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クルーズ船で新型コロナウイルスの感染者がどんどん増加している。
17日には、こうだった。
厚生労働省は17日、横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに乗客ら99人について新型コロナウイルスの感染が確認されたと明らかにした。
( → クルーズ船で新たに99人陽性 感染者454人に:日本経済新聞 )
さらに 19日には、こうなった。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で、19日新たに79人の感染が確認されました。
このうち、発熱などの症状が見られない人は68人いるということです。
これでクルーズ船では、乗客・乗員の延べ3011人の検査が行われ、合わせて621人の感染が確認されたことになります。
( → クルーズ船 新たに79人の感染確認 | NHKニュース )
「延べ3011人の検査」ということだから、平均して1回も検査していないことになる。(乗客・乗員の合計は 3800人)
当然ながら、2月5日の検査のあとでは、再度検査を受けた人はほとんどいないはずだ。実際、「再検査を受けていない」という乗客の証言もある。前々項の東京新聞の例のほか、朝日新聞や、FNN の例がある。
ともあれ、これほどにも続々と感染者が見つかっているのだだ。ならば、すでに下船した人のなかでも感染者は増えているはずだ。下船していない約 1000人のうちで 79人の感染が見つかったのだから、下船した 500人のうちで 40人ほどが感染していていいはずだ。彼らについては、再検査がなされていないようだが、再検査すれば、感染者が見つかるだろう。さらに、潜伏期を考えれば、今後はもっと多くの感染者が見つかりそうだ。
今回は、79人の感染者が見つかったが、この 79人を除いて、新たに 900人ほどが今日、明日に下船する。そこでも感染者が発生するだろう。
ざっと見て、合計して 1400人ほどが下船して、そのうち、ざっと 200人ぐらいが感染者であると見込まれる。これだけの感染者が市中に解放されたわけだ。
となると、ここから二次的に感染者が拡大していくことになりそうだ。
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この件では、外国メディアからも、批判が続出しているそうだ。
《 クルーズ船 下船した人たちへの対応疑問視 海外メディア 》
下船した人たちへの日本政府の対応について、海外のメディアからは疑問や懸念の声が相次いでいます。
( → NHKニュース )
NYタイムズ、BBC、ロイターの批判記事が紹介されている。ま、当り前なんですけどね。
なのに、その当り前が通らないのが、日本政府だ。まともに答えず、こう答える。
菅官房長官は、20日午前の記者会見で、集団感染が確認されたクルーズ船をめぐる日本政府の対応に、海外メディアなどから批判が出ていることについて、「政府の取り組みは適切であると思っている。これまでも各国大使館への説明会などを行ってきているが、引き続き政府の取り組みについては内外に丁寧に説明をしていきたい」と述べました。
「説明していきたい」と答えるだけで、何も説明しない。口先だけの空虚な言葉。そんなゴマ化しが海外に通用すると思っているのだろうか?
官房長だけでない。橋本岳・副大臣も、「船内ではきちんと対処しています」という発言を出した。
しかし、それがメチャクチャなので、さっそくツイートの返信で批判を浴びている。
→ 橋本岳 / Twitter (削除済みなので、魚拓)
→ 岩田健太郎・医師による指摘
趣旨は次の通り。副大臣は、
「ゾーニングはされていないと批判されているが、きちんとゾーニングをしているぞ。惚れ、この通り。(画像)」
と威張って画像を見せた。
ところが、それで示したゾーニングというのが、通路の右側と左側を、ロープで区切っただけ。当然ながら、飛沫感染の恐れは多大にある。こんなものを「ゾーニング」の見本として示したのだから、ひどいものだ。
この恥ずかしい素人発言を、チェックしてくれる人もいなかったようなので、独断専行もひどい。無能の極致と言えそうだ。
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以上のように、政府は「きちんと対処しました」と強弁しているが、そのほころびはすでに目立っている。
今後、上述のように感染者がどんどん拡大していくと、政府の方針の失敗は明白となるだろう。
そして、そのとき、政府はきちんと自分たちの失敗を認めるべきだ。失敗したところまでは(無能ゆえに)仕方ないのかもしれないが、失敗が判明したあとでは失敗をきちんと認めるべきだ。そうしてこそ、以後の是正が可能となるからだ。
しかし、「失敗を認める」というのは、安倍内閣では最も困難なことだ。嘘八百のデタラメを並べることで、何としても失敗を認めない。……それが安倍内閣の体質だ。
となると、このあと、日本という国は破滅に向かうしかないのかも。中国の武漢のように。
(バイオテロをするような)テロリストが首相になると、こういうハメになるのだ。
それにしても、昨日、岩田健太郎・医師の警告があった時点で、下船を中止しておけば、こんなことにはならなかっただろうに。こういう事態を招いた政府の罪はきわめて重い。
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最後に、私見だが、予測を述べておこう。
今後は、感染者の急増があると予測できる。
第1に、19日〜21日に下船した乗客( 1400人)のなかで、 200人規模の感染が発生するはずだ。
第2に、そこからひろがる二次感染がある。その規模は、下船した乗客が外出するかしないかにかかっている。家に閉じこもってくれればいいが、仕事のある人なら、仕事を休むわけには行かないので、外出するだろう。また、買物や通院などで外出することもありそうだ。となると、二次感染もいくらか広がりそうだ。(数百人規模になるかもしれない。)
本来ならば、ホテルなどに隔離されることで、そういう二次参戦は起こらなかったはずなのだが、政府は「厳選した乗客はすべて安全です」という嘘を宣言したので、二次感染が広がることになるはずだ。
なお、20日の下船 500人は、すでに実行された。これで 計 1000人が、すでに社会に放たれたことになる。
→ クルーズ船、20日は500人下船:一面:中日新聞
[ 付記1 ]
野党はどうか? デタラメな政府の方針を批判して、下船乗客の隔離を求める声も出ている。
乗客の下船が始まる中、下船者から感染が広がるのではないかと不安視する声が出ている。
「自宅に帰り、満員電車に乗り、デパートに買い物に行き、映画を見に行くことまで認めて本当にいいのか。2週間隔離するのが賢明な判断ではないのか」。野党共同会派の山井和則元厚生労働政務官は 19日の衆院予算委員会で、下船者に対する日本政府の対応に疑問を呈した。
山井氏の追及に対し、加藤勝信厚労相は「新型コロナウイルスは分からない。(待機期間が)本当に 14日間でいいのかも。要するにどこで判断するかだ」と苦しい答弁に終始。山井氏は「分からないなら、最悪の事態を想定するのが感染症対策ではないか」と政府の対応を批判した。
19日の自民党の対策本部会合でも、出席者から下船時の感染リスクを懸念する声が上がった。安倍晋三首相は 19日、首相官邸で会談した公明党の山口那津男代表に「下船する人をしっかりフォローアップしていく」と強調した。
( → 日常生活復帰に不安の声 政府の下船者対応、各国と差―新型肺炎:時事 )
フォローアップだって。乗客へのサービス提供のことしか考えていないようだ。「感染拡大の阻止」という公衆衛生の概念は全然ないようだ。それが首相だ。
次の記事もある。
→ クルーズ船対応に内外から批判−野党から下船乗客の隔離求める声も - Bloomberg
[ 付記2 ]
首相や大臣などの責任は大きいが、政治家だけが悪いとは言えない。実は、専門家である感染症研究所長も、このひどい事態を容認しているからだ。
下船した乗客について、次のように述べた。
19日夜に開かれた政府の専門家会議終了後、座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「感染管理は十分にできていたと会議で判断された」と述べた。
( → (時時刻刻)船内感染対策、疑念の目 600人超感染/マスクせぬ人/「予防、不十分」 新型肺炎:朝日新聞 )
下船した乗客について、「感染管理は十分にできていた」だって。呆れる。事実誤認というしかない。いや、事実の隠蔽だね。
こういう隠蔽があったことは、前項でも指摘したが、国立感染症研究所長が隠蔽をしていたとはね。まったく、とんでもないことだ。
かくて(政治家と役人という)国ぐるみで、バイオテロは実行された。あとは感染の拡大を待つばかりだ。
[ 付記3 ]
最新情報で、大阪府の独自措置が発表された。
《 クルーズ船の下船者、大阪府が独自に14日間の経過観察 》
大阪府の吉村洋文知事は20日、新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に乗っていた府民について、独自に14日間の経過観察を行う考えを示した。自宅待機を求めて保健所が1日最低1回、熱や体の状況を確認するという。
政府は乗客に、下船後2週間は不要不急の外出を控えてもらい、保健所などから定期的に連絡し健康状態を確認することを求めているが、府は厚生労働省から府民の乗客のデータ提供を受けて独自の対応を上乗せするという。
( → [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞 )
厚労省は、この人々から下船時に確実につながる連絡先の提出を受けて、電話やメールで定期的に連絡を取って、健康状態を継続的に確認するとしている。
( → 陰性確認でクルーズ船下船後は... - FNN.jpプライムオンライン )
大阪府は「1日最低1回」とのことだから、十分な頻度だと言える。一方、政府の方針は「定期的に確認」だから、どの程度の頻度であるかは不明だ。政府がまともに連絡をすれば、大阪府の方針は不要だが、どうやら不十分にしかやらないようだ。
※ なお、朝日の記事は、文意が不明だ。連絡するのが、厚労省なのか乗客なのか、はっきりしない。FNN の記事を見ると、厚労省が乗客に連絡をするとわかる。(日本語のできない朝日記者。)
[ 付記4 ]
クルーズ船で働いていた政府職員の感染が新たに判明した。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で業務にあたっていた厚生労働省と内閣官房の職員あわせて2人の感染が、新たに確認されました。
感染が確認されたのはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で業務にあたっていた、厚生労働省の40代の男性職員と内閣官房の30代の男性職員のあわせて2人です。
( → クルーズ船厚労省職員ら2人感染|NHK 首都圏のニュース )
記事によると、勤務したのは 12日からと、11日から。それでいて、感染が判明した。一方、下船の基準となった検査日は2月5日。
つまり、下船した人は、2月5日の時点で感染していなかったので「大丈夫」ととなったのだが、実はそのとき感染していなかったことは何の根拠にもなっていない、と判明したわけだ。
実は、この件は、今になってわかったというほどではない。すでに本日の朝日・朝刊で、こう報道されていた。
「感染する覚悟で働いているからね」 関東地方の50代の女性は19日、船内で働く20代の娘から、そんなLINEのメッセージを受け取った。
娘の説明によると、横浜港に到着した直後は、配られたマスクが話しにくくて業務で使えなかったため、自衛隊から受け取ったマスクを洗って何日も使っていたという。検査で陽性が確認された人の誘導も乗員が担っていたが、手袋やマスクといった簡単な対策しかとっていなかった。せきがとまらない乗員もおり、救急搬送される人が出始めたという。 乗員が寝泊まりする部屋は相部屋だ。
( → 「感染覚悟で働いてるから」船内の娘から届いたLINE [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞 )
船内の勤務者の状況は「感染する覚悟で働いているからね」というほどひどいものだった。そして、その覚悟の通りまさしく感染者が出たと判明したわけだ。
感染者は、この2名だけではあるまい。もっと多くが感染しているはずだ。たぶん、症状が出て確認されたのがこの2名だけだ。今は無症状か軽症状の人も含めれば、今後はさらに感染者が続出するだろう。何しろ、クルーズ船の乗員は 1000名もいるのだから。乗客のように高齢者が多かったわけではないので、乗客と同様の感染率だとは言えないが、それでも多くの感染者が出ると予想される。
[ 付記5 ]
ゾーニングが不備だという岩田・医師の指摘を受けたのだろうが、自衛隊が装備を強化することを決めた。
自衛隊は「ダイヤモンド・プリンセス号」船内におけるゾーニングに関する疑念に対応するため、本日、隊員の個人防護装備の強化することとしました。
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) February 19, 2020
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薬剤仕分け区画で作業をする隊員については、これまでサージカルマスクと手袋を着用し作業に当たっていましたが、感染リスクを局限するため、本日からガウン、ヘアキャップを追加で着用しています。
→ #防衛省・自衛隊 #新型コロナウイルス感染症
岩田医師が指摘した甲斐があった、というものだろう。(彼を批判する人も多かったが。)
[ 付記6 ]
新たな証言が出た。
クルーズ船内に派遣されていた医療機関のスタッフが、「岩田先生の証言は正しいと確信していることを伝えたい」と、ハフポスト日本版の取材に応じた。
( → 「声を上げられないスタッフを代弁してくれた」岩田健太郎氏の動画に、船内スタッフが沈黙破る | ハフポスト )
「ゾーニングできていないのは明白」
「衛生管理の知識が共有されていなかった」
という2点を強調している。
なお、このスタップは、匿名だが、記者には素性を明かしている。
[ 付記7 ]
政府の専門家から、とんでもない発言が出た。
感染症疫学センター長らが 20日に記者会見し、船内の乗客への感染は個室待機が始まった5日以前に広がり、発症は7日をピークに減っていたと発表した。鈴木センター長は、感染から発症するまでに通常5〜6日程度かかることを踏まえ、「個室待機が行われて船内の感染拡大が抑えられた」と述べた。
( → クルーズ船内、感染拡大は個室待機前…感染研・鈴木氏ら : 読売新聞 )
本項の冒頭で述べたとおり、新たな感染者は大量に発生している。
・ 17日には 99人
・ 19日には 79人
だ。こういうふうに「感染拡大」が続いている、という現実を理解できていないようだ。
[ 付記8 ]
20日の夜、新たに 13人の感染が判明したと報道された。
→ 新型ウイルス クルーズ船 新たに13人感染確認 | NHKニュース
これまでは 17日に 99人、19日に 79人。今回は 20日に 13人だ。すでに下船した人が 1000人で、残るのは 400人だから、残りは全体の 3分の1。そこで 13人が見つかったわけだ。
とすれば、下船した 1000人のなかには 30人ぐらいの感染があるはずだ。そう計算できる。(推定値)
[ 付記9 ]
[ 付記7 ] で感染研の主張を示したが、この主張は [ 付記8 ] の事実と矛盾する。その詳細の事情が判明した。
感染研のデータは、いわゆるエピカーブのことで、これは下記にある。
→ Field Briefing: Diamond Princess COVID-19 Cases
このページに、下記タイトルの図がある。(青色とオレンジ色の図)
「Number of confirmed COVID-19 cases with reported onset dates, by onset date, aboard Diamond Princess, 6 ? 17 February 2020 (n=151)」
これを見ると、確かに、「発症は7日をピークに減っていた」と言えそうだ。
しかるに、現実の感染者数は、17日と19日と 20日には急増している。先のデータは、感染研のエピカーブ(の示す傾向)とは食い違う。
( ※ データの日付が違うので、データそのものが矛盾しているわけではない。だが、データの示す傾向が、突発的に変わっているので、傾向が矛盾する。)
これはどういうことか? その理由は、次のことからわかる。(前出)
これでクルーズ船では、乗客・乗員の延べ3011人の検査が行われ、合わせて621人の感染が確認されたことになります。
( → クルーズ船 新たに79人の感染確認 | NHKニュース )
「延べ3011人の検査」ということだから、平均して1回も検査していないことになる。(乗客・乗員の合計は 3800人)
つまり、2月6日〜2月16日まででは感染者の発生が少なかったのは、単に「全数検査していなかった」からなのだ。「検査しても見つからなかった」のではなく、「検査していなかったから見つからなかった」だけなのだ。そして、2月17日から感染者数が急増したのは、「検査数が大幅に増えたから」であるのだろう。理由は下記。
国は下船する人全員に対して検査をしたい考えで、民間にも協力を求めて一日あたり1000件を超える検査ができるよう態勢の増強を急いでいます。しかし、現在、検査できるのは国立感染症研究所のほか、羽田空港など3カ所の検疫所で、可能な検査数は一日300件程度にとどまっています。
( → 横浜港クルーズ船 下船に向け全員検査の態勢増強へ:テレ朝 2020-02-12 )
「一日あたり1000件を超える検査」をめざしたのが、2月12日。そして、それが実現して判明したのが2月17日。それまでは一部しか検査していなかったから、一部しか判明していなかったのだ。そして、1000件以上を検査できるようになったら、99人、79人という数が一挙に表面に出たわけだ。
結局、感染研のデータは、ほとんど何の意味もなかったデータであったことになる。そして、そういう意味のないデータに基づいて、政府は「感染研では感染の新規発生がないと言っているので、下船を決めた」という方針を取ったわけだ。
もう、メチャクチャである。(感染研によるデータの捏造で下船を決めた、と言っても過言ではない。)
※ ついでだが、「エピカーブを取っていない」という岩田医師の批判は正しかったことになる。これに反論して、高山医師が「エピカーブは感染研で公開されている」と主張したが、実は、そのエピカーブは、意味のないデタラメなデータであったことになる。(何しろ全数検査していないのだから。)「感染者数はごく少数でした」という報告が出たが、その理由は「ほんの一部しか検査していなかったからです」というわけ。デタラメにもほどがある。
※ なお、感染研のページでは、21日・朝の時点で、データが更新されていない。つまり、17日、19日、20日に大幅な感染者が見つかったことが、グラフに反映されていない。つまり、古いままのデータが訂正されていない。……これは隠蔽・捏造の意図があったことが明白になるね。悪質極まりない。安倍首相の十八番である「都合の悪いデータを隠す」という方針が、感染研でも取られていたことになる。もはやテロリストも同然だ。
※ そもそも、データを英文でだけ公表して、日本語のページでは公表しない……というのは、どうよ。これでは岩田医師が見落としたのもやむを得まい。/ 感染研は、いったい何のためにデータを出しているんだ? 国民の健康のためか? それとも、自分たちのアリバイを出して、免責を受けるためか? たぶん、後者だろう。呆れる。
※ 21日になって、感染研が新たな報告を出した。( → 記事 )やはり 16日以前のデータしか出さず、17日以後のデータを隠している。明らかに故意の隠蔽だね。ひどいものだ。
【 関連サイト 】
感染力が強いことについては、エアロゾル感染の可能性が生じた。
中国国家衛生健康委員会は19日、新型コロナウイルスの感染ルートについて、従来の飛沫(ひまつ)感染と接触感染に加えて、霧状に浮遊する粒子に混じったウイルスを吸引する「エアロゾル感染」の可能性があるとの見方を示した。
エアロゾル感染は、感染力が非常に大きい空気感染とは異なるとされるが、患者のせきやくしゃみによる飛沫感染と比べると感染範囲は拡大する。
( → 「エアロゾル感染」可能性認める 中国政府 新型肺炎 「飛沫」より感染力 - 産経 )
参考:
→ 飛沫(ひまつ)感染と空気感染の違いって何だろう?
タイムスタンプは 下記 ↓
タイムスタンプは 下記 ↓
国立感染症研究所が発表している概況に書かれているのは発症日であった感染の判明日ではありません。
症例が少なさは問題があると感じますが、判明日>発症日になることは当然でデータ自体がデタラメということはありません。
あと、16日までのデータしかなくて、17日以後のデータを隠しているのがデタラメだ、という意味も。
データそのものをいじっているのではなく、データを別のデータだと見せかけているのが問題だ、という意味。「一部を全体に見せかける」という手法。詐欺的。
→ https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200221-00163910/
・1)検疫医療スタッフ 2)乗員 3)乗客の3群はそれぞれ隔離レベル(行動パターン)、防御レベルが異なり、区別して論じるべきである。
・「1)検疫医療スタッフ」については、岩田教授の指摘のとおり防御態勢に不備があり、5名の感染者(検疫官1、和歌山DMAT看護師1、厚労省職員2、内閣官房職員1)を出した。このことの責任や原因はともかく、感染者が確認されているにも関わらず、この群の隔離については、岩田教授自身が自己隔離をしている他は情報がなく、問題だと考える。
・「2)乗員」については、隔離対象とはできておらず感染が継続していると考えられる。また、2月15日に方針転換をし、症状がない非濃厚接触者へも遺伝子検査対象へと拡大したのはあくまで「3)乗客」群のみであり、本群1,045名については症状のある者・濃厚接触者のみを検査していると思われる。
→ ブログ記事本文の「「延べ3011人の検査」ということだから、平均して1回も検査していないことになる。」は、「2)乗員」が全数検査ではないためと思われます。[ 付記9 ]の一部記述についても同様。
→ [ 付記4 ]は「1)検疫医療スタッフ」「2)乗員」の両方の話が混じっており、記述が微妙と感じます。
・「3)乗客」については、客室レベルでの隔離実施しつつも、防御・隔離が不完全である 1)群 2)群 との接触があった点、散歩時間があったということで乗客間の感染、その他、客室以外の空間の共有、客室内外での空気など、隔離後も一定のリスクにさらされていたと考えられるが、隔離状態から少なくとも 2)群 よりは隔離実施後の感染リスクは低いと考えられる。
→ [ 付記8 ]の推計値は、 2)群 3)群の区別がなく、2)群は下船していないため、過大な推定になると思います。
・遺伝子検査の適用範囲を2月15日に方針転換し、症状がなく濃厚接触者でもない「3)乗客」全数を遺伝子検査対象へと拡大した結果、未発症感染者も含めた感染者が発見され、その人数が下船開始の2月19日まで感染者として日々報道されることとなった。未発症感染者を含む感染者数は、遺伝子検査の検査実施能力の漸増もあり、検査対象を重症者→軽症者→濃厚接触者→未発症感染者の濃厚接触者→全数と広げたことも想像でき、経時的な感染拡大を必ずしも示していないと考えられる。
→ [ 付記7 ]の「「感染拡大」が続いている」は不明で、報道されていた感染者数は、未発症感染者を中心にカウントアップしたものと考えられます。
・未発症感染者に関する疫学知見は、そもそも他の感染症においても少なく、本件新型コロナウイルスについても武漢からのチャーター便避難者の一部など、ごく限られた情報しかない。
・感染研の2月19日(日本語版21日?)掲載レポートは、(上記項目も背景にあり)発症者を対象としたエピカーブに着目しており、日々報道されていた「未発症感染者を含む感染者数」とは別の数値を参照している。結果として「3)乗客」についての隔離による感染抑制が奏効している傾向は一定示されている。
・発症者は、遺伝子検査結果が出て確定診断となるまでのタイムラグはあるとしても、発熱などの症状による抽出により、一貫して全数が検査されていたと考えられる。
→ [ 付記9 ]「ほとんど何の意味もなかったデータであったことになる。」の前後は、誤認に基づく、誤った記述と言えると思います。(一方で、2月21日になり、下船したオーストラリア人164人名のうち発熱者6名検査で2名陽性との報道もあり、これが隔離後感染である可能性は高く、もしくは長期潜伏で偽陰性であった症例だとしても、下船者に感染者が存在するリスクが高いのは明瞭となったと考えます。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200221/k10012294941000.html)
・感染研の2月19日(日本語版21日?)掲載レポートは、学術論文の体裁となっており、感染研が学術研究機関でもあることから、投稿対象とする学術論文誌に合わせて英語表記のもので著者間でレビューを済ませたと考えると、当初英語版のみの提供となり、追って日本版の提供となった点は違和感はない。
・感染研の2月19日(日本語版21日?)掲載レポートは、一番症例数が多い情報でも「発症日ベースでn=151」とする2月17日までの確認情報であり、発症日不明の患者数やその診断日、未発症感染者の確認日、また2月17日よりあとの発症者といった情報を欠いている。起きている感染危機の情報提供として不足があり、タイムリーさを欠いており続報もなく、危機発生に際しての情報開示として不十分である。ただし説明責任が感染研にあるとは限らず、船内の指揮命令系統についての情報を元に考えると、むしろ厚労省や政府にあると考えられ、学術論文形式として下船判断時点ではあるが情報をまとめ、一定の公開を果たし感染研は賞賛すべき面もあると考えられる。(ただ下船判断は、状況に応じて覆す必要がある種類の判断であり、最新情報を元に継続して評価していないとすると、問題である)
→ 上記2項目は、末尾の「そもそも、データを英文でだけ公表して〜」「明らかに故意の隠蔽だね。ひどいものだ。」に対しての両論併記になります。
以上
これが国の研究所のやることか?!と思います。(むしろ、国直轄の研究所だからやるのかな?もし独法ならやらなかったかも)
にお答えします。
>> 「ほとんど何の意味もなかったデータであったことになる。」
の件ですが、おっしゃるように、
> 結果として「3)乗客」についての隔離による感染抑制が奏効している傾向は一定示されている。
というのは、わかっています。だから「ほとんど」という言葉を付けて、弱めているんです。皆無ではなくて、上記のことぐらいの意味はある、という趣旨。
とはいえ、そのくらいの意味はあったとしても、一番肝心である
「下船を認めるための根拠としての報告」
としては、
「隔離による感染抑制が奏効しているので、下船を認めていい」
と結論しました。そのせいで、政府は下船を決断しました。「感染症が安全だと保証しているから、下船を認めている」というふうに。
結局、話の大本として、「下船を認めていい」ということの根拠となってしまったので、根本的には大間違いであった、というしかない。学術論文として数値的な正確さにこだわったあげく、話の全体の趣旨を根本的に誤ってしまった。そのせいで、日本国民を大幅に危険にさらすことになった。
> 2月21日になり、……下船者に感染者が存在するリスクが高いのは明瞭となったと考えます。
それを前もって予言していたのが、本項(と前々項)です。感染研の報告は、一部には正しい点が含まれていたが、その大部分は真実を隠蔽していたのであり、政府の方針を誤らせてしまいました。一部の「安全」という古いデータを過度に強調した一方で、「危険」という最新データを一切記載しませんでした。(すでに公表されているのに。)
何にせよ、結果として下船者の追跡と隔離が大事であったことは間違いなく、また情報開示が不足しているのも100%同意です。
また、感染研のレポートも、もっとデータを開示してくれないと判断つきませんが、(下船させるという判断を補強し、隔離が成功したという)結論ありきで作っているような印象は、私も持っています。
逆に言うと、これだけ諸外国の報道機関を中心に批判が出ている中で、(無症状の人を除く)エピカーブが綺麗に終息していれば、もっと政府サイドから発症者と感染者の違いを説明するような情報発信があるのが自然とも感じます。
説明責任(隠蔽主義)、方針決定者の合理・科学的素養、結果責任、権威主義、ここらへんが悪い方に振り切れていて、エライ人が一度決めた方針に妄信して進むのは、太平洋戦争の敗戦となにも変わってないなと感じます。少しづつでも変えて行かないとですよね。
長々とコメント欄をお借りしてすみませんでした。それでは。