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新型コロナウイルスについては、昨日まで WHO は、「緊急事態」の宣言を見送っていた。
それを受けたこともあって、感染症に詳しい岡部信彦という人が見解を述べた。
→ 新型コロナウイルス どれぐらい警戒したらいいの? 感染症のスペシャリストに聞きました
「あまり大騒ぎをする必要はない」という趣旨らしいが、緊張感が弱い。これを読んで、これを支持する人が、はてなブックマークでは多かった。
→ はてなブックマーク
しかし、岡部信彦という人は、2009年の豚インフルエンザのときには、とんでもない発言をしていた。死者が続々と出たのを見て、世間は大騒ぎしていて、岡部信彦も大騒ぎをしていた。「そんなに騒ぐな。騒ぎすぎると、過剰反応のせいで、かえって死者を増やすことになる」という私の主張とは正反対だった。
→ なるべく休校するな: Open ブログ
それからしばらくして、大騒ぎが鎮静化すると、岡部信彦も「騒ぐ必要はない」というふうに態度を 180度転換した。だが、そういうふうに方針転換したことについては、何も説明しなかった。(「私は間違っていました」と認めることができなかった。)
この件は、私は当時、批判した。
→ 情報センター長の能天気: Open ブログ
政府のインフルエンザ対策のトップに相当する岡部信彦が、こんな状態だったのだから、まったく困りものだった。
で、今回の新型コロナウイルスでは、当時とは逆に、「大騒ぎするな」と言っているようだが、これも胡散臭い。WHO が「緊急事態」の宣言を見送っていたことについても擁護していたが、無責任ふうの態度に見えた。
さて。そのあと、本日になって、WHO は「緊急事態」の宣言をした。
→ WHOが「緊急事態」を宣言 新型ウイルス、感染18カ国に - BBCニュース
→ WHOが緊急事態宣言、新型コロナウイルスで | ロイター
→ 新型コロナウイルスの「国際緊急事態」宣言で、いま世界が最も懸念すべきシナリオが見えてきた|WIRED.jp
→ WHO緊急事態宣言、新型ウイルスで−米国は中国渡航回避を勧告 - Bloomberg
→ 新型肺炎 緊急事態宣言ってどういうこと? Q&Aで記者解説 | NHK
これらを見ると、非常に大きな問題であるようにも見える。豚インフルエンザのときよりもひどいようにも見える。
では、どのくらいの危険度があるのか?
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まずは、データを示そう。致死率については、次の報道がある。
WHOは新型コロナウイルスによるものとみられる肺炎の致死率を3%程度と推定している。季節性インフルエンザの0.1%未満と比較すれば高い割合だが、SARSの約10%、エボラ出血熱の約50%、MERSの約35%と比べると低い。
( → 新型コロナウイルスについて知っておきたい20のこと(随時更新):日経ビジネス電子版 )
インフルエンザに比べて死亡率が高いのは、サイトカイン・ストームをもたらして、肺炎を発症させるからだ。こうなると、致死率が高くなる。
サイトカイン・ストームについては、前に言及したことがある。
→ サイトカイン・ストームと薬: Open ブログ
→ 強毒性と致死率: Open ブログ
サイトカイン・ストームを発症させない薬があればいいのだが、当時も現段階でも、そういう薬は見つかっていないようだ。(せいぜい実験室レベルで若干の効果が認められるぐらいであり、とうてい治療薬となるレベルになっていない。)
ただし、インフルエンザに限っては、インフルエンザ・ウイルスを攻撃することで、間接的に病状を改善することができつつある。そのための薬剤も多用にある。(特にラピアクタ[ペラミビル]は重症者に効果が高いようだ。)
とはいえ、今回の新型コロナ・ウイルスについては、インフルエンザ用の薬は効果があるとは認められていないようだ。せいぜい、HIV の治療薬(抗ウイルス薬)が、いくらか効果があるらしい、という程度だ。
→ 新型肺炎には抗ウイルス薬を: Open ブログ
→ 新型肺炎ウイルスの薬: Open ブログ
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以上の情報を受けたあとで、以下では、私なりの判断を示そう。これは、専門家の意見の紹介ではなくて、私の個人的な見解である。ただ、私の個人的見解ではあるが、その多くは専門家の見解と重なるので、ただの素人判断ではない。
まず、基本的な原理として、次のことがある。
感染症の危険度は、症状の重さと、感染力の大きさという、二点で決まる。症状が重くて、感染力が強いと、危険な病気となる。
ただし、症状の重さと、感染力の大きさは、通常、反比例の関係にある。症状の重い病気では、感染力が低い。症状の軽い病気では、感染力が強い。
どうしてそうなのかというと、次のことがあるからだ。
「症状の重い病気では、感染してすぐに症状が悪化して寝込むので、他人に接する機会が減る。それゆえ、広範に感染しない。一方、症状の軽い病気では、感染しても症状が悪化しないので、寝込むこともなく、あちこちに出向く。そうして感染者があちこちに出向くことで、ウイルスをあちこちにばらまく」
こういう理由で、症状の重さと、感染力の大きさには、通常、反比例の関係が成立するわけだ。
ただし、この反比例の関係は、数式で示されるような厳密なものではない。おおまかな傾向と言えるぐらいだ。現実には、症状が重いのに、感染力の強い病気もある。HIV はその典型だろう。症状がかなり重篤なのに、感染者は非常に多い。一時は「人類を滅ぼす病気」のようにも思えて、世界を震撼させた。
ただし、今日になると、薬もかなり発達してきたので、HIV を治療することも可能になりつつある。ここでは、日本人研究者の貢献が非常に大きかった。
→ 満屋裕明 - Wikipedia
( ※ この人、ノーベル賞を受賞してもいいのだが、もらえていない。そのうちもらえそうだという予想もある。ググればわかる。)
その HIV の薬が、新型コロナウイルスにもいくらか有効だということだから、 HIV の薬をいくらか改造することで、新型コロナウイルスにもうまく適用できる新薬が開発されるかもしれない。
ただし、それは今すぐのことではなく、数年後になりそうだ。
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さて。以上のことを踏まえた上で、私としては、次のように結論を下したい。
新型コロナウイルスの致死率は3%程度らしい。この数値は、インフルエンザよりはかなり高いが、10%を上回るような致死率の高い病気とは違う。死ぬ患者の大部分は、高齢者や、他の病気に罹患している虚弱者だろう。(たとえば糖尿病の患者や、免疫力の弱まっている病人)
したがって、高齢者ではない一般の健康な人であれば、自己の免疫力のおかげで、死を免れることができるだろう。実際、感染しても、自然治癒する人が圧倒的に多いのだ。致死率3%であるならば、残りの 97% は死ぬことなく自然治癒するからだ。
とすれば、大部分の人は、特に騒がなくてもいいのである。「新型コロナウイルスは、さして危険ではない」と判断してもいいだろう。
ただしそれは、「何もしないで無為無策でいい」ということを意味しない。人々は、なすべきことが二つある。
第1に、予防だ。マスクと手洗いを丹念に行うことで、予防に努めるべきだ。特に、手洗いは重要だ。手洗いの重要性を理解できていない人が多いので、「手洗いはすごく重要だということが科学的に判明している」と理解して、手洗いに努めよう。特に食前には、丹念に手洗いする必要がある。また、手洗いのあとで、手を拭くときには、汚れたタオルなんかを使ってはいけない。タオル経由で感染することもあるからだ。
第2に、免疫力アップだ。そのためには、十分な睡眠を取るべきだ。また、仕事のやりすぎで肩こりが生じるような事態もまずい。疲労困憊になると、免疫力は低下するので、疲労が溜まらないようにしよう。……このことは、新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザの対策にもなる。
( ※ 新型コロナウイルスには感染しなかったが、インフルエンザウイルスに感染して、死んでしまった……というようなことになったら、笑い話にもならない。)
予防と免疫力アップ。この二点が重要だ。大騒ぎして不安になるべきではないし、楽観して無為無策でいるべきでもない。きちんと警戒しながら、ちゃんと対策を取ろう。それが私のお薦めだ。
【 追記 】
死者の大部分は高齢者であることが判明した。
1月30日までに亡くなった213人のうち、地方政府の発表や報道で、年齢や性別などがわかる54人分の個人データを朝日新聞が集計した。平均年齢は70歳で、65歳以上が約8割を占めた。
( → 新型肺炎死者、高齢者多い傾向 中国で発表・報道、54人のデータ集計:朝日新聞 )
この件では、先に次のように述べた。
死ぬ患者の大部分は、高齢者や、他の病気に罹患している虚弱者だろう。(たとえば糖尿病の患者や、免疫力の弱まっている病人)
これがはっきりと数字で裏付けられたことになる。
高齢者でもなく、免疫虚弱者でもないような、普通の人であれば、特に心配する必要はないわけだ。普通の人にとっては、インフルエンザと同程度の危険性だと考えてもよさそうだ。
>新型コロナウイルスの致死率は3%程度らしい。
一般に言われていますが、
そのデータは、主にパニック的な医療システム崩壊地域のものに依存していますので、大幅に低下すると思われます。
1%くらいに・・・
健康な人にとっては、それほど恐ろしくないことが、何となく分かりますけど、拡大中の感染力が心配ですね!
今年はオリンピックを控えているので、それまでに収束することを願うだけです。
危機管理能力のない日本(小池都知事?)が、ネットの情報を、デマの一言で片付けてるのも心配・・・
死者の大部分は高齢者である……という話。
何がデマで何が真実なのかを
政府が発表すべきと思いますが、
政府職員自身が正しい情報を
つかんでいませんね。
まぁ、いつものことですが…。
日本は情報に弱すぎです。
カレトラ配合錠『ロピナビル/リトナビル』を2錠と、吸引機器『ネブライザー』で投与される『アルファ・インターフェロン』を、1日2回服用したところ、非公式の情報でありながらも、翌日には、『解熱(げねつ)、寛解(かんかい)』となったということです。
https://junabroadinfo.com/incident/coronavirusremedies/
上からの引用ですけど、ほぼ管理人さんの見解通り!