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※ 文中で採用した数値は、のちに補正されたので、文章全体の趣旨が影響されます。最後の 【 追記 】 で詳説しました。簡単に言えば、「推測の信頼性は高くない」です。
「新型コロナウイルスの検査を増やす」という方針を政府は出した。
安倍晋三首相は29日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて首相官邸で記者会見した。2019年度予算の予備費2700億円超の一部を使い、第2弾の緊急対応策を10日程度でまとめると表明した。ウイルス検査体制に関しては「かかりつけ医など身近な医者が必要と考える場合には、全ての患者が検査を受けることができる十分な能力を確保する」と語った。
ウイルス検査は現時点で1日4000件超を実施する能力があると指摘し「一層の能力拡大に努める」と述べた。……3月第1週に検査に医療保険を適用すると表明した。
( → 首相「10日程度で追加の緊急対応策」 新型コロナ :日本経済新聞 )
つまり、十分な金を出して、検査には医療保険を適用する。
こうなると、いちいち保健所を経由しなくても、病院が直接、民間の検査会社を利用できるようになる。
これならば各地で「検査能力があるのに病院が検査を拒否する」という問題もなくなるだろう。(むしろ、検査すればするほど、病院の収入増になるので、検査をするようになるだろう。)
軽症者に無駄な検査をしないだろうが、「やや重症」の人にはきちんと検査をするようになるだろう。
( ※ 「検査をしないのはキャパがないからだ」という主張は否定される。かわりに、「予算がなかっただけだ」という私の説が補強される。なぜなら、予算を付けることで、検査の急増が予想されるからだ。)
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さて。このあと、どうなるか? それを予想しよう。
まず、武漢以外の致死率は 0.2〜0.3% 程度だ。( WHO の発表による。)
一方、日本全体の感染者数は 200人程度だ。
→ 都道府県別の新型コロナウイルス感染者数 | nippon.com
その場合、計算すると、200人の 0.2〜0.3% ならば、0.4〜0.6人だ。
一方、実際の死者数はどうかというと、5人だ。( 総数が 11人で、うち6人はクルーズ船だから、クルーズ船以外の国内感染の死者は5人となる。)
→ 新たに3人死亡 新型コロナ、11人に:時事
※ これは 28日のデータ。29日は官庁がお休みなのでデータなし。
試算された死者数 0.4〜0.6人に対して、現実の死者数は5人で、10倍になる。この数は多すぎる。
このことから逆算すると、日本の実際の感染者数は 200人の 10倍で、2000人もいるはずだ、……となる。(9割ぐらいは、検査されないまま、隠れていることになる。)
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ただし、この数はちょっと多すぎる気もする。
そこで、韓国のデータを見ると、こうだ。
韓国政府は29日午前、新型コロナウイルスの感染者が28日から594人増え、2931人になったと発表しました。
感染者のうち、3分の2以上は、新興宗教団体の教会で集団感染があった南部のテグ(大邱)に集中しています。また、死亡した人は3人増えて、16人となりました。
( → 韓国 新型コロナウイルスの感染者2931人に | NHKニュース )
感染者 2931人で、死者 16人。
日本の死者はその3割弱だから、感染者も3割弱とみて、800〜900人ぐらい。これが日本における真の感染者数だ。(韓国並みにきちんと検査した場合。)
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以上をまとめると、こうだ。
・ 現在の日本の感染者数は 200人程度。
・ しかしこれは検査が拒否されているから。
・ きちんと検査するようになれば、感染者数は急増するだろう。
(隠れていた感染者が表に出るだろう。)
・ その場合、感染者の総数は、2000か、1000弱か、その程度になる。
(推定方法によって試算のブレがある。)
・ すでに退院した人は、検査されないので、カウントされないだろう。それが半分ぐらいか。
・ となると、今後の検査でカウントされるのは、500ぐらいか。
・ 一方、今後の死者数が増えるにつれて、感染者数の推定値も増えていく。死者が5人から 10人に増えると、感染者数の推定値も 500から 1000へ増えていく。
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以上のように、いろいろと試算値を出した。いずれにせよ、(十分な検査をするという条件で) 500〜 2000ぐらいの範囲に収まりそうだ。
実際の「感染者数」がどういうふうな値になるかは現時点では不明だが、とりあえず、試算値を出しておいた。そのすべては、私の予想である。
実際にその予想通りになるかどうかは何とも言えないが、とりあえずは、先の見通しを探りたい人向けに、私の予想を出しておいた。
※ はっきりしているのは、現在の「200」という数値が、過小な値である……ということだ。なぜなら、検査漏れがあまりにも多いからだ。「検査の抑圧」という形で。たとえば、下記のことがある。
→ 北海道で新型コロナの「感染疑い」検査できず?厚労省が「妨害」か - ライブドアニュース
[ 付記1 ]
韓国では、(上記記事のように)感染者の急増が止まらない。
・ 29日には、感染者が28日から594人増え、2931人。
・ 26日には、感染者が1日で 284人増えて、1261人。
→ ソウル聯合ニュース
3日間で倍増以上だ。恐ろしい急増ペース。
気温が低いせいかとも思ったが、調べたら、日本の関東と同レベルであって、それほど寒いわけでもない。
ちょっと調べると、韓国には大感染させる特定の人がいて、一人で大量に感染させているらしい。(特に新興宗教の人。バイオテロでばらまいているようだ。)
では、韓国ではどうして、これほどにも感染者が多いのか? 私が頭を絞って推測した理由は、こうだ。
「日本ではマスクをする文化があるが、韓国や欧州ではマスクをする文化がない。日本では多くの人がもともとマスクをもっていたが、韓国ではマスクをもっている人が少なかった。ゆえに、マスクがないという理由で、感染者が爆発的に増えた」
これを裏付けるため、ググったら、裏付けとなる情報が得られた。
・ 韓国には、マスクをする文化がない。
・ 感染したら休むという文化もない。
(咳や痰を出しながら、会社や学校へ行く。)
→ 【韓国生活】韓国人はマスクをしない? | こりあゆぶろぐ
これでは、感染爆発は当然だ。
[ 付記2 ]
ついでだが、似た例は、日本でもあった。イベントで3人が感染した、という事例。
→ 感染の3人、大阪で同じライブに 2月15日に開催:日本経済新聞
「ほれ見たことか」とイベント中止論者が鼻高々になりそうな記事だが、さにあらず。
・ イベントは、小さなライブハウス。観客 100人だけ。
・ 狭い部屋に密閉されて、換気もままならず。
・ ライブの最中は叫んだりして、呼吸が激しい。
・ 感染者はマスクをしていなかった。
これじゃ、感染しますわ。感染だらけの韓国と似た状況ですね。
( ※ 「イベントではマスクを義務づけよ。マスクしない人は強制退場」という私の方針とは真逆だ。)
[ 付記3 ]
いろいろと考えるに、「マスクをする」という文化があった日本は、文明的であったと言える。文明度が高い。
ただし、いまだにマスク不足が続いているという状況は、「日本人は頭が悪いね」と思わざるを得ない。
韓国では「1人5枚」というような枚数制限をすることで、大勢の人のマスクを与えることに成功している。「買えた」と喜ぶ人も多い。
→ 韓国 マスク不足緩和の動き、長蛇の列も“全員購入”に工夫 TBS NEWS
一方、日本ではいまだに「50枚入り」「100枚入り」というような箱入りで販売している。しかも、一人で何箱もまとめ買いすることを許容している。そのせいで、いつまでたっても、店頭ではマスクを買えずじまいのままだ。
→ 深刻なマスク不足
ひどいものだ。文明度が低いね。
[ 補足 ]
韓国における数値を援用するのもよさそうだ。そこで、考えてみる。
韓国の数値は、「 感染者 2931人で、死者 16人」であるように見える。ただし、感染者は急増していて、感染してすぐに死ぬわけではないから、感染者数は 10日ぐらい前の数字を採用するべきだろう。ところが、韓国の 19日発表の感染者数はたったの 51人だ。
→ 韓国で新型ウイルス感染者急増、1日で20人増え計51人に:AFPBB
51人に対して死者 16人というのは多すぎるので、これを致死率の根拠にすることはできそうにない。どうも、韓国は感染者数の増加が急激すぎて、安定的なデータを取るには向いていないようだ。
「韓国のデータはアテにならない」というのが結論になりそうだ。
【 追記 】
> 武漢以外の致死率は 0.2〜0.3% 程度だ。( WHO の発表による。)
と文中で述べたが、これは前に紹介した数値で、日付が古い。
一方、29日の深夜には、 WHO から新たなデータが出たと報道された。
→ WHO調査報告書 症状の特徴・致死率など詳しい分析明らかに | NHK
これによると、致死率はこうだ。
感染拡大が最も深刻な湖北省武漢は、致死率が5.8%なのに対し、その他の地域では、0.7%と大きな差が出ています。
さらに、ことし1月1日から10日までに発病した患者の致死率は17.3%となっているのに対し、2月1日以降に発病した患者の致死率は0.7%と低く、感染拡大に伴って医療水準が向上した結果だと分析しています。
( → WHO調査報告書 症状の特徴・致死率など詳しい分析明らかに | NHKニュース )
これらを見ると、致死率は 0.2%でなく、0.7% を採用するのが妥当だ、というふうにも思える。
だが、ここには記していないが、「武漢以外で、2月1日以降に発病した」という状況の数値があるはずだ。それを推測すると、
・ その他の地域では、0.7%
・ 2月1日以降だと致死率は大幅に下がる
という二点の組み合わせで、0.7% よりもかなり低い値になると推定される。こうなると、 0.2% という数値も、まんざら間違いでもないことになる。
ただ、いろいろとデータのブレが生じているようなので、推測の信頼性はあまり高くないようだ、とわかる。
あと、検査して真の感染者数が発表されれば、ひ弱で神経質な人が多い日本は、世界一のパンデミックになりそうな予感。もっともっと情弱が大騒ぎして、とんでもないことになりそうです。
福島の放射能騒ぎの時もそうでしたが、風評被害も相まって、全く関係ない所にも飛び火しそう。
コロナそのものより、コロナで騒ぐ人々が怖いです。
>武漢以外の致死率は 0.2〜0.3% 程度だ。( WHO の発表による。)
まず、中国のテンセント(騰迅)QQのサイト(下記リンク)から拾った、3月1日早朝の生データが上の表です。これから、致死率を計算したのが下の表です。武漢以外の致死率を出すことも可能ですが、別のサイトのデータとあわせて計算する必要があるので、とりあえず「湖北以外」のデータを示します。結果は0.9%と計算され、筆者が採用した0.2〜0.3%よりは大分高くなります。武漢以外は、湖北以外(0.9%)よりもやや高くなるはずですから、さらに乖離が大きくなると思います。
なお、併記してある「致死率(調整後)」というのは、(死亡者数)÷(死亡者数+回復者数)で計算できる値です。私は、感染者の中に回復者でも死亡者でもない治療中の人数(不確定数)が多く混じっているフェーズでは、こちらの計算式のほうが確からしいと思っています。中国や米国のサイトでは、最初からこの「回復者数」も、日本と違ってしっかり書かれています。
参考までに補足すると、湖北以外では両者にあまり差がない(0.9%と1.1%)のは、筆者も述べられているとおり、湖北省を除く中国全体では、日々追加される感染者数が少なくなっていて(流行が沈静化してきていて)、回復者数が支配的になっていることの現れです。このまま行けば、中国でのこの病気の致死率は、最終的に1.0%前後に落ち着くことになるのかもしれません。
感染者 回復者 死亡者
中国全体 79394 39168 2838
湖北省 66337 28909 2727
湖北以外 13057 10259 0111
中国以外 06556 00458 0103
(単位:人)
致死率 致死率(調整後)
中国全体 3.6 6.8
湖北省 4.1 8.6
湖北以外 0.9 1.1
中国以外 1.6 18.6
(※単位:%)
https://news.qq.com/zt2020/page/feiyan.htm#/
先ほどのコメントの末尾で、「このまま行けば、中国でのこの病気の致死率は、最終的に1.0%前後に落ち着くことになるのかもしれません」と書きましたが、この1.0%前後というのは、この病気の本来の実力と言いますか、感染の封じ込めがある程度行われた場合の値です。
これに対して、湖北省では、既に人が大勢死んでいますから、今後どう事態が好転しようとも1.0%に戻すことはできません。先ほどのコメントの表に示したデータでは、おそらく最終的に6〜7%になりそうです。
つまり、日本でも、今後のフェーズで感染拡大の抑制に成功すれば、湖北以外と同じく1.0%前後(或いはもう少し低い)致死率ですみますが、何らかの要因が重なって感染爆発を起こしてしまえば、医療崩壊や社会インフラのダウンを招き、湖北省と同じ6〜7%の致死率にもなりかねません。
ですから、別の記事のコメントで書きましたとおり、感染の拡大を抑制するために、「今やれる対策は全部やる」ことが必須だと考えます。
これによると、クルーズ船を除く国内での死者数 5人に対して、回復者数は 33人です。一方でクルーズ船の死者 6人に対しての回復者数は示されていないようですが、昨日(2/29)の首相記者会見によれば、「クルーズ船も含め、これまで日本国内で陽性と判定された方々のうち、140名を超えるみなさんがすでに回復し、退院しておられます」とのことなので、クルーズ船の回復者数は 107人余りということになりますね。
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207
→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200301/k10012308441000.html
> https://news.livedoor.com/article/detail/17887175/
という報道を本文中で紹介した。
これについて、感染研が否定的な見解を出した。
→ https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9441-covid14-15.html
趣旨は
「厚労省の職員は正しいことを言ったのに、誤解されたせいで、マスコミに誤報された」
ということらしい。(なお、マスコミとは日刊ゲンダイのこと。)
もっともらしい説明だが、次の二点がポイントだ。
・ 職員自身は「(陽性の)接触歴が無ければ、PCR検査の優先順位は下がる」と述べた。
・ 「職員が述べた考え方は……一般的な考え方です」と感染研は擁護している。
これはおかしいだろ。陽性は 200人しかいないのだから、「(陽性の)接触歴のある人」はかなり限られている。その全員が検査対象になるわけではないし、そんなのは考慮しなくていい。だから、上記の主張は「検査希望者の大部分は(接触歴がないので)検査を受けにくい」と言っているに等しい。「検査拒否」も同然だ。少なくとも、そう理解されそうだ。
ここで大事なのは、「接触歴の有無にかかわらず、症状が重ければ検査対象となる」ということだ。なのに、その点を無視して、「接触歴が無ければ、PCR検査の優先順位は下がる」と述べたのでは、きわめて不適切だと言える。
実際、記事によれば、こうある。
> 「北海道の対策本部に東京から3人が派遣されて以降、『感染疑い』の方がなかなか検査してもらえなくなってしまいました。医者を通じて検査の要望をしても、保健所に断られてしまうというのです。それまでは、37.5度以上の熱が4日以上続く、などといった条件に合致すれば、比較的スムーズに検査してもらえた。とにかく『重症者優先』を訴える3人が来たことで、状況が変わってしまいました」
こういう状況が生じた、ということが問題だ。事実(発言の影響)が問題だ。マスコミが何を報じたかが問題なのではない。今回の感染研の発表は、問題の所在を、あえてずらしてしている。きわめて悪質であると言えるだろう。「隠蔽の意図がある」と見なしてもよさそうだ。
なるほど、発言は間違っていなくて、それが誤解されただけかもしれない。しかし、誤解されたせいで実被害が起こったのならば、問題だ。発言が不適切だったというしかない。
なのに、マスコミが誤報したのが原因だ、というのは、責任の転嫁にほかならない。
統計的にデータが揃っていると思われるクルーズ船については、
感染者715名
死亡者 7名(70代2名、80代4名、不明1名)
致死率 約1%以上
→ http://j.mp/2TgOF1r
715名がみな上記の年齢層だと仮定すると、5%である 36人が死亡するはず。これは 12カ月なので、1カ月で見ると、3人。
もともと1カ月で3人が死んでいてもおかしくない。
※ ただしクルーズ船の客は健康な人ばかりで、重病人はもともと含まれていないので、事情が異なる。死亡率5%は、そのままでは適用できない。
※ 街中の人であれば、重病人も含まれるので、死亡率5%は適用可能。