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トクホとは何かは、下記。
Q 「特定保健用食品(トクホ)」とはなんですか?
A 「特定保健用食品(トクホ)」とは、有効性、安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁(※)の許可を受けた食品のことを指します。
( → サントリーお客様センター )
トクホの宣伝がしばしば新聞やネットで目に付く。たとえば、本日の朝日新聞には、次の折り込みが別紙で挟み込まれた。(配達レベルで。)

ここには、次の記述がある。

「たった1本で牛乳4本分」という文字がデカデカと表示されている。これを読むと、読者は、
「たった1本で牛乳4本分の効果があるのか。すごいな。これだけでカルシウム摂取は十分だな」
と思いそうだが、とんでもない。実は、大きな文字のあとに、小さな文字で、こうある。
「の MPB 配合」
つまり、MPB が牛乳4本分であるだけだ。カルシウムが牛乳4本分であるわけじゃない。この1本を飲んだところで、カルシウムの摂取は十分ではない。
では、カルシウムはこのトクホにはどれだけ含まれているか? ちょっと調べてみたところ、表示がなかったので、精確な値はわからなかった。だが、「ほとんど含まれていない」と見なしていいはずだ。なぜなら、カルシウムは水溶性ではないので、ただの飲料であるこのトクホにはほとんど含まれているはずがないからだ。
しらす のような固形物になら、カルシウムはたっぷりと含まれている。ワカメなどの海草類にも、かなり含まれている。
牛乳をはじめとする乳製品はカルシウム源としてもっとも効率がよく、豆腐や納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚、ひじき・わかめ・のりなどの海草類、小松菜やちんげん菜などの緑黄野菜も優れています。
( → どうカルシウムをとればよいの? | 公益財団法人 骨粗鬆症財団 )
これらはいずれも固形物だ。そのなかに、水に溶けないカルシウムも含まれている。
一方、本項のトクホの商品は、ただの飲物だから、水に溶けないカルシウムが含まれているはずがない。(微量には含まれるだろうが。)
要するに、このトクホをそれだけで飲んでも、ほとんど効果がない。いっしょにカルシウム入りの食品を摂取する必要がある。
そして、カルシウム入りの食品を摂取するのが十分であるならば、このトクホの商品をいちいち飲む必要などはないはずだ。
実際、効果もたかが知れている。そのことはメーカー自身が明示している。

効果があるといっても、たったの3%程度だ。「皆無ではない」というぐらいの意味しかない。それでいて、10本 980円( 30本 5500円 )という高価格の料金を取る。馬鹿馬鹿しい。
錠剤換算で言うなら、1粒 100円( 180円 )なんていう馬鹿高値の錠剤は、ほとんどあるまい。(本格的な病気の治療薬ならともかく、ただの栄養補助食品では。)
結局、今のトクホは、こうなっている。
「ほとんど効果がないものを、多大な効果があると見せかけて、馬鹿高値で売りつける」
つまり、詐欺も同然だ。
先に述べたように、「大きな文字で効果を宣伝して、その真実は小さな文字で書き添えるだけ」という虚偽宣伝がまかり通っている。こんなのは、消費者庁が規制するべきなんだが、それもできないようだ。
だったら、トクホなんてものは、すべて廃止した方がいいかもしれない。
ま、廃止というのも厳しすぎるかもしれないので、だったら、消費者庁がきちんと仕事をして、誇大宣伝を取り締まるべきだ。特に、トクホでは。……なぜなら、健康詐欺の宣伝がまかり通っているからだ。
[ 付記 ]
上記のトクホが駄目なら、どうすればいいか?
その件は、すでに別項で述べた。しらす と ワカメ だ。(骨入りの)サバ缶などでもいい。
→ サイト内 検索
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さらに、もう一つ。カルシウムを吸収するためには、単に食品を食べるだけでなく、日光を浴びることが決定的に重要だ。さもないと、くる病になる危険もある。(特に小児。)
この件は、前に述べた。
→ 育児と日光浴の誤解: Open ブログ
日光浴に加えて、運動をすることも有益だ。
※ 普通に健康な生活をしていれば、特に不健康になることはないはずだ。MPB のような特殊な栄養素が人体に必要不可欠であるはずがない。……その意味でも、ほとんどのトクホはほぼ無益に近いと言っていいだろう。効果は皆無ではないにせよ、針小棒大な宣伝をしているにすぎない。
※ 食品ではっきりと効果があるのは、大豆ぐらいだ。
→ 大豆で健康に(ガッテン): Open ブログ
→ 大豆で長生き: Open ブログ
【 関連項目 】
ユーグレナという健康食品も、ろくに効果がないくせに、多大な誇大宣伝で消費者をだましている。この件は、前に述べた。
しかし、ミドリムシが栄養食品だというのは、ひどい詐欺だ。
( → ユーグレナは詐欺か?: Open ブログ )
上記項目では、事情を詳しく説明しているので、読むといいだろう。
ユーグレナの過剰な宣伝については、下記項目で示した。
→ ユーグレナの新聞広告: Open ブログ