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(1) 崎陽軒のシウマイ
崎陽軒のシウマイが贈られたのに、それが無駄になったそうだ。
横浜市の崎陽軒が12日、乗客が新型コロナウイルスに感染し、同市の大黒ふ頭に接岸中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に寄付した「シウマイ弁当」4000食が、いまだ乗客に提供されていないことが13日、分かった。
崎陽軒によると「不自由な状況の乗客、頑張っているスタッフを励ましたい。協力したい」という思いから、最初は横浜市港湾局に相談したという。
代理店と調整した結果、納品時間は午前10時、提供するシウマイ弁当の数は乗客、乗員分3800食、支援活動をする医療スタッフ、自衛隊分200食の合わせて4000食と決まった。崎陽軒は配送車で大黒ふ頭に午前10時前には到着し、接岸する船にシウマイ弁当を納品と、決められたとおりに行動。同11時までには船への搬入も済ませたと
( → 崎陽軒クルーズ船に寄付のシウマイ弁当乗客に届かず - 社会 : 日刊スポーツ )
きちんと正規ルートを取って、船に搬入した。なのに最終的には、客には配られないまま、消費期限を迎えてしまった。これを廃棄するために、また余計な手間がかかることになる。
いかにもバカげているが、ここからわかることがある。
「クルーズ船の乗客を世話するシステムがまったく機能していない。組織として正常に機能していない」
これはもう、どうしようもない致命的な事態だ、とわかる。
(2) 下船
乗客を下船させるという方針が示された。
加藤勝信厚生労働相は13日、横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のうち、重症化リスクが高い高齢者らを優先的に下船させる方針を明らかにした。船内に14日間、とどまってもらう予定だったが、健康面で不安がある乗客も多いため、国が用意する施設に滞在してもらう。
優先的な下船の対象は80歳以上の高齢者で、基礎疾患(持病)のある人や窓のない部屋で生活している人に順次、ウイルス検査を実施している。陰性ならば下船させ、国が用意する宿泊施設に滞在してもらう。
( → クルーズ船から高齢者ら下船へ 新たに44人感染 (写真=共同):日本経済新聞 )
これは、悪くはない。ただし、もっと早くやるべきだっただろう。強制隔離なのだから、費用は国の全額負担となるが、それだったら、もっと早めにやるべきだった。
どうせ中国人客のキャンセルが多発したせいで、あちこちのホテルは空室だらけになっているはずだからだ。
「ホテルで感染するだろ!」という反発も出そうだが、いや、大丈夫。この件は、次項で述べる。
(3) NYタイムズ
NYタイムズは日本政府の方針を批判した。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を巡る日本政府の対応について、アメリカメディアから批判が出ています。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズ紙は専門家の見方として、「公衆の衛生に関わる危機について、『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」と伝えました。
ニューヨーク・タイムズ紙は、日本政府の広報の仕方について「信頼を低下させた」とした上で、「すでに汚染されたクルーズ船にこれほど多くの人を閉じ込めておく以外に他の手段があったのではないかと思わせる」と批判しています。
( → クルーズ船の日本政府対応、米メディアが批判 TBS NEWS )
批判するのはいいが、だったらどうするべきだったか、対案を示すべきだ。
どうせなら、「クルーズ船を米国に送るべきだ。われわれが引き取る」と主張するべきだった。しかし、それはできまい。とすれば、ただのエゴで言っているだけだ。
「米国人乗客の健康を守ることが大切だ。だから下船させよ。そのせいで日本にウィルスが蔓延しても、知ったこっちゃない」
という感じだ。米国人のエゴイズムも極まれり。
ま、どうすればいいかというと、たしかに下船させて、ホテルに収容すればいいのだが、「なぜそうなのか」を語るべきだ。あるいは、「乗客を下船させたら、日本国内で感染が広がる恐れはないのか」と語るべきだ。
それもせずに、単に危険を日本に押しつけるような発言は、まったく、無責任すぎる。
【 関連項目 】
ではどうすればいいか、という問題は、次項で述べる。
→ 新型コロナウイルスの危険性 2: Open ブログ
→ https://anond.hatelabo.jp/20200219050922
この状態で、本日、乗客を帰宅させるそうだ。潜在的感染者を市中に拡散するのも同然だと言える。
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ではどうすればよかったかというと、本項に書いてある通り。陸上の施設に分離して隔離すれば良かった。具体的には、各人をバラバラに元の居室に収めるよりは、感染者をまとめて一つの建物に入れ、非感染者をあちこちの建物に分散隔離するべきだった。
両者をごちゃ混ぜにしている現状は最悪だと言えるだろう。このあと、感染者が日本中に拡散される。