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首相記者会見の全文がある。これを見ると、重要な事実が判明する。
PCR検査については、検査がしたくても、保健所で断られる、やってもらえないというご指摘をたくさん頂いております。
来週中にPCR検査に医療保険を適用致します。これにより、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となります。
民間検査機関の検査能力も大幅に増強されます。
( → 「対策、ちゅうちょなく講じてきた」首相の記者会見全文 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞 )
やはり現状は、保健所経由なので、検査数が制限されていたわけだ。これは私が前に推測したことに合致する。再掲しよう。
いかにも「公費負担」を謳っている。だが、これは「保健所経由の場合」(公式ルート)に限定されているはずだ。保健所に依頼せずに、民間病院が民間研究所に委託した場合(私的ルート)では「公費負担」であるはずがない。
( ※ そんな出費をするのは、たぶん違法である。法制化されていないからだ。)
で、保健所経由だけがあるわけだが、保健所は「かなり重症化しても検査を極端にイヤがる。ただし非常に重篤な場合には検査を認める」というふうになっている。
これは「検査数を極端に絞る」という枠組みがあるからだろう。
( → 新型肺炎の検査数が少ないわけ: Open ブログ )
(軽症でなく)かなり重症化した患者が「検査してくれ」と依頼したとき、医師が検査を拒否するのは、なぜか? 医師が「検査は必要ない」と認めたからではない。保健所が検査を拒否するからだ。
そして、保健所が検査を拒否しない地域(北海道)では、かなり重症化した患者には検査が実行されるので、感染者数が多く報告される。
一方、他の都道府県では、かなり重症化した患者には検査が実行されないので、感染者数が少なく報告される。
そういう事実があるはずだ、と私が推測したが、まさしくその通りであったことが、首相記者会見から裏付けられるわけだ。
なお、以上のことは状況証拠だが、直接的な証拠は、もうすぐ得られるはずだ。
「来週中にPCR検査に医療保険を適用」
とのことだから、来週には、検査がどんどん実施されるだろう。その理由は、次の二つの理由だ。
・ 検査を民間に直接依頼できる。(保健所に拒否されない。)
・ 検査が、損失でなく利益になるので、病院は検査を依頼する。
ともあれ、「検査をしないのは、医者が軽症者への検査を不必要だと考えるからだ」という説明は、間違いだと判明したわけだ。
( ※ そもそも「やや重症な人に検査がなされない理由」を「軽症者に検査がなされない理由」で答える時点で、非論理の極みである。……医者には、患者の話をきちんと聞く能力が必要なのに、その能力を欠いている医者が多いようだ。かくて誤読・曲解のすえに、トンチンカンな回答をする。)