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政府が新たに重要な報告を出した。一部抜粋しよう。
《 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議|「新型コロナウイルス感染症対策の見解」 》
これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。
( → 厚生労働省 )
これは重要な指摘だ。なぜなら、「せきやくしゃみといった症状がない人は、マスクを着用する必要はない」という WHO の方針(前項)を、正面から否定するからだ。
WHO の方針が間違っていたことは、今回の報告によって、はっきり示されたと言えるだろう。
( ※ 厚労省の専門家は気づいていないようだけどね。論理力がないらしい。)
なお、返す刀で言うと、こうだ。
「せき・くしゃみがなくても感染する」ということは、「話しているときの飛沫感染で感染する」ということだ。
これは、「空気感染でなく飛沫感染だ」ということを強調した 前々項 の趣旨に合致する。つまり、前々項の正当性がいっそう裏付けられたと言えるだろう。
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オマケで一言。
この文書には「この一両日で明らかになったこと」という記述がある。しかし……
・ 日付がないので、いつの時点なのか、不明である。
・ 2020/3/2発表らしいが、気づくのが遅すぎる。
遅すぎるというのは、こんなことは今さら騒ぐようなことではなく、以前からわかっていたことだからだ。(文書中にも言及があるが。)
本サイトでも過去記事(3月01日)で言及がある。
この新型コロナウイルスは、せき・くしゃみという症状がないまま、無症状の軽症状態で、飛沫を飛ばすことで、あちこちに感染させていると推定される。
( → 韓国で感染爆発 (新型コロナ): Open ブログ )
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さらに言うと、この報告では、次の重大な二点が示唆されている。
・ 感染者の数は、判明している人数よりも、ずっと多い。
・ 若手の感染者は、子供だけではない。
後者は重要だ。「若者が中高年に感染させることが多い」ということから、「一斉休校は正当である」と思う人が多そうだ。だが、違う。若者は未成年だけではない。20代、30代の人も、同様だ。彼らもまた、健康で無症状のまま、感染源となる。
では、これらの人々もいっせいに休業させるべきか? 大学生や専門学校生も休ませるべきか?
いや、それは無理だ。ということは、つまり、「小・中・高だけを休校にしても、たいして意味はない」ということだ。
そもそも、休校にして、子供を実家の祖父母のところに送り込んだりしたら、効果の点では、かえって逆効果だろう。
要するに、今回の報告からは、「政府の取った一斉休校という方針は、まったくの間違いであった」ということが、いっそう明らかになったと言える。
>なお、返す刀で言うと、こうだ。
>「せき・くしゃみがなくても感染する」ということは、「話しているときの飛沫感染で感染する」ということだ。
>これは、「空気感染でなく飛沫感染だ」ということを強調した 前々項 の趣旨に合致する。つまり、前々項の正当性がいっそう裏付けられたと言えるだろう。
について、述べます。
私も先ほど、前々項の記事にコメントさせてもらいましたが、その内容(本当に空気感染はなく、飛沫感染だけなのか)については、いったん脇に置きましょう。私も、飛沫感染自体を否定しているのではなく、感染者の唾などの飛沫中には、当然に、他人を感染させるだけのウイルスが含まれているのですから。
今回、政府厚労省が(専門家会議の報告を受けて)出した声明は、その主旨を端的にいうと、「無症状な(不顕性の)感染者は密閉されたところに行くな(自分を隔離しろ)」ということです。この病気について、無症状な感染者が(無視できないほど)いるということは、筆者(管理人さん)も3月1日の記事で推定されていますし、下のサイトの記事からみても、これはもう真実でしょう。また、無症状感染者は、疫学的には珍しい存在ではないようです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200302-37606645-gooday-hlth&p=1
そして、無症状感染者がいることは、WHOと筆者と政府とで共通した見解なのですが、「この病気の場合、無症状感染者は公衆衛生的にどれほど脅威か? 他人への感染を防ぐにはどうすれば良いか?」という点で、考え方に差異があるのです。
整理しますと、
↑ 脅威は低い
・WHO:無症状感染者が感染させる力は弱い。マスクもいらない(もったいない)。
・筆者:無症状感染者が感染させる力は強い。だが、飛沫感染だからマスクで防げる。
・政府:無症状感染者が感染させる力はとても強い。マスクでは無理で、隔離まで必要。
↓脅威は高い
となります。実際には、発症の何日前から感染させる力があるかでも差異がありそうですが、細かいところはいいでしょう。
ですから、政府も筆者と同じく、「WHOの見解は間違っている」と激しく思っているはずです。短絡的に、「論理力がないから、政府厚労省は自らの主張内容の矛盾に気付いていない」ということにはなりません。政府と筆者の考え方の差は、すなわち、「空気感染を想定しているか、それとも頭から否定しているか」という点です(繰り返しになりますが、どちらが正しい認識かはさておき)。
この差があるので、「咳・くしゃみがなくても感染させる」という共通の仮定から演繹を始めていても、筆者は「話しているときの飛沫で感染させる」という結論に達しましたが、対して政府のほうは「密閉された同じ空間にいるだけで感染させる」という結論に達したのです。
(出発点は同じでも、判断材料に違いがあればゴールは異なってくるという事例です)
これは、違います。(もしかしたら、あなたの見解?)
「隔離が必要」は、政府ではなくて、安倍首相単独の発想です。しかもそれは原則ではなく、「学校だけ」です。学校以外のすべてで、隔離は不要であり、クルーズ船の下船客ですら、隔離は義務ではありません。スポーツジムで入浴することすら許容されています。他の陽性患者も、隔離されません。また、重症に近い人も、検査さえされずに、市中で野放しにされます。
私は以上のすべてを「隔離すべき」であるが、政府は「危険度の高い人は隔離すべきではないが、危険度のすごく低い人(いまだに一人も感染が確認されていない 10歳以下)をみんな隔離(半隔離)する……というような方針です。
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> 「密閉された同じ空間にいるだけで感染させる」
この件については、次項で説明しておきます。(予定)
>この文書には「この一両日で明らかになったこと」という記述がある。しかし……
・ 日付がないので、いつの時点なのか、不明である。
・ 2020/3/2発表らしいが、気づくのが遅すぎる。
についてですが、確かにいつの時点かはわかりませんが、専門家委員会がどこの疫学的データを参考にしたかは明らかです。「この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは〜」とちゃんと報告書に書いてあります。そして、北海道でのデータから、彼らは、COPID-19に空気(エアロゾル)感染の経路が存在することが疑われる何らかの証拠をつかんだのでしょう。
私は、2月27日付「新型コロナウイルスの話題4」へのコメントで、「北海道の感染者が多いのは、確かに気温の要因も否定できませんが、@ PCR検査の母数が多いと推定されることと、A 海外でも人気の高い「冬の一大観光地」なので、1月までは中国人客の流入もそれなりにあり、この季節に人と人が接触する機会が多いエリアであることが主因だと思います」と書きました。
これについて、筆者(管理人さん)は、あくまで気温(低温)が主因だと主張されました。ところで、下のリンクの記事では、「寒い北海道は、窓が2重ガラス、入り口も2重扉になっていて気密性が高く、空気が入れ替わらず密閉された状態に近いものと考えられる。密閉された室内では、ウィルスが繁殖しやすくなるのではないか」とあります。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200302-00059517-jbpressz-int&fbclid=IwAR17dt_l8Yg5rssgEUOA8qM1dDme-fR6ow7ok2j7nbB-H10ojF9IlpXRKII
ただし、空気中でウイルスが繁殖することはありませんから、この部分は間違いです。しかし、もし仮に、このウイルスが空気(エアロゾル)感染の経路を持つタイプであれば、気密性が高くて換気が悪い北海道の屋内では、ウイルスは長らくとどまって中々濃度は減らないでしょう。すなわち、人間とウイルスが接触する確率が保たれてしまうのですから、このエリアで感染が起こりやすくなっても不思議ではありません。
北海道では、北見市の展示場がらみで「クラスター」感染(10人)が発生したことは報道されていますが、それ以外の67人の感染者については疫学的な追跡データが公表されておらず、どの感染経路(エアロゾル or 飛沫 or 接触)が主だと推定されているのかもわかりません。しかし、報告書内で、「閉鎖的な空間を避けてください。人が集まる風通しの悪い場所を避けてください」と呼びかけているのですから、少なくとも専門家委員会と政府厚労省が、感染経路を「飛沫」だけに限定していないことは高度に推認できます。
私には、「この報告書(声明)から、前々項(空気感染ではなく飛沫感染だとの主張)の正当性がいっそう裏付けられた」とする筆者の思考の流れ(論理展開)は、全く理解できません。普通に考えれば、「閉鎖空間」や「至近距離」に加えて「風通しが悪い」という誘因も挙げているのですから、「空気(エアロゾル)感染」を想定しているとするのが妥当ではないですか?
あと、住宅の場合は、家族しかいないので、感染爆発の理由にはなりません。
一方、公共性のある場所では、換気が十分にあることが法的に義務づけられているので、ここでは二重ガラスなどは意味を持ちません。
「閉鎖的な空間」は、あるにはあるでしょうが、北海道に限定されたことではなく、本州でも同様です。
> 全く理解できません。
その件については、次項で説明します。(予定)
>「隔離が必要」は、政府ではなくて、安倍首相単独の発想です。
確かに「隔離」という言葉は不適切でしたね。正しくは「行動制限」です。失礼しました。
まあ、そこは本論とは違います。私が言いたかったのは、「政府と専門家委員会」が最も深刻に考えているということです。
政府報告書(声明)の中では、「ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等、屋内の閉鎖的な空間、人と人とが至近距離で交わる場所で「クラスター感染」が起きました」と知らせていて、つまり「こういった場所には、なるべく行かないでください」と呼びかけているのと同じですから、行動制限は明らかに要請されていると言えるでしょう。
この行動制限を、分かりやすく「隔離」と書いてしまいました。ただし、10代〜30代の人たちに対する要請(お願い)の主旨は、「体調が悪いという自覚があるときは、他人に感染させないよう、人が集まる風通しが悪い場所を避けてください」とのことなので、これは「自分を自主的に隔離してください」ということと中身は同じでしょう。
確認されてますよ(下のリンクのニュース)。
・北海道で1人
・埼玉県で1人(6才以下の未就学児童)
・なお、北海道では上記1人の兄も感染確認
(10歳以下ではないですが、小学生なので
11 or 12歳でしょう)
https://www.fnn.jp/posts/00432607CX/202002220059_UHB_CX
都内で、また10歳以下の感染者が確認されました(下のリンクのニュース)。
・10歳未満の保育園児(男児)
・10歳未満の小学生(女児)
これまでは、上のコメントでも注意喚起しましたとおり、
・北海道で10歳以下の小学生(男児)
・埼玉県で6歳以下の未就学児童(性別?)
・なお、北海道では上記1人の兄も感染確認
(10歳以下ではないですが、小学生なので
11 or 12歳でしょう)
です。他にもあるかもしれませんが、あらためて確認はしていません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200305/k10012316011000.html