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新型コロナウイルスのせいで、中国から観光客が激減して、国内の観光業に影響が出ている。
→ 太宰府「観光客 例年の半分」新型肺炎 消費冷やす :日本経済新聞
→ 新型コロナウィルスで京都が閑古鳥
→ 新型コロナウイルスで中国人観光客「40万人減」の可能性:日経
→ 関西の人気観光スポットにも「新型肺炎」の影響が…日本人観光客までも減少
観光業だけでなく、それに関連して国内の産業の多くに影響が出ており、GDP を低下させそうだ。
→ 新型コロナウイルス・・経済的影響は明らかに甚大
→ 新型肺炎 経済に影響 観光や生産、長期化のリスク懸念 日銀支店分析
→ 新型ウイルス 感染拡大長期化で日本のGDP押し下げ不可避か | NHK
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では、こういう状況で、どうするべきか?
とりあえず WHO の勧告を見ると、こうある。
→ 新型肺炎 WHO事務局長 各国の相次ぐ渡航制限に懸念表明 | NHK
ただしこれは、やや古い(2月5日の)見解であり、また、発表者は中国寄りと見られる事務局長だ。信頼する見解とも言いがたい。
一方で、米国ではインフルエンザが猛威を振るっている。死者多数。
→ 米でインフルエンザ猛威 死者数1万人超え :日本経済新聞
→ 米国でインフルエンザ猛威 死者1万2000人
これを見ると、米国のインフルエンザは、中国の新型コロナウイルスの比でなく、はるかに危険である。中国からの旅行者を入国禁止にするくらいなら、米国からの入国者を入国禁止にするべきだろう。
しかし、そんなことをしたら、とんでもないことになる。勧告客が激減するだけでなく、ビジネス客も途絶えて日米の経済が回らなくなりかねない。また、航空産業や旅行業も壊滅的な打撃を受けかねない。とうてい困難だろう。
そして、そうだとしたら、(より安全な)中国からの入国者を入国禁止にするというのは論理的におかしい。
かといって、いまだに死者が続出している中国からの新型肺炎を甘く見て、水際作戦を解除するというのも問題がありすぎるだろう。
結局、この問題は難解だ。解除するにしても、しないにしても、どっちみち難点が生じる。一律的な解決策などありそうにない。いったいどうすればいいのか?
どうにもわからないので、態度を決めかねていて、中国に近い日本の態度を注視している国も多いそうだ。
中国外交筋は「中東や南米などの国々は、隣国であり衛生管理も優れる日本の判断に注目している。日本は大きなポイントだ」と語る。
( → 「中国外交筋」のサイト内検索結果:朝日新聞デジタル )
ところが、注目されているその日本自身が、態度を決めかねているありさまだ。
いったい、どうすればいい? 困った。
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そこで、困ったときの Openブログ。とりあえず、本サイトなりの案を出そう。
まず、新型コロナウイルスの危険性だが、これは思ったほど危険ではないらしい。
新型肺炎の死亡者の約95%が武漢市がある湖北省で発生し、致死率も3%近いが、湖北省以外の致死率は 0.2%ほどで、インフルエンザとほぼ同じ。日本では今のところ死亡者はいない。東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「湖北省とそれ以外の地域では分けて考える必要がある」と強調する。
( → 武漢、院内感染が深刻 下痢や嘔吐が関係か、スタッフも次々 新型肺炎:朝日新聞 )
湖北省と他では違う、ということが重要だ。
とすれば、とりあえず、「湖北省以外の中国各地は米国レベルだ」と見なしていいだろう。
そして、米国のレベルは、感染者数や死者数が多いとはいえ、普通の年のインフルエンザの場合でも似たことはある。ちなみに、2017〜18シーズンは8万人が死んでいる。
→ 昨シーズンはインフルで8万人が死亡
このときの方が規模はひどかったが、だからといって米国からの旅行者を入国禁止にしたということはなかった。どっちみち日本でも流行していたし、流行を止めるすべなどはないとわかっていた。
以上のことから判定すると、次のように言えそうだ。
「湖北省以外の旅行者は、(中国からであっても)入国禁止にしない方がいい。それは米国からの旅行者を入国禁止にしないのと同様だ」
論理的には、こうするべきだろう。
とはいえ、理屈ではそうでも、今の水際阻止の方針を止めるのは危険そうだ。クルーズ船にも大量の罹患者がいるし、これをそっくり入国させるのも危険そうだ。
やれるべき対策をやめてしまうというのは、いかにも愚かしく見える。
しかし、だからといって、中国人観光客が激減して、観光業が大打撃を受けているという現実にも目を向けるべきだ。
こうしてまた、初めの問題にぶつかる。湖北省とそれ以外とに分けるというのはいいにしても、その先が決まらないのだ。湖北省の分は入国禁止にすればいいにしても、湖北省以外の分についての措置が決まらないのだ。
では、どうするべきか?
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そこで今度こそ、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
湖北省以外については、こうする。
・ 2月中いっぱいは、中国人団体客を入国制限する。ビジネスマンや個人観光客は、入国を許可する。
・ 3月以後では、中国人団体客も入国を許可する。
一方、湖北省の人をどうするかは、3月以後の状況を見て、4月ごろに決める。早くても解禁は4月となる。現実的には、5月に解禁する予定。(4月はまだ寒いが、5月には暖かくなるから)
※ 運用にあたっては、パスポートの国籍で区別するよりは、「現地滞在者」の意味で運用するべきだ。上記では「中国人」というふうに示したが、これは簡易的な表現で、正確には、「過去2週間に中国に滞在した人」と言うべきだろう。
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以上のようにすれば、中国からの観光客が激減するという問題も、あと20日間だけで済む。経済的な困難は、まだしばらく続くが、それも約 20日間だけだ。正確には、起算日は2月11日とすれば、11日から29日までの 19日間だけだ。そのくらいならば、何とか耐えられるだろう。
そして、3月1日になったら、もはや中国からの団体旅行客を解禁していい。そのあとで、たとえ新型コロナウイルスの感染者が流入しても、もはや大流行の危険はないからだ。(潜伏期が過ぎたころには、もはや暖かくなってきているので、大流行はありえない。)また、たとえ感染者が生じても、被害は小さくて済む。
なお、湖北省からの入国者だけは、なおしばらく様子見を続けることになる。解禁は早くても4月で、現実的には5月にするべきだろう。(前述したとおり。)
[ 付記1 ]
湖北省以外の分については、致死率は 0.2%で、普通のインフルエンザ並みだと判明した。(前出)
とすれば、「インフルエンザとあまり違いはない」という私の予想したとおりだった、と言えそうだ。(または、私の予想より危険性が低かった。)
本サイトでは、新型コロナウイルスを「医学」でなく「インフルエンザ」というカテゴリに分類していたが、それでそれでおおむね妥当だったと言える。
ただ、それでも、武漢では多くの死者が出ている。これは、どうしてか?
介護や環境が不十分であるせいで、死に至るのだろうか? 必ずしもそうではないようだ。若い健康気味の死者が出ていることもあるからだ。
とすると、感染の途中で弱毒化したせいで、武漢以外の分は弱毒化したウイルスであるのかもしれない。その一方で、武漢の分は、弱毒化していないウィルスがいまだに蔓延しているのかもしれない。その場合には、武漢の内部で、古いウイルスが弱毒化したウイルスに淘汰されるまで、待つしかないのかもしれない。
( ※ ここははっきりしない。)
[ 付記2 ]
米国のインフルエンザについては、次の情報に着目しよう。
今年のアメリカは過去10年で最悪のインフルエンザシーズンとなっている。特にB型が流行しており、免疫のない小さな子供の犠牲者数が増える傾向にあるという。8200人の死者のうち、少なくとも子どもが54人いるとみられている。
( → 日本でほとんど報道されぬ米インフルエンザ8000人超死亡の大流行 - まぐまぐニュース! )
B型は、あまり流行したことがないので、免疫のない人が多いだろう。心配ならば今からでも、インフルエンザのワクチンを打っておくといいだろう。( B型ワクチンはもともと含まれている。)
今の日本は内需拡大が必須で、日本人の消費が増えれば(消費増税という愚策を繰り返し、デフレを放置し貧困化した日本人は国内旅行ができません)、インバウンドの小銭など全く必要ないと思います。
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
> インバウンドの小銭など全く必要ないと思います。
大規模被害の被害者を救いたい、というのが本サイトの方針です。
台風被害であれ、地震被害であれ、洪水被害であれ、規模でいえば GDP や人口の1%ぐらいの例が多いのですが、だからといって、「日本全体から見れば1%なんて微々たる量だ、知ったことではない」と切り捨てたりはしません。それらの人を見捨てたいとは思いません。
まして、観光業は、GDPの 4%以上になります。携わる人口は5%を超えるでしょう。(人的集約度が高い産業なので。)
ここで、「日本人の消費が増えれば」という、ありもしない仮定で「捕らぬタヌキの皮算用」を根拠に弱者を切り捨てるのは、非論理的です。バブル破裂後 30年たっても不可能だったことが、急に可能になるはずがありません。まして消費税増税でデフレになっているときに。
クラーク・ケントは、世の中で困っている人の声を聞いたとき、すぐに飛び立って、困っている人を救いに向かうんです。たとえたった一人のためでも。国全体にとっては微々たる効果であっても。
観光業ってのは価格の弾力性が高いから、国民が負担した分、観光業に落とす金が減る。
それに観光業なんてダブついてるんだし。質の悪い(≒もともと経営が厳しく、今回の件がとどめになるような業者)所が淘汰されてちょうどいい。
本項では、補助金の話はしていません。
> 観光業なんてダブついてるんだし。
インバウンド需要が急増しているので、ホテル不足がひどくなっている……という昨今の事情を理解しましょう。
あなたの理解は、ずっと昔のことです。そのころから情報が更新されていない。古いPC並みです。頭の内容を、最新状態にアップデートしましょう。
韓国人旅行者が激減した時、野党の「政府の援助を」発言を
麻生財務相が「外国と商売すると言う事は、相手の国情や
状況の変化をリスクとしてふまえてする事ですから、それを
国が補てんすると言う事はおかしいでしょう」と言う趣旨で
たしなめられて、ぐうの音も出なかった内容が放送されてい
ましたね。麻生氏が経営していた麻生セメント自体、80〜
90年代にかけて(その身を削り取るような)凄まじい不況
と合理化を生き抜いてきたところでしたから、野党の方も
それを認識されていたのかと思います。
富士五湖周辺の中国人観光客相手のホテル等は、廃業しかけた
ホテルを中国人事業家が居ぬきで買い取ってリニューアルして
稼いだお金をしっかり還流させているケースが少なくないよう
ですし(華僑の方々というのは本当にしたたかですね。同様に
韓国の方も)、それに国民の税金が実質投入されるのは、
そういった人達をより富ませる結果になるだけではないか、
という感覚はありますね。
>クラーク・ケントは、世の中で困っている人の声を聞いたとき、すぐに飛び立って、
>困っている人を救いに向かうんです。たとえたった一人のためでも。国全体にとっては微々たる効果であっても。
クラーク・ケントが救うのは、実は白人限定なんですけどね。
漫画版から(Wikiでなく、自分で)読んでいるとよくわかりますよ。
だからキャプテン・アメリカなんて派生ヒーローが出てくるんです。
本項では補助金の話はしていないんですが。話は入国規制の件だけです。