2020年03月01日

◆ 新型コロナ対策の名案

 一斉休校のような愚案のかわりに、最も賢明な案を示す。それは「マスク不足の解消」だ。

 ──

 一斉休校には各界から批判が出ている。岩田教授も批判している。
  → 一斉休校は「科学より政治」の悪い例 クルーズ船対応の失敗を告発した岩田教授に聞く - 毎日新聞

 では、一斉休校が愚策だとしたら、かわりに何をすればいいのか? 

 ──

 これについては、韓国の状況が参考になる。
 前項で述べたように、韓国では感染が爆発的に増えている。ます。その理由は、マスクをする文化がなかったせいで、マスクの絶対数が足りない(生産量も足りない)ことだ。マスクが全国民に行き渡っていれば、こんなにひどい感染爆発はなかっただろうに。
 ( ※ 詳しくは前項)

 ここから思うに、日本でも「一斉休校」よりは、「教室ではマスクを必須」とする方がいい。その方がよほど合理的な判断だろう。

 ただし、それが実現するためには、マスクを生徒全員に行き渡らせることが必須だ。生徒だけでなく全国民に行き渡らせることが必須だ。つまり、マスク不足を解消することが必須だ。

 では、マスク不足を解消するには、どうすればいいか? 工場を急激に拡大するべきか? いや、そんなことは無理だ。

 正しい方針は、(前項の)韓国が示している。こうだ。
 「マスクの箱売りをやめる。1人 50〜100枚も購入する状況をやめる。1人5〜10枚ぐらいの販売に限定する」


 こうすれば、各人は、数枚のマスクを得た上で、「洗って繰り返して使う」ことができる。これでマスク不足は一挙に解消する。

 この方針こそが、今すぐなすべきことだ。それは「一斉休校」なんかよりも、はるかに効果的なことだ。
 「一斉休校」は、たとえ効果があったとしても、学校における感染を防ぐことしかできない。社会全体の1割ぐらいの効果しかない。残りの9割にはまったく影響しない。こんなことをやったところで、まったくの尻抜けであって、意味がないのだ。

 感染症対策というのは、「社会全体でそろってやる」ということでのみ、意味を持つ。
 特定の少数の人ばかりが猛烈に犠牲を払って努力をしても、残りの9割が無造作に感染を増やしているという状況では、何の意味もない。

 なのに、「できることは何でもやる」というふうに思って、無駄なことばかりをやって、肝心要のことをやらないのが、現状だ。

 特に、「マスクと手洗いが最重要だ」と言っているだけの政府は最悪だ。なるほど。「マスクと手洗いが最重要だ」というのは正しい。しかし、それならば、「全員がマスクを保有できる」という状況を実現することが、最優先となるはずだ。
 なのに、マスクの確保をないがしろにしておいて、教室でもイベントでも「マスクの着用」を義務づけなかった。そもそもマスクを配布すらしなかった。それでいて、「マスクと手洗いが最重要だ」と口先の言葉を出すだけにしている(無為無策を続けている)。……こういう馬鹿政府こそが、物事の根源だろう。

 政府は、「一斉休暇」を実施する前に、マスクメーカーからマスクを大量購入して、「生徒全員にマスク2枚ずつの給付」を実施するべきだった。(一種の配給だ。)
 こういう方針こそが、もっとも必要だったのだ。
  ※ 枚数の計算は、後述の [ 付記 ] で。

 ──

 なお、現実には、どうか? 
 ツイッターで検索すると、すでに「マスク着用」を義務づけている学校が多いようだ。
 また、実際に「見かけた生徒全員がマスクを付けていた」という報告もある。
  → https://twitter.com/Enotaken/status/1233373190878945280

 となると、政府が強引にマスクを配布しなくても、すでに「全員がマスク着用」はほとんど実現済みと見ていいだろう。

 ただし、マスクを入手できなかった生徒もチラホラと見つかるはずだ。
 また、「不織布マスクは入手できなかったので、手作りの布マスクで代用した」という人もかなりいるだろう。(布マスクだと、効果はかなり下がるので、好ましくない。WHO の研究報告がある。)

 以上をかんがみて、「全員に給付」よりは、「入手できなかった人にのみ、1枚 100円で販売」ぐらいで十分かもしれない。(価格が高いのは、無償だとタダでもらう人が多すぎて、すぐになくなるからだ。)
 学校向けに、箱売りのマスクを数箱ほど提供しておくだけで足りるかもしれない。特に「全員への配給」はしなくてもよさそうだ。

 ともあれ、相応の対策をした上で、「生徒全員にマスク着用を義務づける」というのが、最善の方法だと言える。一方、休校などは、愚の愚と言えるだろう。



 [ 付記 ]
 マスクの生産・輸入量は、年間 60億枚程度。週1億枚程度。
   → 一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 | 統計情報

 さらに、「国内メーカーは、24時間体制で、通常の3倍の増産を継続しています」とのことだ。(輸入分を除く。)
  → マスクや消毒液の状況 〜不足を解消するために官民連携して対応中です〜 (METI/経済産業省)

 ただし、国内生産は増えても、中国からの輸入は激減しているかもしれない。

 一方、国内の人口は1億3000万。学童の数は? 概算で、出生数が毎年 100万で、(6・3・3の)生徒数はその 12倍である 1200万人だ。(全国民の1割に相当する。)
 1200万人にマスクを2枚ずつ配布するとして、2400万枚だ。供給は十分に可能だろう。

( ※ 概算で 1200万人とした。ただし統計では 1300万人だと判明した。)



 [ 余談 ]
 今の日本の状況を見ていると、「八甲田山 死の彷徨」を思い出す。
 愚かなリーダーのせいで、間違った判断を出したせいで、ただの訓練で大量の兵が死亡した。( 210名中 199名が死亡)
 ここでは「合理的な判断をする」「多くの選択肢のうちで最善の選択肢を取る」ということができなかった。ただ漫然と「目の前にある、最も安易な選択肢を取る」ということだけを続けた。
 そのせいで、いったん「死に至るルート」を取ると、以後はルート変更の判断ができないまま、どんどん死に向かって近づいていくばかりだった。最後は破局。

 これは今の安倍政権の状況に似ている。「できることは何でもやろう」と思っただけだった。とりあえず目の前にある案をつかんだ。ところが、それは毒まんじゅうのようなものだった。なのに、判断力が欠けているので、「これは少しは有効だろう」と思って、目の前にあるものを取ってしまった。その一方で、すぐそばにある別のもの(正解)を取ることができなかった。視野に入らなかったからである。「自分は正しい」とだけ思い込んで、他人の意見を聞かなかったから、視野があまりにも狭くなっていたのだ。(だから正解が見えない。)
 唯我独尊の人には、ありがちだ。


 「できることは何でもやろう」というのは、効果があやふやなことをやるときの弁解である。「効果がはっきりしないものをやるより、効果があることをやれ」と言われたときに、「効果がはっきりしなくても、とにかく、できることは何でもやる」と弁解する。そこでは、「効果があることをやる」という正常な判断力が失われている。
 「できることは何でもやろう」というのは、「何が重要か」という軽重の判断ができないということだ。つまり、リーダーとしての能力がないということだ。……こういう人が、ひとたびリーダーになると、全体が惨事に導かれる。それを、八甲田山の例が教えてくれる。



 【 追記 】
 次の意見がある。
日本国内でも2月28日時点で191人の感染者のうち20歳未満の患者さんは6名(3.1%)に留まっています。
しかし、実際には小児の感染事例は多いのではないかというのが私の推測です。
( → 臨時休校は本当に意味のない新型コロナ対策なのか?(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

 そりゃまあ、感染事例は統計値よりもずっと多いだろうが、それでも大量というわけではない。また、感染者のほとんどは軽症者であるにすぎない。
 ここは台湾のように、
  ・ 感染者1人で学級閉鎖
  ・ 感染者2人で学校閉鎖

 という方針で十分だ。
 あるいは、
 「新型コロナウイルスだと確認されなくとも、インフルエンザの疑いの発熱者が複数出たら、学級閉鎖」
 という方針で十分だ。
 一方、いきなり全国で完全休校というのは、やりすぎだ。「あつものに懲りて、なますを吹く」に近い。
 むしろ、マスクの義務づけや、マスク不足の解消の方が、ずっと重要なんだが。

 ──

 できれば、マスクの箱売りを禁止するといいかも。メーカーには、小分け販売を強制した方がいい。それで状況は一挙に改善する。

 ついでだが、近所のスーパーに行ってみたら、マスクをしている人は6〜7割ぐらい。3人に1人は、マスクをしていない。
 また、戸外の路上を歩く人を見ても、同じぐらいの比率だ。

 
posted by 管理人 at 08:37| Comment(7) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2020年03月01日 11:53
WHOがこんなことを言ってます。。。

感染予防にマスク着用不要 過度の使用控えてとWHO
https://news.livedoor.com/article/detail/17895677/
Posted by 反財務省 at 2020年03月01日 12:00
 普通のマスクには、ウイルスをフィルターする効果はほとんどないことが知られているので、その意味で「感染予防の効果がない」と判断する人が多い。それは正しい。

 ただしそれとは別に、冷たい外気の中では、「保温・保湿」の効果がある。以下引用。

 ──

 一般に、風邪やインフルエンザにかかる理由は、ウィルスが存在することよりも、「免疫力の低下」である。そして、免疫力が低下する理由は、「低温・乾燥」である。その具体的な理由は、「戸外に出て、鼻や喉を冷やすこと」である。
 http://openblog.seesaa.net/article/435847364.html

 ──

 さらに、顔をマスクで覆うと、汚れた手指で顔に触れることがなくなるので、衛生上の観点からも好ましい。

 また、しゃべるときに飛沫を飛ばさない効果もある。韓国で大流行が起こったのは、しゃべりながら飛沫を飛ばしたからだ。
 日本のライブハウスで屋内感染があった事例も同様。


 ただし、温かな屋内で静かに授業を受けているぐらいなら、マスクは不要だとも言える。体育館などへの全員集合のとき(卒業式のとき)などを除けば、普段の授業中はマスクは不要だと言えそうだ。
 ※ しゃべる教師は、なるべくツバを飛ばさないようにするという条件で。
 
Posted by 管理人 at 2020年03月01日 13:31
 上のリンクで紹介された WHO の記事では、

> せきやくしゃみといった症状がない人は予防目的で学校や駅、商業施設など公共の場でマスクを着用する必要はない

 とのことですが、それは、インフルエンザには当てはまっても、コロナには当てはまらない。韓国の感染や、日本のライブハウスの感染では、「せきやくしゃみといった症状がない」初期の状態で、周囲に感染しました。症状が出たのは、その後です。

 せきやくしゃみといった症状がない状態で感染力が強い、というのが、コロナの特徴です。事実そのものが、WHO の見解を否定しています。
 したがってマスクの意義は大きいはずです。

 ──

 WHO の認識が甘いのは、たぶん、韓国の実情を知らないからです。報道は3/1で、決定は2/29 だから、韓国のデータは 2/28 の時点だったはず。
 ところがその後、韓国では感染爆発が起こっている。今日もまた急激に感染が爆発的に増えている。
 この状態で「マスクをしなくてもいい」なんて言うのは、「コロナの飛沫をいっぱい飛ばしてくれ」と言うのも同然だ。WHO によるバイオテロに近い。

Posted by 管理人 at 2020年03月01日 14:17
 いつも記事をありがとうございます。

 今日(3月2日)の参院予算員会の質疑について、こんなニュースが(下のリンク)。

 https://www.asahi.com/articles/ASN2Y0G59N2XUTFK03J.html

 政府が全国の小中高校などの一斉休校を要請する中、加藤勝信厚生労働相が国内の小中高生の新型コロナウイルスの感染者数を即座に答えられず、質疑が2分間ほど止まった。野党議員からは「どんな事実関係に基づいてこんな政策をやっているのか」「基本中の基本だ」とのヤジが飛んだ。

 引用以上。筆者(管理人さん)の主張には、私として全部首肯はできないのですが、仰るように、確かに今の安倍政権が、事実や科学的根拠(データ)に基づかずに対策を要請し、それが結局「的外れ」「しり抜け」になってしまっている懸念については、私も同意見です。
 
Posted by かわっこだっこ at 2020年03月02日 19:13
 マスクを再利用せよ、という方針を、政府が打ち出そうとしている。
  → https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20200302-00000075-ann-bus_all

 方針としては、本項の方針そのまんまだ。
 ただし、手法が違う。「エタノールを吹きかける」と言っている。
 しかし、エタノールを吹きかけても、汚れは取れない。不潔だ。
 正しくは、洗剤で洗って、日光で干すことだ。ウイルスは石けん液で死滅する、と専門家が言っている。さらに紫外線を照らせば、万全だ。
Posted by 管理人 at 2020年03月03日 11:42
 新聞から。以下、引用。

 ──

 介護現場でマスク不足が深刻になっている。
 介護事業所全体の2割、訪問介護事業所に限れば3割が、もうマスクの在庫がないと答えた。

 https://www.asahi.com/articles/DA3S14387422.html

 ──

 8割が問題なしなのは立派だが、残りが問題だ。政府はきちんと対処するべきだろう。

 なお、次の記事もある。
  → マスク 政府が8万世帯分320万枚を買い取り北海道に配給へ
   https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200303/k10012310741000.html

 これができるのなら、介護施設向けにもできるはずだ。
Posted by 管理人 at 2020年03月03日 13:00
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