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鍼灸というのは、肩こりなどの治療ができるぐらいかと思っていたら、免疫力のアップを通じて、結核の治療という効果が出ているそうだ。特に、高価な薬剤を使えないアフリカでは有効だという。自然治癒の率がかなり向上したそうだ。
これを聞いて思ったのだが、このことは、新型コロナウイルスについても役立つだろう。どうせ治療薬は開発されておらず、自分の免疫力で自然治癒を図るしかないのだ。ならば、免疫力アップをもたらす鍼灸が治療法として有効であるはずだ。(その点では、アフリカ人の結核治療と同様だ。)
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話は上のことで済んでいるのだが、ついでとなる情報も豊富にあるので、続いて解説しよう。
まず、この情報をもたしたのは、NHK の番組だ。
→ 東洋医学 ホントのチカラ - NHK
再放送 - 2020年2月1日土曜 午後4時05分〜 午後4時55分
初放送 - 2019年3月18日
この再放送を、私は見た。(読者は、見たくても、手遅れだ。)
番組の紹介記事は、下記にある。詳しくは、これを見ればいいだろう。
→ 東洋医学 ホントのチカラ?科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ?(2018年9月28日)
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ともあれ、私が見た番組の要旨は、下記だ。
(1) 鍼灸の効果
「鍼灸なんて非科学的なトンデモだ」という見解もあるが、実は鍼灸には科学的な効能がある。針を刺すと、その先で刺激に対する反応で血流が増す。特に、それがツボであると、そこでは血管と神経が密集しているので、血流の増加と神経の緊張緩和がなされるので、鎮痛の効果が生じる。
(2) 経絡
人間の体には、体の神経に沿って、経絡線というものがある。の同一の経絡線の上にあるツボは、離れていても、効果がある。肩こりを改善するには、肩の痛い部分だけを刺激するのではなく、同じ経絡線の上で、離れたところにある、別のツボを刺激するといい。特に、肩こりがひどい人の場合には、上腕の後部のツボを刺激するといい。実際、そこのツボに鍼(はり)を刺したら、ものすごくひどい肩こりが一挙に改善した。それまで首が回らなくて、後ろを向くことができなかったのが、後ろを向くことができるようになった。さまざまな肩こりも激減した。
(3) 美容
女性の美容にも有効だという。顔や頭部に鍼を刺しても有効だが、全身に鍼を刺しても有効だ。女性アナが実体験をしていた。
(4) 頻尿
女性は夜間の頻尿に悩むことが多いそうだが、これにも鍼灸が有効だったという。夜間に6回の排尿が0回になったという。
方法は、小さなローラーを使って会陰を刺激する……というものだが、ちょっとエッチな感じがする。人には見せにくいので、たぶん自分でやったのだろう。(ここは録画を早送りしたので、詳しく見なかった。)
(5) 耳のツボ
耳のツボで鎮痛することもできる。東洋医学に基づいて、米軍の医学研究者が開発したそうだ。耳のツボは 200以上もあるが、そのうち5つのツボに絞って、独特の小さな鍼を指すことで、痛みが激減するようになったそうだ。
それまで激痛に苛まれたせいで、何もすることができなった、という米軍の兵士が、鍼を刺したとたん、痛みが激減して、生活に不自由がないレベルになったという。(これまでは激痛だったのに、わずかな痛みを感じるだけになったそうだ。)
鎮痛剤も使わずに、圧倒的な効果を生じたことになる。というか、鎮痛剤をはるかに上回るね。
(6) 結核
鍼灸で結核の治療の効果が出た。鍼灸により、免疫力アップを通じて、結核の治療の効果が出た。(先に述べたとおり。)
ツボは、足の膝の下にある「足三里」というツボだ。
→ 画像検索
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以上で、番組紹介は終わり。
[ 付記 ]
鎮痛効果が大きいということなので、これを利用して、癌の患者に役立てることもできそうだ。
癌の患者は激痛に悩むことが多くて、たいていはモルヒネを使うが、モルヒネには副作用もある。特に、眠気は問題だろう。また、禁断症状が出るという問題もある。
その点、鍼灸ならば何も副作用はない。だから、癌の患者には、鍼灸が有効だと思える。特に、米軍の開発した方法がいい。この方法は、一般の鍼灸の施設では利用されていないので、新たに導入するような努力ないし政策が望まれる。
【 関連項目 】
鍼灸は、とても有効なのだが、西洋医学を信奉している通常の医者は、あまり鍼灸というものを信じないようだ。特に、「鍼灸はトンデモだ、ニセ科学だ」という主張をする人(サイモン・シン)がいて、それを信じる医者も多い。
「鍼の効果には科学的根拠がなくプラセボー効果に過ぎない。」といった内容が『代替医療のトリック』(サイモン・シン)に記載され、鍼治療に対する不信感が世界を駆け巡りました
( → 鍼灸治療はプラセボー効果ではなく、本当に効く )
この件は、本サイトでも以前、別項で論じた。そちらを参照。
→ ツボと鍼灸: Open ブログ
→ 鍼灸はトンデモ?: Open ブログ
→ はり治療の科学(ガッテン): Open ブログ
※ 最後のリンクで紹介したのは、NHK ガッテンの番組だが、本項で言及した番組とは違う番組だ。
[ オマケ ]
ツボのマッサージで気持ちよくなる例。

【 追記 】
鍼灸の効果について、イメージ的に説明しよう。
私は先日、ドライヤーを使おうとしたら、うまく使えなかった。ドライヤーの電源コードがグルグルと絡まっていて、ドライヤーを手元まで近寄せることができなくなっていたのだ。
そこで、絡まっていたコードをうまく解きほぐしたら、コードがまっすぐに伸びたので、ドライヤーを手元まで近寄せることができるようになった。
鍼灸もこれに似ている。コードが絡まっているように、神経が凝り固まったような状態にある。神経が緊張しっぱなしになっている。そのせいで、筋肉が固くなって、血流が滞りがちになる。
そこで、鍼灸でその箇所(つまりツボ)を刺激すると、緊張しっぱなしになっている神経がほぐれて、神経が凝り固まった状態がほぐれる。そのせいで、筋肉は固さがほぐれるし、血流もきちんと進むようになる。こうして問題が解消する。
このようなことは、個人別に起こることだ。それぞれの人ごとに、異なる場所でそのことが起こる。起こる場所が「ツボ」と呼ばれる。あるいは、それの経絡線の上にある別の場所が「ツボ」と呼ばれる。
そして、その「ツボ」を無視したまま、西洋医学の方法で判定して、「鍼灸は無効だ」というふうに判定したのが、サイモン・シンだった。まるで、「自動車修理の有効性を、西洋医学で判定する」というような、場違いの方法を使ったわけだ。
いちいち私にケチを付ける前に、ググればすぐにわかることなんだが。
ググる能力もないらしいから、仕方ない、私がググって、該当箇所を引用しておきました。【 関連項目 】の途中に、加筆しておきました。そこを読みましょう。
→ http://natrom.hatenablog.com/entry/20100208/p1
その理由が「二重盲検法うんぬん」ということだが、その理由そのものが成立していないということを、私は指摘した。
→ http://openblog.seesaa.net/article/464237215.html
それは正しい。ただし、正確に言えば、「その当時の科学では、鍼の効果を確認できなかった」というだけのことだ。
一方、21世紀になって、科学が発達すると、最新科学の機器を使うことで、鍼の効果が科学的に判明するようになった。(疫学的に推定されるのではなく、細胞レベルで生理学的に解明された。)そのことが、NHK ガッテンや、本項の番組などで、最新の科学的成果として知られるようになった。
そこで、その最新の科学的成果を、本サイトで何度か紹介しているわけだ。
( 読んでも理解できない人もいるようだが。)
スポーツ選手で鍼灸はドーピングにかからないから
疲労回復には効果があるみたい
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