2020年01月25日

◆ 廃棄 SSD の処分方法は?

 廃棄 HDD の情報漏れが問題となったが、近年のパソコンでは、HDD よりも SDD が増えている。では、廃棄 SDD を、どう処分するべきか?

 ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2020-01-26 です。)


 HDD ならば釘などによる物理的破壊によって一瞬で片付くが、SDD はメモリを一つずつ破壊する手間がかかるので大変だ……という趣旨の記事があった。
  → (データはどこへ HDD流出)記憶媒体、消去にひと手間 主役「SSD」穴開け大変、磁気装置も使えず:朝日新聞

 SSD の内部は、メモリがいっぱい並んでいる。
  → http://j.mp/30YoQFM (画像一覧)

 これらの一つを物理的に破壊しても、他のメモリは無事なので、そこから情報を抜き取ることができる。だから、一つずつ破壊するしかないらしい。それは面倒だ。

 記事では、「物理的な破壊は大変なので、ソフト的に消去することになる」という話があったが、それでは、消去ができたかどうかの確認が不十分なので、流出の危険は増える。先の盗難事件と同様のことが起こる危険は高い。
 困った。どうする? 

 ──

 一方で、神奈川県は、HDD の処分に対して、次の新方針をとることにした。
 「(県職員が)専用ソフトでデータを完全消去したあとで、(事業者が)専用装置で電磁気的に記録を破壊し、さらに物理的に HDD を破壊する……という三段構えで完全処分する」(朝日新聞・地方版 2020-01-25 )

 これなら大丈夫だ、と思っているのだろう。だが、とんでもない。一番肝心なところが抜けている。
 「(事業者が)そのことを実行するという保証がない」

 つまり、事業者の段階で、先の盗難事件と同様のことが再発する危険がある。先の盗難事件では、「スクラップにする」という処理方法がまずかったのではない。「処理するという確認が抜けていた」という点が問題だったのだ。
 なのに、肝心のその点をなおざりにして、処理方法だけを「スクラップ化」から「電磁処理と物理的破壊」に変更しても、それでは安全上の対策にはなっていないわけだ。
 これじゃ、「頭隠して尻隠さず」ふうの尻抜け対策だ。先の盗難事件の何が問題であったかを、まったく理解できていない。だから、こういうトンチンカンな対策をして、自己満足する。

 ──

 では、どうすればいいか? それは、先の項目で述べた通りだ。
 神奈川県や総務省は、「職員が物理破壊を確認する」という。しかし、そんなことは無駄だから、やめるべきだ。むしろ、「情報漏洩があったら莫大な違約金を徴収する」という契約を結ぶべきだ。
( → HDD転売で情報漏洩: Open ブログ

 神奈川県の責任も大きい。特に問題なのは、「流出時の違約金」という対策を取っていなかったことだ。このことで、流出を未然に防ぐ体制ができなかった。
( → HDD転売:原因と対策: Open ブログ

 では、どうすればいいか? いちいち法的手続きなんかをしないで、「違約金を払え」と後付けでの理屈で請求すればいい。
( → HDD 転売に損害賠償請求: Open ブログ

 (流出したら)違約金を払うという契約を結ぶこと。これが最も重要だ。違約金が巨額であれば、会社側は否応なしに、十分な対策をするからだ。

 ──

 話は HDD でなく SSD でも同様だ。違約金を払うという契約を結ぶことが大事だ。そのことで流出の危険は著しく下がる。



  【 補説 】
 HDD や SDD を出す自治体の側としては、上のように「違約金を払うという契約を結ぶこと」で安全対策ができる。
 ただし、それとは別に、技術的に「 SDD の廃棄を上手にやる」という問題も考えられる。これは技術的・工業的な問題だ。

 そもそも SDD のメモリは、貴金属が使われており、リサイクルの対象となる。(都市鉱山とも言われる。PPM 単位ではあるが、地下の金属鉱脈よりも、金の含有濃度は高い。)
 早稲田大学の大和田秀二教授は実証実験の結果に、驚きを隠さない。焼却灰から選別した粒径が2〜4ミリメートルの原料に含まれている金の含有率は220PPM(PPMは100万分の1)という高さだったからだ。
 金鉱山で鉱石1トンから採れる金の量は平均すると3グラム程度とされ、含有率にすると3PPM。世界で最も高品質の金鉱山のひとつとされる日本の菱刈鉱山(鹿児島県伊佐市)でも1トンあたり30〜40グラム程度にとどまる。
( → 五輪メダルで注目の「都市鉱山」 一般ゴミも宝の山?|オリパラ|NIKKEI STYLE

 一般ゴミでさえ、これほど高い濃度だ。まして、リサイクルされた SDD であれば、その金の含有率は非常に高いはずだ。

 となると、その SSD をそっくりそのまま粉砕して、熔解しても、金をうまく回収できるだろう。
 だが、もっとうまい手がある。こうだ。
 「 SSD からメモリを簡単に取り外すことができるように、SSD の内部設計であらかじめ考慮しておく」


 たとえば、ドライバー1本で、SSD から、
  ・ ケースを開ける
  ・ 基板を取り外す

 という処理が 10秒でできるようにすれば、SSD を処理して、メモリ基板をたくさん集めることができる。

 こうすれば、容易に宝の山が得られるから、「部品を盗んで売ろう」という従業員が現れないように、会社の側で「宝の山を盗まれまい」とする努力をするようになるだろう。



 [ 補足 ]
 なお、メモリ基板をたくさん集めたあとは、次の処理をするといい。
 「基板をまとめて塩水にひたしておく」


 なぜなら、こうすれば、情報の回収はできなくなるからだ。
  → 海水浴、iPhone水没。海水は恐ろしい。復旧不可能。:データサポート

 海水(≒ すごい高濃度の塩水)に、2日間、iPhone をつけておいたら、集積回路の端子が溶けてしまったそうだ。これではもはや復活不能となる。
 こうして集積回路を無効化したら、あとは真水で洗えば、塩分がほとんどない集積回路が得られる。(無効化された状態で、)
 これを都市鉱山として利用すればいい。

posted by 管理人 at 16:00| Comment(6) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハンダが溶けて米粒みたいなコンデンサが落ちたんじゃないの
(人間の手ではハンダ付け出来ないと思う)
メモリからでてる端子は海水に2日くらいじゃ溶けないと思う
錆びるけど
Posted by 老人 at 2020年01月29日 07:47
追記
コンデンサが落ちたのは修理業者が何かで引っ掛けて落とした
可能性も有ります
それからメモリは電源供給端子に過剰電圧をかければ多分壊れます
HDDは制御基板が壊れても中の記憶媒体に傷がなければ
データ修復できます
Posted by 老人 at 2020年01月29日 08:00
電子レンジでチンでいいかな
Posted by レオマ at 2020年01月29日 20:48
 電子レンジに金属を入れると、発火して、火災になる恐れがあります。

  http://kaden.pcinformation.info/microwaveoven-metal.htm
  https://logmi.jp/business/articles/125225
  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191127/k10012193471000.html
Posted by 管理人 at 2020年01月29日 22:31
初めて書き込みさせ頂きます。
専門はメカですが、仕事上エレキも使うので少々意見させて下さい。

老人さんも仰っていますが、海水では端子は短時間では溶けないと思います。
恐らく、海水でショートしたコンデンサが破裂し、それによって漏れた電解液が端子を溶かしたのではないでしょうか?

メモリの破壊方法ですが、海水に入れるよりは、炉に入れて熱するのが良いかと思います。
焼却炉である必要はないです。半導体は熱に弱く、200℃程度まで熱すれば、物理的に壊れるはずです。
Posted by メカ屋 at 2020年02月03日 08:35
>たとえば、ドライバー1本で、SSD から、
・ ケースを開ける
・ 基板を取り外す
という処理が 10秒でできるようにすれば

そもそも最近のSSDは最初からケースには入っておらず基板むき出しですね
Posted by レオマ at 2020年02月03日 20:18
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