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新型コロナウイルスの件では、日本政府は危機管理ができていない。
前項でも述べたように、乗客の多くが感染している疑いが強いのに、感染の検査もしないまま下船させる……という暴挙があった。
これは、本件に限らないのだが、危機管理ができていないことが多い。(台風の騒動でもそうだった。)
では、どうするべきか?
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いきなり結論を言おう。危機管理の方法は、こうだ。
「最高責任者(首相・社長など)が、問題の解決のため、有能な人材を1名選任して、その人材に全権を委託すること」
ここでは、有能なリーダーを選任することが何よりも重要だ。ここで馬鹿や無能や凡人を選任しては、以後のすべてがおシャカになるからだ。たとえば、次の方法では駄目だ。
・ 身近にいるイエスマン
・ 首相に忠誠を誓う人
・ 経歴や肩書きのあるベテラン専門家
かわりに、次のようなタイプが好ましい。
・ エネルギッシュで体力あり。(中年)
・ 卓抜なリーダーシップ。
・ できれば、高度な専門知識あり。
このような人材を選ぶ。通常、部下から推薦を受けたあとで、1名を選任する。なるべく、自分1人の独断でなく、数名の部下の支持を得るべきだ。衆目の一致する人材が好ましい。
こうして有能な人材を選んだら、その人材に全権を委託する。
当然だが、予算や人事の権限も重要だ。財務や人事の権限者の承認を受けた上で、何でもやり放題になることが好ましい。(なるべく、やり放題にするように、トップがあらかじめ各部門に指示しておくべきだ。)
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これ以後は、全権を受けたリーダーの役割となる。
全権を受けたリーダーは、どうするべきか? その指針を述べたページがある。実際に「危機管理をしたリーダー」の体験記だ。とても有能な人だったらしく、その体験記も有益だ。
→ 重大事故の時にどうするか?|miyasaka|note
ここでは、心構えが大事だ。それは、ページの冒頭に、画像で示しである。
「正直に誠意を尽くすこと」
細かな手法の前に、上記の心構えが何より大事となる。
その上で、「情報は公開する」というような原則も出てくる。
なお、情報を公開することは大切だ。公開することで、批判を浴びて、修正が可能となる。逆に、隠蔽しては駄目だ。隠蔽すると、大暴走しかねない。
※ 情報公開が大切だということは、前項の岩田健太郎も言っている。下記で何度か強調されている。
→ 【書き起こし】岩田健太郎さんのYouTube動画
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なお、上記で述べたような「危機管理」の実例としては、東日本大震災のときの、日本政府の対応がある。菅直人首相が、枝野を選任して、全権を与えた。かくて、政府は一元的な対応ができた。枝野はろくに眠らずに対処したが、( 46歳なので)年齢的にも十分に対処できる体力があってのことだった。( 55歳の今では無理だろうが。)
ともあれ、国難における「危機管理」は、菅直人政権はできたのだ。安倍政権はできないが。
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安倍政権の対処については、ひどいことがすでに判明している。前項でも述べたように、岩田健太郎の証言がある。それによると、彼が乗船して調査したら、厚労省の圧力・命令で、船から追い出されたそうだ。
では、誰がその命令を出したか? それについては、追い出した本人が自分で告白している。
お見掛けした際に私からご挨拶をし、ご用向きを伺ったものの明確なご返事がなく、よって丁寧に船舶からご退去をいただきました。多少表情は冷たかったかもしれません。専門家ともあろう方が、そのようなルートで検疫中の船舶に侵入されるというのは、正直驚きを禁じ得ません。
— はしもとがく(橋本岳) (@ga9_h) February 19, 2020
しかも、自分の発言と矛盾している。(画像参照)
橋本岳さんは、[A]では会ったと言い、[B]では会ってないと言う矛盾している。どうでも良いが今日も医療関係者の感染が確認され、DMATも既に数名感染している事実環境で橋本さんは適切でしょうか?私にはそう見えない事実が多いと思っている。 pic.twitter.com/RYucARnx4L
— shoutan41510 (@shoutan41510) February 19, 2020
橋本岳は、厚労省の副大臣で、今回の責任者としてふるまっているらしい。で、この人物が有能かというと、上のことからしても無能であることは歴然としている。
経歴は、橋本龍太郎の次男として生まれたあと、父・龍太郎の地盤を継いで政治家になった。典型的な二世議員。親の七光り。政治傾向は、右寄りの保守だ。夫婦別姓に反対で、女性宮家の創設に反対。……いかにも、安倍首相好みだ。だから、イエスマンとして、どんどん抜擢されたのだろう。ろくに知識もないままに。
まさしく、「危機管理のリーダーにはなってはいけないタイプ」の典型だ。反面教師ふう。こういう人物を選ぶところに、安倍首相の「らしさ」があるね。
かくて日本は、バイオテロにさらされたも同然となった。(首相主導で。)
[ 付記 ]
こんなことになる前に、名探偵なら予想しておいてくれ……と思う読者もいそうだ。
私としても、まったく予想しなかったわけではない。シウマイ弁当が消えた時点で、次のように述べていた。
ここからわかることがある。
「クルーズ船の乗客を世話するシステムがまったく機能していない。組織として正常に機能していない」
これはもう、どうしようもない致命的な事態だ、とわかる。
( → 新型肺炎とクルーズ船: Open ブログ 2020年02月13日 )
シウマイ弁当が消えた時点で、事態の深刻さを懸念していた。
ただし、これほどまでにひどいとは、その時点では予想していなかった。そこはちょっと認識が甘かったようだ。
ただし、その後、次の認識をしていた。
とすれば、事実はこうであるはずだ。
「誰かが嘘をついている。事実を隠蔽している」
となると、追及先は「真実を知ること」ではなくて、「嘘を知ること」である。誰かが嘘をついているのだから、その嘘を嘘であると突き詰めることこそ、隠された真相を暴露する手法となる。
以上が私の推理だ。このあとは、現地に名探偵が乗り出して調査しないと、真実はわからないかもね。
( → 消えたシウマイ弁当: Open ブログ 2020年02月14日 )
誰かが隠蔽しているはずだ、と指摘している。
これを読んだ読者は、「へっ。政府の陰謀論かよ。荒唐無稽で、信じられないね」と思ったかもしれない。だが、あにはからんや。まさしく政府による隠蔽行為があったことが、専門家の体験記で判明したのである。「政府が専門家を追い出す」という形の隠蔽行為だ。
Q 船内の夕方の会議で先生が提言をしようとしていたら、出て行くように言われたのですね。
A 検疫所の人に言われました。臨時の検疫官としての資格で入ったのですが、その資格を与えないと言われて降ろされたのです。
( → ダイヤモンド・プリンセス号に乗船した感染症専門医 「感染しても不思議じゃない悲惨な状況」 )
ここで退去の命令を下したのが、橋本岳・副大臣であったことは、先に示したとおり。
というわけで、シウマイ弁当の行方が隠蔽された時点で、ここでは「(政府による)組織的な隠蔽がある」というふうに、私は指摘していたわけだ。
この時点では、犯人については、おおむね当てていることになる。ただし、これほどにも大規模で組織的な悪事がなされているとは、思いもよらなかった。
新型コロナウイルスを大量に培養した上で、検査もしないで、患者を一般社会に放つとは。まさしく、政府によるバイオテロだ。……いかにも安倍首相らしい、とは言えるが。