2020年02月05日

◆ ゴーン逃亡の理由は愛だ

 ゴーンはなぜ逃亡したのか? ただのエゴや悪徳か? いや、妻への愛が真の理由だろう。

 ──

 ゴーンが逃亡したのは、青天の霹靂(へきれき)ふうの出来事だったと思われている。あまりにも意外であったようだ。
 朝日の記事には、こうある。
 地裁が保釈を決定した当時、特捜部は地裁に提出した意見書で、ゴーンがレバノン大使館に逃げ込む可能性があると指摘していた。またゴーンの資産を百数十億円と推定し、15億円の保釈保証金では逃亡の抑止にならないと考えていた。
 だが世界的な経営者が箱に入って逃亡するとは、誰も想像しなかった。
( → (ゴーンショック 逃亡:上)やっぱりレバノン、後の祭り ゴーン前会長が逃げ込む恐れ、特捜部指摘:朝日新聞

 たしかに、15億円の保釈保証金では逃亡の抑止にならないだろう。その意味では、保釈保証金は少なかった。
 だが、金だけが本当の理由だったろうか? 金を引き上げれば、ゴーンは逃亡しなかっただろうか?
 そもそも、これほどの高名な人物が、自らの名声を打ち捨ててまで、あえて「犯罪者」に身を落とすことを、どうして決断したのか?
 そのことが謎だと思えるだろう。

 ──

 だが、私は前からこの危険を漠然と感じていた。そのわけは、「裁判所がゴーンに、妻との面会を禁じた」ことだ。これはあまりにも厳しすぎるので、とうてい耐えがたいだろう、と想像していた。
 それゆえ、ゴーンが逃亡したあとでは、こう推定した。
 「ゴーンが逃亡した理由は、妻への愛だろう。これだけが決定的な理由となり得る」

 そもそも、ゴーン自身が述べていた「人質司法」は関係ない。なぜなら、ゴーンは人質にされていなかったからだ。人質にされていたのは、保釈される前の段階(拘留中の段階)であるだけだ。保釈後は、勾留されなくなったので、もはや人質にはされていない。ゆえに、「人質司法だから」というゴーンの主張はまったく成立しない。
 しかしながら、少し言葉を変えれば、似たことが成立する。「保釈中ではあったが、妻との面会が禁じられていた」ということがあるからだ。

 ──

 私は以上のように推定していたが、そのことは本日の朝日新聞の記事で確認された。
 ゴーンは自らの記者会見を予告した翌日に別の容疑で逮捕され、再び勾留された。その後の保釈では、事件関係者だとして妻との接触制限が条件に入った。「2人はショックを受けていた。面会できたのは 11月で、パソコン越しに弁護士の立ち会いのもと1時間だけ。次に認められたのはクリスマスイブの1時間。『耐えられない』と言っていた」
 ほかにも様々な「理不尽」がゴーンを追い詰めたと感じているという。
( → (ゴーンショック 逃亡:下)「理不尽」が彼を追い詰めた 弁護人複雑、肯定はしないが:朝日新聞

 「耐えられない」とゴーンは言っていた。たしかにそうだろう。彼はもう高齢で、残る人生は 20年ほどしかなさそうだ。そのうち、10年ぐらいを、妻と会えないまま過ごすというのは、あまりにも厳しすぎる。人生を奪うにも等しい残酷な処罰だ。別に、罪を犯したと確定したわけでもないのに、こんなに残酷な刑を施すのはひどすぎる。( 10年の禁固刑にすら等しい。重すぎる。)

 さらに言えば、裁判所がこれを決めた理由がナンセンスだ。理由は「妻と面会すると、証拠湮滅の恐れがあるから」とのことだった。しかし、証拠湮滅をするのならば、逮捕後(拘留中)にたっぷりと時間があったときに、すでに済ませているはずだ。実際、ブラジルのマンションでは長女が金庫を開けて、書類を持ちだしていたそうだ。
 リオのビーチリゾートであるコパカバーナ海岸近くのマンションのみ、ゴーンの長女が地元裁判所に立ち入り許可を申し立てたのだ。
 「東京拘置所に面会に来るブラジル大使館関係者を通じ、ゴーンが長女に指示を出したと見られます。立ち入りを求めたのはリオのマンションだけですから、そこになにか犯罪を裏付けるような重要書類が隠されていたに違いありません」(同)
 日産も上訴で対抗したが、結局、長女の訴えが認められ、昨年12月13日深夜から14日未明(現地時間)にかけて長女はマンションに入り、荷物を持ち出した。
 「長女は部屋の金庫を開け、二つの書類ファイルを取り出しました。日産が派遣した立会人の弁護士が中身を検(あらた)めたいと要求したのですが、裁判所の執行官が“それは罷(まか)りならん”と却下したのです」
( → [記事全文]塀の中から「ゴーン」が証拠隠滅した重要ファイル 日産は特捜部に不信感 | デイリー新潮

 証拠湮滅はとっくに済んでいる。だから、何カ月も勾留をしつづけたあとで、今さら「証拠湮滅の恐れ」を理由にして、妻との面会を制限しても、何の意味もないのである。(そもそも妻以外との面会は可能だし。)
 結局、裁判所の「妻との面会の制限」は、根拠もない不当な処罰だった。それによってゴーンに長期間の刑罰を科すのと同等の結果となった。1年ぐらいならば我慢できるだろうが、何年も会えないというのはとうてい耐えがたい。妻への愛ゆえに。
 だからこそ、ゴーンは逃亡を決断したのだ。

 ──

 ちなみに、私が同じ立場だったとしても、そう決断したと思う。
 仮にきちんと判決が出て「3年間の禁固」という刑が科されたのならば、その刑には服する。しかし、裁判所の判決もなしに、数年間の禁固と同様に「妻との面会制限」がなされるのは、あまりにも不当だ。禁錮や懲役でさえ、家族との面会は可能なのに、禁錮や懲役でもない保釈中のみで、妻との面会が制限されるなんて。ひどすぎる。
 そして、だとすれば、脱走を決断するのはごく自然なことなのだ。

 なのに、それを理解できない裁判官は、あまりにも非人道的な人間であったということになる。そういうふうに人の心を理解できない愚劣な人間が、あえて裁判官をやっていることが、物事の本質だったと言えるだろう。
 裁判所や裁判官は、猛省するべきだ。
 
posted by 管理人 at 23:00| Comment(2) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>しかし、証拠湮滅をするのならば、逮捕前にたっぷりと時間があったときに、すでに済ませているはずだ。

逮捕されるとわかっていればね。

>実際、ブラジルのマンションでは長女が金庫を開けて、書類を持ちだしていたそうだ。

妻でなくても長女がやっているではないですか。

Posted by つりきち at 2020年02月06日 18:44
逮捕前でなく、逮捕後(拘留中)でしたね。訂正しました。
Posted by 管理人 at 2020年02月06日 21:42
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