2020年02月24日

◆ 下船乗客の追加隔離の必要性

 クルーズ船から下船した乗客については、追加的に隔離されるべきだ。その理由。

 ──

 クルーズ船から下船した乗客については、追加的に隔離されるべきだ。ところが、その理由を理解できない、という専門家が得る。驚くべき無知さだ。
 人物は、「厚労省の要請で乗船して支援に当たった国際医療福祉大学の国際医療協力部長で、医学部公衆衛生学教授の和田耕治」である。彼がインタビューでこう発言している。
ーー乗客も追加の隔離が必要とはなりませんか?

 法的な根拠はないですし、曖昧な情報によって隔離することはできません。もっと長く隔離すべきだという人は何を根拠におっしゃっているのか伺いたいです。

 国内でももうこれだけ広がっているのに、この方々だけをさらに隔離すべきだという根拠があるなら教えていただきたい。
( → ダイヤモンド・プリンセス号に乗った公衆衛生の専門家 「下船後に発症者が出るのは想定されたこと」

 本当にわからないのだろうか? すでに米国、カナダ、その他多数の国が追加隔離を実施している。
 日本とは対照的に、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イタリア、香港など他の国々は、下船した自国民を再び14日間隔離させるという慎重な措置を講じている。この違いを見るに、感染症対策においても「ガラパゴス日本」が露わになった感が否めない。
( → 日本は“渡航注意国” 隔離失敗「下船者全員、感染の可能性あり」

 他の多くの国がやっていることについて、なぜそうするのか、その理由がわからないのだろうか? それならそれで、わかりやすく教えて上げよう。本人が「教えていただきたい」と言っていることだしね。

 ──

 では、説明しよう。

 クルーズ船から下船した乗客については、追加的に隔離されるべきだ。このことは、すでに何度も述べてきたとおり。

 最初は、19日の記事だ。この日の早朝に、岩田医師が動画を公開した。そこでは、ゾーニングが不適切で、隔離が失敗していることが示された。このことから、2月5日以前に陰性であった上客が、その後に発症していないとしても、再感染している危険性があると判明した。
 だからこそ、次のことが要請された。
  ・ 下船を一時的に中止する(延期する)
  ・ 乗客は、陸上施設に隔離する。(追加隔離)

 この二点は、多くの人々がただちに理解したことだった。
 にもかかわらず、政府は下船を実行した。つまり、感染の疑惑のある人々を社会に解き放った。(バイオテロだ。)
 その後、同時に下船した乗客のなかで、アメリカ人乗客では多数の感染者が確認された。( 300人あまりのうち 18人。)
  → クルーズ船 米乗客の帰国者300人余りのうち 18人の感染確認 | NHK
 当然ながら、日本人乗客でも、同等の比率で感染者がいることとが推定される。(日本政府は検査していないので、感染は未確認だが。)
 かくて、感染者が多数いると推定されるので、追加隔離が必要となるのだ。
 
 ──

 これに対して、上記の人は、反論する。
 もし国内で全く感染者が出ていなかったとしても、追加の隔離は難しいと思います。その人たちの人権はどうなるんですかと責められたら、防御し切れないでしょうから。
 これが300人なら、早めに降ろしてどこかの施設で過ごしてもらうことはできるかもしれません。でも、3000人を超える、しかも多言語、多文化の人たちがいるというのは極めて困難な状況でした。

 これは見当違いだ。

 (1)
 追加隔離には、理由がある。それは「再感染」の可能性(危険性)があることだ。
 ただし、「再感染」というのは、「国による隔離の失敗」を意味する。隔離してきたという自分たちの施策がまったくの間違いであったことを意味する。……だから、それを認めることが先決だ。
 ところが、この人は、そうする気がない。「自分たちの隔離は大失敗だった」という事実を突きつけられても、見て見ぬフリをする。いや、見えていないのかもしれない。「辛い現実には目をふさぐ」という形で、「自分たちの隔離は大失敗だった」という事実を認識できないのかもしれない。
 だからこそ、「再感染」の可能性(危険性)があることを認識できないのだ。

 (2)
 この人は、「再感染」の可能性(危険性)があることを認識できない。それゆえ、「人権は?」などと、見当違いなことを言う。
 人権が問題となるとしたら、14日間の感染が成功した場合のことだろう。それだったら、さらなる追加隔離の根拠は弱い。
 しかし今回は、再感染の危険性があるのだ。なのに、この人はその事実をまったく認識できない。安倍首相と同じで、自分の失敗についてはまったく認識できないのかもね。

 ※ なお、法的根拠なら、防疫法法の規定をそのまま使うだけでいい。現実の危険があれば、いくらでも隔離できる。(人権は関係ない。)

 (3)
 「これが300人なら、早めに降ろしてどこかの施設で過ごしてもらうことはできるかもしれません」と自分で言っている。だったらそうすればいいだろうに。
 別に、全員を1箇所にまとめる必要はない。あちこちの施設に分散隔離することもできるのだ。特に、(クルーズ船の)レッドゾーンの人とグリーンゾーンの人を区別して収容することができたはずなのだ。
 ところが、実際には、両方のゾーンの人を一つの船に乗船させて、しかも、たがいに動線がゴチャゴチャになるようにしておいた。最悪。
 また、300人でなく 3000人をまとめて収容するとしても、東京五輪の選手村という施設があった。
 仮に、その施設が見つからないとしても、とにかく「陸上施設に移すので、施設を捜す」という方針を明示するべきだった。そうすれば、1日もたたずに、「選手村がありますよ」という声が寄せられただろう。そのとき、自分たちの無知も判明しただろう。
 実際には、「陸上施設に移すので、施設を捜す」という方針は取られなかった。「どうせ無理だろ」と最初から諦めていた。これじゃ、
 「諦めたらそこで試合終了ですよ」
 を地で行く。
 かくて、現実には可能であったことなのに、「不可能だ」と思い込んで諦めたせいで、実現ができなくなった。

 (4)
 「3000人を超える、しかも多言語、多文化の人たちがいるというのは極めて困難な状況でした」
 というが、その多くは、チャーター機で外国に飛んでいった。日本政府の関与することではなかった。
 また、仮にその言い分が正としても、その場合には、外国人乗客だけをクルーズ船に留めておいて、日本人乗客については陸上施設に移転するべきだった。(期間内隔離の移転でもそうだし、追加隔離の移転でもそうだ。)
 いずれにせよ、「困難だ、困難だ」などと、「できないことの理由」を並べるべきではない。「なすべきことは何か」をいう、正しい方針を示すべきだった。そして、それが困難であるなら、衆知を求めればよかった。そうすれば、彼らには不可能であったことも、可能であるようにしてくれる人がいたはずだ。
 現実には、そうしなかった。
 「諦めたらそこで試合終了ですよ」
 を地で行くだけだった。それが、この人の失敗の最大の理由だ。つまりは、つまり、「やる気がなかったこと」だ。こういう「人を選んだのが、失敗の理由だったかも。

 なお、この失敗した人選と正反対のことをやったのが、豚インフルエンザのときの舛添厚労相(当時)だ。先に下記項目で示したとおり。
  → 新型コロナウイルスの話題 3: Open ブログ の (4)

 一部抜粋。
 2009年の豚インフルエンザのとき、舛添厚労相が若手の岩田健太郎を抜擢したので、厚労省は正しく対処できた……という証言がある。

 当時は有能な若手を抜粋したから成功した。
 現在は無能な老人を採用したから失敗した。
 その違いは、厚労省が誰であったか、ということだ。

 2009年当時の記事がある。
 舛添厚生労働相は19日の会見で、「新型インフルエンザの本格的な流行が始まったと考えられる」と、異例とも言える真夏のインフルエンザ流行入りを発表し、「自分が感染した時には全力で人にうつさないようにする。気持ちを引き締めて、国民の協力で、新型インフルエンザと闘っていきたい」と述べた。厚労省は、新型インフルエンザワクチン接種のあり方をめぐり、有識者や患者団体の代表による意見交換会を今月20日に開いた
( → 【新型インフルが本格流行】舛添厚労相が真夏のインフルエンザ流行入りを発表|薬事日報

 なお、このときの首相は、麻生太郎だった。麻生太郎が舛添を厚労相に任命した(留任させた)から、豚インフルエンザのときには日本は失敗しなかったのだ。
 
 ──

 別の問題もある。
 記事では、質問者も、回答者も、エピカーブとして前出の図を用いている。だが、この図には、次の難点がある。
 「 16日以前のデータしかない。17日と19日のデータ(大量の感染者が発生したという新報告)が抜けている」

 つまり、都合の悪い箇所を意図的に削除して、都合のいいところだけをつまみ食いにしているわけだ。捏造も同然だ。

 この件は、先に述べたとおり。
  → クルーズ船で感染拡大: Open ブログ の [ 付記9 ]

 要するに、間違ったデータ(捏造されたも同然のデータ)をもとにして、結論を出しているわけだから、砂上の空論も同然だ。ペテンも同然だと言えるだろう。
 こんなのを信じる(だまされる)インタビュアーも馬鹿すぎるが。
 
 ──

 ともあれ、全体としては、
 「再感染の危険性については理解していたが、それでも隔離は困難だったので、危険だとわかっていながら乗客を社会に解き放った」
 という趣旨だ。
 これはまあ、「故意のバイオテロ」を告白したも同然だろう。
 
 ──

 ※ いわば、感染研の所長といっしょで、グルになって、やっている感じね。感染研の所長の犯行については、下記。
    → クルーズ船で感染拡大: Open ブログ
    → 新型肺炎の検査拒否: Open ブログ
 
 
posted by 管理人 at 19:45| Comment(10) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 今(1月24日20:00)までのところ下船帰宅者970人で発症1人です。それでも船室内隔離後の感染が疑われますので大問題だと思います。
 ただ、自宅待機・健康状態確認を強化したようなので、もう数日様子を見てはどうでしょうか。アホ・バカ・カスはそれからでいいと思います。
 ちなみに米国帰国者で陰性確認後帰国して帰国後陽性になったのは4名(残りの14名は搭乗前に陽性確認済み)で全帰国者約330人なので約1/80の確率です。
 これが船室隔離後感染によるものなら、今後数日で国内帰宅者の〜10人が陽性化することが予想されます。しかし、最終的にその程度までならこれまでの乗客感染率約20%に比べ十分に小さく、船室隔離は完全ではなくても機能していたと言えるのではないでしょうか。
 一方、批判報道のイメージだと全感染者の半分くらいが船室隔離後の感染によるように感じますが、米国・豪州で帰国後に陽性者が増えていないようなので、それより小さいことは現時点でも言えそうです。
Posted by φ at 2020年02月24日 20:56
一言だけ追加;エピカーブは発症者数の推移で感染者の推移ではない、と思います。
Posted by φ at 2020年02月24日 21:00
> 残りの14名は搭乗前に陽性確認済み

 というのは米国人乗客の場合。
 日本人の場合にも「下船前に陽性確認済み」という人がいれば良かったのだが、日本人の場合には検査しなかったので、陽性になるべき人がすべてこぼれてしまっている。その全員が、社会に戻ってしまっている。
 したがって米国人のうち、対象者は4人でなく、14人だ。330人のうちの 14人ならば、4.2% となる。

 ──

 米国人乗客で感染が確定したのは 18人だが、他に、陽性ではあるが 確定しないのが 10人いるという。
  → https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200222-00000511-san-n_ame

 ──

  日本人の下船者 970人で換算すると、18人の場合で 40人ほどとなる。28人の場合で 60人ほどとなる。
 今後、数はさらに増える見込み。
Posted by 管理人 at 2020年02月24日 21:18
 エピカーブは、これを「感染者が激減していることの根拠」として使っている点で、根本的に使い方を間違えている、という話。
 エピカーブがどうのこうのではなくて、その解釈が狂っている、という話。
Posted by 管理人 at 2020年02月24日 21:21
 余計な悪口が多すぎたので、減らしました。
 汚い言葉で、失礼しました。
Posted by 管理人 at 2020年02月24日 23:23
誤記かな

東日本大震災のときの舛添厚労相(当時)

豚インフルエンザのときの・・
Posted by 鍋奉行 at 2020年02月25日 12:25
> by 鍋奉行

 ご指摘ありがとうございました。修正しました。
Posted by 管理人 at 2020年02月25日 13:00
 2月19日〜2月21日に下船されて自宅に戻られた970人の方のその後の感染数が7人となりました。厄介な感染症なので最終的な数ではないかも知れませんが、感染率は1%を切りそうです。
 感染者を社会にばら撒くバイオテロだと息巻いたメディアは何の反応もしていません。
 また、これらの方々の相当数は検査後の数日を船内で過ごされたと推定されます。数日で1%に満たないことから、船室内隔離後の感染拡大も欧米メディアが表現した感染の坩堝ではなかったと思われます。
 これに近いご主張をされていた管理人様は事態をどのように評価されますでしょうか。全然別の話題ですが、将棋の三浦九段のA級残留についても何か仰るべきかと。
Posted by φ at 2020年03月16日 11:26
 クルーズ船のその後の感染数が7人だけかどうかは、はっきり判明していない。全員検査ではなく、発症した人を検査しただけだ。もともと発症していない人だけが対象だったから、感染しても発症しない人が多く含まれていたかもしれない。
 下船日にスポーツジムに行って、その後に感染が判明した人もいる。静岡の例。

 それでも被害が思ったよりも少なかったが、これは、下船した人の多くが自宅に閉じこもっていたから。各人の努力のおかげであって、政府の方針が正しかったというわけではない。
 バイオテロをしたが、たまたま不発だったわけで、バイオテロをしたということ自体が許されるわけじゃない。そんな結果論で言ったら、結果的に不発だったテロ活動はすべて許されてしまう。「未遂は無罪」だ。ひどい。

 もっとも、陰性の人を強制的に隔離する法律がなかった、というのも問題だが。少なくとも、ホテルか病院に隔離されることを望んだ人には、ホテルか病院への隔離を実施するべきだった。

 クルーズ船は 3700人中の 697人が感染なので、「感染のるつぼ」であったことは間違いない。早期に下船させて、陸上に分散隔離しておけば、こんなには増えなかっただろう。

 三浦九段はもともと実力があったわけだし、「インチキをして昇段した」わけでもない。また、A級残留といっても、最下位だし、褒められるほどのことでもない。けなされるほどでもないが。 なお、勝率は 2015年 だけが突出している。
  http://shogidata.info/personal/miurahiroyuki.html
 将棋の話題で言うなら、渡辺三冠の方がすごい。A級全勝だし。今や最強でしょう。一時は不振だったのに、すばらしい復活だ。将棋ファンなら、こっちを褒めるべきでしょう。昇級できなかった藤井さんよりも、はるかにレベルが上だ。

Posted by 管理人 at 2020年03月16日 12:39
「全員検査ではなく、発症した人を検査しただけだ。もともと発症していない人だけが対象だったから、感染しても発症しない人が多く含まれていたかもしれない。」に関して一言だけ。
 クルーズ船の有症感染者(301名)と無症状感染者(318名)の比率はほぼ1:1です。
 7名有症感染確認で全感染者数はせいぜい20名かと思います。(統計に関する能力なく自信はありませんが)
 感染率2%と少ないとは言えバイオテロですね。
Posted by φ at 2020年03月16日 13:19
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