な国民のおかげで、日本では感染爆発が避けられているのである。

 
posted by 管理人 at 23:37| Comment(8) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  ・ マスクをする国  …… 欧州各国、米国
  ・ マスクをしない国 …… 中国、韓国、日本、タイ
反対になってますよ
Posted by 通りすがり at 2020年03月15日 06:28
 ご指摘ありがとうございました。修正しました。
Posted by 管理人 at 2020年03月15日 08:28
アメリカじゃ、マスクをして店に入ったら
強盗に間違われて撃たれるケースもあるから
ウィルス感染より先に命を亡くすことも
Posted by 老人 at 2020年03月15日 17:39
(ご参考)中国・湖南省の症例研究報告です(下のリンク)。※ 本日のTBSサンデーモーニングでも紹介。

 ・今年1月に長距離バスで起きた13人の集団感染を調査。
 ・最長で4.5m(従来安全と考えられている距離の2倍)離れた席の乗客にも感染。
 ・感染者が降り30分後に乗車した乗客にも感染。
 ・飛沫核(エアロゾル)か小さな飛沫が空調の温風で運ばれ、空気中に30分以上漂っていた可能性がある。
 ・マスクをしていない乗客が、それらをを吸い込んで感染した可能性が高い

(私見)このケースでは、普通のサージカルマスクでは感染を防げず、N95マスクなどが必須と思われます。

https://www.scmp.com/news/china/science/article/3074351/coronavirus-can-travel-twice-far-official-safe-distance-and-stay
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月15日 18:06
 長距離バスというのは、これ以上ないぐらいの最大密度で密集しており、かつ、滞在時間が長時間にわたります。しかも、換気もない。
 これ以上ないぐらいの「密閉された狭い空間に長時間」という例ですね。

 こういうきわめて特殊な場合には、エアロゾル感染もあり得るでしょう。

 この件を考えたら、イベント中止なんかよりは、長距離バスの運行禁止の方が、よほど有効だと思える。 もっとも、すでに客はろくにいないだろうけど。

 ただ、換気を十分にすれば、大丈夫かもしれない。

 また、全員がマスクしていれば、感染者の呼気から出るエアロゾルも激減していたはずだ。やはり、マスクは大事。
Posted by 管理人 at 2020年03月15日 18:47
 長距離バスはガラガラで、激安。

> 東京⇔大阪の夜行バス片道が休日料金で、1,500円でした…。

  https://j-town.net/tokyo/column/allprefcolumn/302638.html?p=all
Posted by 管理人 at 2020年03月15日 20:05
> また、全員がマスクしていれば、感染者の呼気から出るエアロゾルも激減していたはずだ。やはり、マスクは大事。

⇒ 仰るとおりですね。さっき紹介した論文の内容補足です。

・ 感染源は1人(マスクなし)。
・ バスは48席+ドライバー(ドライバー含めて殆どの人がマスクなし)。
・ 1/22の出来事で、中国でもまだマスクをしてる人が少なかった。
・ バスの旅程は4時間(乗車時間は乗客によって異なる)。

 自分の当初コメントで、うかつにもN95マスクのことを書いてしまいましたが、昨日名古屋に行ったときに試しに装着したところ、連続1時間が限度です。長距離バスや夜行バスの中で着けたままは無理です。やはり、普通のマスクでいいので、全員にもれなく着用させるのが現実的な対策ですね。
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月15日 21:03
マスクには飛沫感染の他に、接触感染を防ぐ効果があると考えています。
接触感染とは、自分の手で自分の鼻や口を触ってウイルスを自分の体内へ入れてしまう現象です。

マスクはその見た目から空気感染を防ぐ効果があると勘違いされ、空気感染が防げるか否かで議論される事が多々あります。
例えば
https://www.asahi.com/articles/ASN424D52N42ULBJ003.html
布マスクは他人の咳やクシャミで飛んできたツバを防ぎ、自分の手で口や鼻を触る事も防ぎます。
Posted by でき at 2020年04月04日 00:14
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